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家を出発したのがそこそこ早かったこともあり10時過ぎにはワナークに到着した。
帝国・コートダール方面に来るのが3回目なので慣れてきたのかもしれない。
ルルカの実家である雑貨店の前に降りて店に入っていく。
「ごめんくださ~い」
「っ!?
…………
いらっしゃいませ~♪
お土産だけ置いてとっととお帰り下さ~い♪」
ルルカの娘であるルミカちゃんが店番をしていた……
顔を引きつらせながらも満面の笑みで対応するという中々芸が細かいところを見せてくれている。
つか土産だけは置いてけってちゃっかりしてるなぁ。
「ルミカ?
なにか変なこと言わなかった?
…………あっ!? ツトムさん!」
奥から出てきたルルカが俺に気付いて抱き付いてきた。
「昨日依頼が終わったから迎えに来たよ」
「お待ちしておりました。ケガとかなさってませんよね?」
ルルカが俺の背中とかをペタペタ触ってくる。
「大丈夫だ。何も問題なかった」
ちょっと腕を斬り落とされただけだ。
「11日間は長かったです……」
「ルルカ……」
このまま熱い口づけを……
「ごほん!! ごほん!! ごほん!! ごほん!!」
思いっきりワザとな咳をするルミカちゃん。
「あー忙しい! 忙しい!」
パタパタパタパタと俺とルルカの近くの棚のはたきがけを始める。
小姑かよっ!!
「もぉ~~この娘ったら!!
ツトムさん、奥に行きましょう。
ルミカもいらっしゃい」
「ええぇぇぇぇ?!
やぁぁだぁぁぁぁぁぁ!」
ここでルミカちゃんに声を掛けてみる。
「甘いお菓子買ってきたよ? 冷たいよ?」
「ふんっ! そんなモノで釣ろうだなんて……」
「ならルミカの分はお母さんが頂くわね」
「ええぇぇぇぇ?!」
ルミカちゃんは渋々といった感じでついてくる。
お店に誰もいなくなるけどいいのだろうか?
…
……
…………
「美味しいっ!!」
ルミカちゃんは先ほどまでの不機嫌さとは打って変わって手に取ったアイスクリームに夢中だ。
ルルカの父親だけ出掛けてて不在だったが、母親と祖父母もお土産として持参したプリンとアイスクリームを味わっている。
「その後お体の具合はいかがですか?」
「私達夫婦は快調よ。私も腰と膝の痛みがなくなって過ごしやすいし。
母(=ルルカ的には祖母)も体調が良くなって、母さん今の具合はどう?」
「快適なままですよ。本当にありがたいこって」
「ただ父(=ルルカ的には祖父)が……」
「ワシは体の調子が良かったので店の棚卸しを手伝ったら痛みがぶり返してしまってなぁ。
腰と脚が以前より痛くなってしまって」
それってその作業で新たに痛めたってことだよなぁ。
「あれだけ無茶しないように言ったのに……」
「とにかくその痛みを取りましょう」
お祖父さんに回復魔法をかける。
「おぉ、痛みが! これはありがたい!」
「ご高齢のお2人は特になのですが、痛みがないからといって若い頃の感覚で体を動かされてはまた具合を悪くしますよ?」
「面目ない……」
回復魔法は回復するだけで体を強化する訳ではないからな。当然だけど。
老化現象で弱くなった体が痛むのを防ぐことはできない。
もっともルルカの家族のおかげで回復魔法が内科系統の病気にも効果があることがわかった。
これでガン細胞とかも取り除くのなら凄いことだけど、この世界では調べようがない上に医学素人な俺ではお手上げ状態だ。
可能性があるとするなら、体の状態がわかる鑑定か何かの魔道具が存在する場合だけど……
その場合でも『この人は胃がんです』とか『大腸がんです』みたいな病名まで判明するとはちょっと考え辛い。
念の為に範囲回復をして、ルルカのお父さんはいないけど……まぁ大丈夫だろう。
「緊急の際はバルーカまでお知らせください。すぐ飛んできますので」
おばさんに5万ルクを渡す。
「あら、悪いわねぇ」
「ツトムさん! 前回頂いたお金も母に渡してありますのでこれ以上は申し訳なく……」
この小さな雑貨店の売り上げだけでは一家5人の生活を賄えるとは思えないのだけど……
「前回渡したのとはまた別だ。今度のは緊急連絡の為の費用だし」
「し、しかし、既に私を買われた額の何倍もの金額を私達の為に使われておりますし」
「ここで父君にも言ったが、例え白金貨を積まれたとしてもルルカを他へ売るつもりはない。
逆に言えばルルカの為になら白金貨を積むぐらい使うつもりがあるってことだ」
「ツトムさん……」
「ルルカ……」
互いに手を取り合い、そして……
「ごほん!! ごほん!! ごほん!! ごほん!!」
いい雰囲気になりかけたところでまたもやルミカちゃんが邪魔をしてくる。
「す~ぐ2人だけの世界に入ろうとするんだから!!」
「あらあら。よろしければ寝室をご用意しましょうか?
