76 / 380
073
しおりを挟む
翌朝まずは壁外ギルドに行きミリスさんがいないか確かめる。
受付にはいなく奥の事務スペースにいたので呼んでもらった。
「ツトムさん。おはようございます。いかがなさいましたか?」
「ミリスさんおはようございます。実は相談というか聞きたいことがありまして……」
「わかりました。こちらに」
個室に案内された。察してくれて助かった。
「まずは昨日城内ギルドのほうで5等級に昇格しまして」
冒険者カードを見せる。
「それはおめでとうございます。つい先日7等級になられたばかりですのに早いですね」
「ありがとうございます。こちらで手続とか必要ですか?」
「特には。依頼を受ける時などに書類に記述して5等級に分類するだけですので」
「そうですか。えっとここからが本題なのですが、依頼を出してギルド職員を調査することは可能でしょうか?」
「職員を、ですか……、そのような依頼は聞いたこともありませんが、可能かどうかで言うのならば可能ではあります。しかし……」
「匿名での依頼は可能ですか? 自分の名前をこの件に関して記述して欲しくないのですが」
「それも可能です。匿名希望の依頼はたまにありますので。追加料金が1,000ルク掛かります」
「ではこのまま依頼の受付をお願いできますか?」
「わかりました。しばらくお待ちください」
ミリスさんが個室を出て行った。
依頼を出せばそれなりの情報は得られるだろう。
別に奴の正体とか秘密がわかるとは思っていない。
判断しようにも何も材料がないのでその取っ掛かりが欲しいだけなのだ。とりあえずは。
俺が身辺を探っていると気取られるのが嫌なので、プロという訳ではないが情報収集の得意な人に動いてもらうのだ。
「お待たせしました。まずは調査対象者を教えて頂けますか?」
「城内ギルドで昨日5等級昇格試験の審判をしていた人です。名前はわかりません」
「調査の依頼は指名しますか? それとも募集しますか?」
募集はダメだろう。いくら匿名にしても多くの人の目に触れればリスクが上がるだけだ。
「指名したいのですが心当たりがなくて。城内ギルドに詳しくて調査能力の高い人をどなたか知りませんか?」
「5等級パーティーに当てがあります。調査する内容はどうしますか?」
調査依頼もパーティー単位でやるのか。
成功率が上がる分費用も上がる感じか。
「基本的な名前・年齢・経歴・戦い方などさえ押さえてくれれば後はお任せで」
「そうしますと調査日数で区切ったほうが良いでしょう。3人パーティーですので1日の報酬が15,000ルク、別途調査費用として5,000ルク必要となります。内容からして2日か3日調査すれば十分かと思いますが」
「なら3日間でお願いします」
「調査結果の報告は口頭で行いますか? それとも書面で済ませますか?」
口頭だと匿名にした意味がないような。
身元がバレない工夫はこちらでしろということか。
「書面でお願いします」
「では報酬が45,000ルク、手数料が15%ですので6,750ルク、調査費用が5,000ルク、報告書の作成費用で2,000ルク、指名料及び匿名依頼料がそれぞれ1,000ルクとなりまして合計で60,750ルクとなります」
予想していたより倍近くの出費だ。
昨日賭けで儲けてなかったらもっと費用を抑えただろうな。
「結果は最短で4日後、指名されたパーティーが別の依頼を受けていた場合は日数が伸びますし、依頼を断る可能性もありますので注意してください。その場合は全額返金致します」
「数日後に様子を見に来ますね」
王都から戻った時に来れば丁度いいな。
所持金267万2420ルク→261万1670ルク
ギルドを出て城内のノーグル商会に行き紹介状を書いてもらった。
やはり支店長では直接王都の貴金属店を紹介することはできず、王都にあるノーグル商会の本店宛の紹介状になった。
そしてプリンとアイスクリームは明後日から試験的な販売を始めるとのことだ。
初日は赤字覚悟で激安販売するらしい。
「ロザリナ、金はまだあるか?」
「特に使っておりませんのでまだ十分残っています」
帰宅し冷蔵庫から昨日作ったプリンとアイスクリームを収納に入れる。
「冷蔵庫に残した菓子は好きに食べていいからな。中の氷が溶ける前に食べ切るように」
「わかりました」
「酒も置いていくから好きに飲んで良いぞ」
「ありがとうござ…んっ……」
ロザリナを抱き寄せその舌を思う存分堪能する。
「後を頼むな」
「は、はい。お気を付けて」
念の為にルルカとロープで体を繋ぎ、
「では行くか!」
