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第二十二章
125話 護るもの
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「ありがとう、もう大丈夫。あとは任せて!」
水緒が笑みを浮かべてそういったのは、体感たった数分前のことである。
──ここに集いし五部族長および奇蹄族一門、いますぐ東方青黎門へ会せ。
と。
東の方角から響いてきた声で角端のようすが変わった。北の黒安門からここまで、どんな障害が立ちふさがろうと意に介さず、ただまっすぐにダキニを追いかけていた彼の足が初めて止まったのである。
ここはすでに紅来門上空。ダキニをすぐそこまで追い詰めた矢先のことだった。
どうしたの、と水緒が背上から顔を覗く。彼は苦々しい顔をしていた。
「……天上からの呼び出しだ。姫よ、わるいがわしはここまでらしい」
「えっ、どういうこと」
「天津国が他族の介入に苦言をいれてきたということだ。このまま、おまえとともにダキニ討伐をと意気込んでいたが──天上の達しにはさすがのわしも逆らえぬ」
「角端、意気込んでくれてたの?」
「神に鬱憤払いをする機会なぞそうないからの」
といって角端は苦笑した。
なんだかんだとたくさん助けてくれた角端。彼がいない戦を思うだけで、水緒の心が折れそうになる。しかし、この局面で泣き言など吐いていては大龍の娘として名が廃る。だから、ふるえる手を拳に変えて、水緒はわらったのである。
──だいじょうぶ、任せてと。
角端は哀しげにわらい、別れ際にこう言った。
「あの兄あればこの妹あり、とな。おのれを誇れよ、水緒」
おまえにしか出来ぬことがあるはずだ──と。
「吽龍が来てくれて助かったよ。あたしいまだに自分の意志じゃ龍になれないから空も飛べないしさ」
水緒は自分を乗せる吽龍のうろこをやさしく撫でる。しかしその眼は、まっすぐにダキニを見つめていた。そしてダキニもまた、水緒を見下して嘲笑する。
「おや、まさかおまえひとりでこのアタシとやり合おうってのかい。いまだに自力で龍にもなれない、落ちこぼれなのに」
「……ひとりじゃないよ。吽龍といっしょだもん!」
「同じことさね。落ちこぼれの龍についた使役龍なぞ、相手じゃあないよ!」
と、彼女はなおも野良龍をけしかける。吽龍はそれを炎で散らすだけで精一杯だ。水緒が宝珠を胸に抱えた。
──龍火で燃し、鎌の刃で斬りつけてもこの因果は切れぬ。
角端のことばを思い出す。
言われたときから、その意味をずっと考えていた。ダキニを追うあいだも、こうして対峙するいまも。
(──『おまえにしか出来ぬことがあるはずだ』)
こわくて手がふるえる。
自分にしか出来ないことなどあるのだろうか。分からない。ダキニの言うとおり、自分は龍王の娘だというのに龍族のなかでは落ちこぼれ、力も弱い。そんな自分に──。
「水緒さま」
ふいに、吽龍がつぶやいた。
ひどくやさしい声色で。
「ここにくる前、朱月丸さまがお話ししてくれましたね。ダキニさまの過去も、龍族との因縁も」
「…………」
「水緒さまはそれを聞いて、怒って泣いていたっけ」
「な、なによ。急に──」
「みんな知らないんだ。水緒さまのスゴさも強さも、やさしさも。俺は、いや……俺も阿龍もたくさん知ってます。水緒さまにしか出来ないこと、たくさん」
という彼は恥ずかしそうだったけれど、その瞳は、一点の曇りもない泉のようにキラキラと輝いている。
「強さって、力だけじゃないです。相手を想って流すなみだも、相手に寄り添うやさしさも。それって当たり前のようで、当たり前じゃないですよ」
「…………」
それだけいって、吽龍はふたたび周囲の野良に集中した。なぜだかどうして、ダキニはこちらに近づこうとしない。
水緒は、拳を握った。
手のふるえはもうない。
「ありがとう吽龍」彼のうろこに口づける。
「お前たちがあたしの使役龍でよかった」
手中の宝珠を前にかかげ、ダキニを見た。彼女は逆鉾を片手にこちらのようすを眺めている。
(ずっと気になってた)
水緒はおもう。
どうして、なにもしてこないんだろう。
彼女は先程からすべてを野良龍にまかせ、自分から攻撃を仕掛けることは一度だってなかった。なぜ?
その顔が、怒りや喜びではなく、哀しみにあふれているのは、なぜ?
