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第一章 ボーイ・ミーツ・ツーディーガールズ
ドキッ!美少女だらけの野球拳!!後編
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どこまでも続く青い海、そこに浮かぶ船が段々小さくなっていくのをアズは見ていた。
時はカナ達、中央の国メンバーを見送った後だ。お土産として渡した浪漫・コンティは昔、誰かから貰ったものだったがアズの舌にはあまり合わず、高級品なので捨てるのも勿体なく今までとっておいたものだ。
思わぬところで引き取り手が見つかり、不安がひとつ無くなった。
そんなことを考えてるうちに船が完全に見えなくなり、アズは港を後にする事にする。
来た時と同じ道を通り、自分の城に向かう。その途中、視線の先には怪しい人影、その影が自分に向かってゆっくり歩いてくる。
体全体を鎧で包み、腰には剣、頭には兜を被っていて表情が見えない。カンカンと金属がぶつかり合う音をならしながら段々と迫ってくる。
そしてアズの目の前で止まり、
「貴様がアズか。」
「そうですけど。」
鎧の人物が話しかけてくる。声色からして恐らく女性だと思う。そんな声にアズは怯えながらも返事を返す。
女性がクスッと笑い、金属音が鳴る。
「私はずっと、貴様を探していた。」
歓喜に満ちた声でそう呟く女性。優しい声だ。若干の安堵をアズは覚えたが、その直後に凍りついた。
鎧で表情は見えないはずだが、アズには猫がネズミをとらえるときのような、獲物を捕らえるときの目をその女性がしてるように感じた。
そしてーー。
「私はこのために生まれてきたのだ。」
急に低い、恐怖を覚える程の暗い声ではっきりとそう口にして、
腰の剣を抜いて、アズの首を……。
※
「おい、皆の衆。朗報や!中央の国の方々が差し入れ持ってきてくれたで。」
「おー!」
歓声の中、チロ達は宴会の会場にやって来た。この場にいるのはカナとチロを除き11名、サッカーをやっていたのが容易に想像出来る。
カナが空いている席に座り、チロはそのとなりに座る。
「始めましてかな?、カナ様の側近の方だね。」
話しかけてきたのはチロの正面に座る、深紅の髪を肩まで伸ばした大人びた雰囲気の女性だ。
彼女は西の大陸代表ニシの側近、ナオだ。彼女は西の国出身だが、ニシのように関西弁は話さない。キャラ分けのためだ。
ただどこか高級な装いで、そこのところはニシに通じるものがある。
ナオは自分の髪を手ぐしで直して、
「私はニシ様の側近のナオ。同じ側近仲間としてよろしく頼むよ。」
そう言って満面の笑みを見せるナオ。その表情にチロの心臓が実際に聞こえそうなほどにドキッと鳴る。
美少女の笑顔にチロは弱い。これはこの世界にどれだけいても慣れることはないだろう。
「どうだい?お近づきの印として一緒に。」
倒置法でチロにお酒を勧めてくるナオ、しかしチロは、
「自分未成年なんで、遠慮します」
「そう釣れないこと言わないでさ、一杯位いいだろう?」
「いえいえ、未成年の飲酒シーンは少年誌では100%アウトですし、例えそれが細々と連載してるネット小説でもいかんと思うんですよ。誠に遺憾です。ハイ。」
「そ、そうかい?」
チロの拒絶の姿勢にナオの姿勢が若干引き気味になる。「よく分からないが…。」と呟きそれからはお酒を勧めるのは止めたが。
「ならばこれはどうだい?『お汁粉ソーダ』というものなんだが…。」
等と珍味の炭酸ドリンクをやたらと勧めてくるようになった。
その中に意外と美味しいものもあったりしたので案外こういう冒険をするのも悪くはないかな等と思った。それに最初は反対していた宴会だったがナオやその他の守護者達が歓迎してくれている様子だったので案外楽しむことができた。
そして宴会は進んでいった。
するとーー。
「おい、アホー!頭ついとんのかワレー!!」
「うっさいこの○△×☆!!?」
等と何処かで言い争いが起こっている。
その主犯は、ヒョウ柄のダウンを手に持ちそれをぐるぐる回す、亜麻色の髪の少女と、カンフーのような謎のポーズをしながら応戦する、海老茶色の髪の少女。それぞれ、ニシとカナだ。
両者ともに顔を赤く染めている。相当酔っぱらっているようだ。
「そもそもあの二人ってお酒飲んでいい年齢なの?」
「駄目だったとしたら、君の言う'ショウネンシ'とやらには載せられないし、'コノショウセツ'でもアウトだ。だからあの二人は二十歳以上。後はご想像にお任せしますってとこだね。」
と、しばらく話していたチロに感化されたナオが言う。そしてチロにたいしてウインク。
ここまで気の会う人物はもとの世界でも少なかったのではないだろうか、自分の交遊関係の狭さに泣ける。
