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こんな場所で婚約破棄しないでください
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「エルミーヌ ・カルヴェス。其方との婚約をここに破棄することを宣言する」
「…な、何をおっしゃって…ますの…」
え?嘘。こんな所で婚約破棄宣言とかどこの悪役令嬢ザマァ展開?ん?ん?
いや待って、ん?今日ってなんの日だっけ。えーっと。うん。卒業式だよね。よくあるパターンだね。
卒業式が終わった後の在学生主催の送別会的なパーチーだったんだけどなー。オッカシイナー。
「其方との婚約に何か不満があったわけではない」
え?不満なかった?なかったの?
ちなみに私は不満爆発よ。だって私のために鉄板でステーキを焼いてるシェフのお兄さんが、お二人のやりとりに夢中でお手元おろそかにしてるからね!
レアでって頼んだのに!これじゃぁウェルダンじゃまいか!
立食パーチー。テーブルにたくさんある美味しそうな食べ物達。そして鉄板焼きコーナーまであるから出来立てのステーキも楽しめる、とっても素敵なパーチー。
こんな所でそんな話やめよ?ね?
「で、ではなぜ…」
「すまない。運命の番を見つけてしまったんだ。ニコール」
「はい」
やめないのカァァァ!くそっ。って
え?ニコール?ニコールってあのニコール?私の親友のニコールたん?
あんれぇ?さっきまで一緒にいなかった?
あれれ?隣に親友がいないぞー?ステーキ肉食べよーって誘ってくれたのアナタでは?
「ニコール・ルスュール伯爵令嬢がΩであることは皆も知っていると思う。そして私、ロドリグ・モンドンヴィルはα。奇跡にも近い運命の番として出会ってしまった。そしてもう番契約も済ませている。モンドンヴィル公爵家としても、我々が番になってしまった件含め当主の了承を得ている。もちろん、カルヴェス伯爵家にも通達済みだ」
えぇぇえ。事後っすかぁぁ?
うわ、ニコールさん。頬を染めながら髪の毛上げなくていいから。うなじ見せるなっ。リア充め。
ほら、婚約破棄され中のエルミーヌ様がプルプル震えちゃってるよ。しかも、親同士で話終わってるよって報告も事後かーい。
あれ?そもそも学園ではαとΩって建物違うよね。私もΩだから知ってるよ?
そもそもα様方と出会う隙間なんて…ないよね?高い塀があってさ。
こういう場でもない限り…一緒にならないよね。そもそも発情期近かったり、抑制剤飲んでない人は出席できないしさ。
出会うってどこで出会ったのよー。
「そん…な…」
「すまない。自分の運命には抗えなかった。街に出かけていたとき、パン屋で買い物をする彼女を見た瞬間…。彼女以外の存在が消え失せた。そして気がついたらお互いに発情して交わっていたんだ。近くに宿があって本当によかった。そして番を自分の腕に抱いていると理解した瞬間、とてつもない幸福感に包まれた。達した時の絶頂は経験がないほどだった…」
「もう、ロディ…。恥ずかしいから」
「すまない。あの日のことを思い出してしまうと、つい」
あーうん。出会って3秒でドッキングしたのね。はい。街中でねぇ…。ふーん。
って2人の世界に入るのやめてくれー。
親友が頬を染めながら美形男子にお尻撫でられてるのとか見たくないっす!
しかもメス顔してるー。いやー!
「うっうう。そんな…」
「本当にすまない。君もαだ。きっと運命が見つかるはずだ。それに、一人娘である君が他家に嫁ぐよりも婿をとったほうが建設的だろう?」
「…っ…」
あー、ロドリグぱいせん…
なーかせーた、なかせーたー。せーんせいに言ってやろっ。
あ、今日先生いないパーチーか。くっそ、救えねぇ!
可哀想に。エルミーヌ様すっごく美人でボッキュッボン。いつもお手入れされてる金髪は綺麗だし、すれ違うたびにいい匂いするんだよ?
ロドリグっち、本当にニコールでええのか!ちっぱいの代名詞のニコールでええんか!顔も体型も平凡の代名詞だよ?ええのんか!
