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魔道具研究の日々
親孝行させてよ!
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こそこそと家に戻ると家族達が集まって昼ごはんの準備をしていた。僕は少し出遅れた!っと思いながら母さんの手伝いをしてテーブルの上にお皿を並べていった。
昨日と同じ席順で座って食事を楽しみながら僕は父さんとロイド兄さんに時刻魔道具と入浴施設について話をすることにした。
「父さん、兄さん。相談なんだけど…」
「ん?なんだい?」
2人はモグモグと口を動かしながら僕に目線を向けた。僕は手に持っていたフォークを置いてから話を始めた。
「アイミヤ公国に行ってさ、すごく便利な魔道具を見つけたんだ。1日の時間を示す魔道具でね、朝はいつ起きて、昼はいつまで仕事してってのを日が登るので判断せず、数字を目視して見れるんだ。自宅用の小型のを一つ買ってきたんだけど…」
僕が話をしながら収納から室内用の魔道具を取り出すと、オリーはサッと魔道具を僕の手から奪って部屋の壁に設置してくれた。背の低い僕ではやりにくい事を何言わずにしてくれるオリーはとてもカッコ良かった。
僕はオリーが補填式魔力を設置してから魔道具を動かしたのを見計らって父さんとロイド兄さんに話を続けた。
「今オリーが付けてくれてるのがその魔道具なんだ。えっと…ほら、魔道具に目線を向けて見て。今赤色の1ってなってるのわかる?」
食事をしていた僕の家族は一旦食べる手を止めて皆んながじっと魔道具を見つめた。そしてエミリーが先に大きな声を出して反応を示した。
「あ!これ女学校にもあるわ!でも、色合いがあるのね、どうして?」
「アイミヤ公国の人はちょっとばかり熱中しやすいらしくてさ。赤の5から赤の4、青の5から青の4って明るい時間と暗い時間を表してるんだって。そして半分時間が進むと赤色または青色が薄くなるんだ。これを領民達の憩の広場につけたらどうかな?畑仕事も時間配分ができていいと思うんだ。算術が出来なくても数字を覚えるだけだし」
「確かにこれなら畑仕事をしていてもどれくらい外にいたのかわかるね。広場は皆が使うし、慣れればいいかもしれない」
「そうなんだ。特にロイド兄さんは無心になると周りが見えないし、領民達も声かけしやすくなると思うんだ。もう赤の3だから仕事をやめようってさ」
「ははは。確かに気がつくと外が暗くなってることはよくある」
父さんとロイド兄さんはフムフムと鼻を鳴らしながら僕の話を聞いてくれた。オリーは設置が終わると僕の隣に戻ってきて食事を始めた。エミリーと母さんは食事をしながら僕達の声に耳を傾けていた。
「魔力は補填式で1年はもつんだって。3つほどの補填式魔力を使い回してればずっと使えると思うんだよね。魔力の補充は毎日コツコツすれば皆でも出来るし、僕がいる時はサッと補充するからさ」
「なるほど」
「購入するのは僕がするし、魔道具のことは心配しないで。皆への恩返しの一つとして贈りたいから」
「いや、それは…」
父さんは少しだけ眉尻を下げると困ったような顔になった。僕は優しく微笑んで話を続けた。
「僕が燻ってても何も言わずに見守ってくれて、すごく感謝してるんだ。だからもっとこの領内を良くできるようにもっと協力したい。魔道具はその一つだと思って受け取って欲しいな。僕は僕のためだけじゃなくて、皆んなに幸せになって欲しくて仕事を始めたんだから」
父さんは母さんに視線を向けて目配せをした。母さんはのほほんっとした様子で父さんに微笑むと優しく話した。
「いいじゃない。アーちゃんも大人になったのよ。親として親孝行されることも慣れなきゃ!」
「だが…」
「貴方だって、初めてのお給料で買った物をお義父さん達に送ったって自慢してたじゃない。親孝行できて嬉しかったって。その気持ちをアーちゃんにも味合わせてあげなきゃ。毎月送られてくるお金だって2人で相談してやっと使い始めたばかりだけど、帰ってきたアーちゃんの顔を見たでしょう?少し誇らしげの顔。使ってもらえなかったらきっとガッカリ顔だったのよ?」
