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ダンサーなんだ〜
しおりを挟む翌日仕事に向かうと
昨日のイケメンの彼が
私の席の隣にいた
「山北さん!
おはよう!
今日もイケメン君が来てくれたからね!」
小山さんはとても嬉しそうに言うと
彼をニコニコした顔で見つめていた
『小山さんかなり彼の事気に入いってるな~
こんなに嬉しそうな小山さん見るの
初めてだわ~
小山さんは長年働いているし
社員の人に意見言える人だから
もしかしたら社員に頼んで
彼をこの部署に異動させたりして』
私はふとそう思った
私は彼をあまり見るのも悪い気がして
気になりながらも仕事に集中していた
すると
「いつもお昼は何食べてるの?
美味しいパン屋さんがあるから
今度買って来てあげようか?」
小山さんは嬉しそうに彼に言うと
「僕、彼女いるので毎日お弁当を
作ってもらっています…。
だからいいです」
彼ははっきりそう言うと
また無表情になった
「そうなんだ~
彼女にお弁当作ってもらってるんだね」
小山さんは少し残念そうに言った
『はっきりした子だな~
みんなの前で彼女にお弁当
作ってもらってる宣言するんだ~
私達の時代の男性は
こう言うの照れて言わなかったけど
今の若い子は、はっきり言うんだな~』
私は2人の会話を聞きながら
彼の彼女はさぞ愛されて
いるんだと感じた
そして毎日お弁当を作ると言う事は
同棲しているのだなと思った
その後は、みんな仕事に集中した
そしてお昼のチャイムが鳴ると
彼は一目散に休憩室に向かった
「山北さんが来る前に
彼と色々話してたんだけど
彼、ダンサーらしいよ~
それも大きな大会に出るから
これから休む事が多くなるんだって」
小山さんは小声で私にそう言った
『ダンサーなんだ~
だからこの会社にバイトで来てるんだ
ダンサーって色々あるけど
趣味でやっているのかな?
それともプロを目指しているのかな?』
私は今まで身近にダンサーと言う
特殊な事をしている人は
いなかったので
なんだか珍しい話しに少し
心が不思議な感覚になった
『見た感じはダンサーみたいに
軽い雰囲気はしないけど
大会に出るぐらいだから
きっとダンス上手いんだろうな~』
ダンサーイコール軽い人
見たいなイメージがあった私は
硬派な雰囲気の彼がダンサーだとは
あまりイメージが湧かなかった
この日から私は
新聞やテレビでダンスの文字を
見つけると彼を思い出すようになった
『彼に話しかけるのはかなり勇気いるけど
ダンスの話しは聞いて見たいな~』
私は彼に少し興味を
持つようになっていった
だけど、どこか誰にも心を開かないような
彼の周りには見えない頑丈なガラスで
覆われているような
そのガラスの中には簡単に
入る事ができないような
そんな雰囲気がした
私は簡単には話しかける事が
出来なかった
話しかけても拒否されるような
無視されるような
そんな独特な雰囲気が彼にはあった
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