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ギルド内はザワザワとしている。
不思議に思いながら依頼が貼られている掲示板に行こうとしたところ、
「あっ。ちょうど良いところに。実は今困った事態になってまして……」
先ほどのクール受付嬢が話し掛けてきた。
何やら厄介事に巻き込まれそうな予感がしたので、
「部外者が居ていい雰囲気ではありませんね。邪魔にならないように帰ることにします」
「あの後フライヤさんが単身で南の森のオーク集落に向かったようなのです」
「「…………」」
くそっ。同時か……
この微妙な空気の中での睨み合い。
なんとかこちらのペースに……
え? ニッコリ笑う? なんで??
今までのクールな態度からはまったく予想外の満面の笑みに意表を突かれているとそっと手を握られて、
「さぁ、詳しい説明は個室のほうで」
「え? え?」
あっという間に受付の中にある個室に連れ込まれてしまった。
クール受付嬢は俺を座らせると外から冒険者風の女性を呼んで2人で対面に座った。
「改めまして、私の名前はニナと申します。ここメルクのギルド職員をしております」
「4等級冒険者のヌーベルだ」
軽装備に身を包んだ中々スタイルの良いお姉さんに冒険者カードを見せられた。
こうなってしまった以上こちらも対応せざるを得ない。
「5等級冒険者のツトムです」
こちらも冒険者カードを見せて名乗った。
「(オイ、5等級だぞ。本当にコイツで大丈夫なのか?)」
「(たぶん大丈夫なはずです。私の見立てを信じてください)」
「(ニナのことを信じてない訳ではないんだが、こっちとしても命が懸かってるだけになぁ)」
「(もちろんヌーベルさんが納得されなければ降りて頂いて構いません)」
「(むぅ~。わかった。最終的な判断は私がする)」
「(お願いします)」
何やら小声でヒソヒソ話しているけど……
「コホンッ。え~、先ほども申しましたがフライヤさんが単身で南の森のオーク集落に向かったらしいという報告が入り、ツトムさんにはこちらのヌーベルさんと共にフライヤさんを連れ戻して欲しいのです」
「そのフライヤさんはどうしてオーク集落に向かったのですか?」
単独で討伐する為とかか?
赤毛さんの実力を知らないので何とも言えないけど……
「4等級冒険者のフライヤさんは他に5等級の2人の女性冒険者とパーティーを組んでいました。
3人だと活動に支障が出るので他の人数の欠けてるパーティーと合同で依頼を受けていたのですが……
昨日その合同パーティーがオークに敗北してしまったのです。
体調不良でフライヤさんが休んでいる時のことでした」
冒険者の間で『ミックス』と呼ばれている手法だな。
等級の違う者でパーティーを組んだり、いくつかのパーティーが合流して1つのパーティーとして活動するやり方だ。
「合同パーティーが敗北した現場をたまたま他のパーティーが時間を置かずに発見しまして、遺体の処置をして遺留品を持ち帰りました。
遺体は3体しかなかったのでフライヤさんのパーティーメンバー2人と合同していたパーティー1人がオークにさらわれたことが確定しました」
遺体の処置……簡易的に埋葬したってことだ。
収納魔法持ちがいれば遺体を持ち帰ることができただろうが、いないのであればその場で埋めるしかない。
ちなみにこの大陸の主要4ヵ国(南部3国と帝国)は火葬ではなく土葬である。
大陸北西の小国家群の中には火葬文化もあるらしい。
「翌朝にこの凶事を知ったフライヤさんはギルドに救出隊の編成を申し出ました。
しかし現在のメルクにはトップランクの3等級パーティーが依頼の為に不在で、主要な4等級パーティーも護衛依頼等で街を離れている状況でしてとてもフライヤさんの申し出に応えることはできませんでした。
救出隊の編成を幾度も断られ業を煮やしたフライヤさんは単独で救出に向かったと思われます」
赤毛さんがどこか焦っていた理由はこれだったのか。
俺をギルド内で待たせたのも賛同者もいるからとか言って強引に救出隊を編成させるつもりだったんだな。
あまり良い手とは言えないがそれだけ追い込まれていたということなのだろう。
「どうしてフライヤさんを助けるのですか?」
どのような結果も自己責任。
互いに命を懸ける以上敗者が無惨に扱われるのは当たり前。
特別教わらなくとも自然と身に付く冒険者として生きていく上での覚悟だ。
「実はフライヤさんはメルクの領主であるハシス様のご落胤でして……」
お貴族様関係って訳ね。
ここでむげに断ればロイター子爵に迷惑がかかるだろうか?