「……うーん……」
母さんは優しく父さんの手を両手で握って話を続けた。
「成長した息子の姿を見守りましょう。貰ったぶんだけ領内に還元してロイドが結婚する迄にもう少し豊かにしなきゃ。今じゃ貧乏でなかなかお嫁さんが見つからないんだから!」
「母さん、俺だって好きな女ぐらいいる!」
「あら?本当に?時々コソコソと夜に出て行くのは隣町のお店だと思っていたわ」
「…………」
ロイド兄さんは図星だったのか何も言い返せずに押し黙ってしまった。その様子をエミリーはクスクス笑って眺めていた。父さんはまた目線を魔道具に向けてから僕に視線を向けた。
「わかった。アシェルの気持ちを受け取ろう」
「よかった。えへへ。実はもう広場用の買ってあるんだ。でも広場を整えなきゃだから、それはお願いしてもいいかな?」
「ああ、勿論だ。ここも隣町の噴水広場のような場所にしてみるよ。それが出来上がったら設置に来てくれるかい?」
「もちろん!」
僕は胸をポンっと手で叩いて返事を返すと、父さんは険しい顔から優しい顔に戻って僕に微笑んだ。僕は一つ話が進んだことで、やっと食事を始めた。
施設については食事が終わってから父さんとロイド兄さんに話をした。2人もその施設については考えていたようで、3人でどうするべきかを考える事になった。
赤の3まで3人で話し合ってある程度まとまったら、オリーが僕に声をかけてきた。
「アーシェ。そろそろ…」
「あ!本当だ!もう帰らなきゃ!」
僕は部屋にあった時刻を眺めて時間が経った事に気がつくと慌てて立ち上がって、父さんとロイド兄さんに声をかけた。
「じゃあ!魔法とかは僕がするし、補填式にしたらもう少し使い勝手が良くなるはずだから!また領民達との話し合いで意見交換して検討してみて!」
「あ、ああ。わかったよ。気をつけてな」
早口で声をかけて手を振る僕に父さん達は呆気に取られながら返事を返して手を振りかえしてくれた。
帰り際に母さんとエミリーにも声をかけて挨拶を済ませると、オリーが気を利かせて呼んでくれた辻馬車に乗って僕は見送りに出てきた家族に窓から顔を出して手を振った。
「また手紙ちょうだいね!いってきまーす!」
「「「「いってらっしゃい」」」」
僕がぶんぶんと手を振ると皆んなは小さく手を振って見送ってくれた。皆の姿が小さくなるまで手を振ってから僕は窓から顔を引っ込めてオリーの隣にスポンっと座った。
「あーあ。もう終わっちゃった」
「割と近いからいつでも来ればいいさ」
オリーの肩に頭を乗せて呟くとオリーは優しく頭を撫でてくれた。しばらくそのままで過ごしていてると、僕はある事を思い出して「あ」っと声を出した。
「兄さんとエミリーが灰色とか調べてない…」
「ああ、それは俺がちゃんと調べておいた。ロイドは昨日の夜。エミリーはアーシェが話してる間にな。2人ともやはり俺と同じではなかった。あ、吐く匂いだけ確認しただけだからな」
「じゃあなんで僕はオリーと同じなんだろう」
「お義母さんが言うには、お義母さんの家系的に白に近い色が生まれるそうだ。それにその白い頭が関係してるんじゃないかっても言っていたな」
「そっか…この頭のおかげってことか」
僕は髪の毛の房を掴んでじっと眺めてて呟くと、オリーは僕の掴んでいる髪にそっと口付けきた。
「この国の奴らはバカだな。こんなに美しい髪を差別するだなんて」
「色々聞いたの?」
「ああ。酒を飲んでるときも、アーシェが話し合いしてる時も誰かしら俺に気を使って話しかけてくれたからな。髪が白いからって子供ができる仕事もさせてくれないだなんて馬鹿げてる話だ」
オリーは少し怒ったような声で話すと僕をぎゅっと抱きしめてきた。僕はオリーの腕にそっと手を置いて微笑んだ。
「前はこの白が嫌いだったけど、今は大好きなんだ。白くなかったらこの国で仕事して、オリーに会えなかった。オリーに会う為に僕は白く生まれたんだと思うんだ。そう思えばこの色が誇らしく思うし、好きになってきたんだよね」