水緒はまっさらな気持ちで彼女を見る。
右手に鉾をもち、白狐にまたがって空を飛ぶ。上半身に着せられた黒いシャツが、どこかちぐはぐで、可笑しい。そのシャツの裾を、彼女は左手でぎゅっと握りしめている。
(あ。……)
その手を見てようやく異変に気が付いた。
彼女は、ふるえている。
「ダキニ」
おもわず声が出た。彼女の目が細くなる。
瞬間、水緒の脳裏にこれまで見聞きしてきたいろんなことがよぎった。
出立前に聞いたダキニの過去。
試練の間で見た人々の所業。
古木と語らった豪瀑の庭──。
──裏も、表も。
──どこから見たってそれはそれでしかない。
──強さって、力だけじゃないです。
(うらもおもても、おんなじなんだ)
風の音が耳をかすめた。
……────。
「アンタは」
ダキニの声で我に返る。風の音は止まない。
ハッと彼女へ視線を向けると、女神とは程遠いみだらな顔で微笑む彼女がいた。
「アタシが怖いかい」
「え、」
水緒は息を呑む。視線の先にいる彼女は、おのれが着る黒いTシャツをいとしげに撫でる。
風の音が近くなった。
「さっきの小僧はこわくないと言ったよ。あいつはかわいい男だ、でもすこし優しすぎるね」
「…………」
「アンタもさ、水緒」
と、言ってダキニは地上を見下ろす。
つられて視線を落とした。視界に入る複数の影。アッとおもわず声が出る。そこにいたのは、湖から泳いで紅来門の岸辺に這い出る、翠玉と庚月丸だったからだ。その背には動物が担がれている。
あれは。……
「ぎ、銀──白!」
水緒はさけんだ。
同時に、ダキニが鉾を振り上げる仕草をする。水緒はとっさに構えた。が、彼女の狙いは水緒ではない。
捉えた獲物はただ一点。地上を這う眷属たちだ。
「だめ」水緒が焦って身を乗り出した。
おねがい、と叫んだとき、龍宮門から飛び出してくる影がひとつ。影は眷属たちの前に両手をひろげて立ちはだかる。
あれは──。
(大地!)
ダキニがその影の正体に気が付いた。鉾をつかむ力がゆるむ。空を切り裂くように振り下ろされた鉾先が、かすかにぶれた。
「ダキニ!」
と。
咄嗟に水緒は彼女に飛びかかり、抱きしめた。
鉾の柄がからだを打とうと、それでも水緒は離さない。
「なにすんだよ、お離しッ」
からだが痛みでふるえる。
吽龍があわてて火焔を吐かんと口を開けるも、水緒は「大丈夫」とさけんだ。
いい度胸だ、とダキニはわらう。
「敵のふところに自ら飛び込んでくるなんざ──おまえは本当にアマチャンだねェ!」
「好きだったんでしょッ」
「…………」
「お父さんのこと、好きだったんでしょう。──だから、許せないんだよね」
「……なにを、」
ダキニの手がふるえる。
もはや彼女に、鉾をつかむ程の力だって残ってはいない。神格を失うということは、つまりおのれのすべてを失うことでもある。
水緒の瞳から、ぽろりとこぼれた涙が、ダキニの胸元を塗らす。
──光と闇。
彼女はかつて、父とおのれを揶揄してこう言ったという。
(でもそれは、ちがう)
水緒はダキニを抱いたまま涙をぬぐう。
(だって、うらもおもてもおんなじなんだもの)
宝珠を掲げて、ぽつりと唱えた。
『天照す灯し火掲ぐれて、闇という闇、早明けにけれ──』
宝珠が、たったいま教えてくれた言霊。
心の暗闇に陽光を差すための、祈りのことば。
言霊をうけて宝珠が、光る。光る。溢れんばかりの光がダキニを包んだとき、彼女はひどくもがき暴れた。
「やめろ、やめろ──」
風の音が、近い。
「ええい離せッ」
ダキニがさけぶ。
最後の力を振り絞り、彼女は逆鉾を、地上に倒れこむ眷属たちに投げ捨てた。
「!」
しまった、とおもったときにはもう遅い。
鉾はまっすぐ地上へ。眷属が。翠玉が。──大地が!
