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いざ、フィンなんとか王国へ
ダリオン・セザール①
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肉球スタンプを押されてもなかなか起きれなくってきた。今日はついにマリアに涎を垂らした寝顔を見られてしまった。私のブサイク寝顔を見ても、何も反応せずにテキパキと朝の洗顔の用意をしてるマリアは仕事人の鑑だ。
今日は昨日あんなに露出が多かったにもかかわらず、首から胸元、腕まで白の総レースでドレスの色は落ち着いた黄色だった。今日は胸元は見えない。いつもより装飾が少なくてシンプルなデザインだった。
朝の身支度が終わって隣の部屋に移動すると、騎士服を着た体の大きな赤髪のツンツン頭がソファーにふんぞりかえって座っていた。
「お、マイカ様。おはよーさん」
ニッと白い歯を見せながら軽く手をあげて挨拶をしてきたのは、セザール侯爵子息だった。昨日も会いましたねみたいな感じで馴れ馴れしい態度だが、ちょっと見た目が爽やかなため許せた。
「おはようございます。セザール侯爵子息様」
「堅苦しいから、ダリオンでいいって」
「ダリオン様ですね」
「ちっ、様もいらねーんだけどな。まーいいや。朝飯食ってから話してんだろ?早く行こうぜ」
のっそりと大きな体を持ち上げて立ったダリオン様はかなり身長が高かった。190センチぐらいだろうか。おそらく男性陣の中で一番筋肉質で体も大きい。とても整った顔だが、野生的な顔立ちだ。見た目年齢は20代後半だ。ソファーにも座らず立ったまま、体つきなど観察していると、こちらに近寄ってきたダリオン様を見上げるかたちで赤茶色の瞳と目が合った。
「なんだよ。惚れたか?」
ニヤッと笑いながら私の手を取って少し距離を縮めてきたダリオン様はお尻あたりをススッと反対の指先で撫でるように触ってきた。
「キャッ。何すんの!」
パチンっとダリオン様の手を叩くとダリオン様は叩かれた手をヒラヒラ振って、悪びれる素振りもなかった。はじめて顔合わせをした時も人の胸をニヤニヤ見ていたが、この男は手が早そうだ。
「そういうことするのやめてくれない?」
「いやだね。俺、マリカ様みたいなムチムチした体が好きなんだよ。好きなものは触りたくなるだろ?」
違うか?っと小首を傾げながら大きな男が可愛い雰囲気を出してくるが、正直言って可愛くはない。ただの変態野郎じゃない!っと見上げて睨みつけた。
「おー、こわこわ。おっと聖獣様も威嚇して。二人して毛を逆立てて可愛いな」
ダリオン様に言われて足元にいた黄色いリボンをしたリチェ様に目を向けると、いまにも飛びかかりそうな体勢で毛を逆立ててシャーっと威嚇をして怒っていた。守護石は好意には反応しない。せっかく毎日肌身離さず付けてる守護石は今の所仕事をしていない。でも、リチェ様がこれだけ警戒してくれているならば、二人で話してる時もちょっとは安心なはずだと気を取り直した。
私はダリオン様を見て、にっこり笑った。
「早く朝食、食べに行きますよ。変態さん」
この男にエスコートをされたくない。そう思った私はダリオン様が差し出してきている手を無視して一人歩き出した。リチェ様も時折ダリオン様に威嚇しながら後ろをついてきた。ダリオン様はニヤニヤしながらついてくるだけで私の意思を尊重してくれるようだ。
朝食は無言で食べた。まだちょっと気がおさまらなかったからだ。
一階の広間へ移動した時もエスコートは無視をした。ダリオン様は少し苦笑いをしたが、何も言わずに後ろをついてきて反対側のソファーに座った。私はリチェ様を抱き上げて膝に乗せてソファーに座った。マリアはそつなく仕事をこなし、いつも通りにセッティングすると部屋から出て行った。
