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61、どこ? 奏side

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真っ暗…目を開いても…真っ暗…

そうだ…病院に来て…

診察を受けてたんだ…
でも途中から頭がぼーっとして、それでどうしたんだっけ…

「奏くん、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫、」

この声…斗真さん?

斗真さんの声が聞こえる。

ゆっくりと声の方を見ると斗真さんがにっこりと笑ってくれた。

斗真さんだ。

斗真さんがそばにいてくれてると思った途端色んな感覚が一気に感じ取れるようになった。

ここどこ?キョロキョロ辺りを見渡すとベッドに横になってることが分かった。
周りは卵色のカーテンで囲まれている。

「診察はもう終わったよ。頑張ったね。」

斗真さんの優しい手が僕の頭を撫でてくれる。

診察終わったんだ…

じゃあ…帰りたい……

「ん?どうした?」

「帰る…帰る…」

「うん、そうだね。帰ろうか、その前に透に奏くん起きたよって伝えてもいい?」

コクリ

透さんに電話したらすぐに来てくれた。

「奏くんおはよ~体調はどう?」

斗真さんの膝に乗って透さんをじっと見つめる。

「お!その目は元気そうってより帰りたいっていう目だね笑
ちょっとだけ触らせてね~」

透さんは僕の首に手を当ててじっとしている。
何してるの?

「よし、大丈夫。帰って良いよ~」

「今日は本当にありがとう。」

「おう!奏くん、斗真の言うこと聞いてたら痛いの全部治るからね。一緒に頑張ろうね。」

痛いの治る…
痛みがないことは怖いこと…だけど…肩の痛みが少し減るなら…少し楽になるかな…

何をしてても痛くて少し動いただけで痛くて動きたくなくなっちゃうから…

「治ったら斗真にいっぱいぎゅーしてもらえるぞ~」

斗真さんにいっぱいぎゅーしてらえるの?
ほんと?

斗真さんの顔を見る。

「いっぱいしてあげるよ。」

いっぱい…いっぱい斗真さんのぎゅーしてほしい。

「頑張れそうか?」

コクリ  コクリ

「よし!じゃあ一緒に頑張ろうな。」

コクリ
頑張る。
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