オリーは優しく微笑むと僕の頭に軽く口付けた。
「お前の全てを愛してる」
「僕もオリーの全てを愛してるよ」
お互いに見つめあってどちらからともなく口付け合いながら、僕たちは揺れる馬車の中で愛を語り合った。
帰るまでずっと。
昨日と同じ席順で座って食事を楽しみながら僕は父さんとロイド兄さんに時刻魔道具と入浴施設について話をすることにした。
「父さん、兄さん。相談なんだけど…」
「ん?なんだい?」
2人はモグモグと口を動かしながら僕に目線を向けた。僕は手に持っていたフォークを置いてから話を始めた。
「アイミヤ公国に行ってさ、すごく便利な魔道具を見つけたんだ。1日の時間を示す魔道具でね、朝はいつ起きて、昼はいつまで仕事してってのを日が登るので判断せず、数字を目視して見れるんだ。自宅用の小型のを一つ買ってきたんだけど…」
僕が話をしながら収納から室内用の魔道具を取り出すと、オリーはサッと魔道具を僕の手から奪って部屋の壁に設置してくれた。背の低い僕ではやりにくい事を何言わずにしてくれるオリーはとてもカッコ良かった。
僕はオリーが補填式魔力を設置してから魔道具を動かしたのを見計らって父さんとロイド兄さんに話を続けた。
「今オリーが付けてくれてるのがその魔道具なんだ。えっと…ほら、魔道具に目線を向けて見て。今赤色の1ってなってるのわかる?」
食事をしていた僕の家族は一旦食べる手を止めて皆んながじっと魔道具を見つめた。そしてエミリーが先に大きな声を出して反応を示した。
「あ!これ女学校にもあるわ!でも、色合いがあるのね、どうして?」
「アイミヤ公国の人はちょっとばかり熱中しやすいらしくてさ。赤の5から赤の4、青の5から青の4って明るい時間と暗い時間を表してるんだって。そして半分時間が進むと赤色または青色が薄くなるんだ。これを領民達の憩の広場につけたらどうかな?畑仕事も時間配分ができていいと思うんだ。算術が出来なくても数字を覚えるだけだし」
「確かにこれなら畑仕事をしていてもどれくらい外にいたのかわかるね。広場は皆が使うし、慣れればいいかもしれない」
「そうなんだ。特にロイド兄さんは無心になると周りが見えないし、領民達も声かけしやすくなると思うんだ。もう赤の3だから仕事をやめようってさ」
「ははは。確かに気がつくと外が暗くなってることはよくある」
父さんとロイド兄さんはフムフムと鼻を鳴らしながら僕の話を聞いてくれた。オリーは設置が終わると僕の隣に戻ってきて食事を始めた。エミリーと母さんは食事をしながら僕達の声に耳を傾けていた。
「魔力は補填式で1年はもつんだって。3つほどの補填式魔力を使い回してればずっと使えると思うんだよね。魔力の補充は毎日コツコツすれば皆でも出来るし、僕がいる時はサッと補充するからさ」
「なるほど」
「購入するのは僕がするし、魔道具のことは心配しないで。皆への恩返しの一つとして贈りたいから」
「いや、それは…」
父さんは少しだけ眉尻を下げると困ったような顔になった。僕は優しく微笑んで話を続けた。
「僕が燻ってても何も言わずに見守ってくれて、すごく感謝してるんだ。だからもっとこの領内を良くできるようにもっと協力したい。魔道具はその一つだと思って受け取って欲しいな。僕は僕のためだけじゃなくて、皆んなに幸せになって欲しくて仕事を始めたんだから」
父さんは母さんに視線を向けて目配せをした。母さんはのほほんっとした様子で父さんに微笑むと優しく話した。
「いいじゃない。アーちゃんも大人になったのよ。親として親孝行されることも慣れなきゃ!」
「だが…」
「貴方だって、初めてのお給料で買った物をお義父さん達に送ったって自慢してたじゃない。親孝行できて嬉しかったって。その気持ちをアーちゃんにも味合わせてあげなきゃ。毎月送られてくるお金だって2人で相談してやっと使い始めたばかりだけど、帰ってきたアーちゃんの顔を見たでしょう?少し誇らしげの顔。使ってもらえなかったらきっとガッカリ顔だったのよ?」
「……うーん……」
母さんは優しく父さんの手を両手で握って話を続けた。