「本当にすまない。内輪で終わらせるべきだったがこの場を借りて宣言したのはニコールを守るためだ。彼女はΩであるということだけで、他の生徒からイジメを受けていた。発情促進剤を無理やり飲まされそうになったりと、悪質なものまであったんだ」
「ダメ、言っちゃだめ。怖い…」
「大丈夫だ。犯人はもうこの場にはいない」
ぅううん!?ニコールさん?え?そんなことあったっけ?
思い出してみよう。……。
うん、いつも一緒にいた吾輩の記憶にはないな。そもそもΩクラスは学園内でも隔離されてるし、Ω同士でそんなことしない。
でも、昔から『私には運命の番がいるの。虐めてくる悪役令嬢から守ってくれて…』とか妄想しちゃってるような女の子だったからなぁ…。
やっちゃったかな?自作自演。
「そんな話、聞いたこと‥ございませんわ!」
「ふっ。首謀者の君からそんな言葉を聞くとはな」
「なっ!?」
ロドリグぱいちぇん。そんな冷たい目でエルミーヌ様を見ちゃう?!親の仇みたいな目してるよー!?
「うっうう」
「ああ、すまない。君を怖がらせるつもりではなかったんだ」
ニコールがなぜか泣いたぁぁぁあ!?
いや、泣きたいのはエルミーヌ様では?涙目でプルプル震えてるよ?!大丈夫!?
「わたくしは…そんなこと…しておりません!」
信じるよぉぉぉお!私は信じるぅぅぅ!
「証拠も揃っている。実行犯からの証言もある」
「嘘ですわ!」
「嘘も何も決定的な証拠があるんだ…エル…」
「……」
え?今ここでエルミーヌ様の愛称で呼ぶロドリグ様って、何がしたいの?
悲しそうな顔で眉尻下げて見つめちゃってさ。
エルミーヌ様もその顔を見て下唇噛んじゃってる。どちた!?本当にやったの!?
バレてくやちぃ!なの?
それとも、濡れ衣なのにぃ!なの?
わかんないなぁ。
あ、やっとステーキ出てきた。レアに焼き直してくれたから、シェフ、君の失態は許してあげる。
「私達…あんなに熱い夜を過ごしていたではないですか!」
「すまない…」
あ、うん。婚前交渉してたのね。熱い夜ね。エルミーヌ様、泣いてるのかなぁ。顔伏せちゃった。肩が震えてる。
いいなぁ、ロドリグ様。あのエルミーヌ様のデカいデカいおっぱい揉んだの?ひゅー!
いいなぁ。脂肪の塊であってもおっぱいに挟んでもらうのは…誰だって憧れちゃうよねぇ。
あー、ステーキうまし。あ、おにーさん。もう一枚よろ。
「…貴方は私がいなくとも、本当に宜しいのですね」
ん?エルミーヌ様?顔を上げてロドリグ様を不敵な笑みで見つめてるけど…。
ん?ロドリグ様?ちょっと頬を赤くしてるのは何で?
「…う、うむ」
「ロディ?」
「本当に、ですわね?」
ニコールが心配そうにロドリグ様の服の袖を引っ張ってる。あざとい。
エルミーヌ様はなんというか、涙は流してなかったみたいだけど…ロドリグ様をゴミムシを見るみたいた顔に!おー?形成逆転!?
「そうですか。ふふ。運命の番ですか。そうですか。では、ロディ。いいえ、モンドンヴィル公爵子息様。お幸せに」
エルミーヌ様…にっこり微笑んでカーテシーしてる。すごく綺麗っす。
ニコールは大丈夫かね。公爵夫人とか、できるの?アンタすごく大雑把なカーテシーしかしないのに。成績も下から数えた方が早いよね?
「…君の罪をここで曝け出すつもりはない。今後ニコールに手を出さないと約束してくれるなら…」
「証拠も罪も身に覚えはありませんが、畏まりました。今後一切、貴方方と交流することはない。そうここで宣言いたしますわ」
にーっこりんのエルミーヌ様、うつくひぃ。
え?ロドリグ様。ポッと頬赤らめてるけど大丈夫???見とれてる場合か!?
