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87、頑張った? 奏side
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薬、体おかしくならなかった。
しかもほんとにさっきより痛いのなくなった気がする。
怖くなくなったから斗真さんにアニメ観たいってスマホを指さしたら見してくれるって言ってくれた。
テレビで見してくれるって言うから急いでテレビの前のソファーに座った。
後から斗真さんも隣に座ってアニメをつけてくれた。
どうぶつさんのお話。
見てたら物語の世界に吸い込まれるような感じがしてあっという間に時間が過ぎていっちゃう。
もう終わっちゃった。
なんだか寂しくなって斗真さんを見つめる。
「終わったね。おいで、」
ぎゅーってしてもらって心が落ち着いていく。
「そろそろ寝ようか、」
フルフル
やだ…
寝る…怖い…
寝てる間に痛いことされたらどうしよう、夢の中で怖いことされたらどうしよう。
寝ることは怖いこと。
「まだ眠くない?」
コクリ
「じゃあお布団でゆっくりしようか、そしたら眠たくなるから。」
「おやすみ~」
美香さんに言われてコクリと頷く。
「おやすみ、」
布団に連れて行かれて、斗真さんと向き合うようにして上に乗る。
「今日も一緒に寝る?一人がいい?」
「……いっしょ…」
「分かった。良いよ。」
斗真さんと2人になると喉の締め付けがなくなって声が出る。
「おいでー」
ぎゅーってしてもらって背中と頭を撫でてくれる嬉しくて斗真さんの胸に顔を擦り付ける。
「今日はいっぱい頑張ったね。」
キョトン
今日頑張ったこと…
「朝からお風呂入って、俺と同じご飯食べて、病院にも行ってちゃんと診察受けれたし、お昼ご飯も同じの食べれたでしょ、それから夜もお風呂も入って、夕飯も同じの食べて、しかも薬もちゃんと飲めた。7つも頑張ったんだよ。頑張ったね~偉かったね。」
指折り数える斗真さんの手をじっと見つめていっぱい頑張ったと実感する。
その時その時精一杯過ぎて振り返れていなかった。
「頑張ったね、」
頑張った…
「偉いね、」
偉い…僕…頑張った…
「うっ…っ……んぅ…」
「奏くんすごい頑張ったよ。頑張ったね。」
斗真さんにたくさん認めてもらって頑張っていっぱいいっぱいになっていた心から涙がたくさん溢れてきた。
「今日はたくさん頑張って、たくさん我慢してたもんね。大丈夫、大丈夫、いっぱい泣いていいよ。大丈夫、大丈夫、」
初めてこんなに人に認められた。
今までいくら頑張ってもいくら我慢してもそれを認めてくれる人なんていなかった。
頑張ることが当たり前頑張らないと我慢しないとお金を貰えない。
心に嫌なこと全部溜めて、溜めて溜めて溜めて
吐き出す方法も忘れて心を押し殺していた。
だから…初めてだった。
頑張ったことを認めてくれて吐き出させてくれた。
でも、吐き出し方を知らないから涙の止め方も分からなくて胸が苦しくなってしまう。
「大丈夫、大丈夫、ゆっくり深呼吸しようね。」
涙に嗚咽やしゃっくりが混じりなかなか深呼吸ができなくて余計に焦ってしまう。
「ゆっくりでいいよ。ゆっくり-、大丈夫、大丈夫、」
斗真さんの服を握りしめ必死に息をする。
「そうそう、上手だよ。大丈夫、大丈夫、」
結構時間がかかったけど少しずつ落ち着いていった。
しかもほんとにさっきより痛いのなくなった気がする。
怖くなくなったから斗真さんにアニメ観たいってスマホを指さしたら見してくれるって言ってくれた。
テレビで見してくれるって言うから急いでテレビの前のソファーに座った。
後から斗真さんも隣に座ってアニメをつけてくれた。
どうぶつさんのお話。
見てたら物語の世界に吸い込まれるような感じがしてあっという間に時間が過ぎていっちゃう。
もう終わっちゃった。
なんだか寂しくなって斗真さんを見つめる。
「終わったね。おいで、」
ぎゅーってしてもらって心が落ち着いていく。
「そろそろ寝ようか、」
フルフル
やだ…
寝る…怖い…
寝てる間に痛いことされたらどうしよう、夢の中で怖いことされたらどうしよう。
寝ることは怖いこと。
「まだ眠くない?」
コクリ
「じゃあお布団でゆっくりしようか、そしたら眠たくなるから。」
「おやすみ~」
美香さんに言われてコクリと頷く。
「おやすみ、」
布団に連れて行かれて、斗真さんと向き合うようにして上に乗る。
「今日も一緒に寝る?一人がいい?」
「……いっしょ…」
「分かった。良いよ。」
斗真さんと2人になると喉の締め付けがなくなって声が出る。
「おいでー」
ぎゅーってしてもらって背中と頭を撫でてくれる嬉しくて斗真さんの胸に顔を擦り付ける。
「今日はいっぱい頑張ったね。」
キョトン
今日頑張ったこと…
「朝からお風呂入って、俺と同じご飯食べて、病院にも行ってちゃんと診察受けれたし、お昼ご飯も同じの食べれたでしょ、それから夜もお風呂も入って、夕飯も同じの食べて、しかも薬もちゃんと飲めた。7つも頑張ったんだよ。頑張ったね~偉かったね。」
指折り数える斗真さんの手をじっと見つめていっぱい頑張ったと実感する。
その時その時精一杯過ぎて振り返れていなかった。
「頑張ったね、」
頑張った…
「偉いね、」
偉い…僕…頑張った…
「うっ…っ……んぅ…」
「奏くんすごい頑張ったよ。頑張ったね。」
斗真さんにたくさん認めてもらって頑張っていっぱいいっぱいになっていた心から涙がたくさん溢れてきた。
「今日はたくさん頑張って、たくさん我慢してたもんね。大丈夫、大丈夫、いっぱい泣いていいよ。大丈夫、大丈夫、」
初めてこんなに人に認められた。
今までいくら頑張ってもいくら我慢してもそれを認めてくれる人なんていなかった。
頑張ることが当たり前頑張らないと我慢しないとお金を貰えない。
心に嫌なこと全部溜めて、溜めて溜めて溜めて
吐き出す方法も忘れて心を押し殺していた。
だから…初めてだった。
頑張ったことを認めてくれて吐き出させてくれた。
でも、吐き出し方を知らないから涙の止め方も分からなくて胸が苦しくなってしまう。
「大丈夫、大丈夫、ゆっくり深呼吸しようね。」
涙に嗚咽やしゃっくりが混じりなかなか深呼吸ができなくて余計に焦ってしまう。
「ゆっくりでいいよ。ゆっくり-、大丈夫、大丈夫、」
斗真さんの服を握りしめ必死に息をする。
「そうそう、上手だよ。大丈夫、大丈夫、」
結構時間がかかったけど少しずつ落ち着いていった。
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