13 / 66
恋心
しおりを挟む
玲奈ちゃんのお母さんは玄関の扉の
鍵を開け重たそうに抱えていたスーパーの
袋を片隅に置くと
「翔くん、中に入ってね
散らかっているけど」
と言ってスリッパを出してくれた
「ありがとうございます!
お邪魔します」
僕はいつもはほぼ並べない靴を
きっちりと揃えて
玄関を何気なく見渡した
腰ほどの高さの靴入れの上には
家族写真が飾られ可愛いドライフラワーが
飾ってあり手作りのようなカントリー風
の人形が2つ置いてあり
玲奈ちゃんのお母さんの
イメージにピッタリの玄関だった
少し行くと右にリビングがあり
この部屋もカントリー風の物が色々
飾られていた
「適当に座ってね、玲奈は友達と遊びに
行ってるけどテレビでも見てゆっくりして
くれていいからね」
そう言ってテレビをつけてくれて
リモコンを渡してくれた
台所に向かった玲奈ちゃんママの
後ろ姿をドキドキしながら見つめ
僕はそわそわしてテレビは見てはいるけど
頭の中は真っ白状態で目があっちに行ったり
こっち行ったりで
何か話さないとって
思っても言葉が出てこなくて、、
玲奈ちゃんのお母さんをチラチラ見たり
目が合いそうになったらそらしたり
顔も引きつっているのが分かった
はっきり言って心臓が破裂しそいな程
ドキドキが止まらなかった
その心の内を悟られないように
冷静を保つのに必死だった
「翔君これしかないけど飲んでね
お菓子もあまりなくて
翔くんが来てくれるんだったら
もっと色々買っておけば
良かったわ~」
そう言うと炭酸のジュースと
チョコレートが上にのっているビスケット
とポテトチップスを可愛いお皿に乗せて
机の上に置いてくれた
「あ、、
そう言えばお母さん元気にしてる?
全然会わないからどうしてるのかな~
って気になっていたんだ~」
僕は慌てて
「元気ですよ」と嘘をついた
玲奈ちゃんママにお母さんの話しをしたら
僕の辛い気持ち分かってくれそうな
気もしたけれど
心配かけそうだし
お母さんも自分の状況を
誰にも知られたくないだろし
だから本当の事は言えなかった
「お母さん元気なんだね
良かったわ~
翔君が小学生の時はよく遊んでたよね~
覚えてる?
いつもおばちゃんに色々な話ししてくれて
いたんだよ~
翔君本当に可愛いかったよね
あっ、、
そうだちょっと待っててね」
そう言うと玲奈ちゃんママは2階に上がり
しばらくして小さな箱を持って来てくれた
箱のフタをそっと開けると
「翔君覚えてるかな?
翔君が子供の時にくれた
宝物の貝殻だよ
それとみんなで集まった時に
撮った写真だよ」
写真には玲奈ちゃんママにくっついて
写っている僕がいて周りにお母さんや
玲奈ちゃん達が楽しそうに笑って写っていた
そして僕があげたピンクの貝殻が入っていた
「僕この写真持ってない」
僕は写真を見つめながら言った
「確か、お母さんが撮ってくれたから
持っているはずだけどな~
同じような写真あったはずだから
あげようか?」
僕はすかさず欲しいって言った
玲奈ちゃんのお母さんはまた2階に行き
探しに行ってくれた
僕は、貝殻をまだ大切に持っていてくれた事
写真も大切に持っていてくれた事が
嬉し過ぎてさっきまでこわばっていた
顔が最高の笑顔になっている事に気がついた
そしてずっと写真に写っている
玲奈ちゃんママと僕を見つめた
2階から降りて来た玲奈ちゃんママは
写真を何枚か手に取り
「同じような写真があったから
これあげるね
もしかしたらお母さん持っているかも
しれないけどね
本当に懐かしいね!
