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幸せを世界に
無事解決
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カローさんを寮に送ってから、一旦アイザックさんに連絡を取った。明日カローさんと一緒にアイザックさんに会いに行くことになり、僕はカローさんにも待ち合わせの時間含めて連絡を送った。
しばらくすると、ブルックス君の使いである白のフクロウが僕の部屋になってきて書類を手渡してきた。
それは養子縁組を破棄されたという通告書類であり、カローさんはただのペネロペさんになったことを意味していた。
「とりあえず父さんに連絡っと」
書類を収納にしまってから僕は父さんにウサギを送った。貴族として嫁ぐべきなのかと聞いてみると、僕の国では男爵家は平民を娶ることも多いらしくて何も珍しくないから、貴族位がなくても問題ないと朝早くに速達で手紙が届いた。ペネロペさんは平民のまま僕の兄に嫁ぐことに決定した。ブルックス君にもペネロペさんにもそのことを伝えた。
「持参金もなくて良かったのですか?」
「ああ。それは…」
アイザックさんに会いに行く道中にペネロペさんに我が家の話を伝えると申し訳なさそうな顔になってしまった。僕は収納からフクロウが持ってきたもう一つの書類をペネロペさんに手渡した。
「え、これって…」
「君を売り飛ばそうとした悪い豚さんが君の値段をこれぐらいつけたそうだよ。遊ぶだけ遊んだら売り飛ばそうとしてたなんて悪い豚さんだよね。で、そのお金をカロー子爵に払わせたらしいよ。賠償金みたいな感じでね。ブルックス君からペネロペさんに贈り物だってさ。自分についた値段を渡されても困るとは思うけど、お金はあれば使い道があるし困らないからね。僕の家は持参金があれば助かるけど…貧乏ではあるけどお金に煩いわけじゃないんだ。だから、そのお金はペネロペさんの自由に使って。もし僕の家族のために使いたいってなったら、父さんに相談してみてね。でも、学費にするのが1番だよね」
「……はい……」
ペネロペさんは記載された金額の書類をぎゅっと抱きしめて小さく頷いた。ちなみにオリーもちゃんと側でその様子を眺めている。少しばかりペネロペさんに対抗意識がある様子で2人っきりにはしたくないと言い張った結果だった。
3人で学園長室に入ると、少しやつれたアイザックさんがデスクに向かって仕事をしていた。僕たちが入ってくるのを目で確認すると立ち上がって優しく微笑んだ。
「ソファーに座ってください」
「はい」
僕とオリーがアイザックさんの向かい側。ペネロペさんは1人用の扉に近いソファーに座った。
「さて。カロー子爵の話は聞いています。大変でしたね」
「お騒がせしました」
アイザックさんはペネロペさんを労るような声で話しかけた。ペネロペさんは眉尻を下げてから軽く頭を下げて返答していた。僕はそれを眺めながら収納から養子縁組破棄の書類をテーブルに置いてからアイザックさんに話しかけた。
「貴族ではなくなって平民になったのでペネロペさんになりました。でも卒業はしたいと本人の希望があります。平民枠でこのまま通えますか?」
アイザックさんは書類を手に取ってじっと眺めてから元の位置に戻した。そして顎に手を当てて何かを考えると口を開いた。
「そうですね。3年生の平民枠は上限いっぱいだったと記憶しています。ただ、近頃は頑張っている様子でしたし、私としても学園に通わせてあげたい。ただ、前例がないためすぐには許可できません」
「……」
ペネロペさんは悲しそうな顔になると顔を伏せてしまった。僕はアイザックさんをじっと見つめていると、アイザックさんはふんわりと微笑んで話を続けた。
「ただし、もうすぐある魔法操作の試験で1発合格すれば考えてもいいでしょう。1番苦手な分野で頑張れるならば、今回限り貴族枠のまま通うことを許可します」
