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クラスメイトの癌の話し

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クラスの同窓会が開催される事になり

駅で集合して

予約してくれたホテルまで

みんなでホテルのバスに乗り

行く事になった


外観も内装もとても素敵なホテルで

予約してくれた部屋もとても素敵で

丸テーブルで5~6人掛けなっていて

4つ程テーブルがあった


私は仲良しの陽子達と

近くの席に座った


全員で20人程集まり

前回の学年の同窓会に

来ていなかった人が

沢山来ていた


ほとんどの人は

高校から見た目は変わってないから

すぐに誰か分かったけれど


何人かは全く面影がなくて

誰だか分からない人もいた


だけどもう何十年も会っていないのに

会うとすぐに打ち解けるから

同級生って凄いな~って思った


久しぶりに会ったので

1人づつ近況報告したり

ゲームをしたりして

大盛り上がりだった


「学年の同窓会は知らない人が

多かったけどクラスの同窓会は

みんな知っている人ばかりだから

やっぱり楽しいね~」


陽子は丸テーブルに並べられた

フランス料理のステーキを

ナイフとフォークで切り

口の中に運びながら言った


「私もそう思うわ~

やっぱりクラスの方が楽しい~

でもこんなに沢山来ると

思わなかったたから

ビックリした~

結構みんな誰かと

繋がっているんだね~」


私は白ワインを飲みながらそう言った


みんなそれぞれのテーブルで

楽しそうに話している


今回の幹事は田中浩志君が

引き受けてくれた


ホテルも仕事関係で繋がりのある

ホテルでコースメニューや

みんなへの連絡や

ゲームの内容など全て

田中君が決めてくれていた


田中君は自然な感じで

会を盛り上げてくれて

とても紳士的


大騒ぎしたりおしゃべりでもない

どちらかと言うとみんなの話しを

聞きながら少し話すタイプ


だけど男子の中では一番存在感がある


そして自分に自信があるし

やはりリーダー格だった


『田中君はやっぱり凄いわ~

しっかりしてるし落ち着いているし

みんなに楽しんで貰おうとしている

気持ちが伝わってくる

今日もやっぱり話せないかな~

他の男子だったら話せるのに

田中君の近くに行くのも

やっぱり照れてしまうな~』


私はチラッと田中君を見ながら

そう思った


暫くしてコース料理を食べ終わると


チームに分かれて

ゲームをする事になり


私は同じチームになった

涼子ちゃんと話しをした


色々話しているうちに

彼女の病気の話しになった


「実はね~

私、、癌なんだ~

癌になってもう3年になるんだけど

手術も抗がん剤治療もしてなくて、、

だからいつ死ぬかも分からない、、

治療して入院して

苦しい思いしながら死んで行くなら

好きな事精一杯して生きたいって

思ったから

緩和治療だけしてるんだ~」


彼女は癌に侵されている雰囲気など

全くなくてとても元気で明るい


癌と言えば

ガリガリに痩せこけて

顔色が悪くて、とても辛そうな

イメージしかない私は


彼女のとても顔色もよく元気な姿に

本当に癌なの?!って思う程だった


「そうだったんだ~、、

凄く元気だから全く分からなかった

でも私もその気持ち凄く分かる、、

私も、もし癌になったら残りの命

楽しくて好きな事に使いたい

命って長いからいいとか短いから

駄目だとかではないし

一生懸命頑張って楽しみながら

最期を迎えたいよね、、」


私は彼女の話しに同感しながら言った


彼女は癌になりながらも

仕事を精一杯頑張っているそうだ


こんなに明るい人が

こんな悩みを持っていた事が

信じられなかった


『人って明るくしていても

どんな悩みを持っているかなんて

見た目では分からない

どん底の状態にいたとしても

明るい人もいるし

小さな悩みを持っているだけでも

暗い表情をしている人もいる

どうせだったら笑って

楽しく過ごした方が得だな、、』


私はそう思った


そのあと涼子ちゃんは癌の話しに

触れる事はなく

とても楽しそうにゲームをしながら

心から笑っていた


私も楽しくて大騒ぎした


この時の私の体の違和感と言えば

左胸を下に向けて寝ると

少し痛い程度で

もしかしたら、、

と言う思いはあったものの


まさか自分が癌になるなんて、、

と言う状態だった


だけど少しづつ病魔は

私の体を蝕んでいた、、









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