誰にも言えない初恋

山本未来

文字の大きさ
上 下
19 / 66

僕の夢

しおりを挟む
お母さんが入院して3日が経つた

寂しいと言うより上手く言えないけれど

いつもより心が安心している


多分自分の母親が心の病など

持つていない普通の親を持った人には

決して分からないと思うけれど

お母さんが家にいるより入院している方が

僕達にすれば安定した生活になるんだ


親不孝と言われるかもしれないけれど

きっと僕と同じような環境にならないと

この気持ちは分からない


弟もいつもお母さんの暴れる姿に

ビクビク怯えているから

きっと僕と同じような気持ちだと思った


お父さんは仕事を早く終わらせて

毎日病院に通っているから

心身共ににきっと疲れているとは

思うけれどお父さんの感情まで

気を使う気にもならなかったし

お見舞いに行く気にもならなかった

正直に言うとお母さんに会いたくなかった

このままお母さんがずっと病院に

いてくれればいいのにとさえ思っていた


そう、お母さんが入院してから

とても平和な時間が流れていたから、、


一週間が経ち少し安定したお母さんは

家に帰って来た

僕は、不安で一杯でお母さんの顔を

まともに見る事が出来なかった


お父さんの車で帰って来たお母さんは

玄関に入りリビングの椅子に腰掛けると


「長い間迷惑かけてごめんね

お母さん大夫元気になって来たから

家の事少しずつでもやるようにするね

翔君、祐君本当にいつも迷惑かけてごめんね」


お母さんは少しうつむき加減に僕と弟に

そう言った


僕は心の中で今は落ち着いているけれど

きっとまた不安定になるんだと思った

だけどうん、と頷くと自分の部屋に向かった

ベッドに寝転んで天井を見上げた


またお母さんに気を使う日が続くかと思うと

ぞっとした


この不安定さはいつまで

僕を苦しめるんだろうそう思った


その後、お母さんの心は安定したのか

家の事や買い物、気分がいい時は

お父さんと遠出をしたりする事も出来て

僕も少しほっとしたけれど

受験がどんどん

近づいている焦りがあった


でも勉強する気にはなれず

勉強している振りだけをしていたし

担任からも公立高校は無理だと

言われていたので

私立の高校を専願しようかと考えていた


お父さんも諦めているのか

お母さんの事が大変なのか

以前みたいに

ごちゃごちゃ言ってこなくなっていた


高校に行けたら野球部に入る事だけは

決めていたし出来れば野球が有名な

高校に行きたかった


中学ではレギュラーで何度も試合に出て

活躍したし高校で本格的に技術を

身につけたかったしその為には

甲子園に出場した事のある所に

行きたいそれが僕の夢だった


だけど、その夢は誰にも話していない

話してもきっと無理だと笑われるし

今の僕にはそんな実力もなかったのだから

僕の心の中に秘めた密かな夢でしかなかった

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

【R18】お父さんとエッチした日

ねんごろ
恋愛
「お、おい……」 「あっ、お、お父さん……」  私は深夜にディルドを使ってオナニーしているところを、お父さんに見られてしまう。  それから私はお父さんと秘密のエッチをしてしまうのだった。

彼女は処女じゃなかった

かめのこたろう
現代文学
ああああ

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

最近様子のおかしい夫と女の密会現場をおさえてやった

家紋武範
恋愛
 最近夫の行動が怪しく見える。ひょっとしたら浮気ではないかと、出掛ける後をつけてみると、そこには女がいた──。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

処理中です...