「防音だっけか?俺、魔法からきしだからマイカ様がやってくれ」
魔法が使えないことを特に何も気にしてないようで、あっけらかんとした様子でダリオン様は言った。リチェ様に目配せをすると、リチェ様が魔法を使ってくれた。今日は特にあったかいのに包まれなかった。ダリオン様の髪の毛が短髪なのは魔法が使えないからなのかもしれないと考えながら、お礼の意味を込めてリチェ様の体を撫でた。リチェ様は気持ちよさそうに目を細めた後、私の膝の上で丸くなった。
「まだ怒ってんのか?」
ダリオン様は魔法がかかった頃合いを見計らって話しかけてきた。
「ほぼほぼ初対面の女性に対して、会ってすぐにお尻を触るなんて。失礼にも程があるでしょ」
「いい尻だった。布越しなのが残念だ」
「うっさい!」
恥ずかしくなってカーッと身体が熱くなった。おそらく顔は真っ赤だろう。リチェ様も警戒からヴヴヴっと唸り声をだしている。ダリオン様は出されたお茶を飲んで呑気な様子だ。
「で?何から話せばいいんだ?」
ダリオン様は茶菓子のクッキーを手に持ってパクリと食べた。さっきモリモリ朝ご飯食べていたにもかかわらず、よく食べる変態である。
「年齢や家族構成、仕事などまずは聞いてる」
もうダリオン様に敬語を使う必要ない。そう思った私はタメ口で話すことにした。
「52。第一騎士団団長。正室1人側室3人」
「意外に奥様少ない」
「まー。妻達とは全員政略結婚だ」
意外にも婚姻は事務的だったようだ。
「へー。仲良いの?」
「どーだろうな。アイツら揃いも揃って俺の扱い酷いからな」
「え、なんで?」
「結婚してすぐは割と従順なんだ。だが、だんだん年数を重ねる事に文句しか言わなねーんだよ。こっちも我慢してることあるのによ」
ケッと悪態をつきながら、ダリオン様は背もたれにもたれ、両手を広げてダラリと背もたれに垂らした。
「あー、そういう話、私の世界でもよく聞くわ。結婚して何年なの?」
「正室が30年で側室が25年20年15年だな」
「五年ごと…」
「なんだよ。アーサー殿下なんて結婚してから毎年側室が増えてるんだぞ。俺なんてそれに比べたら普通だ普通」
私からしたら一夫多妻が特殊なんですけどねっと思いながらジロっとダリオン様を見つめた。
「はー、アイツら子供ができやすい日以外は触るなとか言ってくるんだぜ?抱きたい時に妻を抱けないとか、ひどくねーか?」
ダリオン様はかなり鬱憤が溜まっているようだ。しかし、奥様達が気持ちがない相手との触れ合いは苦痛だという考えであったなら理解できる。私はうーんっと唸って返答に困った。
「マイカ様もアイツらに同意か?」
「いや、そういうわけじゃなくて。気持ちが伴ってない行為を苦痛に感じるという考えならわかるなと思って。私は恋愛結婚だから、政略相手と結婚するという感覚がわからないけど…」
「確かに俺たちは情はあるけど愛情はねーな。身体が反応すればいくらでも俺は抱ける。愛情がなくても抱けるし気持ちもいい。女はそこら辺の考え方が違うんだろうな」
はぁーっとため息をつきながら片手で顔を覆ったダリオン様は何かを諦めた様子だった。
「そんなに性欲溜まってるの?」
「なに、抱かせてくれるのか?」
ちょっと嬉しそうな顔をしながらダリオン様はガバッと起きて詰め寄ってきた。
「させるか、変態」
「なんだよ、期待したのに」
ダリオン様は体を元の位置に戻して拗ねたように唇を尖らせた。
「溜まってるというか…。女を抱くと満たされるんだよ。訓練だろうが戦闘だろうが、剣を握ってると体がたぎってくるしな。満たして鎮めるのに女を抱くのが一番なんだ」