2人だけの空間で遠慮なく続きをしてくださいな」
「お母さん!!」「おばあちゃん!!」
ニヤニヤしながらからかってくるおばさんに対して母娘揃ってのツッコミを入れる。
つかルミカちゃんは意味をわかっているのだろうか?
14歳だと微妙なのかなぁ。この世界でそっち方面の情報を子供が仕入れるにはハードルが高いし。
でも成人が15歳なんだし親が教えてるのだろうか? って親ってルルカだよ!? これまでそんな機会は…………そうか。この帰省中に教えられるか。だとしたらいいタイミンングでルルカを実家に帰せたのかもな。
「ツトムさん?」
「いや……
そうだ、おばさん。来た時にお持ちした魚を今晩にでもまた食べますか?」
「そうねぇ。頂こうかしら」
前回置いていったタライを持って来てもらって、その中にカリーク10匹と氷を入れる。
「やった! お魚だ!」
お土産に対しては素直に喜ぶルミカちゃん。
それを持ってきた俺に対してももう少し感謝をして欲しいけど……
ルミカちゃんのことを見てると、
「ふ、ふんっ! こんなの単なる魚ってだけだしっ!!」
意味がわからん!
次に昨日買った大きいタルの中に鉄製の箱と小さいタルを置いて、箱の中にプリンとアイスクリームを、小さいタルに角付き肉をそれぞれ入れる。
そしてタルの中を氷結させ、箱の中も半分ほど氷漬けにする。
「氷が溶ける前にお召し上がりください」
「やった!」
「まぁまぁ。こんなにたくさんありがとうございます」
「ルミカも何か言うことがあるわよね?」
「ええぇぇぇぇ?!」
「ル~ミ~カぁ~」
ビクッと反応するルミカちゃん。
今のは俺も背筋が…………(汗
「た、たくさんお土産持ってきてくれて……ありがと」
「次に来る時はもっと持ってくるからね」
ルミカちゃんはそっぽを向いてしまった。
前回2階に上がってしまったことと比べると少しは進歩してるのかな?
帝国・コートダール方面に来るのが3回目なので慣れてきたのかもしれない。
ルルカの実家である雑貨店の前に降りて店に入っていく。
「ごめんくださ~い」
「っ!?
…………
いらっしゃいませ~♪
お土産だけ置いてとっととお帰り下さ~い♪」
ルルカの娘であるルミカちゃんが店番をしていた……
顔を引きつらせながらも満面の笑みで対応するという中々芸が細かいところを見せてくれている。
つか土産だけは置いてけってちゃっかりしてるなぁ。
「ルミカ?
なにか変なこと言わなかった?
…………あっ!? ツトムさん!」
奥から出てきたルルカが俺に気付いて抱き付いてきた。
「昨日依頼が終わったから迎えに来たよ」
「お待ちしておりました。ケガとかなさってませんよね?」
ルルカが俺の背中とかをペタペタ触ってくる。
「大丈夫だ。何も問題なかった」
ちょっと腕を斬り落とされただけだ。
「11日間は長かったです……」
「ルルカ……」
このまま熱い口づけを……
「ごほん!! ごほん!! ごほん!! ごほん!!」
思いっきりワザとな咳をするルミカちゃん。
「あー忙しい! 忙しい!」
パタパタパタパタと俺とルルカの近くの棚のはたきがけを始める。
小姑かよっ!!
「もぉ~~この娘ったら!!
ツトムさん、奥に行きましょう。
ルミカもいらっしゃい」
「ええぇぇぇぇ?!
やぁぁだぁぁぁぁぁぁ!」
ここでルミカちゃんに声を掛けてみる。
「甘いお菓子買ってきたよ? 冷たいよ?」
「ふんっ! そんなモノで釣ろうだなんて……」
「ならルミカの分はお母さんが頂くわね」
「ええぇぇぇぇ?!」
ルミカちゃんは渋々といった感じでついてくる。
お店に誰もいなくなるけどいいのだろうか?