翔君が来てくれたから久しぶりに
この写真みたわ~
翔君本当に可愛いね~」
懐かしそうに玲奈ちゃんママは
写真を見つめていた
僕はドキドキしながら
「あっ、あの、、僕、、
玲奈ちゃんママからもらったキーホルダー
今も大切に持ってます
辛い時とか、、、」
いつも見つめていると
言おうとした時に
「え~!!
あのキーホルダー
まだ持っていてくれたの~
本当に嬉しい!
小学生だったのに大切に持って
いてくれてたなんて
なんか感動するわ~
ありがとうね~」
僕は玲奈ちゃんのお母さんの驚いた
声の方がビックリしたけれど
心の中は明るいライトが灯ったように
温かくなった
「大切にしてます!
僕の宝物です!
ずっと大切に持っておきますね」
僕はとても照れたけど
自然とその言葉を口にしていた
僕が玲奈ちゃんママに伝えたい気持ちの
精一杯の言葉だった
「私もこの貝殻大切にするよ
大好きな翔君がくれた物だからね」
玲奈ちゃんママの笑顔が眩しくて
胸がキューンって音をたてた
大好きな翔君、、、
その言葉が胸に突き刺さった
玲奈ちゃんママは何気なく言っただけ
だけど、僕にとってその言葉は
これから辛い事があったとしても
乗り越えて行けそうな気持ちになる程
最高の言葉だった
僕は玲奈ちゃんママをじっと見つめた
この人の側にいたいそう思った
ずっといたい
そう思った
この気持ちが何なのかは
まだ中学生の僕には
分からなかったけれど
玲奈ちゃんママが大切で
僕を見つめる目が優しくて
このまま時間が
止まればいいのにって思った
ずっとずっと僕は
玲奈ちゃんママの目を見つめ続けた
鍵を開け重たそうに抱えていたスーパーの
袋を片隅に置くと
「翔くん、中に入ってね
散らかっているけど」
と言ってスリッパを出してくれた
「ありがとうございます!
お邪魔します」
僕はいつもはほぼ並べない靴を
きっちりと揃えて
玄関を何気なく見渡した
腰ほどの高さの靴入れの上には
家族写真が飾られ可愛いドライフラワーが
飾ってあり手作りのようなカントリー風
の人形が2つ置いてあり
玲奈ちゃんのお母さんの
イメージにピッタリの玄関だった
少し行くと右にリビングがあり
この部屋もカントリー風の物が色々
飾られていた
「適当に座ってね、玲奈は友達と遊びに
行ってるけどテレビでも見てゆっくりして
くれていいからね」
そう言ってテレビをつけてくれて
リモコンを渡してくれた
台所に向かった玲奈ちゃんママの
後ろ姿をドキドキしながら見つめ
僕はそわそわしてテレビは見てはいるけど
頭の中は真っ白状態で目があっちに行ったり
こっち行ったりで
何か話さないとって
思っても言葉が出てこなくて、、
玲奈ちゃんのお母さんをチラチラ見たり
目が合いそうになったらそらしたり
顔も引きつっているのが分かった
はっきり言って心臓が破裂しそいな程
ドキドキが止まらなかった
その心の内を悟られないように
冷静を保つのに必死だった
「翔君これしかないけど飲んでね
お菓子もあまりなくて
翔くんが来てくれるんだったら
もっと色々買っておけば
良かったわ~」
そう言うと炭酸のジュースと
チョコレートが上にのっているビスケット
とポテトチップスを可愛いお皿に乗せて
机の上に置いてくれた
「あ、、
そう言えばお母さん元気にしてる?
全然会わないからどうしてるのかな~
って気になっていたんだ~」
僕は慌てて
「元気ですよ」と嘘をついた
玲奈ちゃんママにお母さんの話しをしたら
僕の辛い気持ち分かってくれそうな
気もしたけれど
心配かけそうだし
お母さんも自分の状況を
誰にも知られたくないだろし
だから本当の事は言えなかった
「お母さん元気なんだね
良かったわ~
翔君が小学生の時はよく遊んでたよね~
覚えてる?
