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39、この気持ち 奏side
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何があったか…説明…
頑張ったら声は出る…っと思う…
さっきも出たし…
でも、話そうとするとやっぱり喉が硬くなって蓋をされたみたいになる。
「紙に書いてもいいよ。」
透さんに紙とペンを渡され、諦めてペンを握る。
〈ちゃんとできなかった〉
「何ができなかったの?」
透さんは僕の目を見て問いかける。
〈とうまさんをきもちよくすること〉
:斗真さんを気持ち良くすること
「斗真がしろって言ったの?」
〈いってない でもふとんいくっていった〉
:言ってない でも、布団に行くって言った。
「布団に行くってことは斗真を気持ち良くしなきゃダメだと思ったんだね。」
〈でも できなかった だからおしおきされる なのに 〉
:でも、できなかった。だからお仕置される。なのに…
「なのに?」
〈なにもしないっていった なにもしない こわい いたみない いない おなじ〉
:何もしないって言った。何もしない怖い、痛みが無いのはいないのと同じ。
「そっか、お仕置されないのが怖かったんだね。」
コクリ
透さんに背中を撫でられる。
「で、斗真は?布団に行ってどうしたかったんだ?」
「俺は、奏くんが少しでも寝れるなら一緒に寝ようと思ってた。
そういう事をさせようとは思ってなかった。」
寝る?
一緒に?それだけでいいの?
「だって。奏くん、昨日も言ったけどね、奏くんはもう他人の性処理はしなくていいんだよ。」
そうだ、昨日も透さんに言われた。
性処理もストレス発散の道具にもならなくていいって…
でも、それが無くなったら…僕の価値は…それだけなのに…
「奏くんは性処理の為にいるんじゃないよ。自分がしたいことをしたらいいんだよ。」
そんなの…僕にはできないよ…
だって…
今までお父さんやお母さんのために生きてきたのに…
「難しいよな、」
気づいたら涙が溢れてて止まらくなっていた。
「そっか、難しいかぁ少しずつ自分のしたいことをしたらいいよ。」
斗真さんに抱き上げられ、胸に顔をつけ声を殺して涙を流した。
どうしても、他人=お客さんだと思ってしまう。
けど、斗真さんは僕に性処理を求めていない。それだけは分かった…と思う。
「痛みが無いと不安っていうのは分かった。けど、やっぱり俺は奏くんに痛みを与えることはできない、ごめん、透どうしたらいい?」
「うーん、それは少しずつ慣れていくしかないよな。まぁ、奏くんは斗真を怖がったりはしてないから、痛みがなくても安心できたらいいんじゃないか?
多分、今まで安心って感情もろくに知らなかったんだろう?」
2人で話していた透さんに急に話を振られ、コクリと頷く。
確かに、今まで安心なんて知らなかった。
ここに来て初めて知った感情のうち1つが安心だ。
安心して寝ることなんて今までしたことなかったのに昨日は斗真さんと一緒に横になって初めて安心して熟睡できた。
それに、今まで会った人の中で斗真さんが一緒にいて1番安心する。
だから今も斗真さんに抱きしめられてこんなに心が穏やかなんだ。
心がぽかぽかしていたら痛みがなくても不安じゃなくなるかな。
少しだけど光が見えた気がする。
頑張ったら声は出る…っと思う…
さっきも出たし…
でも、話そうとするとやっぱり喉が硬くなって蓋をされたみたいになる。
「紙に書いてもいいよ。」
透さんに紙とペンを渡され、諦めてペンを握る。
〈ちゃんとできなかった〉
「何ができなかったの?」
透さんは僕の目を見て問いかける。
〈とうまさんをきもちよくすること〉
:斗真さんを気持ち良くすること
「斗真がしろって言ったの?」
〈いってない でもふとんいくっていった〉
:言ってない でも、布団に行くって言った。
「布団に行くってことは斗真を気持ち良くしなきゃダメだと思ったんだね。」
〈でも できなかった だからおしおきされる なのに 〉
:でも、できなかった。だからお仕置される。なのに…
「なのに?」
〈なにもしないっていった なにもしない こわい いたみない いない おなじ〉
:何もしないって言った。何もしない怖い、痛みが無いのはいないのと同じ。
「そっか、お仕置されないのが怖かったんだね。」
コクリ
透さんに背中を撫でられる。
「で、斗真は?布団に行ってどうしたかったんだ?」
「俺は、奏くんが少しでも寝れるなら一緒に寝ようと思ってた。
そういう事をさせようとは思ってなかった。」
寝る?
一緒に?それだけでいいの?
「だって。奏くん、昨日も言ったけどね、奏くんはもう他人の性処理はしなくていいんだよ。」
そうだ、昨日も透さんに言われた。
性処理もストレス発散の道具にもならなくていいって…
でも、それが無くなったら…僕の価値は…それだけなのに…
「奏くんは性処理の為にいるんじゃないよ。自分がしたいことをしたらいいんだよ。」
そんなの…僕にはできないよ…
だって…
今までお父さんやお母さんのために生きてきたのに…
「難しいよな、」
気づいたら涙が溢れてて止まらくなっていた。
「そっか、難しいかぁ少しずつ自分のしたいことをしたらいいよ。」
斗真さんに抱き上げられ、胸に顔をつけ声を殺して涙を流した。
どうしても、他人=お客さんだと思ってしまう。
けど、斗真さんは僕に性処理を求めていない。それだけは分かった…と思う。
「痛みが無いと不安っていうのは分かった。けど、やっぱり俺は奏くんに痛みを与えることはできない、ごめん、透どうしたらいい?」
「うーん、それは少しずつ慣れていくしかないよな。まぁ、奏くんは斗真を怖がったりはしてないから、痛みがなくても安心できたらいいんじゃないか?
多分、今まで安心って感情もろくに知らなかったんだろう?」
2人で話していた透さんに急に話を振られ、コクリと頷く。
確かに、今まで安心なんて知らなかった。
ここに来て初めて知った感情のうち1つが安心だ。
安心して寝ることなんて今までしたことなかったのに昨日は斗真さんと一緒に横になって初めて安心して熟睡できた。
それに、今まで会った人の中で斗真さんが一緒にいて1番安心する。
だから今も斗真さんに抱きしめられてこんなに心が穏やかなんだ。
心がぽかぽかしていたら痛みがなくても不安じゃなくなるかな。
少しだけど光が見えた気がする。
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