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突然のお誘い
しおりを挟む宮部さんからは週2回程
電話がかかって来ていた
始めの方は中井さんも途中で話しに
入って来たりしていたけれど
段々と宮部さんとだけ話すように
なっていった
東京本社の仕事の事や先輩社員の話し
大学の時の話し、テレビのドラマの話しなど
電話代の事もあるから大体20分程で
切るようにはしていたけれど
話しが盛り上がってそれ以上話す時もあった
私は毎日電話かかって来るのが楽しみで
かかって来た日は物凄く嬉しかった
宮部さんには初めて会った日から
少し好意はあったけれど
電話で色々話をして宮部さんの事を知る度に
どんどん好きになっていくのが分かった
そしてあっと言う間に一ヶ月が過ぎて
もう9月になろうとしていた
通勤ラッシュや仕事にも少しだけ慣れて来て
以前は帰って来たら
バタンキュー状態だったけれど
家に帰ってからも心に少し余裕が出て来ていた
そんなある日9時頃電話が鳴り
もしかして宮部さん?!って思って
急いで電話に出た
「もしもし、、」私はドキドキしながら
電話に出ると
「もしもし、、白石さんのお宅ですか?」
「はい、、白石です」
「こんばんわ!同期の柳井です!」
「え!柳井さん?!
どうしたんですか?」
私は柳井さんからの突然の電話に驚いた
「ちょっとドキドキしてます、、
突然の電話すいません、、
同期会であまり話せなかったから
話したいな~と思って、、
今寮からかけてます、、
突然ですけど、、
もし良かったら一緒に遊びに行きませんか?」
私は突然の誘いに驚き
そして戸惑った、、
「え~っ!、、どうしよう、、
二人で行くんですか?」
「あっ!はい!二人で、、
駄目ですか?」
私は少し考えて言った
「二人で行くのはちょっと、、」
私は宮部さんの事もあるし二人で遊びに
行ったら会社で噂が広がると思ったし断った
「そっか、、やっぱり二人は駄目ですよね、、
じゃあ誰か誘って4人位で行きましょうか?
女性で誰かいますか?」
「じゃあ同じ部署の平井さんがいいかな?
二人で行けなくてごめんなさい、、
そっちの工場はどんな感じですか?」
「毎日同じ作業ばかりしてて、、
でも工場長は良い人だからまだましです
駅からも離れてるし田舎の広い敷地に
工場が建っていて
バスでスーパーに行って
食品の買いだめしたり
駅に行っても特に何もないから
休みの日は京都とかに行ってます!
絶対そっちの会社に戻るんで
その時は宜しくお願いします!」
「そうなんですね、、
こっちの会社に戻って
来るの楽しみにしてますね!
でもその時まで私仕事続けられているか
分からないけど、、」
「やっぱり仕事大変ですよね~
頑張って下さいね
もうすぐ社員旅行もあるし
俺は参加させてもらえないけど
こっそり夜行く予定にしているんで、、」
「えっ!やっぱり関連会社だから
社員旅行は違うんですね、、
入社したのに、、
なんか酷いですね、、
酷い会社ですね、、
でも来るんですね、、
さすが柳井さんです!
凄いです!
絶対来てくださいね!
私楽しみに待ってますから、、」
私達は笑い合った
こんなに会社から酷い事されているのに
めげてない、、
そして同期の人と仲良くなろうって
頑張っている
本当にこんな人に会った事ないな~
と思った
きっとこの人だったらまた私達の
会社に戻って来る
そんな気がした
「遊びに行くのなるべく早く連絡するので
来て下さいよ、、
今月の日曜日だったら
いつが駄目ですか?」
「今の所日曜日は大丈夫です
仕事で疲れてほぼ毎回日曜日は寝てるので、、
早めに言ってくれたら空けときます!」
「分かりました!楽しみにしときます!
また連絡しますね!」
「ありがとうございます!
連絡待ってます!」
少し無言になった後、、
「あ、あの、、たまに電話してもいいですか?」
「あ~、、いいですよ、、」
「じゃあ!また、、
明日も仕事頑張って下さいね!
おやすみなさい!」
「おやすみなさい」
電話を切って少し経ってから
私はふと思った
ドキドキしてるって言ってた事
二人で遊びに行きたいと誘ってくれた事
『どうして私と二人で
遊びに行きたいんだろう?!
私だけじゃなくて他の人も
誘ってるのかな?!
でも二人では絶対行けない、、
でもみんなでだったらいいよね、、』
私は柳井さんは尊敬しているし
良い人だとは思うけれど
恋愛感情は全くなかった
だから柳井さんが誘ってくれた事
あまり深く考えていなかった、、
今は宮部さんの事で頭がいっぱいだった、、
そして柳井さん達4人で遊びに行く
計画は柳井さんの中で
ひそかに進行していた
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