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隣で一緒に漫画を読んでドキドキ・・・
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「今日もお兄ちゃんの漫画を勝手に読んじゃおっと♡」
ドサッ!
あたしはお兄ちゃんの部屋の本棚にある漫画を手に取って、そのままベッドに横になった。
お兄ちゃんの読んでる漫画って、兄妹で恋愛する話が多いんだよね……
もしかして、お兄ちゃんもあたしのこと――
ガチャ!
「あ、美香、また俺の漫画を読んでるのか?」
お兄ちゃんが部屋に入って来るなりそう言った。
「……ダメだった?」
「いや、いつものことだし。――それより、俺のベッドでよく寝転んでるけど臭くないのか? 兄貴の臭いが耐えられないって話とかあるだろ?」
「え? 別に臭くないよ、どっちかっていうと好きな匂い……」
「なっ?! 俺の匂いが好きとか……。――お前も変態なのか?」
「ふふ、言われてみると、そうなのかもしれないね……」
「おーい、そこは否定するところだぞ」
自分でもどうかとは思う。
でも、好きなものは好きなのだ――
お兄ちゃんからは、なんだか優しい匂いがするから……
ドサッ!
「キャッ!」
漫画の本を持って、突然、お兄ちゃんがあたしの隣に寝転んだ。
「えーと、お兄ちゃん?」
「べ、別にいいだろ、俺のベッドなんだから――」
「う、うん……」
ドキ!ドキ!
いつもは、椅子に座って漫画を読んでるだけなのに――
今日はどうしたんだろう……
「………………」
「………………」
パラッ!
パラッ!
ページをめくる音だけが、部屋に響いている。
お兄ちゃん、ち、近過ぎるよ……
胸がドキドキし過ぎて、漫画の内容が全然入ってこない。
あたしは「どういうつもりなの?」と思いながら、チラッとお兄ちゃんの方を見た。
……お兄ちゃんの顔。
耳まで真っ赤なんだけど――
お兄ちゃんは、あたし以上に赤面していた。
え、え?
もしかして、あたし達って両想い――
「あのさ……」
「は、はい!?」
妄想に走っていた最中に声をかけられたので、思わず声が裏返ってしまった。
「あ、いや、何でもない……」
今、絶対に何か大事なことを言おうとしてたよね……
あたしが変な反応しちゃったから――
「言って」
「え? でも……」
ギュッ!
あたしはお兄ちゃんの右手を両手で強く握った。
「あたしが聞きたいの!!」
「わ、わかったよ……。じゃあ、遠慮なく聞くけど――。お前って、もしかして、俺のことが好きなの?」
あぁーーーーーーーー!!!
そう聞かれることまでは考えていなかった――
何て言ったら正解なの?!
大好きです!!
――は、さすがにマズイよね。
ずっと、好きでした!!
それも同じ。
でも、「お兄ちゃんが好き」という言葉が、頭の中を占め過ぎていて、他の言葉が思い浮かばない。
あたしって、どれだけお兄ちゃんのことが好きなの……
改めて、そのことを再認識する。
「ゴメン、変なこと聞いちゃったよな――。忘れてくれ……」
あ、このままだと、終わっちゃう……
お兄ちゃんとの恋を進展させるチャンスなのに――
「……お兄ちゃんは?」
「ん?」
「お兄ちゃんは、あたしのことが好きなの?」
何て答えるべきなのか、頭の中が混乱し過ぎて――
質問を質問で返すのが、今のあたしには精一杯だった。
「俺? 俺は、お前のこと好きだよ……」
好き?!
お兄ちゃん、あたしのことを好きって言った?!
心臓が大きく跳ね上がる。
お兄ちゃんから好きって言ってもらえたことが、こんなにも嬉しいなんて想像を越えていた……
自然と顔がにやけてくる。
あたしの胸はドクン!ドクン!と明らかに高鳴っていた――
……もちろん、妹として好きって言ってくれたんだということはわかっている。
だから――
「あたしも、お兄ちゃんのことが大好きだよ♡」
たとえ、本当の想いが届かなくてもいい。
心からの想いを言葉にして、あたしはお兄ちゃんにそう告白した――
ドサッ!
