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21話 調薬①

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「さて、それじゃあ早速ポーションを作っていくか。えーっと、
薬草をすりつぶすか細かく刻む…」
《すり鉢とかはないのか?》
「ああ、見た感じなかった」
「んじゃ、切り刻むしかないな」
「今度家庭科室からミキサー取ってくるか。よし、こんなもんかな。で、次はえっと…」
《沸騰した水に薬草を入れて成分を抽出し、ろ過すればポーション自体は完成する》
「ポーション自体は?なんでそんな含みのある言い方を…」
《まぁ、やってみれば分かる》
「そうか」

俺はガスバーナーを取り出し、音楽準備室の方で水を沸騰させ始めた。

「うーんと…で、ここに薬草を入れて…混ぜていったら良いんだよな?」

弱火で暫く混ぜていると、段々と水が緑色に変化していき、ガラス棒が絡まるように重くなっていった。

「うわ、急に重い…一旦これでやってみるか。えっと、ビーカーを置いて、そこにウエスを置いて…流し込んで…」

ろ過を全て終えると、液体が光だし、暫くするとガラス瓶に入った状態でアイテム化した。

【HPポーション:F-】
初心者が作ったHPポーションで通常よりも回復量が低いが、ポーションとしての機能は備わっている。

「いざ、実飲…うぇぇ…にっが!なんだこれ」
《ポーションの唯一ダメなところだ。まぁそりゃ、そこら辺に生えてる草を煮込んで作った液体が美味いわけないわな。だが、ポーション自体は出来てるんだから十分だろ》
「味の改良は必須だけどな。色々と試してみるか…まずは粘り気が出る手前で取り出す」

【不完全なHPポーション】
回復を促す成分が足りず、効能がほぼ皆無に等しいポーション。

「これはダメか。んじゃ次、粘り気が出たあとも暫くそのまま煮込む」

【濃縮されたHPポーション】
通常よりも数倍濃く作られたポーションで、薄めることでHPポーションができる。

「これもダメだな。この状態でろ過の回数を増やすとか…は、変わらないか。火を止めた状態で混ぜるのだけ続けるのは…お、良いかも」

【HPポーション:E】
適切な方法で作られたポーション。素材の品質が悪いため、回復量が少ない。

「おお、完成した。味は変わらずだが、ろ過とまぜあわせの工程を増やしたら比較的マシになったな」
《まぁ、エグ味が無くなったってくらいだけどな。苦いのには変わりない》
「変化があっただけマシと思ってくれよ。んじゃ、次は…スライムゼリー入れてみたりとか」

【HPポーションゼリー】
不完全に混ぜ合わさり、ゼリーとなったポーション。食べればHPを回復する。

「あれ、不完全?加熱した方が良いかな。HPポーションができてから…じゃないな、スライムゼリー自体を加熱して…お、溶けた」

【スライム溶媒液】
スライムゼリーから抽出した液体

「これを混ぜ合わせたら…」

【HPブルーポーション:D】
特殊な製法で作られたHPポーションで、通常のポーションよりも回復量が多く、止血効果も付与されている。

「お、マジか。偶然の産物。味が…うん、うんうん!良いじゃん、苦くはあるが、スライムが中和してかなり薄味になってる。これくらいなら普通に飲めるな。果物とか手に入ったらそれも入れてみても良いかもしれないが、これだけでも良さげだ」
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