水緒は、からだを震わせてゆっくりと下を見た。
「…………あ、あ」
地上のようすに、ことばがでない。
湖から這い出た眷属、それを守らんとした影──大地、それらすべてを守るべく、ダキニの振投げた逆鉾をその身に深く深く咥えこんだ水守が、そこにいたからである。
水緒が笑みを浮かべてそういったのは、体感たった数分前のことである。
──ここに集いし五部族長および奇蹄族一門、いますぐ東方青黎門へ会せ。
と。
東の方角から響いてきた声で角端のようすが変わった。北の黒安門からここまで、どんな障害が立ちふさがろうと意に介さず、ただまっすぐにダキニを追いかけていた彼の足が初めて止まったのである。
ここはすでに紅来門上空。ダキニをすぐそこまで追い詰めた矢先のことだった。
どうしたの、と水緒が背上から顔を覗く。彼は苦々しい顔をしていた。
「……天上からの呼び出しだ。姫よ、わるいがわしはここまでらしい」
「えっ、どういうこと」
「天津国が他族の介入に苦言をいれてきたということだ。このまま、おまえとともにダキニ討伐をと意気込んでいたが──天上の達しにはさすがのわしも逆らえぬ」
「角端、意気込んでくれてたの?」
「神に鬱憤払いをする機会なぞそうないからの」
といって角端は苦笑した。
なんだかんだとたくさん助けてくれた角端。彼がいない戦を思うだけで、水緒の心が折れそうになる。しかし、この局面で泣き言など吐いていては大龍の娘として名が廃る。だから、ふるえる手を拳に変えて、水緒はわらったのである。
──だいじょうぶ、任せてと。
角端は哀しげにわらい、別れ際にこう言った。
「あの兄あればこの妹あり、とな。おのれを誇れよ、水緒」
おまえにしか出来ぬことがあるはずだ──と。
「吽龍が来てくれて助かったよ。あたしいまだに自分の意志じゃ龍になれないから空も飛べないしさ」
水緒は自分を乗せる吽龍のうろこをやさしく撫でる。しかしその眼は、まっすぐにダキニを見つめていた。そしてダキニもまた、水緒を見下して嘲笑する。
「おや、まさかおまえひとりでこのアタシとやり合おうってのかい。いまだに自力で龍にもなれない、落ちこぼれなのに」
「……ひとりじゃないよ。吽龍といっしょだもん!」
「同じことさね。落ちこぼれの龍についた使役龍なぞ、相手じゃあないよ!」
と、彼女はなおも野良龍をけしかける。吽龍はそれを炎で散らすだけで精一杯だ。水緒が宝珠を胸に抱えた。
──龍火で燃し、鎌の刃で斬りつけてもこの因果は切れぬ。
角端のことばを思い出す。
言われたときから、その意味をずっと考えていた。ダキニを追うあいだも、こうして対峙するいまも。
(──『おまえにしか出来ぬことがあるはずだ』)
こわくて手がふるえる。
自分にしか出来ないことなどあるのだろうか。分からない。ダキニの言うとおり、自分は龍王の娘だというのに龍族のなかでは落ちこぼれ、力も弱い。そんな自分に──。
「水緒さま」
ふいに、吽龍がつぶやいた。
ひどくやさしい声色で。
「ここにくる前、朱月丸さまがお話ししてくれましたね。ダキニさまの過去も、龍族との因縁も」
「…………」
「水緒さまはそれを聞いて、怒って泣いていたっけ」
「な、なによ。急に──」
「みんな知らないんだ。水緒さまのスゴさも強さも、やさしさも。俺は、いや……俺も阿龍もたくさん知ってます。水緒さまにしか出来ないこと、たくさん」
という彼は恥ずかしそうだったけれど、その瞳は、一点の曇りもない泉のようにキラキラと輝いている。
「強さって、力だけじゃないです。相手を想って流すなみだも、相手に寄り添うやさしさも。それって当たり前のようで、当たり前じゃないですよ」
「…………」
それだけいって、吽龍はふたたび周囲の野良に集中した。なぜだかどうして、ダキニはこちらに近づこうとしない。
水緒は、拳を握った。
手のふるえはもうない。
「ありがとう吽龍」彼のうろこに口づける。
「お前たちがあたしの使役龍でよかった」
手中の宝珠を前にかかげ、ダキニを見た。彼女は逆鉾を片手にこちらのようすを眺めている。
(ずっと気になってた)
水緒はおもう。
どうして、なにもしてこないんだろう。
彼女は先程からすべてを野良龍にまかせ、自分から攻撃を仕掛けることは一度だってなかった。なぜ?
その顔が、怒りや喜びではなく、哀しみにあふれているのは、なぜ?