「ロディ!」
「あっああ。そう、だな。こちらからも関わらないと宣言しよう。皆、すまなかった。このような場でする話では…なかったな」
ニコールに名前を呼ばれてどこかにいってたロドリグ様は帰ってきたけど、そう思うなら初めからやるんじゃないよ、全く。
「では、皆さま。ごきげんよう」
エルミーヌ様!?帰っちゃうのー?えー。
コルセットで盛り上がってるおっぱい眺めつつ食べるステーキとっても美味しいのにぃ。ぶーぶー。
「ロディ。ありがとう」
「これで君が安心できるなら」
「ふふ」
エルミーヌ様が会場から出だ瞬間から、あの2人…チュッチュッしてハート飛ばしまくりかよ。ゲロー。
これってニコールの一人勝ちかね?
でも、なんか
スッキリしないなぁ。
あー、でも、ステーキ美味しかった。
私もΩだけど、運命の番がいるなら男より女がいいな。
だって、棒突っ込まれてバチュンバチュン腰を振ってもらいつつ、私の上にいる相手のおっぱいが揺れる。もちろんデカパイ。
それをモミモミしつつ、アンアン喘ぐんだ。
じゅるっ。想像しただけで涎が出ちゃう。
あーあ。αもβ、Ω。全て揃ってるパーチーなのに
私の運命はどこかしらぁ?
「ああ!私の番!」
「え?!」
パーチー終盤、騒動も忘れた人々は騒がしいパーチーを楽しそうにしていた。
私は満腹大満足になったから、テラスに出て涼んでただけなのに…。
「む、むむか、むむむがが」
「はぁぁぁ。ずっといい匂いがすると思っていたのです。この会場に絶対いると思って帰えらずにいて正解でしたわ!」
いい匂いがする。私もすごくこの匂いには惹かれます。
柔からい何かが顔に押し付けられて、息苦しい。でもなんか幸せ。
「ああ、こちらを見て、私の番」
顔を両手で掴まれて上を向かせられる。
目に見えた人の顔はよく知ってる人だった。
「え、え、え」
「エルミーヌ」
「え、えるみー…ぬ?」
「はぁぁん!名前を呼ばれた!嬉しい!」
彼女はクネクネと腰をくねらせながら私を抱き締めると、私をお姫様抱っこをして歩き始めた。
ちょっと、力強くない?
「え、え?」
「お父様に婚約破棄を急がせてよかった。学園内にいてもどこからかいい匂いがするのに、どこかわからなくて…なかなか迎えに来れなくてごめんなさいね」
「ええ?」
「ああ、大丈夫。さっきの騒動は気になさらないで。貴方に会うまでの私がしていた暇つぶしが一つ無くなっただけだから。あの男の尻に突っ込むのも飽きてきた所でしたの。運命を探したくてまっさらになろうとしていた矢先、あの2人が先に仕掛けてきた。それだけですわ。むしろ喜びで体が震えてしまいましたの」
「ほえ?」
「ふふ。私が番だとわからない?貴方の可愛い顔を誰にも見せないよう、まだフェロモンは出しておりませんの。ああ、でも大丈夫。2人っきりになったらトロットロの顔にして差し上げますから。私は貴方が番だとちゃんと分かっておりますわ」
エルミーヌ様は私の頬に口付けると満面の笑みを見せた。
その笑顔を見るだけでドキドキと胸が高鳴って頬が熱くなって、なんだか股間が熱く…。
「沢山子供を産んでくださいませね」
彼女はニッコニコで馬車まで運ぶとすぐに乗り込んで…………。
男のΩが女のαに攻められてアヘアヘしちゃう話。
見たい人は【ここ】をクリック!
って、ここをクリックじゃねーよ!
スマホをベッドに叩きつけるように投げると、私はムラムラとしたような気持ちを抑えながら部屋から出た。
「ひろちゃん。ムラムラするから、えっちして」
「はぁぁ?」
「えっちしてー、後デカおっぱいつけてパンパン腰振ってぇ」
「ちょ、まっ」
最愛の夫はリビングで1人テレビゲームをしていたようだ。私はコントローラーを持ち、ゲームをする夫に後ろから抱きつきながら、チュッチュと彼の頬に口付け、彼が早く私の体を熱くしてくれるのを待った。
「…な、何をおっしゃって…ますの…」
え?嘘。こんな所で婚約破棄宣言とかどこの悪役令嬢ザマァ展開?ん?ん?