…
……
…………
「美味しいっ!!」
ルミカちゃんは先ほどまでの不機嫌さとは打って変わって手に取ったアイスクリームに夢中だ。
ルルカの父親だけ出掛けてて不在だったが、母親と祖父母もお土産として持参したプリンとアイスクリームを味わっている。
「その後お体の具合はいかがですか?」
「私達夫婦は快調よ。私も腰と膝の痛みがなくなって過ごしやすいし。
母(=ルルカ的には祖母)も体調が良くなって、母さん今の具合はどう?」
「快適なままですよ。本当にありがたいこって」
「ただ父(=ルルカ的には祖父)が……」
「ワシは体の調子が良かったので店の棚卸しを手伝ったら痛みがぶり返してしまってなぁ。
腰と脚が以前より痛くなってしまって」
それってその作業で新たに痛めたってことだよなぁ。
「あれだけ無茶しないように言ったのに……」
「とにかくその痛みを取りましょう」
お祖父さんに回復魔法をかける。
「おぉ、痛みが! これはありがたい!」
「ご高齢のお2人は特になのですが、痛みがないからといって若い頃の感覚で体を動かされてはまた具合を悪くしますよ?」
「面目ない……」
回復魔法は回復するだけで体を強化する訳ではないからな。当然だけど。
老化現象で弱くなった体が痛むのを防ぐことはできない。
もっともルルカの家族のおかげで回復魔法が内科系統の病気にも効果があることがわかった。
これでガン細胞とかも取り除くのなら凄いことだけど、この世界では調べようがない上に医学素人な俺ではお手上げ状態だ。
可能性があるとするなら、体の状態がわかる鑑定か何かの魔道具が存在する場合だけど……
その場合でも『この人は胃がんです』とか『大腸がんです』みたいな病名まで判明するとはちょっと考え辛い。
念の為に範囲回復をして、ルルカのお父さんはいないけど……まぁ大丈夫だろう。
「緊急の際はバルーカまでお知らせください。すぐ飛んできますので」
おばさんに5万ルクを渡す。
「あら、悪いわねぇ」
「ツトムさん! 前回頂いたお金も母に渡してありますのでこれ以上は申し訳なく……」
この小さな雑貨店の売り上げだけでは一家5人の生活を賄えるとは思えないのだけど……
「前回渡したのとはまた別だ。今度のは緊急連絡の為の費用だし」
「し、しかし、既に私を買われた額の何倍もの金額を私達の為に使われておりますし」
「ここで父君にも言ったが、例え白金貨を積まれたとしてもルルカを他へ売るつもりはない。
逆に言えばルルカの為になら白金貨を積むぐらい使うつもりがあるってことだ」
「ツトムさん……」
「ルルカ……」
互いに手を取り合い、そして……
「ごほん!! ごほん!! ごほん!! ごほん!!」
いい雰囲気になりかけたところでまたもやルミカちゃんが邪魔をしてくる。
「す~ぐ2人だけの世界に入ろうとするんだから!!」
「あらあら。よろしければ寝室をご用意しましょうか?
2人だけの空間で遠慮なく続きをしてくださいな」
「お母さん!!」「おばあちゃん!!」
ニヤニヤしながらからかってくるおばさんに対して母娘揃ってのツッコミを入れる。
つかルミカちゃんは意味をわかっているのだろうか?
14歳だと微妙なのかなぁ。この世界でそっち方面の情報を子供が仕入れるにはハードルが高いし。
でも成人が15歳なんだし親が教えてるのだろうか? って親ってルルカだよ!? これまでそんな機会は…………そうか。この帰省中に教えられるか。だとしたらいいタイミンングでルルカを実家に帰せたのかもな。
「ツトムさん?」
「いや……
そうだ、おばさん。来た時にお持ちした魚を今晩にでもまた食べますか?」
「そうねぇ。頂こうかしら」
前回置いていったタライを持って来てもらって、その中にカリーク10匹と氷を入れる。
「やった! お魚だ!」
お土産に対しては素直に喜ぶルミカちゃん。
それを持ってきた俺に対してももう少し感謝をして欲しいけど……
ルミカちゃんのことを見てると、
「ふ、ふんっ! こんなの単なる魚ってだけだしっ!!」
意味がわからん!
次に昨日買った大きいタルの中に鉄製の箱と小さいタルを置いて、箱の中にプリンとアイスクリームを、小さいタルに角付き肉をそれぞれ入れる。
そしてタルの中を氷結させ、箱の中も半分ほど氷漬けにする。
「氷が溶ける前にお召し上がりください」
「やった!」
「まぁまぁ。こんなにたくさんありがとうございます」
「ルミカも何か言うことがあるわよね?」
「ええぇぇぇぇ?!」
「ル~ミ~カぁ~」
ビクッと反応するルミカちゃん。
今のは俺も背筋が…………(汗
「た、たくさんお土産持ってきてくれて……ありがと」
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