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幸せを世界に
お祝いお祝い
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「「「かんぱーい」」」
今日はロイド兄さんのペネロペさんの結婚式。いや、式はしてないから結婚おめでとうお祝い会だ。
狭い屋敷で家族皆んなで食卓を囲んでいる。テーブルの上には鶏の丸焼きや色とりどりの野菜、お酒に、お菓子、果実水、新鮮な魚介など僕が生きていた中で1番豪華な食事が並んでいる。
男達はオリーが持ってきたお酒で何度目かわからない乾杯の音頭でわいわいと騒いでいる。母さんと僕、エミリーとペネロペさんはお酒はほどほどに美味しい食事を堪能していた。
「エミリーもお酒が飲めるのか…」
「ふふ、成人したからね!」
「成人式も僕が知らない間に終えてたとか…びっくりしたよ」
「だって兄さん忙しそうだったし。でも成人祝いに沢山の紙をありがとう!あれだけあれば自主学習もたくさんできそう」
「エミリーは本当に勉強が好きだね。女学校も来年の穫れの3月で卒業か。卒業後はどうするの?」
「うーん。アシェル兄さんみたいに仕事を探して、住み込みの使用人とかもいいかなって思ってるの。アシェル兄さんも家を出て父さん達2人になるけど、ロイド兄さんが近くで家を借りて住むことになったし…私も独り立ちの時期かなって思うの」
「そっかぁぁ。あんなに小さかったエミリーが…」
しみじみときた声で僕が呟くと母さんが僕の肩をぽんぽんっと叩いた。
「すぐに子供が増えて賑やかになるわよ。アーちゃんも子供を引き取るんでしょう?」
「あ、うん。オリーの姉?妹?の子供をね。来年の種の2月には産まれる予定だよ。立ち合いはしたいし、学園も穫れの3月までだからしばらくフィレント王国に行くかな」
「大きくなってからでいいから我が家にも連れてきてちょうだいね?もしかしたら母さん達も子供ができてるかもだけど」
「え!」
「やぁだぁぁ、冗談よ、冗談」
「……身体年齢も動いてるんだし、あまり無理しないでよ…」
「ふふ。だって子供達が巣立ったら夫婦の時間増えちゃうんだもん」
「だもんじゃないよ!だもんじゃ!あーあー、聞きたくない聞きたくない!」
僕が耳を押さえて蹲ると、女性達はクスクスと笑い始めた。
「私も早く赤ちゃんが欲しいです。学校卒業するまでここに帰って来れないのが辛い…」
「ペネロペちゃん。もう貴方はロイドの妻なのよ?ドーンっとしてればいいのよ。結婚が決まってから隣町に出かけてる様子はないわ。大丈夫」
「本当ですかぁ?ロイドって性欲が強くて心配なんです。会うと抜かずに3回は…むぐぐぐ」
「ペネロペさん、生々しいよ!」
僕はそれ以上喋れないようにペネロペさんの口を手で押さえると、ペネロペさんは僕の手をパチパチ叩いてモゴモゴしている。母さんはその様子を見てクスクス笑い、近頃は大人の階段を知ってしまったエミリーまでも笑っている。
「女同士の閨事の話って意外にも男より生々しいものよ」
「母さんまで!」
「私もお姉さんに色々教えてもらったんだ。えへへ、そしたら先生と…その…」
「んばっ!え!エミリーちゃん!ついに!?」
ペネロペさんは僕の手から逃れると、照れたように笑うエミリーの肩を掴んだ。エミリーは母さんやペネロペさんを見てモジモジしながら可愛い声でつぶやいた。
「えへへ。お付き合いすることになったの」
「「キャー」」
女性達はエミリーの恋の話に盛り上がって、キャイキャイと黄色い声で話を始めた。僕はその様子を眺めてげっそりしながらも、酒盛りで騒いでいる男達に目線を向けた。
オリーはロイド兄さんに何か渡してるし、ロイド兄さんはそれを嬉しそうに受け取って父さんにも分けてるし…。何を渡してるのかなんとなく察した僕はハァァァっとため息をついた。
(次帰ってきたら弟か妹、甥か姪、どっちもいそうで怖い)
