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89、寝るのが怖いか… 斗真side
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眠るのが怖いか…
もう奏くんに危害をくわえる人はいない。
そんな事を言ってもきっと信じないし、安心もできないと思う。
殴られることが普通の環境で過ごしてきたんだ。
人を信用するよりも自分を守る事が優先の環境だったんだろうな。
「痛くない。痛くない。」
頭を抱えて悶える奏くんの手を優しく撫でて髪から手を離させる。
「大丈夫、大丈夫だよ。」
髪に指を入れて撫でるといくつか手触りに違和感がある。
風呂で頭を洗ってる時にも気づいた。
丸い火傷の痕、もしかしてとは思っていたけどやっぱりタバコか…
「痛い…」
「もう痛くないよ、大丈夫だよ。」
思い出すと痕が痛むのか…
痛いと涙を流す姿に心が押し潰されそうでぎゅっと抱きしめる。
無力さが心を占める。
「斗真さん…」
「ん?どうした?」
「大丈夫、大丈夫、」
さっきまで「痛い」と泣いていた奏くんが「大丈夫」と言って俺の頭を撫でる。
「どうした?」
その行動の意味が分からない。
「斗真さん…痛い?」
「え?俺は痛くないよ。」
「辛い顔…」
「あ、ごめん、俺は大丈夫だよ。」
顔に出てたのか、俺が奏くんに慰められてどうすんだよ。
「大丈夫」と言っても「痛いどこ?」と言って色んなところを撫でてくれる。
「ありがとう。もう治ったよ。」
「ほんとに?痛いもうない?」
「うん、もうないよ。ありがとう。」
「よかった…痛い辛い…僕知ってる。」
「そうだね。痛いと辛い以外もこれから一緒に知っていこうね。」
ギューッと抱きしめてそのまま布団に横になる。
お腹をピタッとくっ付けて布団をかぶる。
「怖い夢見てたら起こしてあげるから寝ようか、」
「おはなし…」
「お話?」
「まだお話したい…」
「でももうお目目は眠たいって言ってるよ。」
さっきからさすがに眠たいようで瞼と戦っている。
「続きは夢の中でお話しようか、」
「斗真さん夢出てくる?」
「俺とお話したいなって思ってたら出てくるかも、」
「お話したい、お願いする。」
「うん、じゃあまた夢の中で会おうね。」
「うん、」
「おやすみ」
「おやすみ…なさぃ…」
目を閉じるとすぐに寝息に変わった。
もう22時、今日はいっぱい頑張って疲れたね。
俺もそのまま目を閉じた。
夢の中で会えるかな。
もう奏くんに危害をくわえる人はいない。
そんな事を言ってもきっと信じないし、安心もできないと思う。
殴られることが普通の環境で過ごしてきたんだ。
人を信用するよりも自分を守る事が優先の環境だったんだろうな。
「痛くない。痛くない。」
頭を抱えて悶える奏くんの手を優しく撫でて髪から手を離させる。
「大丈夫、大丈夫だよ。」
髪に指を入れて撫でるといくつか手触りに違和感がある。
風呂で頭を洗ってる時にも気づいた。
丸い火傷の痕、もしかしてとは思っていたけどやっぱりタバコか…
「痛い…」
「もう痛くないよ、大丈夫だよ。」
思い出すと痕が痛むのか…
痛いと涙を流す姿に心が押し潰されそうでぎゅっと抱きしめる。
無力さが心を占める。
「斗真さん…」
「ん?どうした?」
「大丈夫、大丈夫、」
さっきまで「痛い」と泣いていた奏くんが「大丈夫」と言って俺の頭を撫でる。
「どうした?」
その行動の意味が分からない。
「斗真さん…痛い?」
「え?俺は痛くないよ。」
「辛い顔…」
「あ、ごめん、俺は大丈夫だよ。」
顔に出てたのか、俺が奏くんに慰められてどうすんだよ。
「大丈夫」と言っても「痛いどこ?」と言って色んなところを撫でてくれる。
「ありがとう。もう治ったよ。」
「ほんとに?痛いもうない?」
「うん、もうないよ。ありがとう。」
「よかった…痛い辛い…僕知ってる。」
「そうだね。痛いと辛い以外もこれから一緒に知っていこうね。」
ギューッと抱きしめてそのまま布団に横になる。
お腹をピタッとくっ付けて布団をかぶる。
「怖い夢見てたら起こしてあげるから寝ようか、」
「おはなし…」
「お話?」
「まだお話したい…」
「でももうお目目は眠たいって言ってるよ。」
さっきからさすがに眠たいようで瞼と戦っている。
「続きは夢の中でお話しようか、」
「斗真さん夢出てくる?」
「俺とお話したいなって思ってたら出てくるかも、」
「お話したい、お願いする。」
「うん、じゃあまた夢の中で会おうね。」
「うん、」
「おやすみ」
「おやすみ…なさぃ…」
目を閉じるとすぐに寝息に変わった。
もう22時、今日はいっぱい頑張って疲れたね。
俺もそのまま目を閉じた。
夢の中で会えるかな。
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