自然と世界は廻る

已己已巳己

文字の大きさ
上 下
36 / 47

第三十六話 私の今のおかしな居場所

しおりを挟む
小路 さてっと、まあその3つが三大事件にはなるんだが、最後の藤原家の子供の話な、あれを一応は藤原家の子だからと、特別な埋葬法をとったらしいんだが、埋葬の当日、ひつぎの中にその子供がいなくなってたんだよ。
白上 幼子事件と同じような感じか。でもその子供は死んだんだろ?誰かが盗んだんだとしても、遺体にはもう神の力が残ってないのが分かってるんだから盗む意味もないと思うんだけどな。
 白上は不思議そうにそう言った。
小路 ああ、当たり前のように、藤原家は血眼ちまなこになって探したんだと。そうしたら、死んだ子供と同じ顔のやつが見つかったんだ。だが、その場で捕まえられずに逃げられたってよ。
星月 そこからでしたね、ある意味、両軍が冷戦の状態にまでなったきっかけとなったのは。
白上 すげえ、初めて知ったことばっかだわ。
実久 てか何で死んだはずの子供が生き返ってるのよ!?
小路 俺が知りてえよそんなの。未だに解明はされてないっぽいしな。
増田 かつての人間兵器と、神とのつながりが一切不明なその2人を殺さなければ、両軍ともどもやられる可能性が高いから、その対処をするために、現在は各地で紛争が起きてるが、かつての大規模な戦争と呼べるほどのものは起きていないんだ。
実久 でも、両軍とも滅されるなら、純の本来の目的は達成されるんじゃないの?
星月 実久さん、仮にその2人が両軍を倒せるほどの実力を有していて、私たちは今太陽神と敵対しています。ここで戦況を変えられる太陽神とその2人が手をつなげるのは余計勝ち目のない戦いになるんですよ。
白上 いわば、新世界の王になりえる奴らが共闘して両軍だけじゃなくて俺らもろともやられちまうってことだろ。これは確かに阻止しないとやばいな。
小路 結局その2人には多額の懸賞金がかけられたんだが、行く先々の目撃情報から、藤原の子は同年代の誰かと行動を共にしているらしいんだ。
白上 まあ実力があるかは別だろ?
小路 同年代の子供のほうはあまり周知されてないのもあって能力とかも明らかではないからな。まあ目撃情報としては仲間がいるってのはでかいと思うぜ。
増田 実質、その後の動向はわかってないんだろ。少なくとも、幼子の方は最後の目撃情報が10年前の百増戦争からない。そもそも、これじゃ時間がたちすぎて顔もわかんねえよ。俺らの最終目標を達成するには、少なくともその幼子を殺してからじゃないと始まらねえんだよ。
 増田はイラつきながら貧乏ゆすりをしていた。
星月 まず、生きてるのかどうかもわかりませんしね…
増田 百増戦争は実質藤原と伊集院の2番手戦力同士のぶつかりあいだった。父親を殺したやつは俺の父親と相打ち。俺の父親を殺した伊集院の家系はもちろんだが、藤原もよくしてもらった覚えが1つもない。ほんと最悪な幼少期を過ごしたよ。だから、幼子が生きてるっつーなら、まとめて戦力を上げて俺ら、争滅隊そうめつたいが新世界の一番上に立つ。
星月 …
白上 太陽神、今の話を含めると、今日ゲットできなかったのは悲しいな。
小路 (ああ、本当に。)
松木 そうですねー。
増田 まあなんだ。今回は戦力不足ってことにして、明日からは別から攻めに行こう。
小路 そうだな。じゃあ今日は終わりってことで、早いけど解散なー。
白上 おっけーおやすみー。

星月 (私は、争滅隊一番の新人です。はじめは、戦争を終わらせたいという思いから家を飛びだし、同じ境遇の純たちと出会い、ともに旅をしてきました。ですが、不可解な点があります。それは、自陣の戦力となる子供を、言葉でなく武力で統制しようとしているところです。ただ、私以外に不満に思ってる人が1人もいないので、私がおかしいのかな…と思ってしまいます。ですが、今日の戦いを見て思いました。明らかに敵対心を持っている太陽神に勝てたとしても、融合の実験は失敗しているので移植はできないはずなのです。敵の言いなりになるわけがないのに、そのことに関しては誰1人口に出さず、あたかも味方に引き入れるのが可能かのようにふるまっていました。もしかしたら、私はいてはいけないところにいるのかもしれません。私はどうなってしまうのでしょうか…太陽神の取り巻きのように、寄り添う人がいたなら…いや、いいわけですね…)
白上 なあ、お前…
星月 …!?

村の人 それでは、こちらに。
天宮 おー!ちっちゃいころ見てたけど、やっぱ派手だなー!
 灯請は初めて神輿みこしの上に乗って、テンションが上がっていた。
村の人 それじゃ、持ちあげてみますかー!?
 村の人は他の人たちへ向けて大きな声を出した。
村の人達 おーし!
村の人 いっくぞー!!
村の人達 せーのぉ!!
 その瞬間、村の人たちは一斉に、数百キロもある神輿を軽々と持ち上げた。
天宮 おおおお!?
 灯請はバランスを崩しそうになったが、何とか持ちこたえ、その高さを実感した。
天宮 すげえ…これで町中をまわるんでしょ!?最高じゃん!!
村の人 リハオッケーですか!?
天宮 大丈夫そうです!ありがとうございます!
村の人 それじゃあ皆さん、一旦降ろして、リラックスしてから本番にのぞみますよ!
村の人達 はい!!
天宮 (やっば、今になって緊張してきたぁ…!)
 灯請は不安と緊張の中、体を動かして紛らわそうとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...