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「ううう、、何も出ない、、!」
私は1人部屋であぁでもないこうでもないと教科書片手に手に魔力を込める
「やっぱり魔力切れ起こしたくらいだし、、私は魔力量が少ないのかなぁ」
イメージが大切だと書いてあった為、教科書通りコップを片手に清流をイメージしてみたり
マッチ片手に軽く火がつくイメージをして見たり、、
色々しているが何も起こらない
あの時、レストの手に魔力を流すイメージは出来てたはずだ
なんかブワァってなったし
そこそこ魔力あると思ったのに、、、
魔力自体に属性というより、魔力そのものは同じものだが相性のようなもので出方が変わる
鍛冶屋など火と多く触れている人は火のイメージを持ちやすい為魔力も火として現れる事が多い、、といった感じだ
「私には記憶がないから、、これと言ってイメージできるものがないという事なの、、?」
だとしたら悲しすぎる
日常をお風呂の中で過ごすようにすれば水を出せるようになったりするかしら、、
なんて馬鹿なことを考えてため息をつく
何か一つくらい成果を上げてからレストに会いに行こうと思ったのに
気がつけばもう夕方だ
そろそろ夕食が運ばれてくる頃だろう
ー
ーー
ーーー
ーーーー
夕食を食べて、お風呂に入って
寝る前にもう一度、、
うーん
やはり何も起きない
チラリと絵本を見る
レストに、何がどういけないのか聞いてみようかな、、
いや、でもこんなに何も成果がないのは流石になぁ
少し悩んで
うん、、
魔法は自力で頑張るとしても、初級魔法についての他の本も借りてみよう
そう思い直し本を開く
「あれ?」
いつもの部屋、いつもの景色だが
書類に向かうレストの姿がない
いない、なんて事もあるのか?
「、、、あ」
本を開いたまま顔に乗せて、ソファーに横になったレストの姿があった
窮屈そうに折り曲げられた足
片腕はソファーに乗り切らずだらりと床に向かって垂れている
改めて、、背が高いんだなぁ
あ、そういえば
私は一度本を閉じて部屋に戻るとブランケットを手に取る
「何かご入用なものはありますか?」
一月ほど前に執事長が部屋を訪ねてきた
レスト以外の人との久々の会話にめちゃくちゃ声はうわずったが
「その、、刺繍や編み物などがしたいです!!」
なんとかそう答える事が出来た
そうして届いた沢山の毛糸や刺繍糸
そして布と図案の本だった
記憶をなくす前の私はどうやら編み物や刺繍が出来る人だったようで
道具を手にしたとき、妙にしっくりきた
そして特に困惑する事なくそれらに没頭する事が出来た
そうして出来上がったブランケットは毛糸を使って編んだものに刺繍布を貼り合わせたそこそこな力作だ
これを彼にかけてあげよう
ブランケット片手にもう一度本を開く
ぐらりと少しだけ視界が揺れた
「、、、?」
何だったんだろう
絵本の開閉は子供でも出来るようになっているはずだし、、
魔力切れを起こすはずがない
練習しすぎたかしら?
眠っているレストの顔の上から本をそっとどかす
長いまつ毛に思わず見惚れてしまったが
相当疲れているのか、目元のクマが白い肌も相まってより目立つ
起こさないようにしよう
そっとブランケットを体にかけたところでハッとする
やだ、、私ったら!!
なんて素敵な色の組み合わせ!と思って編み始めたが
レストの色だったのね!!
