上 下
16 / 24

15話 帰路

しおりを挟む
「あ?またウルフが来てるみたいだな」
《どうする?避けるか?》
「いや、そのまま倒しておこう」

気配察知からわかるように、狼はそのまま真っ直ぐとこちらへ走ってきていた。

「来る方向さえ分かっていれば…倒すのは容易だな」

飛び込んできた方向にそのまま刀で斬り殺す。
 やはり、狼の厄介なところはやはり驚異的な俊敏による攻撃での近接戦闘だ。

「ふぅむ…良さげなアイテムはそこまで無さそうだな」
《まぁ薬草は手に入ったし良いんじゃないか?》
「そうだな。とりあえず帰ったらまずは化学室に向かうか。調薬に必要なものはなにか分からないが、適当に回収すれば良いだろ」
《基本的にポーションの作り方は、薬草をすり潰すか細かく刻んで、沸騰させた水に加えて火をつけながら混ぜる。
最後に、ろ過して完成だ》
「ふぇむ。なら、そこら辺の器具と…フラスコとかも必要か?」
《ああ。ただ、ポーションがきちんとできたらアイテム化するから、瓶とかは必要ない》
「へぇ、そこら辺は便利なんだな。というか、錬金術と調薬の違いってなんなんだ?」
《うーん、そうだな…錬金術は全ての工程を1つの魔法陣に組み込ませて、魔法で制作スキルだ。
メリットは量産が容易なことだが、デメリットは一定のランクしか作れないことだな。同じ品質のものしか作れない。
 んで、それに対して調薬は魔法でも手作業でも作れる分、一つ一つ作らないといけない。だが、その分本人の力量次第で高ランクを幾らでも作ることができるし、実は万能薬とかアムリタとかの伝説級、逸話級の薬は調薬でしか作れないんだ》
「へぇ、それはいいことを聞いたな。ま、俺なんかに到底作れるような代モンじゃないのは確かだけどな。さて、こんなもんで良いか。大体の素材と魔石はだいぶ集まってきたし。ガチャと化学室に行って、今日は休もう」
《調薬はどこでするんだ?》
「あー、化学室の方が良いか。だが、器具だけは回収しておこう」

彼らは適当に話しながら、やっとのことで校舎に着いた。結局あの後も、多少の魔物は居たものの、ウルフは居なかった。生息域がもしかしたらもう少し奥の方かもしれない。

「さて、ラインナップが出てるかどうか…お、ちゃんと出てるじゃん。観測者さんサンキュー」

改めてラインナップを見た限り、Fランクのガチャは食料は主に食材そのままと軽食が殆どで小腹を満たせるようなものしかないようだ。
そして、飲料は水かお茶。
家具の方は、布団はなく、小さめの机や椅子、後はランタンやマッチ、懐中電灯等のサバイバルに必要な小物が殆どだった。
 魔石の数は限りなく少ないながらも、Eランクのガチャの方も確認すると、こちらのガチャは少し全体的にグレードアップしていて、レトルトや缶詰なんかが増えていた。飲料の方は水とお茶の種類を選べるようになっていたり、他にも果実水等が追加されていた。
家具の方にはお目当ての布団も追加されており、他にも色んな便利な道具も追加されているようで、最後の枠にレアアイテム枠として、強化玉が入っていた。

「また強化玉が入ってるな」
《もし獲得したとしたら何に使うんだ?》
「勿論、幸運だ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する

ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。 きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。 私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。 この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない? 私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?! 映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。 設定はゆるいです

処理中です...