コイシイヒト

山本未来

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映画を見に行く

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宮部さんと会ってからもう一ヶ月


何故かあれから連絡が来ない、、


私は毎日連絡を待っているのも


疲れてきて


そして切なくて毎晩泣いていた


忙しいからか、、


それとも他に好きな人が出来たのか、、


相手の気持ちは分からない


だけど連絡が来ないと言う事は


私に興味がなくなった事だと思った



人の気持ちって変わるから


どんなに好きだったとしても


何かがきっかけで冷めてしまう事もある


気持ちが冷めてしまえば


もうその人の心や気持ちなんて


考えなくなるしどうでもよくなるんだ、、


だからもう私は諦める事にした


連絡が来ない=好きじゃ無くなった事だと


思ったから、、




毎晩連絡待つのも涙を流すのも

もう辛い、、


だからもう宮部さんの事考えるのは

辞める事にした、、




そんな時、いつもの4人で映画を

見に行く事になった



「白石!今日は俺のおすすめの映画

見るからな!」


柳井君はいつも通りとても元気に

そう言った


映画館に入り私の隣に柴野さん平井さん


柳井君の準備で座ると


「柴野!飲み物買いに行くぞ!」

と言って2人は座席から立ち上がった



「おすすめの映画って言ってたけど

コメディー映画だよね

もっと話題の映画見たかったよね」


平井さんは残念そうにそう言った


「でもおすすめって言ってたから

案外面白い映画かもよ

少しだけ期待しようか?!」


私達が笑って話していると


柳井君は私の横に座って

飲み物とポップコーンを渡してくれた


「白石食いしん坊だからポップコーン

食べたいと思って買って来たぞ!

いっぱい食べろよ!」


大きいなカップに入ったポップコーンは

溢れそうな程山盛りだった


「ありがとう!私ポップコーン大好き!

柳井君さすが!気が効くじゃない」



「あたり前だろう!

白石の気持ち俺すぐに分かるからな!」



私はこの一ヶ月宮部さんの事で

気持ちがモヤモヤしていたから


何故だか柳井君の元気な姿見て

心が癒やされた


『柳井君は宮部さんと違って

ストレートだからきっと彼女になった人は

不安になったり悲しくなったり

しないだろうな~』


私はふとそんな事を思った



映画はアメリカ映画でかなり面白くて

みんな爆笑していて


柳井君は特に大爆笑するから

前後の席の人に注目された


私は注目されると笑いながら

その人達に軽く頭を下げた


映画が終わりみんなが帰って行っても

柳井君はなかなか席を立とうとしない


「柳井君、、ポップコーン

結構余っちゃった~」


私は残っているポップコーンを

食べながら言うと


「いつもの勢いがないな、、

これ位だったら全部食べると思ってたけど

俺が残った分食べるわ~」


そう言って食べてくれた


「俺がすすめただけあって

映画面白かっただろう?」


柳井君は自慢げに言った


「あまり期待してなかったけど

意外と面白かった!

でも柳井君大爆笑しすぎ、、

みんな見て笑ってたよ、、」


「意外とって?!

俺そんなに大爆笑してたか~

白石もかなり大爆笑してたぞ!」


私達は笑い合った


「私、最近元気出なくて

笑ってなかった、、

でも今日は久しぶりに

心から笑えたよ!

柳井君のおかげ、、」


「白石、元気なかったのか?

何かあったのか?」


「う~ん、、

ちょっと元気出なかっただけ、、」


「そっか~、、

まあ色々あるよな、、」


柳井君はさっぱりとした口調でそう言った



私達は映画館を出て

いつも行くお店で夜ご飯を食べた


「今度さ~神戸行こうか~」

柳井君が提案すると


「神戸行きたい!

お洒落な街だし色々なスポットある

もんね~」


平井さんは身を乗り出して言った


「私、神戸行った事ないから行きたい!」

私が言うと


「白石行った事ないんだ~

じゃあ決定だな

いいお店とか探しておくわ~」


柳井君は嬉しそうに言った


私達はご飯を食べ終わると

地元では有名な川が流れる

橋に行く事にした


「カップルだらけ、、

それも均等な間隔開けてみんな座ってるね」


平井さんは橋の上から下を覗いて言った


「ここってカップルが川を眺めながら

イチャイチャする場所で有名な

スポットでしょう?」


私が言うと


「そうそう!

みんなもうすでにくっついて

イチャイチャしてるよね

本当に羨ましいな~」


平井さんがカップル達を見つめてそう言った


川岸に座りボンヤリ川の流れを眺めた


『情緒があってこの場所なんか落ち着く

橋と夜空と星と川の静かに流れる音が

日頃の疲れを流してくれそう、、』


私はずっと目を閉じながら川の音を

聴いていた


柳井君と平井さんと柴野さんは

仕事の話しで盛り上がっている


しばらくすると横に座っている柳井君が


「白石、、寝てるのか?

まだ7時だぞ!

寝るの早いぞ、、」って言って来た


「あっ!ごめん、、

川の流れる音が心地よくて

つい聞き入ってしまった、、」


「そっか~それならいいけどな、、

夏になったらここで花火しようぜ!

打ち上げ花火とかいっぱい買ってさ!」

柳井君が元気に言った


「花火!したい!

でも柳井君の事だから

また大騒ぎしそうだね!

でもそれはそれで楽しそうだけどね!」


私がそう言うと


「早く夏が来ないかな~

楽しみになって来たな!」


柳井君は嬉しそうに言った


一時間程みんなで話して帰る事にした


「毎回言うけどまた明日から仕事だな~」


柳井君は切なそうに言った


「本当に嫌だね~

遊んでいる時が一番楽しいね

柳井君っていつも元気だけど

落ち込む時とかあるの?」


歩きながら質問すると


「あるよ~

寮で夜一人でいる時とか

仕事で失敗した時とか

白石に会えない時とか、、」


「私と会えない時?!」


「そう、会えない時、、」


私は不思議に思ったけど聞き流した



「柳井君でも落ち込むんだね!

じゃあ安心した」


「白石、今日いつもより

元気なかったけど

元気出せよ!」


「ありがとう!柳井君って

人を元気に出来る力があるから

凄いね、、

尊敬する!」


「そうかな~?!

俺だって白石と一緒にいたら

めちゃくちゃ楽しいし元気になるぞ!」


「ありがとう!

じゃあお互いに元気の源だね!」


私達は笑い合った


『柳井君には不思議な力があるな~

安心するし本当の自分が出せるし

私、あんなに元気なかったのに

今日一日で凄く元気になった

柳井君に感謝しないとね』


私は家までの道のりそんな事を考えた



宮部さんからはその後も


全く連絡がなかった、、



そして私は諦めていた、、



そんな諦めていた頃


宮部さんから突然電話がかかって来た


それはとても、とても、悲しい


予期せぬ電話だった、、

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