いや待って、ん?今日ってなんの日だっけ。えーっと。うん。卒業式だよね。よくあるパターンだね。
卒業式が終わった後の在学生主催の送別会的なパーチーだったんだけどなー。オッカシイナー。
「其方との婚約に何か不満があったわけではない」
え?不満なかった?なかったの?
ちなみに私は不満爆発よ。だって私のために鉄板でステーキを焼いてるシェフのお兄さんが、お二人のやりとりに夢中でお手元おろそかにしてるからね!
レアでって頼んだのに!これじゃぁウェルダンじゃまいか!
立食パーチー。テーブルにたくさんある美味しそうな食べ物達。そして鉄板焼きコーナーまであるから出来立てのステーキも楽しめる、とっても素敵なパーチー。
こんな所でそんな話やめよ?ね?
「で、ではなぜ…」
「すまない。運命の番を見つけてしまったんだ。ニコール」
「はい」
やめないのカァァァ!くそっ。って
え?ニコール?ニコールってあのニコール?私の親友のニコールたん?
あんれぇ?さっきまで一緒にいなかった?
あれれ?隣に親友がいないぞー?ステーキ肉食べよーって誘ってくれたのアナタでは?
「ニコール・ルスュール伯爵令嬢がΩであることは皆も知っていると思う。そして私、ロドリグ・モンドンヴィルはα。奇跡にも近い運命の番として出会ってしまった。そしてもう番契約も済ませている。モンドンヴィル公爵家としても、我々が番になってしまった件含め当主の了承を得ている。もちろん、カルヴェス伯爵家にも通達済みだ」
えぇぇえ。事後っすかぁぁ?
うわ、ニコールさん。頬を染めながら髪の毛上げなくていいから。うなじ見せるなっ。リア充め。
ほら、婚約破棄され中のエルミーヌ様がプルプル震えちゃってるよ。しかも、親同士で話終わってるよって報告も事後かーい。
あれ?そもそも学園ではαとΩって建物違うよね。私もΩだから知ってるよ?
そもそもα様方と出会う隙間なんて…ないよね?高い塀があってさ。
こういう場でもない限り…一緒にならないよね。そもそも発情期近かったり、抑制剤飲んでない人は出席できないしさ。
出会うってどこで出会ったのよー。
「そん…な…」
「すまない。自分の運命には抗えなかった。街に出かけていたとき、パン屋で買い物をする彼女を見た瞬間…。彼女以外の存在が消え失せた。そして気がついたらお互いに発情して交わっていたんだ。近くに宿があって本当によかった。そして番を自分の腕に抱いていると理解した瞬間、とてつもない幸福感に包まれた。達した時の絶頂は経験がないほどだった…」
「もう、ロディ…。恥ずかしいから」
「すまない。あの日のことを思い出してしまうと、つい」
あーうん。出会って3秒でドッキングしたのね。はい。街中でねぇ…。ふーん。
って2人の世界に入るのやめてくれー。
親友が頬を染めながら美形男子にお尻撫でられてるのとか見たくないっす!
しかもメス顔してるー。いやー!
「うっうう。そんな…」
「本当にすまない。君もαだ。きっと運命が見つかるはずだ。それに、一人娘である君が他家に嫁ぐよりも婿をとったほうが建設的だろう?」
「…っ…」
あー、ロドリグぱいせん…
なーかせーた、なかせーたー。せーんせいに言ってやろっ。
あ、今日先生いないパーチーか。くっそ、救えねぇ!
可哀想に。エルミーヌ様すっごく美人でボッキュッボン。いつもお手入れされてる金髪は綺麗だし、すれ違うたびにいい匂いするんだよ?
ロドリグっち、本当にニコールでええのか!ちっぱいの代名詞のニコールでええんか!顔も体型も平凡の代名詞だよ?ええのんか!