そんなことを思いながら女性達の話に耳を傾けて僕はモグモグと料理を食べた。
今日はロイド兄さんのペネロペさんの結婚式。いや、式はしてないから結婚おめでとうお祝い会だ。
狭い屋敷で家族皆んなで食卓を囲んでいる。テーブルの上には鶏の丸焼きや色とりどりの野菜、お酒に、お菓子、果実水、新鮮な魚介など僕が生きていた中で1番豪華な食事が並んでいる。
男達はオリーが持ってきたお酒で何度目かわからない乾杯の音頭でわいわいと騒いでいる。母さんと僕、エミリーとペネロペさんはお酒はほどほどに美味しい食事を堪能していた。
「エミリーもお酒が飲めるのか…」
「ふふ、成人したからね!」
「成人式も僕が知らない間に終えてたとか…びっくりしたよ」
「だって兄さん忙しそうだったし。でも成人祝いに沢山の紙をありがとう!あれだけあれば自主学習もたくさんできそう」
「エミリーは本当に勉強が好きだね。女学校も来年の穫れの3月で卒業か。卒業後はどうするの?」
「うーん。アシェル兄さんみたいに仕事を探して、住み込みの使用人とかもいいかなって思ってるの。アシェル兄さんも家を出て父さん達2人になるけど、ロイド兄さんが近くで家を借りて住むことになったし…私も独り立ちの時期かなって思うの」
「そっかぁぁ。あんなに小さかったエミリーが…」
しみじみときた声で僕が呟くと母さんが僕の肩をぽんぽんっと叩いた。
「すぐに子供が増えて賑やかになるわよ。アーちゃんも子供を引き取るんでしょう?」
「あ、うん。オリーの姉?妹?の子供をね。来年の種の2月には産まれる予定だよ。立ち合いはしたいし、学園も穫れの3月までだからしばらくフィレント王国に行くかな」
「大きくなってからでいいから我が家にも連れてきてちょうだいね?もしかしたら母さん達も子供ができてるかもだけど」
「え!」
「やぁだぁぁ、冗談よ、冗談」
「……身体年齢も動いてるんだし、あまり無理しないでよ…」
「ふふ。だって子供達が巣立ったら夫婦の時間増えちゃうんだもん」
「だもんじゃないよ!だもんじゃ!あーあー、聞きたくない聞きたくない!」
僕が耳を押さえて蹲ると、女性達はクスクスと笑い始めた。
「私も早く赤ちゃんが欲しいです。学校卒業するまでここに帰って来れないのが辛い…」
「ペネロペちゃん。もう貴方はロイドの妻なのよ?ドーンっとしてればいいのよ。結婚が決まってから隣町に出かけてる様子はないわ。大丈夫」
「本当ですかぁ?ロイドって性欲が強くて心配なんです。会うと抜かずに3回は…むぐぐぐ」
「ペネロペさん、生々しいよ!」
僕はそれ以上喋れないようにペネロペさんの口を手で押さえると、ペネロペさんは僕の手をパチパチ叩いてモゴモゴしている。母さんはその様子を見てクスクス笑い、近頃は大人の階段を知ってしまったエミリーまでも笑っている。
「女同士の閨事の話って意外にも男より生々しいものよ」
「母さんまで!」
「私もお姉さんに色々教えてもらったんだ。えへへ、そしたら先生と…その…」
「んばっ!え!エミリーちゃん!ついに!?」
ペネロペさんは僕の手から逃れると、照れたように笑うエミリーの肩を掴んだ。エミリーは母さんやペネロペさんを見てモジモジしながら可愛い声でつぶやいた。
「えへへ。お付き合いすることになったの」
「「キャー」」
女性達はエミリーの恋の話に盛り上がって、キャイキャイと黄色い声で話を始めた。僕はその様子を眺めてげっそりしながらも、酒盛りで騒いでいる男達に目線を向けた。
オリーはロイド兄さんに何か渡してるし、ロイド兄さんはそれを嬉しそうに受け取って父さんにも分けてるし…。何を渡してるのかなんとなく察した僕はハァァァっとため息をついた。
(次帰ってきたら弟か妹、甥か姪、どっちもいそうで怖い)
そんなことを思いながら女性達の話に耳を傾けて僕はモグモグと料理を食べた。
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