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3話 キリアの想い
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「お久しぶりです、クーラ王子」
「どうやら、私だとわかっていたようだな……」
椅子に両手両足を縛りつけられた状態で、オレはクーラ王子と対峙した。
「この王国で、これだけの規模で事を動かせるのは、クーラ王子しかいませんから――」
「ハハ、それは賛辞として受け取っておくよ」
「それで、このような秘密裏な場所で、どのような交渉をされるのですか?」
「交渉? フフ、この状況で交渉ができると考えるとは、ルミナス辺境伯は相変わらず考えが甘いようだ」
「ええ、オレは夢想家なんですよ」
「……その夢想家な言動が、私をイラつかせているんだがな?」
「つまり――、ここまでオレを連れて来た理由は、奴隷制度についての話がしたいということですか?」
「何故、奴隷制度の撤廃を王宮に進言した? そのような行動は、お前にとって損害でしかないだろ?」
「ええ、そのお陰で、この様な事態になっていますからね……。それでも、オレは間違ったことをしたとは思っていませんよ」
「はぁ、辺境伯ともあろう者が、奴隷となった元令嬢に惑わされようとは――」
クーラ王子が大きな溜息をついた。
「……どういう意味ですか?」
「調べてないとでも思っているのか? キリアを奴隷にしたのは、この私だ。当然、その後の動向も確認している。また、婚約者との関係を不仲にするために悪事を働かれたら困るからな――」
「過去に粗相があったことは聞き及んでおりますが……、今はメイドとしてオレの屋敷で一生懸命に働いてくれています」
「それがアイツの策略なのさ。無駄に顔はいいから皆が騙される――」
要は、クーラ王子も一度はその美貌に心惹かれたということか……
それにしても――
集められた全ての情報を精査すると、奴隷になる前と後とでは、あまりにもキリアの性格が違い過ぎる。
……奴隷に身分を落とされた時に、彼女に何があったんだ?
「クーラ王子がキリアから辛苦を浴びせられたのは事実なのでしょう――、しかし、前歴に何があったとしても、オレは今の彼女を信じています」
それが、一年間、彼女を見続けてきたオレの答えだった。
「そうか……、お前がそこまで愚かだったとは思わなかったよ。――暗殺者!!」
「はっ!」
「後の始末はお前に任せる」
「仰せのままに……」
クーラ王子は、そう暗殺者に告げ、その場を後にした――
◇
「ザイン様、ここにルミナス様が捕らわれているようです」
ザインと私はルミナスが捕らわれている洞窟へとたどり着いた。
「メイドが探索魔法を使えるとは思わなかったが……、お陰で最短でここまで来られた。感謝する――」
「はい、元貴族ですので多少の魔法は使えます」
貴族は基本的に魔力が高く、一般人よりは魔法が得意だ。
「元貴族だったのか、通りで……。だが、お前の役割はここまでだ。後のことは俺達に任せてくれ」
「わかりました――」
本当は私も行きたい……
でも、私が行ったら返って邪魔になってしまうこともわかっている。
私は歯を食いしばって、その言葉を飲み込んだ。
「一緒に行きたいのか?」
「え?」
「あ、いや、そんな顔をしていたから――」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
「……行ってもいいのですか?」
「俺の傍を離れないことが最低条件だがな」
「行きます!!」
ルミナスの身が心配な私は即答した。
「ハハ、正直なヤツだな。では、急ぐぞ――」
「はい」
ザインの厚情によって、私は洞窟の中へと進んだ。
◇
「ハッ!!」
オレは魔法を使って身体を縛っていた縄を切った。
「予想通り、魔法騎士でしたか……」
――気づいていたのか?
「オレは戦ってもいいぞ、組織の壊滅を覚悟できるならばな」
「……いいんですか? 私達は人質を確保しているのですよ?」
「フ、その間が答えなんだろ? 用心深いお前が、長時間、あの場に仲間を留めておくはずがないからな――」
「…………」
オレの問いには答えなかったが、話をしていた頭首に部下が何かを耳打ちした。
「どうやら、ここまでのようですね……」
「どういうことだ?」
「あなたの近衛騎士達がこの洞窟までやって来たようです。こちらとしても、みすみす部下を減らすつもりはありませんので――」
「ザイン達が来てくれたのか。だが、予想よりも、だいぶ早かったな……」
「一番の誤算は、あなたの従者に優秀なメイドがいたことでしたね。我々は早々に退散させてもらいますよ」
ん、それは、もしかしてキリアの話をしているのか?