そんなナオは自分が炭酸ドリンクを飲んでるときも酒をのみ続けているにも関わらず、全く酔っている様子がなく、お酒が似合うといった感じだ。
この人の年齢がいくつなのかが一番気になる。
「そもそも私がここに来た理由は、あんたをぶっ○すためなんだから!」
「コ○助とかさっきから何言っとるんや、この頭でかタヌキ!!」
声を荒立てて、全く噛み合ってない会話をする両者。するとニシが、
「勝負じゃワレェ!!お互い自分の服をかけた野球拳や!」
「やってやろうじゃねえかよ、この野郎!」
カナの得意技、どっからそんな声出てるんだというほどハイクオリティなモノマネで勝負を承諾。
「あなたをすっぽんぽんにしてみせるわ!」
「ふん、ほざけ。」
勝負が始まる。
「じゃんけん…。」
『ぽん!』
二人の声が重なる。勝ったのはカナだ。
「ほら早く脱ぎなさいよ、そのタイ○ーマスク。」
ニシがヒョウ柄のダウンを脱ぎ捨てる。しかしニシは黒のインナーを着ていたためこれはノーダメージだ。
元々、厚着であるニシがこの戦いは有利だと思われるが…。
「じゃんけん…。」
『ぽん!』
「はい!次!もう一枚!!」
またしても勝ったのはカナだ、次にニシは恥ずかしげにスカートを脱いで黒の下着を露にする。
カナの能力は高ランクの守護者が出やすいというもの。それはつまるところ運がいいということだ。
それはじゃんけんでも例外ではない。あっという間にカナの宣言通り、ニシはすっぽんぽんになってしまっていた。
「くぅ…。」
「ふっ、ふっ、ふっ。」
全裸になり、涙目になって胸と股を抑えるニシ。その服を奪い取り、自分の衣服は全く盗まれていないカナが高らかに笑っている。
この光景、眼福です。ナニが無くてもビンビンです。
「まっ、まだや!!」
服がなくても野球拳を止めようとしないニシ、それを見かねたナオが駆け寄り、
「やめてくださいニシ様、もう裸で脱ぐものがありません。」
「うぅ…。」
ナオが止めても、まだ納得のいってない様子のニシ。主従の関係だが逆にナオがニシの母親のようにも見える。
そんなナオが、
「さあ、ご主人様の敵をとろうじゃないか。」
「いや、いやいやそれは…。」
正直全く勝てるビジョンが浮かばない。カナの圧倒的じゃんけん力の前では何もかもが無力に感じる。
「次は貴方ね、さあ貴方にも全裸になってもらうわよ!」
ゴゴゴゴゴと効果音が聞こえそうなほど圧倒的な殺気。それを前にしてナオは、
「降参だ。全く勝てる気がしない。」
そう言ってナオも食い下がる。でもナオさんの全裸ならちょっとみたいかも
ドゴォ
見るとカナに敗れた八つ当たりだろうかニシがチロの顔面を全力で殴っていた。
チロは目の前が真っ暗になった。
時はカナ達、中央の国メンバーを見送った後だ。お土産として渡した浪漫・コンティは昔、誰かから貰ったものだったがアズの舌にはあまり合わず、高級品なので捨てるのも勿体なく今までとっておいたものだ。
思わぬところで引き取り手が見つかり、不安がひとつ無くなった。
そんなことを考えてるうちに船が完全に見えなくなり、アズは港を後にする事にする。
来た時と同じ道を通り、自分の城に向かう。その途中、視線の先には怪しい人影、その影が自分に向かってゆっくり歩いてくる。
体全体を鎧で包み、腰には剣、頭には兜を被っていて表情が見えない。カンカンと金属がぶつかり合う音をならしながら段々と迫ってくる。
そしてアズの目の前で止まり、
「貴様がアズか。」
「そうですけど。」
鎧の人物が話しかけてくる。声色からして恐らく女性だと思う。そんな声にアズは怯えながらも返事を返す。
女性がクスッと笑い、金属音が鳴る。
「私はずっと、貴様を探していた。」
歓喜に満ちた声でそう呟く女性。優しい声だ。若干の安堵をアズは覚えたが、その直後に凍りついた。
鎧で表情は見えないはずだが、アズには猫がネズミをとらえるときのような、獲物を捕らえるときの目をその女性がしてるように感じた。
そしてーー。
「私はこのために生まれてきたのだ。」
急に低い、恐怖を覚える程の暗い声ではっきりとそう口にして、
腰の剣を抜いて、アズの首を……。
※
「おい、皆の衆。朗報や!中央の国の方々が差し入れ持ってきてくれたで。」
「おー!」
歓声の中、チロ達は宴会の会場にやって来た。この場にいるのはカナとチロを除き11名、サッカーをやっていたのが容易に想像出来る。
カナが空いている席に座り、チロはそのとなりに座る。
「始めましてかな?、カナ様の側近の方だね。」
話しかけてきたのはチロの正面に座る、深紅の髪を肩まで伸ばした大人びた雰囲気の女性だ。
彼女は西の大陸代表ニシの側近、ナオだ。彼女は西の国出身だが、ニシのように関西弁は話さない。キャラ分けのためだ。
ただどこか高級な装いで、そこのところはニシに通じるものがある。
ナオは自分の髪を手ぐしで直して、
「私はニシ様の側近のナオ。同じ側近仲間としてよろしく頼むよ。」