いつもおばちゃんに色々な話ししてくれて
いたんだよ~
翔君本当に可愛いかったよね
あっ、、
そうだちょっと待っててね」
そう言うと玲奈ちゃんママは2階に上がり
しばらくして小さな箱を持って来てくれた
箱のフタをそっと開けると
「翔君覚えてるかな?
翔君が子供の時にくれた
宝物の貝殻だよ
それとみんなで集まった時に
撮った写真だよ」
写真には玲奈ちゃんママにくっついて
写っている僕がいて周りにお母さんや
玲奈ちゃん達が楽しそうに笑って写っていた
そして僕があげたピンクの貝殻が入っていた
「僕この写真持ってない」
僕は写真を見つめながら言った
「確か、お母さんが撮ってくれたから
持っているはずだけどな~
同じような写真あったはずだから
あげようか?」
僕はすかさず欲しいって言った
玲奈ちゃんのお母さんはまた2階に行き
探しに行ってくれた
僕は、貝殻をまだ大切に持っていてくれた事
写真も大切に持っていてくれた事が
嬉し過ぎてさっきまでこわばっていた
顔が最高の笑顔になっている事に気がついた
そしてずっと写真に写っている
玲奈ちゃんママと僕を見つめた
2階から降りて来た玲奈ちゃんママは
写真を何枚か手に取り
「同じような写真があったから
これあげるね
もしかしたらお母さん持っているかも
しれないけどね
本当に懐かしいね!
翔君が来てくれたから久しぶりに
この写真みたわ~
翔君本当に可愛いね~」
懐かしそうに玲奈ちゃんママは
写真を見つめていた
僕はドキドキしながら
「あっ、あの、、僕、、
玲奈ちゃんママからもらったキーホルダー
今も大切に持ってます
辛い時とか、、、」
いつも見つめていると
言おうとした時に
「え~!!
あのキーホルダー
まだ持っていてくれたの~
本当に嬉しい!
小学生だったのに大切に持って
いてくれてたなんて
なんか感動するわ~
ありがとうね~」
僕は玲奈ちゃんのお母さんの驚いた
声の方がビックリしたけれど
心の中は明るいライトが灯ったように
温かくなった
「大切にしてます!
僕の宝物です!
ずっと大切に持っておきますね」
僕はとても照れたけど
自然とその言葉を口にしていた
僕が玲奈ちゃんママに伝えたい気持ちの
精一杯の言葉だった
「私もこの貝殻大切にするよ
大好きな翔君がくれた物だからね」
玲奈ちゃんママの笑顔が眩しくて
胸がキューンって音をたてた
大好きな翔君、、、
その言葉が胸に突き刺さった
玲奈ちゃんママは何気なく言っただけ
だけど、僕にとってその言葉は
これから辛い事があったとしても
乗り越えて行けそうな気持ちになる程
最高の言葉だった
僕は玲奈ちゃんママをじっと見つめた
この人の側にいたいそう思った
ずっといたい
そう思った
この気持ちが何なのかは
まだ中学生の僕には
分からなかったけれど
玲奈ちゃんママが大切で
僕を見つめる目が優しくて
このまま時間が
止まればいいのにって思った
ずっとずっと僕は
玲奈ちゃんママの目を見つめ続けた
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
古屋さんバイト辞めるって
四宮 あか
ライト文芸
ライト文芸大賞で奨励賞いただきました~。
読んでくださりありがとうございました。
「古屋さんバイト辞めるって」
おしゃれで、明るくて、話しも面白くて、仕事もすぐに覚えた。これからバイトの中心人物にだんだんなっていくのかな? と思った古屋さんはバイトをやめるらしい。
学部は違うけれど同じ大学に通っているからって理由で、石井ミクは古屋さんにバイトを辞めないように説得してと店長に頼まれてしまった。
バイト先でちょろっとしか話したことがないのに、辞めないように説得を頼まれたことで困ってしまった私は……
こういう嫌なタイプが貴方の職場にもいることがあるのではないでしょうか?
表紙の画像はフリー素材サイトの
https://activephotostyle.biz/さまからお借りしました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる