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もう未来に戻れないの、、

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トクさんは私が言った

もうすぐ大変な事が起こるかも

と言う話しを受け止めたのか


夜になると箪笥の中に

入っている大切な物などを

リュックサックに詰めていた


『トクさんは私の言った事

信じてくれたんだ、、

もっと詳しい内容話した方が

いいのかな~

でも話してもどうにも

ならないだろうし、、

余計な話ししたら恐怖でパニックに

なるかもしれないし、、

とうしたらいいんだろう、、

でもよく1歳の次子と3歳の富子を

連れて逃げられたな~

よく日本に帰る事出来たな~

本当に信じられない、、』


私は富子を見ながら思った


富子とは今では本当の姉妹みたいに

仲良くて私にとても懐いてくれている


甘えん坊で人懐っこくて

でもたまにわがままで、、


私は一人っ子だから

富子が自分懐いてくれて嬉しかった


『富子は将来私のおばあちゃんに

なる人だけどこうやって遊んだ事

覚えてくれてたら嬉しいな~

3歳だから覚えられないと思うけど

写真一緒に撮れたら

思い出すかもしれないけど、、

この時代に写真撮るのは

特別な日だけだろうし、、

それに私が写真に写ったら

将来その写真見ておばあちゃん

腰抜かすよね、、

どうして美紀が写真に写ってるのって、、

そっちの方が困った事になる、、

おばあちゃんは満州にいた記憶は

全くないって言ってたから

この満州での出来事を

未来の世界に帰れたら

教えてあげたいな~』


私は富子が愛おしく感じた


おばあちゃんは本当に心が温かい人で

誰にでも優しい

そんなおばあちゃんとトクさんが

重なって感じた


『やっぱり親子って似るんだな~

トクさんも心が温かいし、、

私も同じ血が流れているから

いつかトクさんやおばあちゃんみたいに

優しい人になれるのかな~』


もし未来の世界に戻れたら

私も誰かに優しくしてあげる人に

なりたいと思った


『私はいつ未来の世界に戻れるんだろう、、

トクさん達には本当に悪いと思うけど

ソ連軍が攻めて来る前に

未来の世界に戻りたい

毎日そう願って夜眠りに就くけど

全く帰れそうにない、、

ビルの上から飛び降りる瞬間に

タイムスリップしたから

高い所に行って飛び降りたら

もしかしたら未来に戻れるのかな、、

でも満州にそんなに高いビルはないし、、

どうしたらいいんだろう、、

いつ戻れるんだろう、、

心が弱い私にこれから起こる

過酷な状況を乗り越える自信もなけば

体力もない、、

きっとみんなは生き残る事に

なっているけど

私だけ死んでしまう可能性だってある、、

神様~

どうか私を未来の世界に戻して下さい、、

もし戻れたらもう自殺なんて考えません、、

学校は行けるか分からないけど

家で一生懸命勉強して

高校に行きます!

お母さんの言う事もちゃんと聞いて

お手伝いもします!

だからお願いです、、』 


私は必死で心の中で祈った


戦争以上に恐ろしいものなんて

きっとない、、


その恐ろしい出来事から

逃れる事出来るなら

私は何でもするって思った


だけど朝、目が覚めても

やっぱり未来には戻れてなくて

満州にいる、、


もう戻れないのかな、、


お母さん助けて、、

お願い、、

誰か助けて、、





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