異世界ライフは山あり谷あり

常盤今

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 夕食までしばらく時間があるので、外に魔法の練習をしに行く。
 場所はいつも訓練場を作る壁外区北のお馴染みのところだ。
 今は1人だけで行う短時間の魔法練習なので、本格的な訓練場は作らずに塀で囲うだけの簡素な作りだ。

 これまではバルーカ城内でオークジェネラル高技量型との戦いを機に、強者との戦いに備えて魔法をちゃんと使いこなそうという目的で練習していたが、本日の戦闘を受けてもう一段か二段強くならないといけないことを痛感した。

 二本角の黒オーガ……

 グリードさんと2人で挑んだのにも関わらず手も足も出なかった。
 そしてそんな二本角よりさらに上であろう一本角までいる。
 あれ(=二本角)以上の強者と戦ったのなら2等級のランテスが心を折られかけたとしても無理もないことだ。

 黒オーガとはそう滅多に遭遇するものでもないらしいが、この世界に来てまだ3ヵ月も経ってないのに定期的に強者と戦う機会が訪れている以上、次に戦う日もそう遠くはないだろう。
 そしてその時までに強くならないと俺は生き残ることができない。

 現状を確認したところで、まずはステータスを見てみる。



川端努 男性
人種 15歳
LV40

HP 696/696
MP 6932/6975

力  139
早さ 165
器用 174
魔力 645

LP 56P

スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv8・浄化魔法Lv7・火魔法Lv4・水魔法Lv4・風魔法LvMAX・土魔法Lv8・氷結魔法Lv4・回復魔法Lv8・魔力操作Lv6・MP回復強化Lv8・MP消費軽減Lv8・マジックシールドLvMAX・身体強化Lv4・剣術Lv2・槍術Lv2・投擲Lv1・敵感知Lv8・地図(強化型)・時刻・滞空魔法・飛行魔法



 今日の分も含めてレベル40になって以降たくさんの魔物を倒してきたのにレベルが全然上がらなくなっている。
 レベル40がマックスなのか、レベル40以降のレベルアップが超絶大変なのかのどちらかだろう。
 どちらにせよ強くなるためには今後レベルアップという方法は不適切ということになる。



 次にスキルだ。
 現状だと魔法関連で新たに取得可能なのは『錬金術』だけだ。
 以前も考察したが、錬金術関連は資料がなく戦闘に役立つかどうかも不明なため手が出せない。

 さらに俺が取得を目指している『死霊魔術』がある。
 王都にある魔術研究所に死霊魔術を習得する為の手掛かりを求めて、現在伯爵(=バルーカ領主)の紹介状を手に入れるために明後日からアルタナ王国へと行き武闘大会に参加する。

 他には『雷魔法』はありそうなんだけど習得方法は不明だ。
 どうして"ありそう"と言えるのかというと昔話や噂話レベルで、「その昔有名な〇〇が使っていた魔法が雷っぽかった」みたいなことが耳に入ってくるからだ。もちろん信憑性なんかないが、火のない所に煙はなんとやらだ。

 ゲームでよくある『召喚魔法』『結界魔法』『強化魔法』『時空魔法』『重力魔法』『無属性魔法』などは無いと見ている。
 結論を出すのは早いかもしれないが、噂話のレベルですら聞こえてこないのならほぼ可能性はないと考えたほうが良いだろう。

 現時点で推測していることは、死霊魔術にせよ雷魔法にせよ実際にその魔法を見ること、もしくはその魔法の習得方法を知ることで取得可能なスキルとして表示されるのではないか、ということだ。

 ただ、新しい魔法を覚えたからといって必ずしも強くなれるわけではない。
 特に死霊魔術はイメージ的には数を補う方向の魔法なので、俺自身の強化という課題とは方向性が違う。



 最後はスキルレベルに関してだ。
 現状ではスキルの習得やスキルレベルを上げるのに使用するLP(=レベルポイント)は56Pある。
 今後レベルアップが難しいのであれば、当然LPの入手も難しくなると考えなければいけない。
 つまり手持ちの56Pが全てと仮定して使い方を検討する。

 まずは初期段階で既に表示されているスキルを一般スキル、表示されていないスキルを上位スキルと仮定する。
 一般スキルは習得からレベルをマックスである10にするのに11P必要だ。
 上位スキルだと消費LPは2倍必要になると仮定する。
 その場合習得からレベルマックスまで22P必要になる。
 もちろんLPが3倍4倍……と必要になるのかもしれないが、それだと手持ちのLPでは足りなくなるので自力での習得及びスキルレベルを上げることをしなければいけなくなる。

 仮に消費LPが2倍必要になるとして、習得できる"かも"しれない2つの上位魔法で計44P。
 残りは12Pだ。
 使ってみるか……

 2Pを消費して土魔法のレベルを8から10のマックスまで上げた。
 回復魔法とどちらにすべきか迷ったが、現状で必要なのは黒オーガを倒す手段なので土魔法を選んだ。



川端努 男性
人種 15歳
LV40

HP 696/696
MP 6932/6975

力  139
早さ 165
器用 174
魔力 645

LP 54P

スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv8・浄化魔法Lv7・火魔法Lv4・水魔法Lv4・風魔法LvMAX・土魔法LvMAX・氷結魔法Lv4・回復魔法Lv8・魔力操作Lv6・MP回復強化Lv8・MP消費軽減Lv8・マジックシールドLvMAX・身体強化Lv4・剣術Lv2・槍術Lv2・投擲Lv1・敵感知Lv8・地図(強化型)・時刻・滞空魔法・飛行魔法



 土系統の魔法を一通り撃ってみるが特に変化はない。
 スキルレベルに応じた魔法を開発しなければいけないのはこれまで通りであり、一番の難事だ。

 この時期に武闘大会に参加するのは良いタイミングなのかもしれない。
 他の魔術士の魔法や戦い方から何かヒントが掴めるかも。
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