彼女も元は貴族。
探知魔法くらいは使えるのかもしれない。
「待て」
このまま逃がしてもいいが――
「……まだ何か?」
「一つ提案がある」
オレは暗殺者の頭首にある提言をした。
「ルミナス様!!」
キリアはオレを見つけるや否や――
飛びついて、オレを抱きしめた。
「キ、キリア?! どうして、君が…‥」
ついて来ている可能性も考えてはいたが、洞窟の中にまで入って来ているとは思わなかった。
突然、抱きつかれたことにも、オレは驚かされた。
「心配しておりました。気がおかしくなるほどに――」
……どういうことだ?
「――君は、オレのことが嫌いだったのではないのか?」
「き、嫌い?! ルミナス様をですか!? ……滅相もございません、私は逢う前からあなた様のことを、尊敬し、お慕いしておりました」
「で、では、何故、顔合わせをすると、いつも目を逸らしていたのだ?」
「それは――、ルミナス様のことが好き過ぎて、お顔を見れなかったのでございます。失礼な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした」
そうだったのか……
どうやら、嫌われていると思っていたのはオレの誤認だったようだ。
それはそれとして――
『好き過ぎて』とは、どういう意味だ!?
一呼吸置いて、改めてオレはその言葉が気にかかった。
「その……、好き過ぎてというのは?」
「あ、あ、あ、すみません!! 出しゃばったことを言ってしまいました!! わ、忘れてください!!」
キリアが、あからさまに動揺している。
「い、いや、そうではなくて――、好きにも色々あるだろ? それを確認したかっただけなのだが……」
「それらを伝えてしまうと、ルミナス様が興ざめしてしまうかと思いますので――」
興ざめする?
……好意を持たれてるとわかって、嫌な思いをすることなどあるのか?
「構わん、言ってみてくれ――」
「わ、わかりました……」
キリアが深呼吸をしている。
「では――」
キリアの神妙な面持ちに感応し、オレも固唾を呑み込んだ。
「まずは第一印象ですが、私のドタイプでした。金髪碧眼の騎士というだけでも悶絶しそうなキャラ設定ですが、その姿を全身絵で見た時に完璧にハマってしまいました。それで、実際に逢ってからの感想ですが……、雰囲気からかっこいいオーラが出ていましたし、言動の全てから優しさが滲み出ていました。その影響はメイドや他の騎士達にも影響を与えていて、皆さんは奴隷の私にも優しく接してくれました。その主人がルミナス様だと考えると、ますます好きになってしまいました。働くことが少しでもルミナス様のためになると考えるだけで不思議と力も湧いてきました。こんなにも誰かのために頑張れる自分がいたんだと思うと嬉しくなって、ルミナス様のことが更に好きになりました。元々、ルミナス様のことを生きがいに頑張っていましたが、出逢ってからは毎日が楽しくて仕方がありません。ルミナス様の近くでルミナス様と同じ空気を吸っていると想うだけで――」
「ちょっ、ちょっと待って!! そこまで褒められると、さすがに恥ずかしい……」
元は嫌われていると思っていたので、オレの中の反動も大きかった。
「あ、やはり、聞くに堪えなかったですか?」
「そ、そういうわけではないが――、主人を称えるためとはいえ、そこまで無理に褒めなくてもいいんだぞ?」
「無理に褒めているつもりはありません。ただ……、ルミナス様の好きなところの話になると止まらなくなってしまうため、気をつけてはいました」
なるほど、オレの前で無口だったのには、そういう理由があったのだな――
ん?
これは、つまり……
――キリアとオレは両想いなのか?
