誰にも言えない初恋

山本未来

文字の大きさ
上 下
32 / 66

告白

しおりを挟む
お母さんが亡くなって僕へのいじめが

ましになり、それと同時に拓哉への

いじめもましになった


お互いの事を思い距離を置いていた

僕達は以前のようにまた仲良くなる

事ができた


部活が終われば一緒に帰ったり

拓哉の家に行ったり駅前まで遊びに

行ったりバッティングセンターに

行ったり


今日も日曜日で部活が休みだったので

昼間過ぎに拓哉の家に行く事になっていた


台所に置いていた菓子パンとジュースを

食べて時計を見ると一時を過ぎたので

簡単に用意を済ませて玄関を出ると

自転車に乗り拓哉の家に向かった


拓哉の家はマンションで階段を登り

チャイムを鳴らすと拓哉のお母さんが

ドアを開けてくれた


「翔君こんにちは!ご飯食べた?」


「あっ!はい、食べて来ました」


僕は軽く会釈して玄関に入ると


「食べて来たのね、もし食べてなかったら

何か作ろかと思ってたんだよ~」


拓哉のお母さんは優しく微笑んで

そう言った


「ありがとうございます!」


僕は感謝しながらそう言って

拓哉の部屋に向かった


「おう!翔、待ってたぞ~」

拓哉はテレビを見ながら

テーブルに置いてある

お菓子を食べコップに入った飲み物を

飲んだ


僕もテーブルの前に座ると

進められるままお菓子を頬張った


そうしている間に拓哉のお母さんが

僕の飲み物を持って来てくれた


「ありがとうございます!」

僕がそう言うと

「翔くんはいつも礼儀正しいね~

遠慮しないで何でも言ってね、、

いつでも来てくれたらいいからね」


「ありがとうございます!

また宜しくお願いします」

僕は拓哉のお母さんに

感謝しながらそう言った


拓哉のお母さんも僕のお母さんと同じように

悩みがあるみたいだけど

普段は落ち着いていて

しっかりした人で

お母さんはいつも色々相談話を

していたから僕も拓哉のお母さんの

事は信頼していたし小さい頃から

とてもお世話になっていた


お葬式の時も誰よりも心配して

一番に駆けつけてくれた


でもお母さんが心の病がひどくなってからは

お母さんもあまり誰にも連絡を取って

なかった事もあったから

拓哉のお母さんとも距離が少し出来ていて

だから拓哉のお母さんは僕のお母さんが

亡くなる前にもっと何か力に

なれなかっただろうかって

かなり後悔していたみたいで

かなり落ち込んでいた


身近な人や身内が突然亡くなると

みんなあの時こうしていればって

後悔して自分を責める

後悔しても、もうどうする事も出来ないし

亡くなった人にはもう会えない


僕もお母さんが亡くなってから

ずっと自分を責めている

そして沢山の後悔をしながら毎日を

過ごしている


そんな事を考えていると


「なぁ~

翔は好きな人とかいないのか?」


突然拓哉がそんな事を言い出すから

僕は持っていたコップをこぼしそうになった


「突然どうしたんだよ~」

僕が動揺しながら言うと


「実はさ~

好きな子がいるんだよな~」


「え~!誰?誰?」

僕が言うと

中学の時仲良くしていた

女子の名前が出て来た

「あ~、、

あの子か~いいんじゃない

可愛いし性格も良さそうだし、、」


「この前電話して遊びに行く約束したから

告白しようかな~って思ってて、、」


「そんな約束してるんだ~

全然気がつかなかったな~

頑張れよ!

俺応援するし、、」


「ありがとう!

断られるかもしれないけどな~

後悔したくないしなっ!」


僕は拓哉の話を聞いてふと玲奈ちゃん

ママの事が頭をよぎった


「翔はいないんだよな~

好きな人?」


「うん~、、

いると言えばいるしいないと

言えばいないし、、

よく分からないんだよな~

でも会えたら嬉しいって

気持ちになる人はいるけど、、」


「もしかして玲奈ちゃんママ?」


僕はビックリして目が異常に大きく

なるのを感じた


「な、何で、、そう思うの?!」


「小さい時からいつも翔は

玲奈ちゃんママにくっついてばかりだったし

よく会話の中に玲奈ちゃんママの話

出て来てたしなんとなくそう思って、、」


僕は拓哉の鋭い勘に驚いた


困って言葉が出ない僕に拓哉は


「でも結婚してるしな~

どうにもならないよな~」

と言った


僕は何も言えなかった

そう玲奈ちゃんママは結婚している

僕は改めてそう思った

結婚している人を好きになっても

気持ちは伝えられないし結婚もできないし

どうする事も出来ないんだ


そんな事分かっているし分かっていた

だけどやっぱり玲奈ちゃんママは

僕にとってとても大切で大好きな

人なんだ

だけど拓哉みたいに告白も

出来ないし年だってあり得ない位

離れているんだから、、


そして玲奈ちゃんママが僕に優しく

してくれるのはただの優しさなんだから、、

僕はなぜだかとても切なくなった

玲奈ちゃんママが結婚していなければ、、


僕はふとそう思った

結婚していなければずっと玲奈ちゃんママ

のそばにいたい、、

だけどそれは無理な事だったんだ、、








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

【R18】お父さんとエッチした日

ねんごろ
恋愛
「お、おい……」 「あっ、お、お父さん……」  私は深夜にディルドを使ってオナニーしているところを、お父さんに見られてしまう。  それから私はお父さんと秘密のエッチをしてしまうのだった。

彼女は処女じゃなかった

かめのこたろう
現代文学
ああああ

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

最近様子のおかしい夫と女の密会現場をおさえてやった

家紋武範
恋愛
 最近夫の行動が怪しく見える。ひょっとしたら浮気ではないかと、出掛ける後をつけてみると、そこには女がいた──。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

処理中です...