誰にも言えない初恋

山本未来

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クリスマス

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12月になり駅前や近所の家では

クリスマスムードで溢れていて


イルミネーションやクリスマスツリー

の飾り付けなどがあちこちで

見られて夜になるとライトアップされ

輝きを放っていた



いつもの僕はクリスマスに興味が

全くなくて、きっと子供の頃は

毎回サンタさんからのプレゼントや

クリスマスケーキを楽しみにして

いたと思うけどそれも小学校位

までで中学、高校はお母さんが

大変な状態だったからそれ所では

なかった

だからあまりクリスマスの

思い出は無いような気がする


今年のクリスマスも特に予定はなく

多分弟がいるからお父さんがケーキを

買って来たりオードブルのような

物を買って来たりはするだろうけれど


僕にとっては特別な感じではなく

いつもと同じように過す日に

なると思っていた



拓哉は彼女とクリスマスを一緒に

過すらしくプレゼントは何にしたら

いいかと、毎日悩んでいた



学校の帰り道ふと百貨店に寄り道

した僕はあちこちに並ぶ

クリスマスプレゼントを見ながら

ふとある物に目が止まった


それはとても綺麗なキラキラ輝く

ネックレス、玲奈ちゃんママが

これを付けたらきっと似合うだろうな~


ふとそんな事を考えた


値段をみたら3万


『こんなにネックレスって高いんだ~

到底僕には買う事できないな~

でも宝石が散りばめられていて 

綺麗だな~』


僕がそれに見入っていると

店員さんが不思議そうな顔で

僕を見つめたので、僕は恥ずかしく

なってその場を逃げるように

立ち去った


『付き合っている人達は

どんなプレゼントを交換し合うのかな~』

僕は付き合った事がないから

よく分からなかった



クリスマスの日僕は普通通りに

部活を終え家に向かって帰っていた


そして玲奈ちゃんママの家の前付近に

着くと楽しそうな声が聞こえて来た


玲奈ちゃんママの家は毎年

クリスマスや玲奈ちゃんの誕生日には

沢山の友達が集まって夜遅くまで

パーティーをしていて


いつも楽しそうだな~と僕は思っていた



今日もみんなの笑い声やはしゃいでいる

声が外まで聞こえていて


僕は少し寂しい気持ちになって

その前を通り過ぎようとしたら


玄関の扉が開いて玲奈ちゃんママが

突然出て来た


「あっ!翔くん!!

久しぶり!!

ちょうどいい所に来てくれた、、

ちょっと待っててね!!」


そう言うと扉を締めて中に

入って行った


僕は久しぶりに玲奈ちゃんママに

会えたのが嬉しかったのと


やっぱりドキドキが止まらないのとで

緊張しながら玄関先で待っていた


今日は今にも雪が降りそうな位

寒くて

僕はポケットに手を突っ込み

少しだけ寒さをしのいだ


「翔くん~待たせてごめんね!

このケーキ私が作ったケーキだけど

ちょうど残っていたから良かったら

食べて!味には自信ないけど、、

それとお菓子この中に色々入ってるから

食べてね!

寒いから風邪とかひかない

ように気をつけてね!」


玲奈ちゃんママは少し緊張している

ような照れているようなお酒を

飲んでいたのか顔にほんのり赤みが

かっていてそれがとても色っぽくて

僕はじっと見つめてしまった、、


「あっ!ありがとうございます!」


僕はそう言うのが精一杯で


頭を少し下げるとケーキが崩れない

ようにカゴに真っ直ぐ置いて


自転車に乗り家に向かった


きっと玲奈ちゃんママは僕が

見えなくなるまで見送って

いてくれている気がしたけれど

僕は恥ずかしくて後ろを振り向く

事も出来ないでいた


まだ心臓がドキドキがして

止まらなかった


家に着くと急いで自分の部屋に行き


貰った物を机の上に並べた


アルミホイルに包まれている

ケーキを開けると苺が上にのっている

ショートケーキでとても上手に

出来ていてとても美味しそうだった



ピンク色の袋に入ったお菓子の

所に小さなメモがテープで

貼り付けてあるのが分かった


僕はそのメモを読むと


勉強と部活頑張ってね

何かあったらいつでも言ってね


と書いてあった


中にはサンタの形のチョコや

クリスマスツリーの形をしたクッキー

など色々な可愛いいお菓子が沢山入っていた


そしてもう一つの小さいスーパーの

袋にはカイロが3つ程入っていた


僕はとても嬉しかった

まるでそれはクリスマスプレゼント

みたいだった


ケーキを一口食べるととても甘くて

優しい味がしてお店で買ったケーキとは

全く違って愛情を感じる味がした


そしてきっと寒いからくれたカイロ

も僕の事想ってくれたに違いないと

思った


その優しい気持ちが僕の心を

暖かくしてくれた

『玲奈ちゃんママ、本当に優しいな~

凄い良いタイミングで会ったけど

会えなかったら貰えてなかった

だろうし、本当に僕はついてたな~』


窓の外を見ると白い雪が静かに

ふわふわと綿が落ちて来たように

舞い降りていた


僕は玲奈ちゃんママの優しさに

包まれてとても幸せだった、、

頭の中にはジングルベルの曲が

なぜだか流れていて僕は小さい

声でそれを口ずさんでいた~








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