◇
「この軍隊の行き先はルミナス辺境伯の領地!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉ!!!」」」
「王族の権威を脅かそうとする者には、我々が鉄槌を下す!!」
クーラ王子は剣を高らかに掲げ、そう叫んだ――
「どうやら、私だとわかっていたようだな……」
椅子に両手両足を縛りつけられた状態で、オレはクーラ王子と対峙した。
「この王国で、これだけの規模で事を動かせるのは、クーラ王子しかいませんから――」
「ハハ、それは賛辞として受け取っておくよ」
「それで、このような秘密裏な場所で、どのような交渉をされるのですか?」
「交渉? フフ、この状況で交渉ができると考えるとは、ルミナス辺境伯は相変わらず考えが甘いようだ」
「ええ、オレは夢想家なんですよ」
「……その夢想家な言動が、私をイラつかせているんだがな?」
「つまり――、ここまでオレを連れて来た理由は、奴隷制度についての話がしたいということですか?」
「何故、奴隷制度の撤廃を王宮に進言した? そのような行動は、お前にとって損害でしかないだろ?」
「ええ、そのお陰で、この様な事態になっていますからね……。それでも、オレは間違ったことをしたとは思っていませんよ」
「はぁ、辺境伯ともあろう者が、奴隷となった元令嬢に惑わされようとは――」
クーラ王子が大きな溜息をついた。
「……どういう意味ですか?」
「調べてないとでも思っているのか? キリアを奴隷にしたのは、この私だ。当然、その後の動向も確認している。また、婚約者との関係を不仲にするために悪事を働かれたら困るからな――」
「過去に粗相があったことは聞き及んでおりますが……、今はメイドとしてオレの屋敷で一生懸命に働いてくれています」
「それがアイツの策略なのさ。無駄に顔はいいから皆が騙される――」
要は、クーラ王子も一度はその美貌に心惹かれたということか……
それにしても――
集められた全ての情報を精査すると、奴隷になる前と後とでは、あまりにもキリアの性格が違い過ぎる。
……奴隷に身分を落とされた時に、彼女に何があったんだ?
「クーラ王子がキリアから辛苦を浴びせられたのは事実なのでしょう――、しかし、前歴に何があったとしても、オレは今の彼女を信じています」
それが、一年間、彼女を見続けてきたオレの答えだった。
「そうか……、お前がそこまで愚かだったとは思わなかったよ。――暗殺者!!」
「はっ!」
「後の始末はお前に任せる」
「仰せのままに……」
クーラ王子は、そう暗殺者に告げ、その場を後にした――
◇
「ザイン様、ここにルミナス様が捕らわれているようです」
ザインと私はルミナスが捕らわれている洞窟へとたどり着いた。
「メイドが探索魔法を使えるとは思わなかったが……、お陰で最短でここまで来られた。感謝する――」
「はい、元貴族ですので多少の魔法は使えます」
貴族は基本的に魔力が高く、一般人よりは魔法が得意だ。
「元貴族だったのか、通りで……。だが、お前の役割はここまでだ。後のことは俺達に任せてくれ」
「わかりました――」
本当は私も行きたい……
でも、私が行ったら返って邪魔になってしまうこともわかっている。
私は歯を食いしばって、その言葉を飲み込んだ。
「一緒に行きたいのか?」
「え?」
「あ、いや、そんな顔をしていたから――」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
「……行ってもいいのですか?」
「俺の傍を離れないことが最低条件だがな」
「行きます!!」
ルミナスの身が心配な私は即答した。
「ハハ、正直なヤツだな。では、急ぐぞ――」
「はい」
ザインの厚情によって、私は洞窟の中へと進んだ。
◇
「ハッ!!」
オレは魔法を使って身体を縛っていた縄を切った。
「予想通り、魔法騎士でしたか……」
――気づいていたのか?
「オレは戦ってもいいぞ、組織の壊滅を覚悟できるならばな」
「……いいんですか? 私達は人質を確保しているのですよ?」
「フ、その間が答えなんだろ? 用心深いお前が、長時間、あの場に仲間を留めておくはずがないからな――」
「…………」
オレの問いには答えなかったが、話をしていた頭首に部下が何かを耳打ちした。
「どうやら、ここまでのようですね……」
「どういうことだ?」
「あなたの近衛騎士達がこの洞窟までやって来たようです。こちらとしても、みすみす部下を減らすつもりはありませんので――」
「ザイン達が来てくれたのか。だが、予想よりも、だいぶ早かったな……」
「一番の誤算は、あなたの従者に優秀なメイドがいたことでしたね。我々は早々に退散させてもらいますよ」
ん、それは、もしかしてキリアの話をしているのか?