そう言って満面の笑みを見せるナオ。その表情にチロの心臓が実際に聞こえそうなほどにドキッと鳴る。
美少女の笑顔にチロは弱い。これはこの世界にどれだけいても慣れることはないだろう。
「どうだい?お近づきの印として一緒に。」
倒置法でチロにお酒を勧めてくるナオ、しかしチロは、
「自分未成年なんで、遠慮します」
「そう釣れないこと言わないでさ、一杯位いいだろう?」
「いえいえ、未成年の飲酒シーンは少年誌では100%アウトですし、例えそれが細々と連載してるネット小説でもいかんと思うんですよ。誠に遺憾です。ハイ。」
「そ、そうかい?」
チロの拒絶の姿勢にナオの姿勢が若干引き気味になる。「よく分からないが…。」と呟きそれからはお酒を勧めるのは止めたが。
「ならばこれはどうだい?『お汁粉ソーダ』というものなんだが…。」
等と珍味の炭酸ドリンクをやたらと勧めてくるようになった。
その中に意外と美味しいものもあったりしたので案外こういう冒険をするのも悪くはないかな等と思った。それに最初は反対していた宴会だったがナオやその他の守護者達が歓迎してくれている様子だったので案外楽しむことができた。
そして宴会は進んでいった。
するとーー。
「おい、アホー!頭ついとんのかワレー!!」
「うっさいこの○△×☆!!?」
等と何処かで言い争いが起こっている。
その主犯は、ヒョウ柄のダウンを手に持ちそれをぐるぐる回す、亜麻色の髪の少女と、カンフーのような謎のポーズをしながら応戦する、海老茶色の髪の少女。それぞれ、ニシとカナだ。
両者ともに顔を赤く染めている。相当酔っぱらっているようだ。
「そもそもあの二人ってお酒飲んでいい年齢なの?」
「駄目だったとしたら、君の言う'ショウネンシ'とやらには載せられないし、'コノショウセツ'でもアウトだ。だからあの二人は二十歳以上。後はご想像にお任せしますってとこだね。」
と、しばらく話していたチロに感化されたナオが言う。そしてチロにたいしてウインク。
ここまで気の会う人物はもとの世界でも少なかったのではないだろうか、自分の交遊関係の狭さに泣ける。
そんなナオは自分が炭酸ドリンクを飲んでるときも酒をのみ続けているにも関わらず、全く酔っている様子がなく、お酒が似合うといった感じだ。
この人の年齢がいくつなのかが一番気になる。
「そもそも私がここに来た理由は、あんたをぶっ○すためなんだから!」
「コ○助とかさっきから何言っとるんや、この頭でかタヌキ!!」
声を荒立てて、全く噛み合ってない会話をする両者。するとニシが、
「勝負じゃワレェ!!お互い自分の服をかけた野球拳や!」
「やってやろうじゃねえかよ、この野郎!」
カナの得意技、どっからそんな声出てるんだというほどハイクオリティなモノマネで勝負を承諾。
「あなたをすっぽんぽんにしてみせるわ!」
「ふん、ほざけ。」
勝負が始まる。
「じゃんけん…。」
『ぽん!』
二人の声が重なる。勝ったのはカナだ。
「ほら早く脱ぎなさいよ、そのタイ○ーマスク。」
ニシがヒョウ柄のダウンを脱ぎ捨てる。しかしニシは黒のインナーを着ていたためこれはノーダメージだ。
元々、厚着であるニシがこの戦いは有利だと思われるが…。
「じゃんけん…。」
『ぽん!』
「はい!次!もう一枚!!」
またしても勝ったのはカナだ、次にニシは恥ずかしげにスカートを脱いで黒の下着を露にする。
カナの能力は高ランクの守護者が出やすいというもの。それはつまるところ運がいいということだ。
それはじゃんけんでも例外ではない。あっという間にカナの宣言通り、ニシはすっぽんぽんになってしまっていた。
「くぅ…。」
「ふっ、ふっ、ふっ。」
全裸になり、涙目になって胸と股を抑えるニシ。その服を奪い取り、自分の衣服は全く盗まれていないカナが高らかに笑っている。
この光景、眼福です。ナニが無くてもビンビンです。
「まっ、まだや!!」
服がなくても野球拳を止めようとしないニシ、それを見かねたナオが駆け寄り、
「やめてくださいニシ様、もう裸で脱ぐものがありません。」
「うぅ…。」
ナオが止めても、まだ納得のいってない様子のニシ。主従の関係だが逆にナオがニシの母親のようにも見える。
そんなナオが、
「さあ、ご主人様の敵をとろうじゃないか。」
「いや、いやいやそれは…。」
正直全く勝てるビジョンが浮かばない。カナの圧倒的じゃんけん力の前では何もかもが無力に感じる。
「次は貴方ね、さあ貴方にも全裸になってもらうわよ!」
ゴゴゴゴゴと効果音が聞こえそうなほど圧倒的な殺気。それを前にしてナオは、
「降参だ。全く勝てる気がしない。」
そう言ってナオも食い下がる。でもナオさんの全裸ならちょっとみたいかも
ドゴォ
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