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「しかし他店の手伝いだと安定した収入にはならないんじゃないか?」

「商都にはロクダーリアで商売していた時に取引していた商会がいくつかあります。
 商会にとっても信用のある父を必要な期間だけ雇えるのは十分に利点がありますので、長期に渡って仕事が途絶えるということはありません」

「それならいいけど」

「家族のことまで心配して頂きありがとうございます」

 布団から出てきて深々と頭を下げるルルカ。

「気にするな。
 家族のことを心配しながらだと奉仕にも身が入らないだろうからな」

 ……ん?
 てっきりジト目でもされるかと思ったけど、ルルカは頭を下げたままだ。

「どうしたんだ?」

「申し訳ございません。実は…………」

 ルルカはゴルグを飲んでも月に数日間は妊娠する危険性を失念していたことを告白してきた。母親に言われるまで気付かなかったらしい。

「ひょっとしてもう……」

 できちゃったとか?
 子供とか……自分の結婚すら現実味がない中で完全に想定外だぞ!?
 まぁ冷静に考えればそこらの雑貨屋で売られている避妊薬がそれほど完璧な訳がないか。

「いえ、幸いにも直近の危険な時期は実家にいる間でしたし、その前は妊娠しませんでした」

 セーフ!
 あからさまに喜ぶのはマズイかもしれないけど……別に子供を望んでいる訳ではないし、ルルカの年齢も34歳。高齢出産は避けるべきなのだからまずは良かったでいいだろう。

「今後は危険な時期はしないようにすればいいんだな?」

「はい。申し訳ありません」

「謝ることはない。大事なことだからな。
 体調に関することはどんなことでもすぐに言って欲しい」

「わかりました」

 ルルカをそっと抱き締める。
 ……待てよ。
 当然ロザリナもだよな。

「ロザリナにも話してくれるか?
 こういうことは女性同士のほうがいいだろうし」

「そうですね。話してみます」

 ルルカは結婚していたのだから子供が出来てもオッケーだった訳で、その後旦那が亡くなったり俺に買われたり状況に変化があったとはいえ、ゴルグを飲んでも妊娠することを忘れていたとしても不自然なことではない。
 しかしロザリナはずっと独身だったのだ。
 妊娠すれば冒険者としての活動や生活に支障をきたすのに忘れるなんてあるだろうか?
 奴隷という立場上自ら言い出すことができなかったか?

「ツトムさん……」

 ルルカが俺の服を脱がしていく。
 脱がした服を軽く畳んで脇に置き、立ち上がって自らの服を脱ぎ始めた。
 今日は下から脱ぐようで、下半身を露出させたところで引き寄せる。
 両手でお尻を揉みながら、ムッチリした太ももに舌を這わせていく。

「んっ……」

 ルルカは反応しながらも上半身の服を脱いでいく。
 11日ぶりのルルカの白い裸体は以前と変わらずに淫靡な曲線を描いていた。

「さぁ、横になってください」

 横になるとルルカが覆い被さってくる。
 心地よい重さを感じながらその柔らかい肢体を存分に堪能する。
 下半身に手を伸ばしていたルルカはやがてゆっくりと腰を動かし始める。

「……あっ、……んんっ、……ハァハァ…………」

 いつもと違い、ルルカは段々と腰の動きを弱めていき、ついには止めてしまう。
 もどかしくなってこちらが動こうとするが、ガッチリと抑え込まれていて動けない。

「私がいない間に他の女を抱きましたか?」

 俺の耳に顔を近付けて囁いてきた。

「ロザリナ以外は抱いてないぞ」

 ルルカは俺の目をジッと覗き込んでいる。

「私がいない間に他の女と親密になりましたか?」

 再び耳に囁いてくる。

「なってない。ロザリナの妹と初めて会ったぐらいだ」

 また目を見ている……

 な、なにこれ? 尋問? 快楽拷問?

