こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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97、どんな服がいい? 斗真side

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少し落ち着いたみたいで一緒にテレビを観ている。

メールで透に奏くんが俺の家に来ることを伝えると<了解!>とだけ来た。


クイクイ

「どうした?」
服を引っ張られ下を見ると奏くんがじっと見つめていた。

目が合うとゆっくり俺の胸に顔を押し付ける。

「大丈夫、大丈夫」

優しく頭を撫でると頷く。
落ち着いたらまたテレビを観る。


そういえば奏くんの服買ってなかったな。
服屋に行くのは難しいしネットでいっか、スマホで色々探してみる。
奏くんのサイズってどのくらいだろう。

「ちょっと見してね。」

首元のタグを見たら130だった。
11歳男子の平均身長は140か…まぁちょっと小さいくらいかな。

130、130、
どういう服が好きなんだろう。
持ってるのはトレーナー2着かぁ、
着やすくて動きやすいのがいいよな。


「奏くん、どんな服が着たい?」

「え…服…どんな………」

「難しか、例えばこんなのとかこんなのとか」

最近の子供服っておしゃれだな~

「奏くんの服を買おうと思うんだけど気に入ったのあった?」

「僕の?」

「うん、奏くんの」

「…斗真さんの…帽子付いてるの…がいい…」

「パーカー?何色がいい?」

「…わかんない…」

「好きな色ある?」

「水色…好き」

「水色か、じゃあこういうのはどう?」

水色のパーカーを見せる。
胸元に白で英語が書かれててシンプルだけどおしゃれ

「うん、」

「これにする?」

「お金…」

「お金は気にしなくていいの。じゃあ1つはこれにしよっか、他どんなのがいいかな。」

「……」

表情を曇らせている。やっぱりお金が気になるか、今までプレゼントとかされたことないんだろうな。

「一着俺が奏くんに着て欲しいのにしてもいい?」

「着てほしいの?」

「うん、これなんだけどどう?」
青のグラデーションのトレーナー

「うん、」

「じゃあ~他は何にしようか、これも良いね。似合いそう。」



服やズボンあとパジャマも何着か購入した。

「届くの楽しみだね。」

コクリ

「斗真さん…」

「ん?」

「斗真さん…ありがとう」

「どういたしまして、」

選んでる間は少し暗かったけど、穏やかな表情になった。
喜んでくれたかな。


「他欲しい物あるか?」

「ない」

「本当に?」

「ほんと」

はっきりと言いきられた。

「そっか、欲しい物があったら遠慮せずに言ってな。」

コクリ

「よし、」

頭をわしゃわしゃすると嬉しそうに目を細めた。
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