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「報酬は1日につき3万ルク。
2等級パーティー……パーティー名は『チェイス』と言うのだが……が収納できなかった魔物も持ち帰って来てほしい。運搬料としてその2割を支払おう。価値の低い獲物は持ち帰らなくても構わない」
派遣されてきた2等級のパーティー名は洋風なのか。
どういう基準で和風だったり洋風の呼び名になるのだろう?
異世界言語スキルのさじ加減次第なのか? それにしては人の名前は全て洋風だけど……
「基本的には2等級の指示に従ってくれ。
撤退の判断のみ君の裁量に任されている。
説明は以上だが……」
「わかりました。引き受けます」
「よろしく頼む」
さて、引き受けたはいいが本当に2等級パーティー『チェイス』は二本角を倒せるのだろうか?
グリードさんと二本角相手に戦った時のことを思い起こす。
う~~ん…………
念の為にチェイスが敗れた時のことを考えて手を打っておくか。
ギルド本部から難癖付けられてもつまらないし……
「自分の役割が同行する職員の護衛のみで、戦闘に参加する義務のないことを文書にして渡してくれませんか?」
「それは構わないが……
君は2等級パーティーでも勝てないと予測しているのかね?」
レドリッチは机の中から紙を取り出し羽根ペンを走らせ始めた。
この場で渡してくれるみたいだ。
「その人達がどのぐらいの強さなのかわかりませんので、念の為に」
「慎重だな。
チェイスは活動しているパーティーの中では国内で一二を争う実力者だ。
特殊個体を討ち漏らすことはあってもむざむざ敗れることはあるまい」
チェイスを高く評価しているようだが、レドリッチは事務方上がりだ。戦闘面における評価は当てにはならない。
彼らと同じ2等級のランテスは、上の1等級でさえ自分より弱い者がそれなりにいると言っていた。
もしチェイスの各個人の実力がランテスに及ばなかったとしたら……
「……これを持っておくといい。
依頼の手続きは受付で行うように」
受け取った書類にはレドリッチのサインの上にこのギルドの判が押された正式なものだった。
公式文書というヤツだろうか。
「ありがとうございます。
あ! それと回復魔法は使わなくてもいいので?」
「使わなくても問題はない。
……が、実際現地で重傷者が出た場合は使わざるを得ないか……」
「見殺しにするわけにもいかないでしょう」
「うむ。
回復魔法を使うかどうかの判断は君に任せるが、使用した場合はコーディスから口外しないように彼らに言い含めるとしよう」
大丈夫かなぁ。もし教会にでも情報をリークされたら面倒なことになりそうだけど……
普通の回復魔法なら既に大勢の前で使用してるのであまり隠す意味はないが、切断された指や手足を繋げられることは秘匿しないといけない。
実際に教会とトラブルのあったモイヤーさんとナタリアさんにも以前忠告されているし。
「彼らだって教会に所属していない回復術士の微妙な立場は理解している。
悪意でもない限りこちらに不利益な行動はしないはずだ」
ギルドの1階受付で依頼を受ける。
明日の朝来るように言われ、朝って具体的にはいつ的なことを聞くと受付嬢に変な顔をされた。
特別指定がなければ朝と言うのは依頼票が掲示板に貼り出される時間のことらしい。(大体朝の6時頃のこと)
見習い→7等級→6等級と多くの依頼をこなしていく普通の冒険者には常識なのだろうが、俺がそのことを知るはずもなく……
受付嬢が『コイツ4等級なのにこんなことも知らないのか?!』みたいな引き気味の表情をする中で手続きが行われた。
もう少し愛想良く応対してくれてもいいと思うのだが、お疲れなのか今日はたまたまなのか……
この受付嬢は20代半ばのOL風な感じで結構背が高いのかな? 座ってる状態からも高身長が推測される。ちなみにお山は普通ぐらいだと思う。
城内ギルドには俺との距離感の近い……(他の男性に対しても同じかもしれないけど)……ギャンブル好きな茶髪受付嬢もいるはずなのだが、もう帰ったようで姿は見えなかった。
本当ならディアの部族のいる場所を調べる依頼を壁外ギルドでするつもりだったのだが、OL風受付嬢の塩対応に少しだけダメージを受けたので、壁外ギルドには寄らずにそのまま帰ることにした。
…
……
…………
昨晩・今朝と3人にたっぷりと癒され気持ち良くしてもらってから家を出た。もちろん帰りが明日になるかもしれないことは告げておいた。
「ツトム、こっちだ」
城内ギルドに入ろうとしたところでコーディスに呼び止められた。
「2等級パーティー『チェイス』のリーダーのドノヴァンだ。
今日はよろしく頼む」
コーディスと一緒にいる5人の中で大きな盾持ちの長身な男性が名乗った。年齢はアラサーかな?
