コイシイヒト

山本未来

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膨らむ想い、、

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柳井君が会社を辞める日が決まった


7月頃と言っていたけれど

早くなり5月末になった


工場長には伝えたらしく

了承されたそうだ


この噂は一気に広まり


みんなとても残念がっていた



「柳井君辞めるんだね、、

めぐみちゃんは知ってた?」


平井さんはお昼休憩の時に

聞いて来た


「うん、、だいぶ前に辞めようと

思ってるって聞いてたけど

まさか5月だとは思わなかった、、」



「そっか、、

結局こっちの会社には戻れなかったね、、

良い人なのに残念だね、、」



「工場長はかなり交渉してくれたらしいけど

無理だったみたいだから仕方ないね、、

柳井君が会社辞めたらなかなか

遊びに行けなくなるし寂しいね」



「本当そう思う、、

遊びに行くの楽しかったのにな~

新しい会社に入ったら

そっちの付き合いが増えるだろうし

なかなか会えなくなるよね~」


平井さんは寂しそうに言った



柳井君からは何回か電話があったけど


私も忙しくてなかなか予定が合わず

みんなで会う事が出来てなくて


あっと言う間に年末になり

もう3月になろうとしていた



入社して約2年、、


柳井君はいつかこの会社に戻って来て

ずっといてくれる気がしていたので


まさか2年で辞めるとは思っていなかった



でも私も来年の4月末には

3年になるので転職を考えていたし

会社には一年前に辞める事を

伝えないといけない為

4月には言うつもりでいた


だけどまだこの事は誰にも

言ってない、、


ちゃんと決まったら一番に柳井君に

伝えたいと思っていた



あと二ヶ月で柳井君は会社を辞める、、



そう思うと寂しくて悲しかった、、



宮部さんの事はすっかり

忘れる事が出来たけど


今度は柳井君の事を

考える日が増えていった



『今度、柳井君に会ったら

私普通に話せるのかな?

意識して何も話せなかったら

どうしよう、、

今まではただの友達としてしか

見てなかったから普通に話せたけど

これからは普通に話せない気がする、、

柳井君に会いたいけど緊張しそうな

気がするな~』


私はそんな事が頭をよぎった


多分5月になったら送別会するだろうけど


本当にそれでサヨナラになったら

どうしよう、、



それだけは嫌だ、、

絶対嫌だ、、


だけど、、

柳井君との別れは刻一刻と迫っていた



別れが近づいているのに

私の頭の中は柳井君に対する

想いがどんどん増えて行くばかりで


その想いは消えそうになかった、、


そんな思いで柳井君からの電話を


毎日待つ私がいた、、



人の心ってこんなに変わるんだ


この前まではただの友達だったのに、、


突然好きって言う気持ちに気がついた


もう少し早く気がついていれば、、


だけどもし早くに気がついていたとしても


柳井君には好きだなんて言えない、、


柳井君は私の事


友達としてしか見ていないから、、


もし好きって言ったら友達関係も

崩れてしまうから、、


だからどちらにしたって


気持ち言える訳がないんだ、、


柳井君には絶対は気持ち言えない、、

言えるはずがない、、


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