なるほど。アドレナリンの分泌により興奮が止まらないのだろう。それを1人で鎮めるのも、確かに大変かもしれない。しかし、女を抱かなければ満たされないというのは、どんな感情が満たされないのだろうか。人生で何かが欠けたまま生きるのも辛そうだと少し同情した私はダリオン様を哀れみの目で見つめた。
「そんな目で見てくるなら、そのでかい乳触ら「しゃべるな変態」
ダリオン様の言葉に食い込み気味に返答しつつ、私はベーっと舌を出した。それを見たダリオン様はクックックっと笑い堪えるように肩を震わせて笑った。
「はー。笑った笑った。愚痴って少し楽になったわ。ありがとな」
「別にお礼言われることはしてないけどね」
素直にお礼を言われて少し気恥ずかしくなった私は誤魔化すようにリチェ様の体撫で回した。
「そーいや、子供はいつでもいいからな。アーサー殿下とか切羽詰まってる方優先してくれ」
「ダリオン様の奥様達はなんて?」
「子供ができたら閨事の義務は無くなりますか?だとさ」
「わーお。子供育てることに関しては?」
「それは楽しみにしてるみてーだな。4人で子供の物を作るんだとか言ってはしゃいでたのは見た」
うーん。子供ができて、性行為がなくなったらダリオン様は爆発しないだろうか。少し心配になるも、それは私が口出しする事では無いと思い直した。
「なるほどね。参考にする」
「おう。ちなみに、子供作るときはお触りありか?」
「無し」
「ケチくさー。乳ぐらい揉ませろよ」
「私は夫以外の男性と性行為やそれに準じる行為はしないの」
「あーあ、その体触りてーなー。マイカ様の旦那が羨ましいぜ」
ダリオン様は私の胸元をチラっと見てからニヤニヤ笑って言った。
その後、夕食を食べて解散するまで仲の良い男友達と話しているかのように、ダリオン様とはずっと気安く話した。下ネタも多いが朝の一件以外手を出そうという素振りはない。割と紳士的な部分もあった。
ダリオン様は王国一の剣の使い手だそうだ。毎日訓練で剣を握っているため、奥様達と夜を共にしない日は鬱憤をはらすため部下達に愛の指導という名のスパルタ訓練をするらしい。ダリオン様の奥様達との関係性は、もしかしたらダリオン様の性欲に疲れてしまったのかもしれない。少し夫婦で話し合いも必要なのではないだろうか。
去っていったダリオン様を見送りつつ、次会った時にアドバイスだけしておこうと決めた。
今日もルーティンをこなしたリチェ様と眠った。
今日は昨日あんなに露出が多かったにもかかわらず、首から胸元、腕まで白の総レースでドレスの色は落ち着いた黄色だった。今日は胸元は見えない。いつもより装飾が少なくてシンプルなデザインだった。
朝の身支度が終わって隣の部屋に移動すると、騎士服を着た体の大きな赤髪のツンツン頭がソファーにふんぞりかえって座っていた。
「お、マイカ様。おはよーさん」
ニッと白い歯を見せながら軽く手をあげて挨拶をしてきたのは、セザール侯爵子息だった。昨日も会いましたねみたいな感じで馴れ馴れしい態度だが、ちょっと見た目が爽やかなため許せた。
「おはようございます。セザール侯爵子息様」
「堅苦しいから、ダリオンでいいって」
「ダリオン様ですね」
「ちっ、様もいらねーんだけどな。まーいいや。朝飯食ってから話してんだろ?早く行こうぜ」
のっそりと大きな体を持ち上げて立ったダリオン様はかなり身長が高かった。190センチぐらいだろうか。おそらく男性陣の中で一番筋肉質で体も大きい。とても整った顔だが、野生的な顔立ちだ。見た目年齢は20代後半だ。ソファーにも座らず立ったまま、体つきなど観察していると、こちらに近寄ってきたダリオン様を見上げるかたちで赤茶色の瞳と目が合った。
「なんだよ。惚れたか?」
ニヤッと笑いながら私の手を取って少し距離を縮めてきたダリオン様はお尻あたりをススッと反対の指先で撫でるように触ってきた。
「キャッ。何すんの!」