「本当にすまない。内輪で終わらせるべきだったがこの場を借りて宣言したのはニコールを守るためだ。彼女はΩであるということだけで、他の生徒からイジメを受けていた。発情促進剤を無理やり飲まされそうになったりと、悪質なものまであったんだ」
「ダメ、言っちゃだめ。怖い…」
「大丈夫だ。犯人はもうこの場にはいない」
ぅううん!?ニコールさん?え?そんなことあったっけ?
思い出してみよう。……。
うん、いつも一緒にいた吾輩の記憶にはないな。そもそもΩクラスは学園内でも隔離されてるし、Ω同士でそんなことしない。
でも、昔から『私には運命の番がいるの。虐めてくる悪役令嬢から守ってくれて…』とか妄想しちゃってるような女の子だったからなぁ…。
やっちゃったかな?自作自演。
「そんな話、聞いたこと‥ございませんわ!」
「ふっ。首謀者の君からそんな言葉を聞くとはな」
「なっ!?」
ロドリグぱいちぇん。そんな冷たい目でエルミーヌ様を見ちゃう?!親の仇みたいな目してるよー!?
「うっうう」
「ああ、すまない。君を怖がらせるつもりではなかったんだ」
ニコールがなぜか泣いたぁぁぁあ!?
いや、泣きたいのはエルミーヌ様では?涙目でプルプル震えてるよ?!大丈夫!?
「わたくしは…そんなこと…しておりません!」
信じるよぉぉぉお!私は信じるぅぅぅ!
「証拠も揃っている。実行犯からの証言もある」
「嘘ですわ!」
「嘘も何も決定的な証拠があるんだ…エル…」
「……」
え?今ここでエルミーヌ様の愛称で呼ぶロドリグ様って、何がしたいの?
悲しそうな顔で眉尻下げて見つめちゃってさ。
エルミーヌ様もその顔を見て下唇噛んじゃってる。どちた!?本当にやったの!?
バレてくやちぃ!なの?
それとも、濡れ衣なのにぃ!なの?
わかんないなぁ。
あ、やっとステーキ出てきた。レアに焼き直してくれたから、シェフ、君の失態は許してあげる。
「私達…あんなに熱い夜を過ごしていたではないですか!」
「すまない…」
あ、うん。婚前交渉してたのね。熱い夜ね。エルミーヌ様、泣いてるのかなぁ。顔伏せちゃった。肩が震えてる。
いいなぁ、ロドリグ様。あのエルミーヌ様のデカいデカいおっぱい揉んだの?ひゅー!
いいなぁ。脂肪の塊であってもおっぱいに挟んでもらうのは…誰だって憧れちゃうよねぇ。
あー、ステーキうまし。あ、おにーさん。もう一枚よろ。
「…貴方は私がいなくとも、本当に宜しいのですね」
ん?エルミーヌ様?顔を上げてロドリグ様を不敵な笑みで見つめてるけど…。
ん?ロドリグ様?ちょっと頬を赤くしてるのは何で?
「…う、うむ」
「ロディ?」
「本当に、ですわね?」
ニコールが心配そうにロドリグ様の服の袖を引っ張ってる。あざとい。
エルミーヌ様はなんというか、涙は流してなかったみたいだけど…ロドリグ様をゴミムシを見るみたいた顔に!おー?形成逆転!?
「そうですか。ふふ。運命の番ですか。そうですか。では、ロディ。いいえ、モンドンヴィル公爵子息様。お幸せに」
エルミーヌ様…にっこり微笑んでカーテシーしてる。すごく綺麗っす。
ニコールは大丈夫かね。公爵夫人とか、できるの?アンタすごく大雑把なカーテシーしかしないのに。成績も下から数えた方が早いよね?
「…君の罪をここで曝け出すつもりはない。今後ニコールに手を出さないと約束してくれるなら…」
「証拠も罪も身に覚えはありませんが、畏まりました。今後一切、貴方方と交流することはない。そうここで宣言いたしますわ」
にーっこりんのエルミーヌ様、うつくひぃ。
え?ロドリグ様。ポッと頬赤らめてるけど大丈夫???見とれてる場合か!?
