誰にも言えない初恋

山本未来

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特別な想い

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お通夜お葬式が慌ただしく

終わり僕達は以前と変わらない

生活を送っていた


ずっとうつ病で苦しんていたお母さん

いつも死にたい、死にたいと言っていた

お母さん、もしかしたら今は天国で

心安らかに過ごしているんじゃないか?


やっと苦しみから逃れる事出来たんじゃないか?


亡くなったのは僕のせいじゃないか、、


毎日、色々の想いが頭を駆け巡っていた

でもお母さんはもう帰って来ない

もう会う事も出来ないんだ


弟は、お母さんが亡くなった日から

さほど泣く事もなく、むしろ笑顔に

なる日が増えた気がする


多分ずっと長いあいだ暴れたり泣いたり

不安定なお母さんばかり見て来て

辛さから開放されたからなのか

僕には分からなかったけど

弟はなかなか本心を表さないタイプで

僕は兄弟であっても

弟の事がよく分からなかった


お父さんはお母さんが亡くなる前から

ずっと家事をしていたし愚痴を言う

タイプでもなかったし多分僕達が

いない所で泣いたりはしていたと思うけれど

淡々と毎日の家事をこなしていた


変わった事と言えば

お母さんの部屋に小さな仏壇と遺影が

置かれた位で今まで毎日

何が起こるかわからない状態で

不安で辛くて先の見えない状態からは

開放された


だけど時折優しかったお母さんの思い出

抱きしめてもらった暖かい感触を

思い出しては自分を責めてしまう事

も多かった


お父さんは弟には色々気を使って

喋りかけたりしていたけど

僕には最小限の事しか話してこなかったし

いつも怖い顔だったし、お母さんが

亡くなったのは僕のせいだと

心の中で思っているのが伝わる位

そっけなかった


でもずっとお父さんは僕にそう言う態度

で接していたから諦めていた


そう、僕は常に頼る人心を開ける人が

いない状態だったから自分の力で

困難を乗り越えるしかなかったんだ


だからいつも心閉ざしていたし

あまり笑わなかったし何かあっても

表情を変える事もなかった


だけど玲奈ちゃんママに会うと

笑ったり泣いたり喜んだり

素直な自分の感情が出てくるから

ずっと不思議だった


お葬式の日に心から心配してくれて

泣いてくれて僕の側にいてくれた


あの優しさや温かさはいったい

どこから来るのか?


誰にでも優しいのか?

僕だったからずっとそばにいてくれたのか?


あの日から僕はふと考える事が多かった


そして、とても会いたかった

会うだけでよかった

見つめるだけで良かった


だけど叶わず月日だけが過ぎて行った
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