胸に引っ掛かるモノはあるけど……
「それでどうしてフライヤさんとは知り合いですらない自分に依頼を?」
最大の謎はこれなのだ。
バルーカなら自分に依頼が来る可能性もあるのだろうがここはメルクだ。
「ツトムさんが魔術士で飛行魔法を使えると推察したからです」
!?
「当たっていますが……なぜ?」
「依頼でも新規登録でもないのに初めて訪れるギルドに私服に手ぶらでは収納魔法が使える魔術士だと喧伝しているようなものです。
それにあの時間帯に来るということは徒歩でメルクまで来たのでなければ飛行魔法で飛んで来たというのが自然でしょう」
馬車でメルクまで来たのなら到着は夕方。ギルドに顔を出すのは夕方以降か一泊して朝の時間帯になるってことか。
推理としては荒っぽいものの外れたとしても彼女が特に損する訳でもないしな。
「しかし飛行魔法の使い手は他にもいるのでは?」
「確かに飛行魔法を操る魔術士は数名心当たりがあります。
しかしながらパーティーありきの魔術士ばかりでして、少人数で南の森のオークの群れと渡り合える力量はありません」
「自分にもそのような力量はないかもしれませんよ?」
「……今まで特殊個体、黒いオーガのことを調べに来た人はたくさんいました。
調査依頼を受けていたり、土産話としてだったり、粋がって自分が倒すと大言壮語する人だったりでしたが、先ほどのツトムさんはなんと言いますかごく自然に自分が戦うかもしれない相手のことを調べてる……そのように感じられました」
「特殊個体と……マジかよ……」
「わかりました。依頼としてではなく匿名で初期捜索を手伝うという形でなら構いませんよ」
長い時間拘束されるのは御免だし俺にも予定がある。
名前を伏せてくれるのなら少し手伝うぐらいはいいだろう。
不思議に思いながら依頼が貼られている掲示板に行こうとしたところ、
「あっ。ちょうど良いところに。実は今困った事態になってまして……」
先ほどのクール受付嬢が話し掛けてきた。
何やら厄介事に巻き込まれそうな予感がしたので、
「部外者が居ていい雰囲気ではありませんね。邪魔にならないように帰ることにします」
「あの後フライヤさんが単身で南の森のオーク集落に向かったようなのです」
「「…………」」
くそっ。同時か……
この微妙な空気の中での睨み合い。
なんとかこちらのペースに……
え? ニッコリ笑う? なんで??
今までのクールな態度からはまったく予想外の満面の笑みに意表を突かれているとそっと手を握られて、
「さぁ、詳しい説明は個室のほうで」
「え? え?」
あっという間に受付の中にある個室に連れ込まれてしまった。
クール受付嬢は俺を座らせると外から冒険者風の女性を呼んで2人で対面に座った。
「改めまして、私の名前はニナと申します。ここメルクのギルド職員をしております」
「4等級冒険者のヌーベルだ」
軽装備に身を包んだ中々スタイルの良いお姉さんに冒険者カードを見せられた。
こうなってしまった以上こちらも対応せざるを得ない。
「5等級冒険者のツトムです」
こちらも冒険者カードを見せて名乗った。
「(オイ、5等級だぞ。本当にコイツで大丈夫なのか?)」
「(たぶん大丈夫なはずです。私の見立てを信じてください)」
「(ニナのことを信じてない訳ではないんだが、こっちとしても命が懸かってるだけになぁ)」
「(もちろんヌーベルさんが納得されなければ降りて頂いて構いません)」
「(むぅ~。わかった。最終的な判断は私がする)」
「(お願いします)」
何やら小声でヒソヒソ話しているけど……
「コホンッ。え~、先ほども申しましたがフライヤさんが単身で南の森のオーク集落に向かったらしいという報告が入り、ツトムさんにはこちらのヌーベルさんと共にフライヤさんを連れ戻して欲しいのです」
「そのフライヤさんはどうしてオーク集落に向かったのですか?」
単独で討伐する為とかか?