「ロディ!」
「あっああ。そう、だな。こちらからも関わらないと宣言しよう。皆、すまなかった。このような場でする話では…なかったな」
ニコールに名前を呼ばれてどこかにいってたロドリグ様は帰ってきたけど、そう思うなら初めからやるんじゃないよ、全く。
「では、皆さま。ごきげんよう」
エルミーヌ様!?帰っちゃうのー?えー。
コルセットで盛り上がってるおっぱい眺めつつ食べるステーキとっても美味しいのにぃ。ぶーぶー。
「ロディ。ありがとう」
「これで君が安心できるなら」
「ふふ」
エルミーヌ様が会場から出だ瞬間から、あの2人…チュッチュッしてハート飛ばしまくりかよ。ゲロー。
これってニコールの一人勝ちかね?
でも、なんか
スッキリしないなぁ。
あー、でも、ステーキ美味しかった。
私もΩだけど、運命の番がいるなら男より女がいいな。
だって、棒突っ込まれてバチュンバチュン腰を振ってもらいつつ、私の上にいる相手のおっぱいが揺れる。もちろんデカパイ。
それをモミモミしつつ、アンアン喘ぐんだ。
じゅるっ。想像しただけで涎が出ちゃう。
あーあ。αもβ、Ω。全て揃ってるパーチーなのに
私の運命はどこかしらぁ?
「ああ!私の番!」
「え?!」
パーチー終盤、騒動も忘れた人々は騒がしいパーチーを楽しそうにしていた。
私は満腹大満足になったから、テラスに出て涼んでただけなのに…。
「む、むむか、むむむがが」
「はぁぁぁ。ずっといい匂いがすると思っていたのです。この会場に絶対いると思って帰えらずにいて正解でしたわ!」
いい匂いがする。私もすごくこの匂いには惹かれます。
柔からい何かが顔に押し付けられて、息苦しい。でもなんか幸せ。
「ああ、こちらを見て、私の番」
顔を両手で掴まれて上を向かせられる。
目に見えた人の顔はよく知ってる人だった。
「え、え、え」
「エルミーヌ」
「え、えるみー…ぬ?」
「はぁぁん!名前を呼ばれた!嬉しい!」
彼女はクネクネと腰をくねらせながら私を抱き締めると、私をお姫様抱っこをして歩き始めた。
ちょっと、力強くない?
「え、え?」
「お父様に婚約破棄を急がせてよかった。学園内にいてもどこからかいい匂いがするのに、どこかわからなくて…なかなか迎えに来れなくてごめんなさいね」
「ええ?」
「ああ、大丈夫。さっきの騒動は気になさらないで。貴方に会うまでの私がしていた暇つぶしが一つ無くなっただけだから。あの男の尻に突っ込むのも飽きてきた所でしたの。運命を探したくてまっさらになろうとしていた矢先、あの2人が先に仕掛けてきた。それだけですわ。むしろ喜びで体が震えてしまいましたの」
「ほえ?」
「ふふ。私が番だとわからない?貴方の可愛い顔を誰にも見せないよう、まだフェロモンは出しておりませんの。ああ、でも大丈夫。2人っきりになったらトロットロの顔にして差し上げますから。私は貴方が番だとちゃんと分かっておりますわ」
エルミーヌ様は私の頬に口付けると満面の笑みを見せた。
その笑顔を見るだけでドキドキと胸が高鳴って頬が熱くなって、なんだか股間が熱く…。
「沢山子供を産んでくださいませね」
彼女はニッコニコで馬車まで運ぶとすぐに乗り込んで…………。
男のΩが女のαに攻められてアヘアヘしちゃう話。
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スマホをベッドに叩きつけるように投げると、私はムラムラとしたような気持ちを抑えながら部屋から出た。
「ひろちゃん。ムラムラするから、えっちして」
「はぁぁ?」
「えっちしてー、後デカおっぱいつけてパンパン腰振ってぇ」
「ちょ、まっ」
最愛の夫はリビングで1人テレビゲームをしていたようだ。私はコントローラーを持ち、ゲームをする夫に後ろから抱きつきながら、チュッチュと彼の頬に口付け、彼が早く私の体を熱くしてくれるのを待った。
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