「4等級冒険者のツトムです。よろしくお願いします」
ガッチリと握手を交わす。さすがに握られたその手は大きい。
「それじゃあ行こうか!」
「馬車はあっちの東門だ」
そんな短いやり取りで歩き出す6人に慌ててついていく。
オイオイ説明とか何も無しなのかよ!!
そりゃあ自分の役割(=コーディスの護衛と2等級が持ち切れない獲物の運搬)はわかってるけどさ。
てっきりいつもみたいにギルドの一室でブリーフィングを行うものだとばかり思っていたので意表を突かれた感じだ。
リーダー以外のパーティーメンバーの紹介もないみたいだし。
2等級パーティー『チェイス』は盾役リーダーのドノヴァンの他は、剣士・槍士・魔術士・弓士の標準的な5人パーティーみたいだ。
男性4人で弓士だけ性別がわからない。綺麗な顔をして華奢な体格をしているから女性だとは思うが、男性だとしてもギリギリ通用する体つきなので迂闊なことは言わないほうが良いだろう。
2等級パーティー……パーティー名は『チェイス』と言うのだが……が収納できなかった魔物も持ち帰って来てほしい。運搬料としてその2割を支払おう。価値の低い獲物は持ち帰らなくても構わない」
派遣されてきた2等級のパーティー名は洋風なのか。
どういう基準で和風だったり洋風の呼び名になるのだろう?
異世界言語スキルのさじ加減次第なのか? それにしては人の名前は全て洋風だけど……
「基本的には2等級の指示に従ってくれ。
撤退の判断のみ君の裁量に任されている。
説明は以上だが……」
「わかりました。引き受けます」
「よろしく頼む」
さて、引き受けたはいいが本当に2等級パーティー『チェイス』は二本角を倒せるのだろうか?
グリードさんと二本角相手に戦った時のことを思い起こす。
う~~ん…………
念の為にチェイスが敗れた時のことを考えて手を打っておくか。
ギルド本部から難癖付けられてもつまらないし……
「自分の役割が同行する職員の護衛のみで、戦闘に参加する義務のないことを文書にして渡してくれませんか?」
「それは構わないが……
君は2等級パーティーでも勝てないと予測しているのかね?」
レドリッチは机の中から紙を取り出し羽根ペンを走らせ始めた。
この場で渡してくれるみたいだ。
「その人達がどのぐらいの強さなのかわかりませんので、念の為に」
「慎重だな。
チェイスは活動しているパーティーの中では国内で一二を争う実力者だ。
特殊個体を討ち漏らすことはあってもむざむざ敗れることはあるまい」
チェイスを高く評価しているようだが、レドリッチは事務方上がりだ。戦闘面における評価は当てにはならない。
彼らと同じ2等級のランテスは、上の1等級でさえ自分より弱い者がそれなりにいると言っていた。
もしチェイスの各個人の実力がランテスに及ばなかったとしたら……
「……これを持っておくといい。
依頼の手続きは受付で行うように」
受け取った書類にはレドリッチのサインの上にこのギルドの判が押された正式なものだった。
公式文書というヤツだろうか。
「ありがとうございます。
あ! それと回復魔法は使わなくてもいいので?」
「使わなくても問題はない。
……が、実際現地で重傷者が出た場合は使わざるを得ないか……」
「見殺しにするわけにもいかないでしょう」
「うむ。