「え!?」
ペネロペさんは泣きそうになっていたのか涙を目に溜めたまま、ガバッと顔を上げた。アイザックさんはペネロペさんに優しく微笑んだ。
「いつも補修を受けてやっと合格していた苦手な分野ですね。できますか?」
「や、やります!やります!!!やってみせます!!」
「ふふ。では、前期の学費はすでに頂いてますので後期の学費を用意してもらえればこちらとしては何も問題ありません。貴族枠だと金貨5枚ですね」
「……あっ」
アイザックさんの言葉にペネロペさんは手に握りしめていた書類を広げて見つめた。そしてそれをテーブルの上に置くとアイザックさんに真剣な顔で見つめて話しかけた。
「私の値段は金貨10枚だそうです。ひょんなことからそのお金を手にすることができたので、ここから学費を納めたいと思います」
「ふふ。では、あとは試験を頑張るだけですね」
「はい!」
ペネロペさんは嬉しそうに笑うとアイザックさんにペコペコと頭を下げた。僕は一つ問題が解決してホッと息をつくと、オリーが話しかけてきた。
「で、金貨は?」
「ふふ。明日あたりにフクロウさんが届けてくれると思うよ。ペネロペさん宛にね」
「そうか」
オリーはホッと安心したような顔になるとペネロペさんにニヤニヤとした声をかけた。
「ま、これから俺とも家族になるわけだな。よろしくしてやろう」
「うっ。そうだった…シャルム先生とも今後も付き合いが…。いや、いい。仕方ない!その点は苦虫を潰して食べた時の顔で耐えます」
「おいおい」
「「あははは」」
事前に実兄との婚姻を考えていることを伝えてあったアイザックさんと僕は二人のやりとりを見てクスクスと笑った。二人は仲良く?会話のやりとりをして楽しそうだった。
こうしてペネロペさんは試験を頑張ることになった。もちろん、宣言通り努力して1発合格を手に入れると金貨5枚を学園に収めて穫れの3月の卒業式まで通えることになった。
次は僕の家族との顔合わせだ。卒業後のこと含め僕はペネロペさんとオリーを連れてランベルツ領に帰ることになった。
しばらくすると、ブルックス君の使いである白のフクロウが僕の部屋になってきて書類を手渡してきた。
それは養子縁組を破棄されたという通告書類であり、カローさんはただのペネロペさんになったことを意味していた。
「とりあえず父さんに連絡っと」
書類を収納にしまってから僕は父さんにウサギを送った。貴族として嫁ぐべきなのかと聞いてみると、僕の国では男爵家は平民を娶ることも多いらしくて何も珍しくないから、貴族位がなくても問題ないと朝早くに速達で手紙が届いた。ペネロペさんは平民のまま僕の兄に嫁ぐことに決定した。ブルックス君にもペネロペさんにもそのことを伝えた。
「持参金もなくて良かったのですか?」
「ああ。それは…」
アイザックさんに会いに行く道中にペネロペさんに我が家の話を伝えると申し訳なさそうな顔になってしまった。僕は収納からフクロウが持ってきたもう一つの書類をペネロペさんに手渡した。
「え、これって…」
「君を売り飛ばそうとした悪い豚さんが君の値段をこれぐらいつけたそうだよ。遊ぶだけ遊んだら売り飛ばそうとしてたなんて悪い豚さんだよね。で、そのお金をカロー子爵に払わせたらしいよ。賠償金みたいな感じでね。ブルックス君からペネロペさんに贈り物だってさ。自分についた値段を渡されても困るとは思うけど、お金はあれば使い道があるし困らないからね。僕の家は持参金があれば助かるけど…貧乏ではあるけどお金に煩いわけじゃないんだ。だから、そのお金はペネロペさんの自由に使って。もし僕の家族のために使いたいってなったら、父さんに相談してみてね。でも、学費にするのが1番だよね」
「……はい……」
