鬼神伝承

時雨鈴檎

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第四章

夢の旅路《中》

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ーーー不合意の性描写になりますーーー
《上》と《下》のみでお話は繋がりますので、無理な方は飛ばして《下》をお読みください。


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ぐちゅ、ぐちゃと森の中で水音が響く。
「っぐぁ……やめ……うぐ」
水音に混ざり響くのは、少年のうめき声と男の息遣い。肌のぶつかり合う音。
不知夜は男に腰を持ち上げられ、地面に両手を縫い付けられたまま、服を裂かれ男に身体を弄ばれていた。持ち上げられブラブラと揺れる足には、慣らされもせず無理やりねじ込まれ切れた血と、幾度とない挿入の動作であふれる男の欲の混ざったものが滴る。男は血と己の欲を潤滑剤がわりに、腰を何度も打ち付けた。
動かれる度粘膜が擦れ合い、焼けるような激痛が走る。
(気持ち悪い、それに熱くて痛い、なんだこれは)
不知夜と呼応するように、戦鬼の中へと同じ感覚が流れ込む。
「いや……ひっ……」
「はーやっぱり、ガキの初物は締め付けがいいなぁ、おら次行くぞ」
男は乱暴にもがく不知夜の頭を押さえつけて、ごりっとさらに奥へとねじ込む。
「っ……!あが………」
ぶちと何か奥に抜ける感覚がすれば、頭がぐらりとするような電撃が背中を通る。
目の前が白み、強い衝撃が身体を駆け巡る。
「はっ、奥にねじ込まれてイッたか?」
目を見開き身体を痙攣せれば、男はそのまま中に何度目かわからない欲を吐き出した。
腹の奥に弾ける熱から逃れようと、地面を強く引っ掻く。爪の間に土が入り、血が滲む。
男が再び腰を振り始める。ごぷと結合部から溢れる白濁が足を伝う不快感よりも、先程までただ痛みだけしかなかった体に、動かれる度背筋をビリビリとした違う刺激が流れる。
「やっ!は……なに…し…ぁ」
突然の体の変化にのけぞるように身体を震わせる。頭が痺れ出す。男が腰を打ちつける度、露わになり揺れる不知夜の先端から透明な液体が溢れる。
(体が…熱い…なんだ、急に感覚が変わった…)
何かが腹の奥へ登ってくる。先程感じた強い感覚が押し寄せてくる。
「いや……だぁ……も…」
あまりに強い快楽に、不知夜は恐怖と苦痛を感じ喘ぎに混じりなんども逃げようと、力の入らない身体を動かそうとする。
そうなれば体内に力が入り男を喜ばせるだけだった。
再び目の前がチカチカと白む、さっきのが来ると身体を強張らせた瞬間背後の男の動きが止まった。

どさり、不知夜の体が落とされた。
寸前まで昇きった身体は不意に訪れた静寂に、行き場のなくなった快楽で体が震える。
「不知夜‼︎……あぁ何という……母が母がわかるかえ?」
崩れ落ちた不知夜の背に生暖かい液体が掛かる。同時に悲鳴に似た声がかかった。
ぼんやりと音に反応するように視線を向ければ、長い艶やかな髪を乱して走り寄る女の姿があった。
(は、は……?でも龍だった……はず)
不知夜と感覚を共有した、戦鬼はその辛さにぼんやりとする頭を振り、状況を確認するように、ぼやける視界に映る女を見る。
この場に似つかわしくない、白い布を巻いただけのような服を身にまとう、素足の女。
不知夜の記憶と重なるのは、龍が不知夜を抱く時に成る姿。取り乱してるからだろう、普段と違うのは、今の戦鬼と同じように肌の所々に黒い鱗がある。
不知夜に近寄れば、首のなくなった男を引き剥がし近くに投げ捨てる。
「っひぁ、あ‼︎」
ずるりと中を圧迫していたものが引き抜かれる。ごりと背をすりあげられ、びくっと身体を強張らせると、白が弾ける。ぴるっと、仰け反り痙攣する不知夜の中心から白濁が溢れでた。
「あぁ、あぁ……なんて事だ……」
不知夜の姿にぼろぼろと泣きながら、血と肉に濡れた不知夜を抱く。
「あ、母様……ーーが…」
「大丈夫、大丈夫……何も心配するな空牙も探しておる」
きっと助けられていると、安心させるように汚れた不知夜の頭を撫でる。
(終わった…のか?)
撫でられる手の冷たさに安心する不知夜はそのまま意識を落とした。
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