愛が憎しみに変わる時

山本未来

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お姫様抱っこ

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「紗季ちゃん!」

ホテルの扉を叩く音で

扉を開けた私に向かって

高田君は爽やかな笑顔で

私の名前を呼んだ


「戸倉くん達に追い出された?」

私が渋々そう言うと


「追い出された、、」

彼は部屋の奥に入りながら

そう言った


「やっぱり、、

真希ちゃんから電話かかって来たから

多分そうだろうな~って思った

どうするの?」


「紗季ちゃんがもし良ければ

この部屋で寝させてもらってもいい?」


「え~どうしょうかな、、

絶対何もして来ない?」


「しない、しない、、

絶対何もしない約束する!

せっかくだから色々話ししようよ!」


「絶対だよ!

もし何かして来たら追い出すからね!」


「分かってるって!」


こうして私達は朝まで一緒に

過ごす事になった


「私はもうお風呂入ったけど

高田君は入った?」


私がテレビを見ながら言うと


「まだ入ってないから入って来るわ!」

高田君はそう言うと

ホテルの浴衣をお風呂場に持って行き

しばらくするとシャワーの音がしだした


『高田君がいない間に私も

着替えておこう!

浴衣は少し刺激があるから

持って来たスエットに着替えようかな』


私は旅行かばんからスエットを

出すと素早く着替えた


時間はもう9時になっていた


『もう9時かぁ~

時間経つの早いな~

今日は結構あちこち行って

疲れたから早く寝よう!』


私はそう思いながらベッドの上に

座った


「あ~気持ち良かった~

あれ?!紗季ちゃん、、

何で浴衣着てないの?!

スエットだと色気ないな!

浴衣着たら?」


彼は残念そうに私に言った


「浴衣なんて着ないよ!

スエットの方が楽だし」


「そうなんだ~

でも紗季ちゃんの浴衣姿見たかったな~」


「結婚している人が何言ってるの!

奥さんに言うよ!」


「冗談!冗談!

あのさ~トランプしない?

一応持って来てたからさ!」


「2人でトランプ?!

まぁいいけど、、」


「4人でしようかと思ってたけど

あいつらは2人で過ごしたいみたいだから

仕方ないしな!

ババ抜きでもしようか?」


「2人だったらあっという間に

終わりそうだけどやろうか!」


「何かかける?」


「じゃあ、もし俺が勝ったら

膝枕して欲しい!」


「じゃあ~もし私が勝ったら、、

何がいいかな?!」


私は特に思い浮かばなくて

考え込んでいると


「お姫様抱っこは?」


「お姫様抱っこかぁ~

そんなのしてもらった事ないな~

これからも体験出来るか分からないし

お姫様抱っこしてもらおうかな~」


私は少しお姫様抱っこに

憧れていたのもあったので

それをかける事にした


「俺頑張って勝つわ!

膝枕して欲しいし~」


高田君は着替えやお金などの入った

カバンからトランプを出して

窓近くにあるソファーに座ると

配り始めた


私も向かい合わせのソファーに座ると

半分に分けてくれたトランプを手に取った


「じゃあ頑張るからね!」


私は同じ数字を捨てていき

数枚のトランプを扇型に広げて

手で持った


ババは私の方にはなかったので

高田君が持っているはず

私は慎重にカードを選んで

順番に取り合った


「やった!!

高田君の負け!」


私は最後のカードの数字が合ったので

それを捨てながらそう言った


「高田君弱いな~

私一回もババ取らなかったよ!」


「残念!

紗季ちゃん強すぎ、、」


「じゃあ!

お姫様抱っこ宜しくね!」


私がそう言うと


高田君は私の体を軽々と持ち上げた


『わぁ~抱き上げられると

意外と高いな~少し怖い感じ、、

それに高田君の体めちゃくちゃ

筋肉ある、、

ガッチリしてるな~

高田君とこんなに密着した事ないから

ドキドキして来た、、』


私がそう思っていると

高田君は私を抱えながら

ぐるぐる回り始めた


「キャー!!

怖い!目が回るよ!!

凄い!!」


私はキャーキャー言いながらも

お姫様抱っこで回してもらうと

こんなにも面白いんだ~って

内心喜んでいた


何回か回してくれて

下に降ろされた


「紗季ちゃん!

そんなに楽しかったか?

かなり喜んでたけど?!」


「思ってたよりかなり面白い!

重たかったでしょ?」


「全然大丈夫!

俺初めてお姫様抱っこしたわ!

結構目が回るな!」


「え!

初めてなの?

奥さんとかにしてあげたと思ってた~

お姫様抱っこって結構怖いね!

私、目をつぶってしまったわ

あんなに回ったら目が回るよね!

でも楽しかったわ!

ありがとう!

トランプ勝ってラッキーだった!」


私はニコニコ顔でそう言うと


「じゃあもう一回!」


高田君はそう言うと

私を抱き上げもう一回回りだした


私達はキャーキャー言ったり

笑い合ったり、、


まるで恋人同士のようだった


そして2人の夜はまだまだ続いた


朝まで高田君といる事が出来ると思うと

私は少し嬉しかったしドキドキした









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