ホントの気持ち

108、友達

空side


「………っ……ん…」

体を離し薄ら目を開けると陽ちゃんと目が合った。
そうだ、陽ちゃんんに抱きついてそのまま寝ちゃったんだ。

「おはよ。眠れた?」

「うん……」

まだ眠くて肩に頭を乗せる。
っ！
すると城崎先生と目が合った。
え…いつの間に来てたの??
僕ずっと寝てた…

「おはよー。俺はさっき来たばっかりだよ。」

「え…ぁっ…おはようございます。」

頭で考えてたことが聞こえてるみたいに答えてくれた。

「そんなシャッキっとしなくてもいいよ笑  あ、そうだ。忘れないうちに渡しとく。細谷から。」

「細谷から?」

「本当は今日夕紀に会わせろってしつこく言われたんだけど流石にまだ退院して日が浅いからって断ったんだ。そしたらせめて手紙だけでも、って渡されてさ。
入院してる間も毎日俺に夕紀のこと聞きに来ててすげぇ心配してたんだよ。ほんと優しい友達をもったな。」

「細谷から……」

ルーズリーフに細谷の字がびっしり書いてあった。
何度も消した跡があって色々考えて書いてくれたことが伝わって嬉しくなった。

心配の言葉。
最近の出来事。
沢山優しい言葉が書いてあった。

学校でちゃんと話すのは細谷くらいだ。
細谷はいつも僕のことを考えてくれてて、いつも僕のことを気にかけてくれた。
何度も保健室に行くよう言われて、でも行きたくなくて冷たい態度とっちゃったな……
体も心もボロボロで気持ちに余裕がなくて…それでも細谷だけはずっと僕のそばにいてくれて、それなのに僕は自分のことで手一杯で……


僕も…細谷に気持ち伝えたい。
ちゃんと謝りたい…いや、『ありがとう』を伝えたい。

「空がいいなら友達家に呼んでもいいんだよ。」

「え?！いいの??」

「まぁその日の体調にもよるけど、落ち着いてる日ならいいと思うよ。」

「え…じゃあ…細谷に会いたい。」

「細谷も喜ぶよ。いつにする？学校帰りに俺と一緒に来るよ。」

「…陽ちゃん…いつがいい?」

「うーん、できれば俺がいる日がいいな。明日はさすがに急?」

「明日ですか、細谷に電話で聞いてみますね。」






「緊張する？」

「…久しぶりに会うから……」

「そうだな、学校で一緒にいた子?」

「ｺｸﾘ、小学校から一緒にいる友達。多分陽ちゃんも会ったことあると思う。」

「そうなの?どんな子だろ、顔見たら分かるかな。」