愛が憎しみに変わる時

山本未来

文字の大きさ
上 下
6 / 8

お姫様抱っこ

しおりを挟む
「紗季ちゃん!」

ホテルの扉を叩く音で

扉を開けた私に向かって

高田君は爽やかな笑顔で

私の名前を呼んだ


「戸倉くん達に追い出された?」

私が渋々そう言うと


「追い出された、、」

彼は部屋の奥に入りながら

そう言った


「やっぱり、、

真希ちゃんから電話かかって来たから

多分そうだろうな~って思った

どうするの?」


「紗季ちゃんがもし良ければ

この部屋で寝させてもらってもいい?」


「え~どうしょうかな、、

絶対何もして来ない?」


「しない、しない、、

絶対何もしない約束する!

せっかくだから色々話ししようよ!」


「絶対だよ!

もし何かして来たら追い出すからね!」


「分かってるって!」


こうして私達は朝まで一緒に

過ごす事になった


「私はもうお風呂入ったけど

高田君は入った?」


私がテレビを見ながら言うと


「まだ入ってないから入って来るわ!」

高田君はそう言うと

ホテルの浴衣をお風呂場に持って行き

しばらくするとシャワーの音がしだした


『高田君がいない間に私も

着替えておこう!

浴衣は少し刺激があるから

持って来たスエットに着替えようかな』


私は旅行かばんからスエットを

出すと素早く着替えた


時間はもう9時になっていた


『もう9時かぁ~

時間経つの早いな~

今日は結構あちこち行って

疲れたから早く寝よう!』


私はそう思いながらベッドの上に

座った


「あ~気持ち良かった~

あれ?!紗季ちゃん、、

何で浴衣着てないの?!

スエットだと色気ないな!

浴衣着たら?」


彼は残念そうに私に言った


「浴衣なんて着ないよ!

スエットの方が楽だし」


「そうなんだ~

でも紗季ちゃんの浴衣姿見たかったな~」


「結婚している人が何言ってるの!

奥さんに言うよ!」


「冗談!冗談!

あのさ~トランプしない?

一応持って来てたからさ!」


「2人でトランプ?!

まぁいいけど、、」


「4人でしようかと思ってたけど

あいつらは2人で過ごしたいみたいだから

仕方ないしな!

ババ抜きでもしようか?」


「2人だったらあっという間に

終わりそうだけどやろうか!」


「何かかける?」


「じゃあ、もし俺が勝ったら

膝枕して欲しい!」


「じゃあ~もし私が勝ったら、、

何がいいかな?!」


私は特に思い浮かばなくて

考え込んでいると


「お姫様抱っこは?」


「お姫様抱っこかぁ~

そんなのしてもらった事ないな~

これからも体験出来るか分からないし

お姫様抱っこしてもらおうかな~」


私は少しお姫様抱っこに

憧れていたのもあったので

それをかける事にした


「俺頑張って勝つわ!

膝枕して欲しいし~」


高田君は着替えやお金などの入った

カバンからトランプを出して

窓近くにあるソファーに座ると

配り始めた


私も向かい合わせのソファーに座ると

半分に分けてくれたトランプを手に取った


「じゃあ頑張るからね!」


私は同じ数字を捨てていき

数枚のトランプを扇型に広げて

手で持った


ババは私の方にはなかったので

高田君が持っているはず

私は慎重にカードを選んで

順番に取り合った


「やった!!

高田君の負け!」


私は最後のカードの数字が合ったので

それを捨てながらそう言った


「高田君弱いな~

私一回もババ取らなかったよ!」


「残念!

紗季ちゃん強すぎ、、」


「じゃあ!

お姫様抱っこ宜しくね!」


私がそう言うと


高田君は私の体を軽々と持ち上げた


『わぁ~抱き上げられると

意外と高いな~少し怖い感じ、、

それに高田君の体めちゃくちゃ

筋肉ある、、

ガッチリしてるな~

高田君とこんなに密着した事ないから

ドキドキして来た、、』


私がそう思っていると

高田君は私を抱えながら

ぐるぐる回り始めた


「キャー!!

怖い!目が回るよ!!

凄い!!」


私はキャーキャー言いながらも

お姫様抱っこで回してもらうと

こんなにも面白いんだ~って

内心喜んでいた


何回か回してくれて

下に降ろされた


「紗季ちゃん!

そんなに楽しかったか?

かなり喜んでたけど?!」


「思ってたよりかなり面白い!

重たかったでしょ?」


「全然大丈夫!

俺初めてお姫様抱っこしたわ!

結構目が回るな!」


「え!

初めてなの?

奥さんとかにしてあげたと思ってた~

お姫様抱っこって結構怖いね!

私、目をつぶってしまったわ

あんなに回ったら目が回るよね!

でも楽しかったわ!

ありがとう!

トランプ勝ってラッキーだった!」


私はニコニコ顔でそう言うと


「じゃあもう一回!」


高田君はそう言うと

私を抱き上げもう一回回りだした


私達はキャーキャー言ったり

笑い合ったり、、


まるで恋人同士のようだった


そして2人の夜はまだまだ続いた


朝まで高田君といる事が出来ると思うと

私は少し嬉しかったしドキドキした









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

UNNAMED

筆名
ライト文芸
「——彼女は、この紛い物のみたいな僕の人生に現れた、たった一つの光なんです!——」 「——君はね、私にはなーんの影響も及ぼさない。でも、そこが君の良さだよ!——」  自身への影響を第一に考える二人が出会ったのは、まるで絵に書いたような理想のパートナーだった。  紛い物の日々と作り物の事実を求めて、二人の関係は発展してゆく——    これはtrueENDを目指す、世にありふれた物語。

小説家の私とダンサーの君

山本未来
ライト文芸
世界で活躍するダンサーになる夢を追って 猛練習に励む君に出会った私は 自分の夢だった小説を書く夢を思い出す そして夢に向かって歩みだす

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

友情結婚してみたら溺愛されてる件

鳴宮鶉子
恋愛
幼馴染で元カレの彼と友情結婚したら、溺愛されてる?

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

余命3ヶ月、、たけどあなたに出逢ってしまった

山本未来
ライト文芸
乳がんで余命3ヶ月と宣告された だけど明るく生きる決意をする 命ある限り好きな事をしよう、、 そして出逢ってしまった 大切な人と、、

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

処理中です...