パチンっとダリオン様の手を叩くとダリオン様は叩かれた手をヒラヒラ振って、悪びれる素振りもなかった。はじめて顔合わせをした時も人の胸をニヤニヤ見ていたが、この男は手が早そうだ。
「そういうことするのやめてくれない?」
「いやだね。俺、マリカ様みたいなムチムチした体が好きなんだよ。好きなものは触りたくなるだろ?」
違うか?っと小首を傾げながら大きな男が可愛い雰囲気を出してくるが、正直言って可愛くはない。ただの変態野郎じゃない!っと見上げて睨みつけた。
「おー、こわこわ。おっと聖獣様も威嚇して。二人して毛を逆立てて可愛いな」
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私はダリオン様を見て、にっこり笑った。
「早く朝食、食べに行きますよ。変態さん」
この男にエスコートをされたくない。そう思った私はダリオン様が差し出してきている手を無視して一人歩き出した。リチェ様も時折ダリオン様に威嚇しながら後ろをついてきた。ダリオン様はニヤニヤしながらついてくるだけで私の意思を尊重してくれるようだ。
朝食は無言で食べた。まだちょっと気がおさまらなかったからだ。
一階の広間へ移動した時もエスコートは無視をした。ダリオン様は少し苦笑いをしたが、何も言わずに後ろをついてきて反対側のソファーに座った。私はリチェ様を抱き上げて膝に乗せてソファーに座った。マリアはそつなく仕事をこなし、いつも通りにセッティングすると部屋から出て行った。
「防音だっけか?俺、魔法からきしだからマイカ様がやってくれ」
魔法が使えないことを特に何も気にしてないようで、あっけらかんとした様子でダリオン様は言った。リチェ様に目配せをすると、リチェ様が魔法を使ってくれた。今日は特にあったかいのに包まれなかった。ダリオン様の髪の毛が短髪なのは魔法が使えないからなのかもしれないと考えながら、お礼の意味を込めてリチェ様の体を撫でた。リチェ様は気持ちよさそうに目を細めた後、私の膝の上で丸くなった。
「まだ怒ってんのか?」
ダリオン様は魔法がかかった頃合いを見計らって話しかけてきた。
「ほぼほぼ初対面の女性に対して、会ってすぐにお尻を触るなんて。失礼にも程があるでしょ」
「いい尻だった。布越しなのが残念だ」
「うっさい!」
恥ずかしくなってカーッと身体が熱くなった。おそらく顔は真っ赤だろう。リチェ様も警戒からヴヴヴっと唸り声をだしている。ダリオン様は出されたお茶を飲んで呑気な様子だ。
「で?何から話せばいいんだ?」
ダリオン様は茶菓子のクッキーを手に持ってパクリと食べた。さっきモリモリ朝ご飯食べていたにもかかわらず、よく食べる変態である。
「年齢や家族構成、仕事などまずは聞いてる」
もうダリオン様に敬語を使う必要ない。そう思った私はタメ口で話すことにした。
「52。第一騎士団団長。正室1人側室3人」
「意外に奥様少ない」
「まー。妻達とは全員政略結婚だ」
意外にも婚姻は事務的だったようだ。
「へー。仲良いの?」
「どーだろうな。アイツら揃いも揃って俺の扱い酷いからな」
「え、なんで?」
「結婚してすぐは割と従順なんだ。だが、だんだん年数を重ねる事に文句しか言わなねーんだよ。こっちも我慢してることあるのによ」
ケッと悪態をつきながら、ダリオン様は背もたれにもたれ、両手を広げてダラリと背もたれに垂らした。
「あー、そういう話、私の世界でもよく聞くわ。結婚して何年なの?」
「正室が30年で側室が25年20年15年だな」
「五年ごと…」
「なんだよ。アーサー殿下なんて結婚してから毎年側室が増えてるんだぞ。俺なんてそれに比べたら普通だ普通」
私からしたら一夫多妻が特殊なんですけどねっと思いながらジロっとダリオン様を見つめた。
「はー、アイツら子供ができやすい日以外は触るなとか言ってくるんだぜ?抱きたい時に妻を抱けないとか、ひどくねーか?」
