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田中君と私

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田中君からたまにラインが

来るようになってから


私は田中君の事を少しづつ

知るようになっていた


田中君は会社を経営していて

社長だけど仕事の自慢とかは

全くしてこない


クラスの男子から

田中君の仕事の事について

聞く事はあっても

田中君は自分からは言わない


『普通だったらもっと仕事の自慢とか

する筈なのに田中君はどんな事に

関しても自慢して来ないな~

そう言う所がかっこいいんだけど、、』


私は田中君とラインのやりとりを

していていつもそう感じていた


田中君は、あるお金持ちの人と

仕事関係で知り合い

長い間ずっと親しくしているそうで


週末はその人達に料亭などに

連れて行って貰うらしい


そのお店の料理の写真や

家で飼っているペットの写真を

送って来てくれるようになった


このプライベートな内容は

私だけに伝えてくれているのか

他の人にも伝えているのかは

分からなかったけれど

私は嬉しかった


そして私達が急速に仲良くなる

きっかけがある日のラインの

やりとりで始まった


「私、ロックバンドのBXがずっと

好きなんだ~」


私が何気なくそうラインで送った所


「俺もずっと前から好きで

ライブも毎回行ってる!!」


って返信が来た


「え~嘘~!!

田中君もBXのファンなの?!

それも毎回ライブ行ってるんだ!!」


「中川もライブ行ってるのか?」


「毎回じゃないけど

何回か行ったよ~

凄い偶然だね~」


「じゃあ今度一緒に行こうか!

今年あるか分からないけど

あったら行こう!」


「分かった!

一緒に行こう!」


「ライブのDVDもほとんど持ってるから

持ってないのあったら貸してあげるよ!」


「私、何枚かしか持ってないから

貸して欲しいな~

嬉しいな~!!」


「じゃあまた今度の飲み会の

集まりの時に持って行くわ~」


「ありがとう!

楽しみにしてるね!!」


私達はこの事がきっかけで

急速に仲良くなった


『まさか田中君が

BX好きだったなんて~

共通の話題ができて嬉しいな~

本当に一緒にライブ行けたら

めちゃくちゃ嬉しいな~』


私は少しドキドキしていた


そして高校卒業してから

デートしたり、偶然会ったりしていた

あの頃も少し縁があるとは思っていたけれど


25年後再会出来て仲良くなれて

好きなアーティストも一緒で、、


田中君は本当に縁のある人だと感じた


同じクラスだった男子で再会出来た

何人かの人とは楽しく話しはしても

全く何も感じないのに


田中君には特別なものを感じる


でもそれは恋愛には発展しては

いけないもの、、


結婚している私達には

特別な気持ちが

あったとしても


言葉や行動でそれを表したら

駄目だから、、


だから私はそんな特別な気持ちを

そっと胸にしまった、、


『ずっと、ずっと田中君とは

友達として仲良くしていたい、、

だから絶対に少し芽生えている

恋心は伝えない!

伝えたら終わりなんだから、、』


私はそう心に強く誓った、、








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