異世界ライフは山あり谷あり

常盤今

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「…………なるほど。
 後は焼くだけの食材や料理を準備すればいいのですね?」

「そうだ。
 野菜単体で焼く場合は現地で切るからそのままでいい」

「わかりました。
 ツトムさん、まだ角付き肉はお持ちなのですか?」

「ああ、あるぞ」

 まだ収納にたんまりあるし。

「でしたらオーク肉はどうしましょう?
 準備しておきましょうか?」

 肉が1種類だけなのも寂しいか。

「頼むよ。オーク肉も用意しておいてくれ」

「かしこまりました」

「昼は表で食べてくれ。本番は夜だから軽くだぞ。
 俺は調理器具を購入してくる」

「「「いってらっしゃいませ」」」



 必要なのは鉄板と焼き網だな。
 当然ながらこの世界に焼き網などない、というか作れないから他で代用しなければならない。
 ひょっとしたら鉄板もだろうか?
 鉄板ぐらいならありそうな気もするが、よくよく思い返してみると鉄板を扱う料理店などないし、屋台で売られる肉は串で刺して焼く系だ。焼きそばなどは見たことがない。
 店には売ってないかも…………特注で作らせるにしても今晩には間に合わないし…………

 壁街区の調理器具を扱う雑貨店を見て回るが、案の定鉄板は売られてなかった。

 入城料を支払い城内の店へと足を伸ばす。
 3件目の割と大きな店でも売られてなかったので、業務用の大きなフライパンで代用することにした。
 ステンレス製ではなく鉄製なので重たいのだが、フライパンを振って調理するわけではないから問題ないだろう。

 次は問題となる焼き網である。
 鉄板を見るついでに焼き網の代用となる品も探したのだが、そのようなものはなく…………
 最後にフライパンを購入した店で、そこに品を納入している鍛冶屋を聞いて直接出向くことにした。
 城内の鍛冶屋は、いつも武器を購入している壁外区の鍛冶屋より大きく、武具なとが大量に積まれていた。おそらく軍とも取引してると思われる。

 俺の説明を聞く職人さんの表情は最初??? だったものの、熱く語る俺の熱意が通じたのか最後には鍛冶場からそれらしきものを持ってきてくれた。
 防具か何かの部品になる前の素材らしく、とても網と呼べるような網目の細かさはないものの、食材を小さく切らなければなんとか焼けそうだ。
 厚みがあるので鉄を熱すまで時間がかかりそうだが、まぁ許容範囲内だろう。
 8万ルクというちょっと想定外の値段だったものの、こういった素材系は意外に高価だったりするので、ルルカに値段がバレなければ問題ない、はず…………


 あとはどこでバーベキューを行うかだな。
 近いとこだと西の森に作った拠点か。
 無難な選択だけど面白みに欠けるんだよなぁ。

 王都に行く途中の山中にも休憩用の小屋を土魔法で建ててある。
 ただ、どうせ王都近くでするならティリアさんも招待したいところだ。ルルカの反応が気掛かりではあるが…………

 景色が良い場所となると、昨日コートダールで見たイズフール川が一番だろう。
 峡谷の崖の上から大河を見下ろす光景は、あまりにも雄大過ぎて言葉で表現するのが難しいぐらいだ。
 次点ではグラバラス帝国の帝都ラスティヒルになるかな。
 あの大都市を眺めながらというのもいい感じだろう。ただ、一望できる場所があるのかが不明だけど。
 難点はどちらも遠過ぎることだな。
 3人を運ばないといけないため、どうしても往復する必要が出て来る。
 何か用事があってとか、旅するついでにならともかく、バーベキューのためだけにというのは現実的ではない。

 結局西の森の拠点になるかな。
 ご近所迷惑にならないよう(土魔法で)煙突を作って庭でしてもいいが…………ディアが拠点に行くのは初めてだしな。
 そうだ!
 バーベキュー後に3人と露天風呂に入ろう。
 ディアの裸体も加わってさぞや眼福な光景が見られるに違いない!




……

…………


「あら、美味しい」

「野営時にツトム様の収納から出したルルカさんの料理を頂くのも美味しいのですが、これはまた違った感覚の美味しさですね」

「……ハグハグ、美味しいぞ! ハムハム…………」

「苦労して準備するだけの価値があるうまさだろう。
 コラ! ディア。俺が焼いたのまで食うな!」

 夕方に西の森の拠点に行き、展望台に風除けと土台を作ってフライパンと焼き網……もとい鉄網を設置してバーベキューを始めた。
 3人とも初バーベキューを堪能してるようだ。
 俺もそこそこ満足してるがただ一点だけ、焼き具合に不満が残った。
 フライパンのほうは問題ないのだが、直火なので鉄網での焼き加減が難しくなってしまったのだ。
 木炭を用意しなかった俺の手落ちだ。
 次回は炭火焼きでもっと美味しく…………と決意した。


 さて、食後のお楽しみな露天風呂だ。
 前回と同様に風呂の準備をして、各所にランプを置き土魔法で固定する。
 まだ日は沈んでないが、どうせ風呂に浸かってる間に夜になる。

「2人はわかってると思うが、ここで脱いでから階段を上がってくれ。
 1人ずつだぞ。まずはル…………」
「ロザリナ、先に行きなさい」

「は、はい!」

 なぜかルルカから横槍が入ってロザリナが服を脱ぐ。
 ルルカに影響されたのか、ロザリナも俺に見せつけるように色っぽく脱ぐようになってきた。
 階段を上っていくロザリナの背中とお尻のラインが中々にそそられる。

「(ジィィーーーーーーーー)」

「こほん。次は…………」
「ディア、行きなさい」

「おう!」

 ディアが豪快に服を脱ぐ。
 色っぽさはないが、上を脱ぐ際に飛び出てくるお山は素晴らしい。
 そのままスタスタと階段を上がっていくが、ディアは仕草の一つ一つが官能的なので、本人にその気はなくともその姿は十分エロいのだ。

「(ジィィーーーーーーーー)」

 ル、ルルカの視線が…………

「えっと…………」

「ツトムさんも脱いでください。私と共に」

「あ、ああ」

 下から凝視したかったのだが…………

「さぁ」

 珍しく速攻で脱いだルルカが、俺が脱ぐのを手伝ってくる。

「近くで存分にご覧になってくださいね」

 俺の手を引き階段を上っていく。

「お、おぉ!!」

 目の前にルルカの真っ白なお尻が!!
 なんと淫靡いんびな…………
 思わず空いてる手で撫でてしまう。

「ダメ……ですよ…………」

 急速に身体のある一部が元気になってしまい、階段を上るのに時間がかかってしまった。

 その後、露天風呂の中でたっぷりとしてもらった。
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