水緒はまっさらな気持ちで彼女を見る。
右手に鉾をもち、白狐にまたがって空を飛ぶ。上半身に着せられた黒いシャツが、どこかちぐはぐで、可笑しい。そのシャツの裾を、彼女は左手でぎゅっと握りしめている。
(あ。……)
その手を見てようやく異変に気が付いた。
彼女は、ふるえている。
「ダキニ」
おもわず声が出た。彼女の目が細くなる。
瞬間、水緒の脳裏にこれまで見聞きしてきたいろんなことがよぎった。
出立前に聞いたダキニの過去。
試練の間で見た人々の所業。
古木と語らった豪瀑の庭──。
──裏も、表も。
──どこから見たってそれはそれでしかない。
──強さって、力だけじゃないです。
(うらもおもても、おんなじなんだ)
風の音が耳をかすめた。
……────。
「アンタは」
ダキニの声で我に返る。風の音は止まない。
ハッと彼女へ視線を向けると、女神とは程遠いみだらな顔で微笑む彼女がいた。
「アタシが怖いかい」
「え、」
水緒は息を呑む。視線の先にいる彼女は、おのれが着る黒いTシャツをいとしげに撫でる。
風の音が近くなった。
「さっきの小僧はこわくないと言ったよ。あいつはかわいい男だ、でもすこし優しすぎるね」
「…………」
「アンタもさ、水緒」
と、言ってダキニは地上を見下ろす。
つられて視線を落とした。視界に入る複数の影。アッとおもわず声が出る。そこにいたのは、湖から泳いで紅来門の岸辺に這い出る、翠玉と庚月丸だったからだ。その背には動物が担がれている。
あれは。……
「ぎ、銀──白!」
水緒はさけんだ。
同時に、ダキニが鉾を振り上げる仕草をする。水緒はとっさに構えた。が、彼女の狙いは水緒ではない。
捉えた獲物はただ一点。地上を這う眷属たちだ。
「だめ」水緒が焦って身を乗り出した。
おねがい、と叫んだとき、龍宮門から飛び出してくる影がひとつ。影は眷属たちの前に両手をひろげて立ちはだかる。
あれは──。
(大地!)
ダキニがその影の正体に気が付いた。鉾をつかむ力がゆるむ。空を切り裂くように振り下ろされた鉾先が、かすかにぶれた。
「ダキニ!」
と。
咄嗟に水緒は彼女に飛びかかり、抱きしめた。
鉾の柄がからだを打とうと、それでも水緒は離さない。
「なにすんだよ、お離しッ」
からだが痛みでふるえる。
吽龍があわてて火焔を吐かんと口を開けるも、水緒は「大丈夫」とさけんだ。
いい度胸だ、とダキニはわらう。
「敵のふところに自ら飛び込んでくるなんざ──おまえは本当にアマチャンだねェ!」
「好きだったんでしょッ」
「…………」
「お父さんのこと、好きだったんでしょう。──だから、許せないんだよね」
「……なにを、」
ダキニの手がふるえる。
もはや彼女に、鉾をつかむ程の力だって残ってはいない。神格を失うということは、つまりおのれのすべてを失うことでもある。
水緒の瞳から、ぽろりとこぼれた涙が、ダキニの胸元を塗らす。
──光と闇。
彼女はかつて、父とおのれを揶揄してこう言ったという。
(でもそれは、ちがう)
水緒はダキニを抱いたまま涙をぬぐう。
(だって、うらもおもてもおんなじなんだもの)
宝珠を掲げて、ぽつりと唱えた。
『天照す灯し火掲ぐれて、闇という闇、早明けにけれ──』
宝珠が、たったいま教えてくれた言霊。
心の暗闇に陽光を差すための、祈りのことば。
言霊をうけて宝珠が、光る。光る。溢れんばかりの光がダキニを包んだとき、彼女はひどくもがき暴れた。
「やめろ、やめろ──」
風の音が、近い。
「ええい離せッ」
ダキニがさけぶ。
最後の力を振り絞り、彼女は逆鉾を、地上に倒れこむ眷属たちに投げ捨てた。
「!」
しまった、とおもったときにはもう遅い。
鉾はまっすぐ地上へ。眷属が。翠玉が。──大地が!
水緒は、からだを震わせてゆっくりと下を見た。
「…………あ、あ」
地上のようすに、ことばがでない。
湖から這い出た眷属、それを守らんとした影──大地、それらすべてを守るべく、ダキニの振投げた逆鉾をその身に深く深く咥えこんだ水守が、そこにいたからである。
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