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突然の抱擁
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「田中君と同窓会で再会出来て
飲み会で毎回会って
仲良くなって
考えたら不思議だね
同窓会がなければ私達
再会していなかただろうし
遊びにも行ってないだろし
縁ある人とはやっぱり
再会出来るんだね」
田中君の肩に持たれながら
私は言った
「本当だな~
BXのライブにも一緒に行けたしな!
不思議だな」
田中君がそう言うと
私達は恋人繋している手の上に
もう一方の手で相手の指をさわったり
撫でたりしながら見つめ合った
電車の中はとても静かで
私達の話し声だけが響いていた
田中君は仲のいいお金持ちの人と
毎年北海道や九州に行く話しなど
色々な話しをしてくれた
「俺、中川の降りる駅で降りて
バス停まで送る」
彼は思いついたようにそう言った
「いいの?」
「いいよ!いいよ!
ちゃんと最後まで送らせてもらいます!」
私は嬉しくなって彼の手をぎゅっと握った
『電車が到着してバスが来たら
田中君帰ってしまうな~
今日一日が楽し過ぎて
このままずっと田中君と居たい気持ち…』
私は悲しい気持ちになった
またいつでも会えるのに
もう会えないような寂しい気持ちになった
そして私の住んでいる駅に到着した
相変わらず、私達は周りに誰が
いるかも分からないのに
恋人つなぎをしてエスカレーターを降りた
23時の最終バスには間に合いそうだ
バス停の時刻表を見ると後30分ほど
来るのに時間があった
「まだバス来るまで時間あるな~
駅付近でタバコ吸えないし
あっちに行こうか?」
彼は私の手を引っ張ると
少し離れた路地に行き
タバコを吸い出した
まだ空いているお店もあって
お店の明かりが少し暗やみにいる
私達を照らしていた
『田中君、タバコ吸っている姿も
カッコイイな~
このままずっと、ここで話していたい
バス遅れてくればいいのにな~』
私はそんな事を思いながら
ぼんやりしていた
すると
突然自分の身体に誰かが
抱きついてきた感覚になった
『あれ?!
何これ?!
私抱き締められている…』
私は全く予期せぬ出来事に
頭が真っ白になっていた
暫く、何も言えないまま
背中に回された手の温もりと
力強さに何が起きているか分からなかった
『私は、今、田中君に
抱き締められているんだ』
私はやっと正気を取り戻して
何とも言えない幸せな気持ちに
なっていた
自分の両腕を彼の身体の後ろに
回して強く抱きしめた
お互いの切ない気持ちが合わさったように
私達はずっとずっと抱きしめあっていた
何分そうしていたのだろう
きっとこの何分間の間に
何人かが私達の側を通って行ったはず
きっといい年した私達の抱擁を
不思議な気持ちで見ていたはず
だけど私達にはこの路地が
2人だけの為に作られた
不思議な世界のような
特別な場所にいるような感覚だった
私はぎゅっと彼を抱きしめていた
旦那の事も子供の事も結婚している事も
今の私の頭の中には全くなくて
ただ彼との抱擁が幸せ過ぎた
彼は私の顔を自分の胸辺りから離すと
私の顔を今まで見た事もない様な
真剣な顔で見つめていた
私は何かが起こる事を察した
彼は私の顔に自分の顔を近づけると
キスしようとしてきた
私はなぜか現実に戻されてしまって
心が叫んでいた
キスしたら駄目…
絶対駄目…
そして私は彼が近づけてきた顔から
離れて言った
「これ以上の事は辞めておこう…
田中君とはこれからも会いたいし
ずっと一緒にいたい…
キスしてしまったら気まずくなるよ…
もう顔合わす事も出来なくなるかもしれない
だからやっぱりキス出来ない…」
私が田中君を抱きしめながらそう言うと
「ずっと一緒にいたらいいよ
気まずくなんてならない!」
と寂しそうに言った
私達はずっと抱きあいながら
気持ちを身体や腕に込めながら
その場にいた
顔をあげると切ない目をした彼の顔が
見えた
こんなに間近に彼の顔を見るのは
初めてで、こんなにも真剣な顔を
見たのも初めてだ
彼の事が愛おしかった
本当はキスしたかった
だけどやっぱり出来なかった
彼は私の顔に自分の顔をくっつけて
頬ずりしたり、両手でほっぺたや
目や唇に触れたり
熱い思いを私に伝えてくれた
その行為が私を切なくさせた
『結婚していなければ
迷わずキスしていた
だけどやっぱり怖い…
キスしたらもう田中君とは
友達でも同級生でもなくなり
普通に接する事が出来なくなる
そして旦那にも悪い…
最悪な場合不倫関係になるかもしれない
だからやっぱりキス出来ない』
私はやけに冷静になっていた
だけど私達は抱き合う事で
お互いの気持ちを伝えていた
私はそれで十分だった
だけど彼は何度かキスをしたそうに
頬ずりを何度も何度も切なそうにして来た
私達は20分以上ずっとずっと
抱きしめあっていた
私にとってこの日の出来事は
ずっとずっと忘れる事の出来ない
幸せな出来事で
いつ死ぬかも分からない私にとって
この日の抱擁は夢の様な出来事で
そして、これから起こるであろう
病気に関する辛い日々を明るく
照らしてくれる心の支えになるほど
幸せで信じられない出来事だった
彼のニットの上着の暖かさと
彼の香りが私の心を優しく包んで
私は心の中で幸せ!