何だかこれを置いていくのは恥ずかしさすらある
でも、、ブランケットはこれしかないし、、、
私が意識しすぎなだけだもしれない
銀の刺繍糸でタッセルとレースをつけた時、なかなかオシャレだなぁと思ったのだが、、それすらも彼が羽織る濃紺のローブに施された刺繍からインスパイアされていたとは
私ったら、、無意識下にレストのことすごい見てたんだなぁ
やっぱり恥ずかしいし、、彼が起きそうになったら回収しよう
本棚に目を通すと初級魔法関連の本が何冊も増えていた
私のために新たに選んで取り揃えてくれたと思うと自然と頬が緩む
小さくありがとう、とレストにお礼を言うと数冊手に取る
レストが横になっているソファーとは机を挟んで向かいにあるソファーに腰を下ろすとパラパラとページを捲る
そうしてしばらく経つとモゾモゾとレストが身じろぐのが分かった
もしかして、起きるのかと思いいそいそと近づく
ブランケットを回収しなくては
そう思い伸ばした手をパシリとレストが掴む
驚いて固まる私の手をぎゅうっとレストが握る
少し痛み眉間に皺を寄せる
起きたのかと思いそろそろと近づいたことを弁明しようとしたが
彼の目は強くつぶられ
震える口から言葉が溢れる
「、、む、、頼む、、行かないでくれ」
どうやらうなされているようだ
「レスーー・・・「ティア、、」
彼の名前を呼ぼうとした時、彼の口から飛び出た見知らぬ女性の名前に固まる
なんだか切ない響きで呼ばれたその名前が、彼にとって特別なものなのではと思わせる
行かないでという懇願も相まって余計にだ
そういえば、私はレストの事を何一つ知らない
いや、そもそも、、
絵本の人物に対してパーソナルな何かを知ろうだなんて思いもつかなかった
ただ、今こうして自分の知らない名前が彼の口から出てきて
なんだかやるせないような
複雑な気持ちが湧き立つ
彼に、想い人がいる可能性、、
考えてもいなかった
そうなると急に自分がかけたブランケットが恥ずかしいものに思えた
「、、ステラ?」
そうかけられた声にびくりと肩を揺らす
握られたままの手に気がついたのかレストは慌てて手を離す
「すまない、手、、大丈夫か?」
いつもの物腰柔らかい口調と少し印象が違う
「えぇ、大丈夫です」
「よかった、、」
そう言って笑いかけられるがぎこちなく笑い返すことしか出来ない
まだ寝ぼけているのか少しだけ乱れた髪をワシワシと掻きながら起き上がる
パサリと体から落ちたブランケットに私はハッとした
「、、これは、ステラが?」
そういって持ち上げられたブランケットに顔に熱が集まる
「え、ぁ、、はい、そうなんですけど」
彼の深いアメジストのような瞳と同じ、濃い紫に
彼の艶やかな髪のような黒い布、、
そして彼のローブと同じ銀の刺繍
見れば見るほど恥ずかしい
彼は気がついてか気がついていないのか、、じっとそれを見つめてまた私に笑いかける
「もしかして手作りですか?」
ドキリと心臓が跳ねる
「えっと、、はい、、、そうですね、、」
目が覚めたのかいつもの調子で彼はふふッと笑う
「何だかとても見慣れた色合いですね」
「あの、意図したわけではなく、、たまたまその色が渡されたので、、それで本当、、たまたまそうなったと言いますか」
変に言い訳していると彼は何か思いついたのかそれでは、と声を上げる
「よろしければ、私にもブランケットを一つ作ってくださいませんか?」
「え、、えぇ、もちろん」
もじもじと彼色のブランケットを握りしめているとレストはパチンと指を鳴らす
「是非、これでお願いします」
そういって差し出されたものに顔が真っ赤になる
ピンクブロンドのような落ち着いた淡いピンクの毛糸と
アクアマリンを思わせる水色の布だ
「私の好きな色なんです」
私は1人部屋であぁでもないこうでもないと教科書片手に手に魔力を込める
「やっぱり魔力切れ起こしたくらいだし、、私は魔力量が少ないのかなぁ」
イメージが大切だと書いてあった為、教科書通りコップを片手に清流をイメージしてみたり
マッチ片手に軽く火がつくイメージをして見たり、、
色々しているが何も起こらない
あの時、レストの手に魔力を流すイメージは出来てたはずだ
なんかブワァってなったし
そこそこ魔力あると思ったのに、、、
魔力自体に属性というより、魔力そのものは同じものだが相性のようなもので出方が変わる
鍛冶屋など火と多く触れている人は火のイメージを持ちやすい為魔力も火として現れる事が多い、、といった感じだ
「私には記憶がないから、、これと言ってイメージできるものがないという事なの、、?」
だとしたら悲しすぎる
日常をお風呂の中で過ごすようにすれば水を出せるようになったりするかしら、、
なんて馬鹿なことを考えてため息をつく
何か一つくらい成果を上げてからレストに会いに行こうと思ったのに
気がつけばもう夕方だ
そろそろ夕食が運ばれてくる頃だろう
ー
ーー
ーーー
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夕食を食べて、お風呂に入って
寝る前にもう一度、、
うーん
やはり何も起きない
チラリと絵本を見る
レストに、何がどういけないのか聞いてみようかな、、
いや、でもこんなに何も成果がないのは流石になぁ
少し悩んで
うん、、
魔法は自力で頑張るとしても、初級魔法についての他の本も借りてみよう
そう思い直し本を開く
「あれ?」
いつもの部屋、いつもの景色だが
書類に向かうレストの姿がない
いない、なんて事もあるのか?
「、、、あ」
本を開いたまま顔に乗せて、ソファーに横になったレストの姿があった
窮屈そうに折り曲げられた足
片腕はソファーに乗り切らずだらりと床に向かって垂れている
改めて、、背が高いんだなぁ
あ、そういえば
私は一度本を閉じて部屋に戻るとブランケットを手に取る
「何かご入用なものはありますか?」
一月ほど前に執事長が部屋を訪ねてきた
レスト以外の人との久々の会話にめちゃくちゃ声はうわずったが
「その、、刺繍や編み物などがしたいです!!」
なんとかそう答える事が出来た
そうして届いた沢山の毛糸や刺繍糸
そして布と図案の本だった
記憶をなくす前の私はどうやら編み物や刺繍が出来る人だったようで
道具を手にしたとき、妙にしっくりきた
そして特に困惑する事なくそれらに没頭する事が出来た
そうして出来上がったブランケットは毛糸を使って編んだものに刺繍布を貼り合わせたそこそこな力作だ
これを彼にかけてあげよう
ブランケット片手にもう一度本を開く
ぐらりと少しだけ視界が揺れた
「、、、?」
何だったんだろう
絵本の開閉は子供でも出来るようになっているはずだし、、
魔力切れを起こすはずがない
練習しすぎたかしら?
