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11、気になる
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神山side
一昨日の最後に見た空くんの目が気になる。
何かを訴えるような、
いや、考えすぎだろうか、でも、でも、
あー、もう!考えてても仕方が無い!!
勢いで職員室の書庫に向かった。
「あった。えっとー宇崎中学校…」
空くんの個人情報が書かれた書類を眺め何か手がかりになるものを探した。
ここの中学校には確か大学の先輩の城崎が働いてたはず。
ちょうど昼過ぎだ、出るかなと思いながら城崎に電話をかけた。
プルルルル
「はい、もしもし。」
思っていたより早く出てくれた。
「あ、もしもし。神山だ。」
「どうした?お前から掛けてくるなんて珍しいな。」
「城崎って今、宇崎中学校で働いてるよな?」
「そうだけど?」
「聞きたいことがあって、夕紀 空って生徒知ってるか?」
「……うちの生徒だが、何かあったのか?」
少し間が空いた後、真剣な声に変わった。
「問題があったとかじゃないんだけど、ちょっと気になる事があって会って話せないか?」
「分かった。今日の夜なら空いてるがうち来るか?」
「ありがとう。仕事が終わったら、すぐ行く。」
ガチャ
城崎は同じ大学の1つ先輩で信頼できるし、城崎が敬語を嫌うせいか話しやすく今でもたまに一緒に出かける仲だ。
空くんの為になる情報が得れたらいいな。
昼食を済ませ、授業の準備をしていた。
空くんの事で頭がいっぱいになっていた。
気付いたらもう夕方だ。
「こんにちは」
空くんが来た。今日も早いな自習かな?
「こんにちは、体調はどう?」
「……」
目線をそらされた。体調のこと聞かれたくなかったのかな。
「しんどいの気付いてあげれなくてごめんね、無理し過ぎたらダメだよ」
立て膝をつき空くんと目線の高さを合わせて話し、頭を撫でた。
「ごめ……い」
「ん?」
小さい声を聞き逃した。もう一度言ってくれるかな
「ごめんなさい。この前授業止めてごめんなさい。」
床を見つめながら言った。
もしかして、塾がない間ずっと悩んでたのかな。
「謝らなくて大丈夫だよ、授業はほぼ終わってたし気にしなくていいよ。もしかして、ずっと悩んでた?」
そう言いながら背中をさすると、空くんの目から涙が溢れた。
空くんを職員室前のソファーに座らせ、背中をさすりながら自分にもたれるようにさせた。
「うぅ……んぅ」
声を凝らして泣いている姿が辛く見えた。
「声出してもいいよ。まだ他の生徒は来ないから。」
さっきより強く抱きしめ背中をさすり続けると
少し声を出して泣き、俺の服を強く握った。
次第に落ち着き始めた。
職員室から校長がホットミルクを持って来てくれた。
「空くんホットミルク飲める?」
「はい、ありがとうございます。」
空くんは校長からホットミルクを受け取りふぅーふぅーしている。なんか可愛い。
「熱いから気を付けてね、ゆっくりでいいよ」
校長は空くんの頭を撫でて職員室に戻った。
「先生…ありがとう。」
空くんは俺の目を見てそういった。
なんだこれ可愛すぎる……抱きしめたい。
いや、今抱きしめたら危ない。
ホットミルク持ってるし、火傷したら大変だ。我慢だ!
「全然良いんだよ。たまには泣きたい時もあるよね。」
空くんの頭を撫でると目を細めて嬉しそうな表情をした。
頭撫でられるの好きなのだろうか。
ホットミルクをまた飲み始めた。
一昨日の最後に見た空くんの目が気になる。
何かを訴えるような、
いや、考えすぎだろうか、でも、でも、
あー、もう!考えてても仕方が無い!!
勢いで職員室の書庫に向かった。
「あった。えっとー宇崎中学校…」
空くんの個人情報が書かれた書類を眺め何か手がかりになるものを探した。
ここの中学校には確か大学の先輩の城崎が働いてたはず。
ちょうど昼過ぎだ、出るかなと思いながら城崎に電話をかけた。
プルルルル
「はい、もしもし。」
思っていたより早く出てくれた。
「あ、もしもし。神山だ。」
「どうした?お前から掛けてくるなんて珍しいな。」
「城崎って今、宇崎中学校で働いてるよな?」
「そうだけど?」
「聞きたいことがあって、夕紀 空って生徒知ってるか?」
「……うちの生徒だが、何かあったのか?」
少し間が空いた後、真剣な声に変わった。
「問題があったとかじゃないんだけど、ちょっと気になる事があって会って話せないか?」
「分かった。今日の夜なら空いてるがうち来るか?」
「ありがとう。仕事が終わったら、すぐ行く。」
ガチャ
城崎は同じ大学の1つ先輩で信頼できるし、城崎が敬語を嫌うせいか話しやすく今でもたまに一緒に出かける仲だ。
空くんの為になる情報が得れたらいいな。
昼食を済ませ、授業の準備をしていた。
空くんの事で頭がいっぱいになっていた。
気付いたらもう夕方だ。
「こんにちは」
空くんが来た。今日も早いな自習かな?
「こんにちは、体調はどう?」
「……」
目線をそらされた。体調のこと聞かれたくなかったのかな。
「しんどいの気付いてあげれなくてごめんね、無理し過ぎたらダメだよ」
立て膝をつき空くんと目線の高さを合わせて話し、頭を撫でた。
「ごめ……い」
「ん?」
小さい声を聞き逃した。もう一度言ってくれるかな
「ごめんなさい。この前授業止めてごめんなさい。」
床を見つめながら言った。
もしかして、塾がない間ずっと悩んでたのかな。
「謝らなくて大丈夫だよ、授業はほぼ終わってたし気にしなくていいよ。もしかして、ずっと悩んでた?」
そう言いながら背中をさすると、空くんの目から涙が溢れた。
空くんを職員室前のソファーに座らせ、背中をさすりながら自分にもたれるようにさせた。
「うぅ……んぅ」
声を凝らして泣いている姿が辛く見えた。
「声出してもいいよ。まだ他の生徒は来ないから。」
さっきより強く抱きしめ背中をさすり続けると
少し声を出して泣き、俺の服を強く握った。
次第に落ち着き始めた。
職員室から校長がホットミルクを持って来てくれた。
「空くんホットミルク飲める?」
「はい、ありがとうございます。」
空くんは校長からホットミルクを受け取りふぅーふぅーしている。なんか可愛い。
「熱いから気を付けてね、ゆっくりでいいよ」
校長は空くんの頭を撫でて職員室に戻った。
「先生…ありがとう。」
空くんは俺の目を見てそういった。
なんだこれ可愛すぎる……抱きしめたい。
いや、今抱きしめたら危ない。
ホットミルク持ってるし、火傷したら大変だ。我慢だ!
「全然良いんだよ。たまには泣きたい時もあるよね。」
空くんの頭を撫でると目を細めて嬉しそうな表情をした。
頭撫でられるの好きなのだろうか。
ホットミルクをまた飲み始めた。
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