「成長した息子の姿を見守りましょう。貰ったぶんだけ領内に還元してロイドが結婚する迄にもう少し豊かにしなきゃ。今じゃ貧乏でなかなかお嫁さんが見つからないんだから!」
「母さん、俺だって好きな女ぐらいいる!」
「あら?本当に?時々コソコソと夜に出て行くのは隣町のお店だと思っていたわ」
「…………」
ロイド兄さんは図星だったのか何も言い返せずに押し黙ってしまった。その様子をエミリーはクスクス笑って眺めていた。父さんはまた目線を魔道具に向けてから僕に視線を向けた。
「わかった。アシェルの気持ちを受け取ろう」
「よかった。えへへ。実はもう広場用の買ってあるんだ。でも広場を整えなきゃだから、それはお願いしてもいいかな?」
「ああ、勿論だ。ここも隣町の噴水広場のような場所にしてみるよ。それが出来上がったら設置に来てくれるかい?」
「もちろん!」
僕は胸をポンっと手で叩いて返事を返すと、父さんは険しい顔から優しい顔に戻って僕に微笑んだ。僕は一つ話が進んだことで、やっと食事を始めた。
施設については食事が終わってから父さんとロイド兄さんに話をした。2人もその施設については考えていたようで、3人でどうするべきかを考える事になった。
赤の3まで3人で話し合ってある程度まとまったら、オリーが僕に声をかけてきた。
「アーシェ。そろそろ…」
「あ!本当だ!もう帰らなきゃ!」
僕は部屋にあった時刻を眺めて時間が経った事に気がつくと慌てて立ち上がって、父さんとロイド兄さんに声をかけた。
「じゃあ!魔法とかは僕がするし、補填式にしたらもう少し使い勝手が良くなるはずだから!また領民達との話し合いで意見交換して検討してみて!」
「あ、ああ。わかったよ。気をつけてな」
早口で声をかけて手を振る僕に父さん達は呆気に取られながら返事を返して手を振りかえしてくれた。
帰り際に母さんとエミリーにも声をかけて挨拶を済ませると、オリーが気を利かせて呼んでくれた辻馬車に乗って僕は見送りに出てきた家族に窓から顔を出して手を振った。
「また手紙ちょうだいね!いってきまーす!」
「「「「いってらっしゃい」」」」
僕がぶんぶんと手を振ると皆んなは小さく手を振って見送ってくれた。皆の姿が小さくなるまで手を振ってから僕は窓から顔を引っ込めてオリーの隣にスポンっと座った。
「あーあ。もう終わっちゃった」
「割と近いからいつでも来ればいいさ」
オリーの肩に頭を乗せて呟くとオリーは優しく頭を撫でてくれた。しばらくそのままで過ごしていてると、僕はある事を思い出して「あ」っと声を出した。
「兄さんとエミリーが灰色とか調べてない…」
「ああ、それは俺がちゃんと調べておいた。ロイドは昨日の夜。エミリーはアーシェが話してる間にな。2人ともやはり俺と同じではなかった。あ、吐く匂いだけ確認しただけだからな」
「じゃあなんで僕はオリーと同じなんだろう」
「お義母さんが言うには、お義母さんの家系的に白に近い色が生まれるそうだ。それにその白い頭が関係してるんじゃないかっても言っていたな」
「そっか…この頭のおかげってことか」
僕は髪の毛の房を掴んでじっと眺めてて呟くと、オリーは僕の掴んでいる髪にそっと口付けきた。
「この国の奴らはバカだな。こんなに美しい髪を差別するだなんて」
「色々聞いたの?」
「ああ。酒を飲んでるときも、アーシェが話し合いしてる時も誰かしら俺に気を使って話しかけてくれたからな。髪が白いからって子供ができる仕事もさせてくれないだなんて馬鹿げてる話だ」
オリーは少し怒ったような声で話すと僕をぎゅっと抱きしめてきた。僕はオリーの腕にそっと手を置いて微笑んだ。
「前はこの白が嫌いだったけど、今は大好きなんだ。白くなかったらこの国で仕事して、オリーに会えなかった。オリーに会う為に僕は白く生まれたんだと思うんだ。そう思えばこの色が誇らしく思うし、好きになってきたんだよね」
オリーは優しく微笑むと僕の頭に軽く口付けた。
「お前の全てを愛してる」
「僕もオリーの全てを愛してるよ」
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