眠っているレストの顔の上から本をそっとどかす
長いまつ毛に思わず見惚れてしまったが
相当疲れているのか、目元のクマが白い肌も相まってより目立つ
起こさないようにしよう
そっとブランケットを体にかけたところでハッとする
やだ、、私ったら!!
なんて素敵な色の組み合わせ!と思って編み始めたが
レストの色だったのね!!
何だかこれを置いていくのは恥ずかしさすらある
でも、、ブランケットはこれしかないし、、、
私が意識しすぎなだけだもしれない
銀の刺繍糸でタッセルとレースをつけた時、なかなかオシャレだなぁと思ったのだが、、それすらも彼が羽織る濃紺のローブに施された刺繍からインスパイアされていたとは
私ったら、、無意識下にレストのことすごい見てたんだなぁ
やっぱり恥ずかしいし、、彼が起きそうになったら回収しよう
本棚に目を通すと初級魔法関連の本が何冊も増えていた
私のために新たに選んで取り揃えてくれたと思うと自然と頬が緩む
小さくありがとう、とレストにお礼を言うと数冊手に取る
レストが横になっているソファーとは机を挟んで向かいにあるソファーに腰を下ろすとパラパラとページを捲る
そうしてしばらく経つとモゾモゾとレストが身じろぐのが分かった
もしかして、起きるのかと思いいそいそと近づく
ブランケットを回収しなくては
そう思い伸ばした手をパシリとレストが掴む
驚いて固まる私の手をぎゅうっとレストが握る
少し痛み眉間に皺を寄せる
起きたのかと思いそろそろと近づいたことを弁明しようとしたが
彼の目は強くつぶられ
震える口から言葉が溢れる
「、、む、、頼む、、行かないでくれ」
どうやらうなされているようだ
「レスーー・・・「ティア、、」
彼の名前を呼ぼうとした時、彼の口から飛び出た見知らぬ女性の名前に固まる
なんだか切ない響きで呼ばれたその名前が、彼にとって特別なものなのではと思わせる
行かないでという懇願も相まって余計にだ
そういえば、私はレストの事を何一つ知らない
いや、そもそも、、
絵本の人物に対してパーソナルな何かを知ろうだなんて思いもつかなかった
ただ、今こうして自分の知らない名前が彼の口から出てきて
なんだかやるせないような
複雑な気持ちが湧き立つ
彼に、想い人がいる可能性、、
考えてもいなかった
そうなると急に自分がかけたブランケットが恥ずかしいものに思えた
「、、ステラ?」
そうかけられた声にびくりと肩を揺らす
握られたままの手に気がついたのかレストは慌てて手を離す
「すまない、手、、大丈夫か?」
いつもの物腰柔らかい口調と少し印象が違う
「えぇ、大丈夫です」
「よかった、、」
そう言って笑いかけられるがぎこちなく笑い返すことしか出来ない
まだ寝ぼけているのか少しだけ乱れた髪をワシワシと掻きながら起き上がる
パサリと体から落ちたブランケットに私はハッとした
「、、これは、ステラが?」
そういって持ち上げられたブランケットに顔に熱が集まる
「え、ぁ、、はい、そうなんですけど」
彼の深いアメジストのような瞳と同じ、濃い紫に
彼の艶やかな髪のような黒い布、、
そして彼のローブと同じ銀の刺繍
見れば見るほど恥ずかしい
彼は気がついてか気がついていないのか、、じっとそれを見つめてまた私に笑いかける
「もしかして手作りですか?」
ドキリと心臓が跳ねる
「えっと、、はい、、、そうですね、、」
目が覚めたのかいつもの調子で彼はふふッと笑う
「何だかとても見慣れた色合いですね」
「あの、意図したわけではなく、、たまたまその色が渡されたので、、それで本当、、たまたまそうなったと言いますか」
変に言い訳していると彼は何か思いついたのかそれでは、と声を上げる
「よろしければ、私にもブランケットを一つ作ってくださいませんか?」
「え、、えぇ、もちろん」
もじもじと彼色のブランケットを握りしめているとレストはパチンと指を鳴らす
「是非、これでお願いします」
そういって差し出されたものに顔が真っ赤になる
ピンクブロンドのような落ち着いた淡いピンクの毛糸と
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