ペネロペさんは記載された金額の書類をぎゅっと抱きしめて小さく頷いた。ちなみにオリーもちゃんと側でその様子を眺めている。少しばかりペネロペさんに対抗意識がある様子で2人っきりにはしたくないと言い張った結果だった。
3人で学園長室に入ると、少しやつれたアイザックさんがデスクに向かって仕事をしていた。僕たちが入ってくるのを目で確認すると立ち上がって優しく微笑んだ。
「ソファーに座ってください」
「はい」
僕とオリーがアイザックさんの向かい側。ペネロペさんは1人用の扉に近いソファーに座った。
「さて。カロー子爵の話は聞いています。大変でしたね」
「お騒がせしました」
アイザックさんはペネロペさんを労るような声で話しかけた。ペネロペさんは眉尻を下げてから軽く頭を下げて返答していた。僕はそれを眺めながら収納から養子縁組破棄の書類をテーブルに置いてからアイザックさんに話しかけた。
「貴族ではなくなって平民になったのでペネロペさんになりました。でも卒業はしたいと本人の希望があります。平民枠でこのまま通えますか?」
アイザックさんは書類を手に取ってじっと眺めてから元の位置に戻した。そして顎に手を当てて何かを考えると口を開いた。
「そうですね。3年生の平民枠は上限いっぱいだったと記憶しています。ただ、近頃は頑張っている様子でしたし、私としても学園に通わせてあげたい。ただ、前例がないためすぐには許可できません」
「……」
ペネロペさんは悲しそうな顔になると顔を伏せてしまった。僕はアイザックさんをじっと見つめていると、アイザックさんはふんわりと微笑んで話を続けた。
「ただし、もうすぐある魔法操作の試験で1発合格すれば考えてもいいでしょう。1番苦手な分野で頑張れるならば、今回限り貴族枠のまま通うことを許可します」
「え!?」
ペネロペさんは泣きそうになっていたのか涙を目に溜めたまま、ガバッと顔を上げた。アイザックさんはペネロペさんに優しく微笑んだ。
「いつも補修を受けてやっと合格していた苦手な分野ですね。できますか?」
「や、やります!やります!!!やってみせます!!」
「ふふ。では、前期の学費はすでに頂いてますので後期の学費を用意してもらえればこちらとしては何も問題ありません。貴族枠だと金貨5枚ですね」
「……あっ」
アイザックさんの言葉にペネロペさんは手に握りしめていた書類を広げて見つめた。そしてそれをテーブルの上に置くとアイザックさんに真剣な顔で見つめて話しかけた。
「私の値段は金貨10枚だそうです。ひょんなことからそのお金を手にすることができたので、ここから学費を納めたいと思います」
「ふふ。では、あとは試験を頑張るだけですね」
「はい!」
ペネロペさんは嬉しそうに笑うとアイザックさんにペコペコと頭を下げた。僕は一つ問題が解決してホッと息をつくと、オリーが話しかけてきた。
「で、金貨は?」
「ふふ。明日あたりにフクロウさんが届けてくれると思うよ。ペネロペさん宛にね」
「そうか」
オリーはホッと安心したような顔になるとペネロペさんにニヤニヤとした声をかけた。
「ま、これから俺とも家族になるわけだな。よろしくしてやろう」
「うっ。そうだった…シャルム先生とも今後も付き合いが…。いや、いい。仕方ない!その点は苦虫を潰して食べた時の顔で耐えます」
「おいおい」
「「あははは」」
事前に実兄との婚姻を考えていることを伝えてあったアイザックさんと僕は二人のやりとりを見てクスクスと笑った。二人は仲良く?会話のやりとりをして楽しそうだった。
こうしてペネロペさんは試験を頑張ることになった。もちろん、宣言通り努力して1発合格を手に入れると金貨5枚を学園に収めて穫れの3月の卒業式まで通えることになった。
次は僕の家族との顔合わせだ。卒業後のこと含め僕はペネロペさんとオリーを連れてランベルツ領に帰ることになった。
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