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29、ご飯= 奏side

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体が熱い…

斗真さんの匂いを嗅いでるうちに寝てしまった。
何度か目を覚ましたが、その度に斗真さんに背中をトントンされそれ気づいたらまた眠ってしまった。

冷たかったおでこももうぬるくなり、剥がれてしまった。

斗真さんから離れたくないけど、体が熱くて気分が悪い。
汗が止まらず荒い息を繰り返す。

「起きちゃった?」

離れようとする袖を必死に掴む。

「大丈夫、ここに居るよ。冷えピタ替えようね。」

冷えピタ?
そう言ってまたおでこに冷たいものが当たる。
このおでこのが冷えピタっていうのかな?

「スポーツドリンク飲んでほしいけど、飲める?」

さっき美香さんが渡してたペットボトルだ…
白く濁った液体…水に何かが混ざってるのかな…

薬…


いやだ…

怖い…

そんなこと言えないのに脳内で繰り返す。

「ちょっと待っててね。」
そう言って部屋を出て行ってしまった。

言うこと聞かなかったから怒っちゃったのかな…

「お待たせ、一口貰うね。」

斗真さんはコップにその液体を入れ、一口飲む。
飲んだ後の様子は普通だ…

「ちょっとでも良いから飲んでほしいな。」

口元にコップを差し出され受け取ってほんの少しだけ口に流し込む。

甘いっ

初めての味…

薬の味はしない…

「できればコップ一杯は飲んでほしいけど…飲めそう?」

これなら飲めそう。
ちょうど熱さで喉も渇いていたから一気に飲み干した。

「よしよし、偉い偉い。熱測らせてね。」

またあの白くて長い棒だ。
それで何してるんだろう。

「ありがとう。熱下がらないね…」


熱…
知ってる

こうやって体が熱いことを熱って言うんだ。

熱が出ると父さんと母さんは喜ぶ。
理由は簡単、売りの値段が高くなるから。
それだけじゃない、買い手もいつもより多くなる。
お客さんは温かいのがいいって褒めてくれる。

父さんと母さんが喜ぶなら僕も嬉しい。
それに熱が出た時は殴らないでくれた。

でも、1つ嫌なことがあった。
それは熱が出てる時のご飯はお客さんの精液だけ。
美味しくないドロっとした感じや鼻から抜ける臭いが苦手だった。
でも、熱くていっぱい汗かいて喉が乾くしお腹もだんだん空いてきて我慢できずいつもお客さんのおちんちんをくわえる。


今日もご飯は…精液だ…
どうして熱出しちゃったんだろう。
考えても仕方がないことばかりが頭を巡る。

でも、水分はさっき甘い液体を飲ませてもらった。熱が下がるまでご飯なしでも大丈夫かな…
拒否権なんてないのにつもこうやって逃げ道を考える。

「ちょっと早いけどご飯食べて今日はもう寝ようか。」

ご飯…

さっきまでの考えはきれいさっぱり消え命令されたら従う。
斗真さんの足元にしゃがみ、ズボンに手をかける。

「え?…」

ベルトを外し、ズボンの上からおちんちんを撫でる。
勃たせなきゃ…

「ちょっ!ちょっと待って…え?」
その場にしゃがみ僕の両腕を掴む。

気持ちよくなかったのかな…
勃ってなかったもんね…

「えっと…大体何をしようとしてたかは分かるんだけど、どうして今?」

だって…さっきご飯って…

違うかったの?

どうしていいか分からなくなった僕は斗真さんの顔を見れず俯いた。

「ご飯は後にしよう。ちょっとこれは今ちゃんと話すべきだと思う。
しんどいと思うけどちょっとだけお話できる?」

怒っちゃったのかな…

俯いたまま小さく頷いた。
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