ダリオン様はかなり鬱憤が溜まっているようだ。しかし、奥様達が気持ちがない相手との触れ合いは苦痛だという考えであったなら理解できる。私はうーんっと唸って返答に困った。
「マイカ様もアイツらに同意か?」
「いや、そういうわけじゃなくて。気持ちが伴ってない行為を苦痛に感じるという考えならわかるなと思って。私は恋愛結婚だから、政略相手と結婚するという感覚がわからないけど…」
「確かに俺たちは情はあるけど愛情はねーな。身体が反応すればいくらでも俺は抱ける。愛情がなくても抱けるし気持ちもいい。女はそこら辺の考え方が違うんだろうな」
はぁーっとため息をつきながら片手で顔を覆ったダリオン様は何かを諦めた様子だった。
「そんなに性欲溜まってるの?」
「なに、抱かせてくれるのか?」
ちょっと嬉しそうな顔をしながらダリオン様はガバッと起きて詰め寄ってきた。
「させるか、変態」
「なんだよ、期待したのに」
ダリオン様は体を元の位置に戻して拗ねたように唇を尖らせた。
「溜まってるというか…。女を抱くと満たされるんだよ。訓練だろうが戦闘だろうが、剣を握ってると体がたぎってくるしな。満たして鎮めるのに女を抱くのが一番なんだ」
なるほど。アドレナリンの分泌により興奮が止まらないのだろう。それを1人で鎮めるのも、確かに大変かもしれない。しかし、女を抱かなければ満たされないというのは、どんな感情が満たされないのだろうか。人生で何かが欠けたまま生きるのも辛そうだと少し同情した私はダリオン様を哀れみの目で見つめた。
「そんな目で見てくるなら、そのでかい乳触ら「しゃべるな変態」
ダリオン様の言葉に食い込み気味に返答しつつ、私はベーっと舌を出した。それを見たダリオン様はクックックっと笑い堪えるように肩を震わせて笑った。
「はー。笑った笑った。愚痴って少し楽になったわ。ありがとな」
「別にお礼言われることはしてないけどね」
素直にお礼を言われて少し気恥ずかしくなった私は誤魔化すようにリチェ様の体撫で回した。
「そーいや、子供はいつでもいいからな。アーサー殿下とか切羽詰まってる方優先してくれ」
「ダリオン様の奥様達はなんて?」
「子供ができたら閨事の義務は無くなりますか?だとさ」
「わーお。子供育てることに関しては?」
「それは楽しみにしてるみてーだな。4人で子供の物を作るんだとか言ってはしゃいでたのは見た」
うーん。子供ができて、性行為がなくなったらダリオン様は爆発しないだろうか。少し心配になるも、それは私が口出しする事では無いと思い直した。
「なるほどね。参考にする」
「おう。ちなみに、子供作るときはお触りありか?」
「無し」
「ケチくさー。乳ぐらい揉ませろよ」
「私は夫以外の男性と性行為やそれに準じる行為はしないの」
「あーあ、その体触りてーなー。マイカ様の旦那が羨ましいぜ」
ダリオン様は私の胸元をチラっと見てからニヤニヤ笑って言った。
その後、夕食を食べて解散するまで仲の良い男友達と話しているかのように、ダリオン様とはずっと気安く話した。下ネタも多いが朝の一件以外手を出そうという素振りはない。割と紳士的な部分もあった。
ダリオン様は王国一の剣の使い手だそうだ。毎日訓練で剣を握っているため、奥様達と夜を共にしない日は鬱憤をはらすため部下達に愛の指導という名のスパルタ訓練をするらしい。ダリオン様の奥様達との関係性は、もしかしたらダリオン様の性欲に疲れてしまったのかもしれない。少し夫婦で話し合いも必要なのではないだろうか。
去っていったダリオン様を見送りつつ、次会った時にアドバイスだけしておこうと決めた。
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