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21、安心と不安
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空side
さっきまでは恐怖で周りが見れなかったが、陽ちゃんがいてくれている安心感、もう帰らなくていいということに心が軽くなり周りを見ることができるようになってきた。
自分の体を見るとあちこち包帯やガーゼが貼られていて、右腕にはギブスがはめられていた。
体を動かすことはできるが、痛くあまり自由には動けなかった。
陽ちゃんは担当の患者さんの様子を見てくると言って違う部屋に行っている。
一人部屋のためなんだか寂しく感じた。
ベッドに横になり窓の外を眺めていると、ドアが開く音がした。
「んっ.......はぁはぁはぁ.......」
ドアが開くと昨日までのベランダの状況と重なりフラッシュバックが起きた。
誰が入ってきたかが分からない、でも確認する事も怖くてできず、ただ震えるしかできなかった。
「空、陽平だ。大丈夫だよ。」
陽ちゃんだと分かったが、震えが止まらず息が苦しかった。
すがる思いで陽ちゃんの袖を握るとベッドに腰掛け抱きしめてくれた。
ゆっくり落ち着きを取り戻した。
陽ちゃんの顔を見ると頬を撫で涙を拭ってくれた。
涙が出ていたことに気付いていなかった。
「落ち着いた?ご飯持ってきたんだけど、食べれるか?食べやすいように卵粥にしてもらった。」
そういえば、お腹が空いた。ご飯食べるのいつぶりだろう。
そのお粥は卵が入っていて美味しそうだった。
「食べたい。」
そう言うと陽ちゃんがスプーンを取った。
陽ちゃんもお腹空いてたのかな?
「別に取らなよ、その手だと食べずらいだろ、食べさしてやるから。ほら、あーん」
そういえば右腕にはギブスがはめられていたためスプーンは持てないが、左手で持てる。
何よりこの歳であーんは恥ずかしい!
「いや、左手でっ」
「だーめ、こういう時くらい甘えるの~っというか、久しぶりに会ったんだからお兄ちゃんさせて、ね?」
そう言われ言い返すことが出来ず黙ってあーんされることになった。
「ほら、あーん」
「あーん」
美味しい、優しい味
もっと食べたいと思い口を開けた。
「あーん、可愛いな」
恥ずかしかったが食べたい気持ちの方が大きかった。
久しぶりの食事だったため半分も食べることができなかった。
「ごめんなさい。」
「大丈夫だよ。美味しかった?」
「うん、美味しかった。」
「そっか、なら良かった。食べる量はゆっくり増やしていこうな。」
陽ちゃんとたわいもない話をしていると、ドアがノックされた。
「はい、」
陽ちゃんが返事をすると、その人は入ってきた。
陽ちゃん以外の人が入ってきたのが初めてで恐怖でしかなかった。
耐え切れずベッドを降り部屋の隅でしゃがみ震えていた。
「はぁはぁはぁ……」
もう嫌だ……怖いのやだ……
「空、大丈夫、大丈夫、城崎先生だよ。」
陽ちゃんは僕を抱きしめその人が誰かを教えてくれた。
「夕紀、城崎だ。あと塾の神山もいるぞ。」
「空くん、神山です。久しぶりだね。」
先生たちは僕に声を掛け僕が落ち着くのを待ってくれていた。
落ち着き先生を見た。
「こんにちは……」
何と声を掛けたらいいか分からずとりあえず挨拶をしようと思った。
「こんにちは」
神山先生がニコッと笑い挨拶を交わしてくれた。
城崎先生も笑っていた。
陽ちゃんに抱っこされベッドに戻った。
さっきまでは恐怖で周りが見れなかったが、陽ちゃんがいてくれている安心感、もう帰らなくていいということに心が軽くなり周りを見ることができるようになってきた。
自分の体を見るとあちこち包帯やガーゼが貼られていて、右腕にはギブスがはめられていた。
体を動かすことはできるが、痛くあまり自由には動けなかった。
陽ちゃんは担当の患者さんの様子を見てくると言って違う部屋に行っている。
一人部屋のためなんだか寂しく感じた。
ベッドに横になり窓の外を眺めていると、ドアが開く音がした。
「んっ.......はぁはぁはぁ.......」
ドアが開くと昨日までのベランダの状況と重なりフラッシュバックが起きた。
誰が入ってきたかが分からない、でも確認する事も怖くてできず、ただ震えるしかできなかった。
「空、陽平だ。大丈夫だよ。」
陽ちゃんだと分かったが、震えが止まらず息が苦しかった。
すがる思いで陽ちゃんの袖を握るとベッドに腰掛け抱きしめてくれた。
ゆっくり落ち着きを取り戻した。
陽ちゃんの顔を見ると頬を撫で涙を拭ってくれた。
涙が出ていたことに気付いていなかった。
「落ち着いた?ご飯持ってきたんだけど、食べれるか?食べやすいように卵粥にしてもらった。」
そういえば、お腹が空いた。ご飯食べるのいつぶりだろう。
そのお粥は卵が入っていて美味しそうだった。
「食べたい。」
そう言うと陽ちゃんがスプーンを取った。
陽ちゃんもお腹空いてたのかな?
「別に取らなよ、その手だと食べずらいだろ、食べさしてやるから。ほら、あーん」
そういえば右腕にはギブスがはめられていたためスプーンは持てないが、左手で持てる。
何よりこの歳であーんは恥ずかしい!
「いや、左手でっ」
「だーめ、こういう時くらい甘えるの~っというか、久しぶりに会ったんだからお兄ちゃんさせて、ね?」
そう言われ言い返すことが出来ず黙ってあーんされることになった。
「ほら、あーん」
「あーん」
美味しい、優しい味
もっと食べたいと思い口を開けた。
「あーん、可愛いな」
恥ずかしかったが食べたい気持ちの方が大きかった。
久しぶりの食事だったため半分も食べることができなかった。
「ごめんなさい。」
「大丈夫だよ。美味しかった?」
「うん、美味しかった。」
「そっか、なら良かった。食べる量はゆっくり増やしていこうな。」
陽ちゃんとたわいもない話をしていると、ドアがノックされた。
「はい、」
陽ちゃんが返事をすると、その人は入ってきた。
陽ちゃん以外の人が入ってきたのが初めてで恐怖でしかなかった。
耐え切れずベッドを降り部屋の隅でしゃがみ震えていた。
「はぁはぁはぁ……」
もう嫌だ……怖いのやだ……
「空、大丈夫、大丈夫、城崎先生だよ。」
陽ちゃんは僕を抱きしめその人が誰かを教えてくれた。
「夕紀、城崎だ。あと塾の神山もいるぞ。」
「空くん、神山です。久しぶりだね。」
先生たちは僕に声を掛け僕が落ち着くのを待ってくれていた。
落ち着き先生を見た。
「こんにちは……」
何と声を掛けたらいいか分からずとりあえず挨拶をしようと思った。
「こんにちは」
神山先生がニコッと笑い挨拶を交わしてくれた。
城崎先生も笑っていた。
陽ちゃんに抱っこされベッドに戻った。
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