彼女も元は貴族。
探知魔法くらいは使えるのかもしれない。
「待て」
このまま逃がしてもいいが――
「……まだ何か?」
「一つ提案がある」
オレは暗殺者の頭首にある提言をした。
「ルミナス様!!」
キリアはオレを見つけるや否や――
飛びついて、オレを抱きしめた。
「キ、キリア?! どうして、君が…‥」
ついて来ている可能性も考えてはいたが、洞窟の中にまで入って来ているとは思わなかった。
突然、抱きつかれたことにも、オレは驚かされた。
「心配しておりました。気がおかしくなるほどに――」
……どういうことだ?
「――君は、オレのことが嫌いだったのではないのか?」
「き、嫌い?! ルミナス様をですか!? ……滅相もございません、私は逢う前からあなた様のことを、尊敬し、お慕いしておりました」
「で、では、何故、顔合わせをすると、いつも目を逸らしていたのだ?」
「それは――、ルミナス様のことが好き過ぎて、お顔を見れなかったのでございます。失礼な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした」
そうだったのか……
どうやら、嫌われていると思っていたのはオレの誤認だったようだ。
それはそれとして――
『好き過ぎて』とは、どういう意味だ!?
一呼吸置いて、改めてオレはその言葉が気にかかった。
「その……、好き過ぎてというのは?」
「あ、あ、あ、すみません!! 出しゃばったことを言ってしまいました!! わ、忘れてください!!」
キリアが、あからさまに動揺している。
「い、いや、そうではなくて――、好きにも色々あるだろ? それを確認したかっただけなのだが……」
「それらを伝えてしまうと、ルミナス様が興ざめしてしまうかと思いますので――」
興ざめする?
……好意を持たれてるとわかって、嫌な思いをすることなどあるのか?
「構わん、言ってみてくれ――」
「わ、わかりました……」
キリアが深呼吸をしている。
「では――」
キリアの神妙な面持ちに感応し、オレも固唾を呑み込んだ。
「まずは第一印象ですが、私のドタイプでした。金髪碧眼の騎士というだけでも悶絶しそうなキャラ設定ですが、その姿を全身絵で見た時に完璧にハマってしまいました。それで、実際に逢ってからの感想ですが……、雰囲気からかっこいいオーラが出ていましたし、言動の全てから優しさが滲み出ていました。その影響はメイドや他の騎士達にも影響を与えていて、皆さんは奴隷の私にも優しく接してくれました。その主人がルミナス様だと考えると、ますます好きになってしまいました。働くことが少しでもルミナス様のためになると考えるだけで不思議と力も湧いてきました。こんなにも誰かのために頑張れる自分がいたんだと思うと嬉しくなって、ルミナス様のことが更に好きになりました。元々、ルミナス様のことを生きがいに頑張っていましたが、出逢ってからは毎日が楽しくて仕方がありません。ルミナス様の近くでルミナス様と同じ空気を吸っていると想うだけで――」
「ちょっ、ちょっと待って!! そこまで褒められると、さすがに恥ずかしい……」
元は嫌われていると思っていたので、オレの中の反動も大きかった。
「あ、やはり、聞くに堪えなかったですか?」
「そ、そういうわけではないが――、主人を称えるためとはいえ、そこまで無理に褒めなくてもいいんだぞ?」
「無理に褒めているつもりはありません。ただ……、ルミナス様の好きなところの話になると止まらなくなってしまうため、気をつけてはいました」
なるほど、オレの前で無口だったのには、そういう理由があったのだな――
ん?
これは、つまり……
――キリアとオレは両想いなのか?
◇
「この軍隊の行き先はルミナス辺境伯の領地!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉ!!!」」」
「王族の権威を脅かそうとする者には、我々が鉄槌を下す!!」
クーラ王子は剣を高らかに掲げ、そう叫んだ――
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