コイシイヒト

山本未来

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海での出来事

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8月のある日

柳井君から突然電話がかかって来た


「白石!明後日、神戸の海に行くぞ!」


「え~明後日?!

めちゃくちゃ急だね~」


私が驚いて言うと


「天気もいいみたいだから

行くぞ!行けるだろう?」


「う~ん、、

どうしようかな、、

楽しそうだから行こうかな~」


「よっしゃ~

じゃあみんなに連絡しておくな

もし柴野達が行けなくても2人で行くからな~」


「え~2人で、、」


私が困っていると


「嘘、嘘、、

多分2人とも暇だから来るだろう、、

俺は白石と2人で行きたいけどな、、」


柳井君はそう言った



『柳井君と2人で行くのは緊張して

無理だ~

どうかみんな来ますように』


私は心の中で願った



約束の日になり

私達は電車を乗り継ぎ神戸に着いた


駅から結構歩き汗だらけになりながら

海に辿り着くと



「やっと着いた~

今日カンカン照りで暑すぎるね~

早く泳ぎたいよ~」


平井さんはうちわを仰ぎながらそう言った


そして海の家の近くにある更衣室に行くと


「じゃあ、着替えたらこの辺で待ってるから」


柳井君はそう言って

男子更衣室に入って行った


私達は更衣室に入り着替えて

外に出ると


柳井君達はベンチに座って待っていた


「じゃあ行くか~」

柳井君がそう言うと


みんな海の方に向かって歩き出した


若者達や親子連れが沢山いて

敷物に座っていたり、寝転がったり

パラソルを立てて日焼けしないように

している人達もいた


私達は海の近くに敷物を敷いて

4人で腰掛けた


そしてビーチボールや浮き輪の

空気を入れたりした


用意が出来ると

海の中に入って行った



「わあ~めちゃくちゃ冷たい、、」


私は浮き輪の中に入りながら

海にどんどん入って行った


冷たいからゆっくり入って肩まで

思い切って浸かると冷たさに

やっと慣れて来た



私と平井さんはキャーキャー言って

喜んでいると


「お前らうるさいぞ~」


柳井君はそう言いながら


私達にすくった水を

思い切りかけて来た


「もう、、

柳井君冷たいよ~

まともに顔にかかったよ~」


私は水で濡れた顔を手で拭きながら

言った


私達は浮き輪であっちこっち行ったり


ビーチボールでバレーボールをしたり


してキャーキャー言って遊んだ


「やっぱり海で遊ぶの楽しいね~

でももうすでに日焼けして腕が

赤くなってきてるよ~」


私が腕を見ながら言うと


「俺も背中ヒリヒリしてる~」


と柳井君が言うので背中を見たら

体が白いせいか真っ赤になっていた


「柳井君めちゃくちゃ赤くなって

痛そう、、大丈夫?!」

私と平井さんは笑って背中を見つめた



休憩する事にして敷物の上に

体育座りで座ると

ますます日が刺して


汗が流れて来た


柳井君は敷物の端っこで

横になりタオルもかけずに寝転がった


「やっぱり海は気持ちいいな~」

柳井君は真っ青な空を見ながら言った


私は体育座りしながら

横にいる柳井君を見つめた


『柳井君達、私達の水着姿見ても

何も感じないのかな~

普段と同じ態度だけど、、

まぁ~2人ともワンピースの水着

だからそんなにドキドキしないか?!

ビキニだったらかなりビックリ

したかな?!