あたしはお兄ちゃんの部屋の本棚にある漫画を手に取って、そのままベッドに横になった。
お兄ちゃんの読んでる漫画って、兄妹で恋愛する話が多いんだよね……
もしかして、お兄ちゃんもあたしのこと――
ガチャ!
「あ、美香、また俺の漫画を読んでるのか?」
お兄ちゃんが部屋に入って来るなりそう言った。
「……ダメだった?」
「いや、いつものことだし。――それより、俺のベッドでよく寝転んでるけど臭くないのか? 兄貴の臭いが耐えられないって話とかあるだろ?」
「え? 別に臭くないよ、どっちかっていうと好きな匂い……」
「なっ?! 俺の匂いが好きとか……。――お前も変態なのか?」
「ふふ、言われてみると、そうなのかもしれないね……」
「おーい、そこは否定するところだぞ」
自分でもどうかとは思う。
でも、好きなものは好きなのだ――
お兄ちゃんからは、なんだか優しい匂いがするから……
ドサッ!
「キャッ!」
漫画の本を持って、突然、お兄ちゃんがあたしの隣に寝転んだ。
「えーと、お兄ちゃん?」
「べ、別にいいだろ、俺のベッドなんだから――」
「う、うん……」
ドキ!ドキ!
いつもは、椅子に座って漫画を読んでるだけなのに――
今日はどうしたんだろう……
「………………」
「………………」
パラッ!
パラッ!
ページをめくる音だけが、部屋に響いている。
お兄ちゃん、ち、近過ぎるよ……
胸がドキドキし過ぎて、漫画の内容が全然入ってこない。
あたしは「どういうつもりなの?」と思いながら、チラッとお兄ちゃんの方を見た。
……お兄ちゃんの顔。
耳まで真っ赤なんだけど――
お兄ちゃんは、あたし以上に赤面していた。
え、え?
もしかして、あたし達って両想い――
「あのさ……」
「は、はい!?」
妄想に走っていた最中に声をかけられたので、思わず声が裏返ってしまった。
「あ、いや、何でもない……」
今、絶対に何か大事なことを言おうとしてたよね……
あたしが変な反応しちゃったから――
「言って」
「え? でも……」
ギュッ!
あたしはお兄ちゃんの右手を両手で強く握った。
「あたしが聞きたいの!!」
「わ、わかったよ……。じゃあ、遠慮なく聞くけど――。お前って、もしかして、俺のことが好きなの?」
あぁーーーーーーーー!!!
そう聞かれることまでは考えていなかった――
何て言ったら正解なの?!
大好きです!!
――は、さすがにマズイよね。
ずっと、好きでした!!
それも同じ。
でも、「お兄ちゃんが好き」という言葉が、頭の中を占め過ぎていて、他の言葉が思い浮かばない。
あたしって、どれだけお兄ちゃんのことが好きなの……
改めて、そのことを再認識する。
「ゴメン、変なこと聞いちゃったよな――。忘れてくれ……」
あ、このままだと、終わっちゃう……
お兄ちゃんとの恋を進展させるチャンスなのに――
「……お兄ちゃんは?」
「ん?」
「お兄ちゃんは、あたしのことが好きなの?」
何て答えるべきなのか、頭の中が混乱し過ぎて――
質問を質問で返すのが、今のあたしには精一杯だった。
「俺? 俺は、お前のこと好きだよ……」
好き?!
お兄ちゃん、あたしのことを好きって言った?!
心臓が大きく跳ね上がる。
お兄ちゃんから好きって言ってもらえたことが、こんなにも嬉しいなんて想像を越えていた……
自然と顔がにやけてくる。
あたしの胸はドクン!ドクン!と明らかに高鳴っていた――
……もちろん、妹として好きって言ってくれたんだということはわかっている。
だから――
「あたしも、お兄ちゃんのことが大好きだよ♡」
たとえ、本当の想いが届かなくてもいい。
心からの想いを言葉にして、あたしはお兄ちゃんにそう告白した――
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