赤毛さんの実力を知らないので何とも言えないけど……
「4等級冒険者のフライヤさんは他に5等級の2人の女性冒険者とパーティーを組んでいました。
3人だと活動に支障が出るので他の人数の欠けてるパーティーと合同で依頼を受けていたのですが……
昨日その合同パーティーがオークに敗北してしまったのです。
体調不良でフライヤさんが休んでいる時のことでした」
冒険者の間で『ミックス』と呼ばれている手法だな。
等級の違う者でパーティーを組んだり、いくつかのパーティーが合流して1つのパーティーとして活動するやり方だ。
「合同パーティーが敗北した現場をたまたま他のパーティーが時間を置かずに発見しまして、遺体の処置をして遺留品を持ち帰りました。
遺体は3体しかなかったのでフライヤさんのパーティーメンバー2人と合同していたパーティー1人がオークにさらわれたことが確定しました」
遺体の処置……簡易的に埋葬したってことだ。
収納魔法持ちがいれば遺体を持ち帰ることができただろうが、いないのであればその場で埋めるしかない。
ちなみにこの大陸の主要4ヵ国(南部3国と帝国)は火葬ではなく土葬である。
大陸北西の小国家群の中には火葬文化もあるらしい。
「翌朝にこの凶事を知ったフライヤさんはギルドに救出隊の編成を申し出ました。
しかし現在のメルクにはトップランクの3等級パーティーが依頼の為に不在で、主要な4等級パーティーも護衛依頼等で街を離れている状況でしてとてもフライヤさんの申し出に応えることはできませんでした。
救出隊の編成を幾度も断られ業を煮やしたフライヤさんは単独で救出に向かったと思われます」
赤毛さんがどこか焦っていた理由はこれだったのか。
俺をギルド内で待たせたのも賛同者もいるからとか言って強引に救出隊を編成させるつもりだったんだな。
あまり良い手とは言えないがそれだけ追い込まれていたということなのだろう。
「どうしてフライヤさんを助けるのですか?」
どのような結果も自己責任。
互いに命を懸ける以上敗者が無惨に扱われるのは当たり前。
特別教わらなくとも自然と身に付く冒険者として生きていく上での覚悟だ。
「実はフライヤさんはメルクの領主であるハシス様のご落胤でして……」
お貴族様関係って訳ね。
ここでむげに断ればロイター子爵に迷惑がかかるだろうか?
胸に引っ掛かるモノはあるけど……
「それでどうしてフライヤさんとは知り合いですらない自分に依頼を?」
最大の謎はこれなのだ。
バルーカなら自分に依頼が来る可能性もあるのだろうがここはメルクだ。
「ツトムさんが魔術士で飛行魔法を使えると推察したからです」
!?
「当たっていますが……なぜ?」
「依頼でも新規登録でもないのに初めて訪れるギルドに私服に手ぶらでは収納魔法が使える魔術士だと喧伝しているようなものです。
それにあの時間帯に来るということは徒歩でメルクまで来たのでなければ飛行魔法で飛んで来たというのが自然でしょう」
馬車でメルクまで来たのなら到着は夕方。ギルドに顔を出すのは夕方以降か一泊して朝の時間帯になるってことか。
推理としては荒っぽいものの外れたとしても彼女が特に損する訳でもないしな。
「しかし飛行魔法の使い手は他にもいるのでは?」
「確かに飛行魔法を操る魔術士は数名心当たりがあります。
しかしながらパーティーありきの魔術士ばかりでして、少人数で南の森のオークの群れと渡り合える力量はありません」
「自分にもそのような力量はないかもしれませんよ?」
「……今まで特殊個体、黒いオーガのことを調べに来た人はたくさんいました。
調査依頼を受けていたり、土産話としてだったり、粋がって自分が倒すと大言壮語する人だったりでしたが、先ほどのツトムさんはなんと言いますかごく自然に自分が戦うかもしれない相手のことを調べてる……そのように感じられました」
「特殊個体と……マジかよ……」
「わかりました。依頼としてではなく匿名で初期捜索を手伝うという形でなら構いませんよ」
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