回復魔法を使うかどうかの判断は君に任せるが、使用した場合はコーディスから口外しないように彼らに言い含めるとしよう」
大丈夫かなぁ。もし教会にでも情報をリークされたら面倒なことになりそうだけど……
普通の回復魔法なら既に大勢の前で使用してるのであまり隠す意味はないが、切断された指や手足を繋げられることは秘匿しないといけない。
実際に教会とトラブルのあったモイヤーさんとナタリアさんにも以前忠告されているし。
「彼らだって教会に所属していない回復術士の微妙な立場は理解している。
悪意でもない限りこちらに不利益な行動はしないはずだ」
ギルドの1階受付で依頼を受ける。
明日の朝来るように言われ、朝って具体的にはいつ的なことを聞くと受付嬢に変な顔をされた。
特別指定がなければ朝と言うのは依頼票が掲示板に貼り出される時間のことらしい。(大体朝の6時頃のこと)
見習い→7等級→6等級と多くの依頼をこなしていく普通の冒険者には常識なのだろうが、俺がそのことを知るはずもなく……
受付嬢が『コイツ4等級なのにこんなことも知らないのか?!』みたいな引き気味の表情をする中で手続きが行われた。
もう少し愛想良く応対してくれてもいいと思うのだが、お疲れなのか今日はたまたまなのか……
この受付嬢は20代半ばのOL風な感じで結構背が高いのかな? 座ってる状態からも高身長が推測される。ちなみにお山は普通ぐらいだと思う。
城内ギルドには俺との距離感の近い……(他の男性に対しても同じかもしれないけど)……ギャンブル好きな茶髪受付嬢もいるはずなのだが、もう帰ったようで姿は見えなかった。
本当ならディアの部族のいる場所を調べる依頼を壁外ギルドでするつもりだったのだが、OL風受付嬢の塩対応に少しだけダメージを受けたので、壁外ギルドには寄らずにそのまま帰ることにした。
…
……
…………
昨晩・今朝と3人にたっぷりと癒され気持ち良くしてもらってから家を出た。もちろん帰りが明日になるかもしれないことは告げておいた。
「ツトム、こっちだ」
城内ギルドに入ろうとしたところでコーディスに呼び止められた。
「2等級パーティー『チェイス』のリーダーのドノヴァンだ。
今日はよろしく頼む」
コーディスと一緒にいる5人の中で大きな盾持ちの長身な男性が名乗った。年齢はアラサーかな?
「4等級冒険者のツトムです。よろしくお願いします」
ガッチリと握手を交わす。さすがに握られたその手は大きい。
「それじゃあ行こうか!」
「馬車はあっちの東門だ」
そんな短いやり取りで歩き出す6人に慌ててついていく。
オイオイ説明とか何も無しなのかよ!!
そりゃあ自分の役割(=コーディスの護衛と2等級が持ち切れない獲物の運搬)はわかってるけどさ。
てっきりいつもみたいにギルドの一室でブリーフィングを行うものだとばかり思っていたので意表を突かれた感じだ。
リーダー以外のパーティーメンバーの紹介もないみたいだし。
2等級パーティー『チェイス』は盾役リーダーのドノヴァンの他は、剣士・槍士・魔術士・弓士の標準的な5人パーティーみたいだ。
男性4人で弓士だけ性別がわからない。綺麗な顔をして華奢な体格をしているから女性だとは思うが、男性だとしてもギリギリ通用する体つきなので迂闊なことは言わないほうが良いだろう。
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