「私がいない間にロザリナを何回抱きましたか?」

「10回……ぐらい?」

「私のこともそれぐらい可愛がって頂きませんと…………」

「い、いや、ルルカとはワナークに行く旅程でそれ以上してるから」

「そんな昔のことは忘れました♪」

「ちょっ!?」

 ルルカは再び腰を動かし始めた……



……

…………

 たっぷりと搾り取られ…………気持ち良くなった後、

「そうだ。俺が留守の間にティリアさんから手紙が来てたぞ」

 収納から手紙を出してルルカに渡す。

「あら。まだお読みになられていないのですか?」

「ルルカ宛だろうと思ってな」

「そうですか……」

 封を開けて目を通している。
 この世界の……というよりこの時代の手紙は時代劇に出てくる書状に近い形式だ。

「ティリアさんは何だって?」

 ちょっとドキドキしながら聞いてみる。

「新しい王様が即位されたので旦那が王都に帰ってきたのだそうです。
 ですのでバルーカに遊びに行くのは延期になってしまうと」

「そ、そうか……」

 ティリアさんはしばらく来れないのか。
 残念なような……ホッとしたような……?

「(じぃーーーーーーーー)」

 そういえばティリアさんは旦那さんがずっと帰ってこなくて寂しがっていたのだったっけ。
 旦那さんと一緒の時間を過ごせることはティリアさんにとって良かったと思わないと。

「ルルカはティリアさんの旦那さんとは面識があるのか?」

「ロクダーリアにいた頃に何度か会ったことがある程度ですが」

「ティリアさんがしばらく来れないのなら近い内に王都まで会いに行くか?」

「ツトムさんはそんなにティリアに会いたいのですか?」

 なぜそういう捉え方をするんだ!?

「以前にも言ったが、俺がではなくルルカが会いたいだろうと思ってだな……」

「離れた土地で暮らしているのですから頻繁に会う必要はないです」

「しかし王都なんて飛行魔法ですぐなんだし」

「行きませんよ?」

 クッ。頑な過ぎるだろう。

「だったらロクダーリアはどうだ?
 ルルカにとっては生まれ故郷でもあるのだろう?」

「そうですけど……
 ツトムさん、私はロクダーリアを離れてまだ半年も経ってないのですよ?
 懐かしくなって行きたくなったとしても、まだまだ先の話です」

「そうか……」

「ハッ!? ま、まさか……
 私の友人の中から好みの女性を見つけようとしてるのでは…………」

「そ、そんなことはないぞ!」

「だったらどうして……」

 マズイな。
 変に誤解されるのを回避するには…………正攻法でいくか。
 ルルカの顔をこちらに向かせて至近距離で見つめ合い、

「俺がこんなことを言うのは、またルルカと2人きりで旅がしたいと思ったからなんだ」

「ツトムさん……」

「旅の途中でこうやってルルカとエッチがしたい」

「私もです……」

「ちゃんと言って」

「私も……ツトムさんとた、たくさんエッチがしたいです!」

「ルルカ!」

 ルルカを抱き寄せ激しくキスをする。
 結構疲れていたけど、もう1回だけ頑張った。



「お帰りなさいませ。ツトム様。ルルカさん」

「ただいま、ロザリナ」

「ロザリナ元気だった?」

「はい。ルルカさんもご家族はいかがでしたか?」

「久し振りに会ったけど皆元気よ」

「それは良かったです」

 う~~ん、行きの時は抱き合っていたのに、今は互いに手を握り合っている程度だ。
 もっとこう……美女同士が絡み合う姿が見たいものだ。
 俺が指示するのが一番簡単なんだが、それだと味気ないというか趣に欠けるというか。
 もう少し様子を見て進展がないようなら何か手を打とう。


 今日の夕食はルルカも帰ってきたばかりだし外に食べに行くかな。
 そんなことを考えていた時である。

「ロザリナ! どういうことなの?!」

 ルルカにしては珍しい大きな声が聞こえてきた。
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