でも更衣室出た時

柴野さんはともかく

柳井君の水着姿にはちょっと

私ドキドキしたけど、、

平井さんはきっと何とも思わなかった

だろうな~』


私はそんな事を思って柳井君の

寝ている姿をチラッと見た


横にいる平井さんと柴野さんも

寝転がったので

私も寝転がる事にした


柳井君との距離は30センチあるかないかの

距離、、


柳井君は本当に寝ているのか

寝息をたてている


『バレーボールいっぱいしたから

疲れたのかな?!』


私はすぐ横にいる柳井君の寝顔を

見つめた


『無邪気な顔して可愛いな~

こんなに近くでそれも水着姿で寝ているのに

柳井君気がついてないのかな~

それとも寝ているふりしてるのかな~

少し手を伸ばせば手を繋ぐ事も出来る、、

柳井君とは手を繋ぐ事はおろか体に

触れた事もない気がする、、

こんなに遊びに行ってるのに

不思議、、』


私はそう思いながら

少しだけ柳井君に近寄った



「まじで寝てた~」


柳井君は本当に寝てたみたいで

大きく伸びをした


「白石、俺の隣で寝れて嬉しいだろ~?」


柳井君は横向きになると私を見て言った


「嬉しくない、、

柳井君こそこんなピチピチギャルが

隣で寝てて嬉しいくせに!」


私が言うと大爆笑しながら


「ピチピチギャルかあ~?!

まあそう言う事にしておこう

うん!確かに嬉しい!」


と笑って私を見つめた



「海の家で何か食べようか?

俺と白石で買って来るわ~」


柳井君はそう言って立ち上がったので

私も立ち上がって付いて行った


「白石何食べたい?」


「焼きそばとかき氷が食べたいな~

柳井君は?」


「俺も焼きそば食べたい

たこ焼きとお好み焼きとフランクフルト

も買ってみんなで食べようか?」


「そうだね!

足りなかったらまた買いに来たらいいし

かき氷は後で買いに来ようかな、、」


私達は行列に並んだ


「時間かかりそうだけど仕方ないね、、」


「そうだな~仕方ないな~」


私達は色々な話しをしながら

順番が来るのを待った


『私達って周りの人から見たら

恋人同士に見えるかな?!』


私はふとそう思った


『そう言えば、、

前に柳井君にそんな事聞かれたな~

あの時は適当に答えたけど、、

柳井君に聞いたら何て答えるだろう、、』

私はそう思って聞いてみた



「柳井君、、

私達って恋人同士に見えるかな?」


柳井君はビックリした顔をして


「見える!!

俺と白石絶対恋人同士に見えると

思う!!」


柳井君は嬉しそうに私を見つめた


「きっと周りから見たら

恋人同士に見えるよね~

だって2人きりだし、、」


私が言うと柳井君は本当に

嬉しそうな顔をした



そして買った物を二人で運んで

敷物の所まで持って行くと


「ありがとう!

随分遅かったね~、、

2人で何処かに行ったのかと思った~

2人並んでたら恋人みたいだよ、、」

平井さんがそう言うと


「そうだろ~

俺達似合ってるだろ~」


と柳井君が言ったので


みんなは爆笑した



私達は夕方近くまで遊んだり

寝転がったりかき氷を食べたり

して楽しく過ごして帰る事にした



みんな体が焼けて真っ赤になって

かなり疲れ果てていたので

電車の中では何も話さす寝ていた



「明日仕事行ったらみんなに海行った

って絶対分かる位焼けたね!」


私はヒリヒリする体を見ながら言った


「熱あるみたいにだるいな~

だるいけど明日も仕事頑張ろうな~」


柳井君はかなり疲れた真っ赤な顔で言った



家に着いてから私は体中が熱くて

熱があるみたいでヒリヒリして

最悪な状態だった


だけど今日一日凄く楽しかった


『私が恋人同士に見えるって言ったら

柳井君本当に嬉しそうな顔したな~

それに隣で寝てる時も少しドキドキした

私柳井君の事好きなのかな?!

駄目だ、、

柳井君は誰にでも優しいから

騙されたら痛い目に合う、、

柳井君の事好きになっても

柳井君は友達としてしか

見ないんだから

だから絶対好きにならない、、』

私は心に言い聞かせた、、



私はヒリヒリする体に

冷たいタオルを当てながら

眠りについた、、



本当に楽しい一日だった



そして何故だか


柳井君に少し恋心を


持ちそうな一日だった、、
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