幸せ過ぎるとつぶやいた
飲み会で毎回会って
仲良くなって
考えたら不思議だね
同窓会がなければ私達
再会していなかただろうし
遊びにも行ってないだろし
縁ある人とはやっぱり
再会出来るんだね」
田中君の肩に持たれながら
私は言った
「本当だな~
BXのライブにも一緒に行けたしな!
不思議だな」
田中君がそう言うと
私達は恋人繋している手の上に
もう一方の手で相手の指をさわったり
撫でたりしながら見つめ合った
電車の中はとても静かで
私達の話し声だけが響いていた
田中君は仲のいいお金持ちの人と
毎年北海道や九州に行く話しなど
色々な話しをしてくれた
「俺、中川の降りる駅で降りて
バス停まで送る」
彼は思いついたようにそう言った
「いいの?」
「いいよ!いいよ!
ちゃんと最後まで送らせてもらいます!」
私は嬉しくなって彼の手をぎゅっと握った
『電車が到着してバスが来たら
田中君帰ってしまうな~
今日一日が楽し過ぎて
このままずっと田中君と居たい気持ち…』
私は悲しい気持ちになった
またいつでも会えるのに
もう会えないような寂しい気持ちになった
そして私の住んでいる駅に到着した
相変わらず、私達は周りに誰が
いるかも分からないのに
恋人つなぎをしてエスカレーターを降りた
23時の最終バスには間に合いそうだ
バス停の時刻表を見ると後30分ほど
来るのに時間があった
「まだバス来るまで時間あるな~
駅付近でタバコ吸えないし
あっちに行こうか?」
彼は私の手を引っ張ると
少し離れた路地に行き
タバコを吸い出した
まだ空いているお店もあって
お店の明かりが少し暗やみにいる
私達を照らしていた
『田中君、タバコ吸っている姿も
カッコイイな~
このままずっと、ここで話していたい
バス遅れてくればいいのにな~』
私はそんな事を思いながら
ぼんやりしていた
すると
突然自分の身体に誰かが
抱きついてきた感覚になった
『あれ?!
何これ?!
私抱き締められている…』
私は全く予期せぬ出来事に
頭が真っ白になっていた
暫く、何も言えないまま
背中に回された手の温もりと
力強さに何が起きているか分からなかった
『私は、今、田中君に
抱き締められているんだ』
私はやっと正気を取り戻して
何とも言えない幸せな気持ちに
なっていた
自分の両腕を彼の身体の後ろに
回して強く抱きしめた
お互いの切ない気持ちが合わさったように
私達はずっとずっと抱きしめあっていた
何分そうしていたのだろう
きっとこの何分間の間に
何人かが私達の側を通って行ったはず
きっといい年した私達の抱擁を
不思議な気持ちで見ていたはず
だけど私達にはこの路地が
2人だけの為に作られた
不思議な世界のような
特別な場所にいるような感覚だった
私はぎゅっと彼を抱きしめていた
旦那の事も子供の事も結婚している事も
今の私の頭の中には全くなくて
ただ彼との抱擁が幸せ過ぎた
彼は私の顔を自分の胸辺りから離すと
私の顔を今まで見た事もない様な
真剣な顔で見つめていた
私は何かが起こる事を察した
彼は私の顔に自分の顔を近づけると
キスしようとしてきた
私はなぜか現実に戻されてしまって
心が叫んでいた
キスしたら駄目…
絶対駄目…
そして私は彼が近づけてきた顔から
離れて言った
「これ以上の事は辞めておこう…
田中君とはこれからも会いたいし
ずっと一緒にいたい…
キスしてしまったら気まずくなるよ…
もう顔合わす事も出来なくなるかもしれない
だからやっぱりキス出来ない…」
私が田中君を抱きしめながらそう言うと
「ずっと一緒にいたらいいよ
気まずくなんてならない!」
と寂しそうに言った
私達はずっと抱きあいながら
気持ちを身体や腕に込めながら
その場にいた
顔をあげると切ない目をした彼の顔が
見えた
こんなに間近に彼の顔を見るのは
初めてで、こんなにも真剣な顔を
見たのも初めてだ
彼の事が愛おしかった
本当はキスしたかった
だけどやっぱり出来なかった
彼は私の顔に自分の顔をくっつけて
頬ずりしたり、両手でほっぺたや
目や唇に触れたり
熱い思いを私に伝えてくれた
その行為が私を切なくさせた
『結婚していなければ
迷わずキスしていた
だけどやっぱり怖い…
キスしたらもう田中君とは
友達でも同級生でもなくなり
普通に接する事が出来なくなる
そして旦那にも悪い…
最悪な場合不倫関係になるかもしれない
だからやっぱりキス出来ない』
私はやけに冷静になっていた
だけど私達は抱き合う事で
お互いの気持ちを伝えていた
私はそれで十分だった
だけど彼は何度かキスをしたそうに
頬ずりを何度も何度も切なそうにして来た
私達は20分以上ずっとずっと
抱きしめあっていた
私にとってこの日の出来事は
ずっとずっと忘れる事の出来ない
幸せな出来事で
いつ死ぬかも分からない私にとって
この日の抱擁は夢の様な出来事で
そして、これから起こるであろう
病気に関する辛い日々を明るく
照らしてくれる心の支えになるほど
幸せで信じられない出来事だった
彼のニットの上着の暖かさと
彼の香りが私の心を優しく包んで
私は心の中で幸せ!
幸せ過ぎるとつぶやいた
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