「はい!」
家の庭から一気に飛び上がった。
1時間弱飛び北の街ドルテスを少し過ぎた草原で一旦降りた。
初めての2人飛びなので速度を抑えたのと街道沿いに最短距離で飛ぶのではなく迂回したので時間が掛かった。
街道沿いを飛ぶのを避けたのは余計なトラブルに遭うのを防ぐ為だ。
土魔法で簡単な小屋を作りベッドも用意する。
しまったなぁ。布団一式持ってくるべきだった。
仕方ないので以前に購入した寝袋で代用した。
服を脱いで寝袋に入る。
ルルカも服を脱ぎ出すが……
「このような場所でよろしいのでしょうか?」
「ここらはただの草原だから平気だぞ」
敵感知に何も反応ないしな。
仮に魔物がいたとしても俺の魔力で作られた小屋をどうこうすることはできない。
ルルカは焦らすように服を脱いでいく。
意図的なのか無意識なのか……
今日は下から脱ぐようだ。
ややダボっとしたパンツを脱ぐと白く大きなお尻が出てきた。
手を伸ばしてサワサワと撫でる。
いい感触だ。
しかし……
最初の頃とは違い、俺が唐突に触れても何も反応しなくなったのは寂しい限りだ。
もちろんピンポイントで触れば反応はあるのだが、それだと単なる肉体反射のようで面白くない。
こう、こんなところで触れてこないだろう的な状況で触れるのが一番なのかも……
ハードルは高いが。
ルルカは上のシャツを脱いで大きな胸を露出させる。
脱いだ際の揺れる様子は見事としか言い様がない。
「失礼します」
1人用の寝袋に2人はかなりキツイものの、その分2人の密着度は高くなる。
「今後はたまに屋外でするのもアリだな。ルルカはどう思う?」
「んっ……、外だとツトムさんと2人きりになれますので……」
「ので?」
「わ、私も外でしたい、です」
その答えに満足な俺は引き続き密着感を大いに楽しんだ。
受付にはいなく奥の事務スペースにいたので呼んでもらった。
「ツトムさん。おはようございます。いかがなさいましたか?」
「ミリスさんおはようございます。実は相談というか聞きたいことがありまして……」
「わかりました。こちらに」
個室に案内された。察してくれて助かった。
「まずは昨日城内ギルドのほうで5等級に昇格しまして」
冒険者カードを見せる。
「それはおめでとうございます。つい先日7等級になられたばかりですのに早いですね」
「ありがとうございます。こちらで手続とか必要ですか?」
「特には。依頼を受ける時などに書類に記述して5等級に分類するだけですので」
「そうですか。えっとここからが本題なのですが、依頼を出してギルド職員を調査することは可能でしょうか?」
「職員を、ですか……、そのような依頼は聞いたこともありませんが、可能かどうかで言うのならば可能ではあります。しかし……」
「匿名での依頼は可能ですか? 自分の名前をこの件に関して記述して欲しくないのですが」
「それも可能です。匿名希望の依頼はたまにありますので。追加料金が1,000ルク掛かります」
「ではこのまま依頼の受付をお願いできますか?」
「わかりました。しばらくお待ちください」
ミリスさんが個室を出て行った。
依頼を出せばそれなりの情報は得られるだろう。
別に奴の正体とか秘密がわかるとは思っていない。
判断しようにも何も材料がないのでその取っ掛かりが欲しいだけなのだ。とりあえずは。
俺が身辺を探っていると気取られるのが嫌なので、プロという訳ではないが情報収集の得意な人に動いてもらうのだ。
「お待たせしました。まずは調査対象者を教えて頂けますか?」
「城内ギルドで昨日5等級昇格試験の審判をしていた人です。名前はわかりません」
「調査の依頼は指名しますか? それとも募集しますか?」
募集はダメだろう。いくら匿名にしても多くの人の目に触れればリスクが上がるだけだ。
「指名したいのですが心当たりがなくて。城内ギルドに詳しくて調査能力の高い人をどなたか知りませんか?」
「5等級パーティーに当てがあります。調査する内容はどうしますか?」
調査依頼もパーティー単位でやるのか。
成功率が上がる分費用も上がる感じか。
「基本的な名前・年齢・経歴・戦い方などさえ押さえてくれれば後はお任せで」
「そうしますと調査日数で区切ったほうが良いでしょう。3人パーティーですので1日の報酬が15,000ルク、別途調査費用として5,000ルク必要となります。内容からして2日か3日調査すれば十分かと思いますが」
「なら3日間でお願いします」
「調査結果の報告は口頭で行いますか? それとも書面で済ませますか?」
口頭だと匿名にした意味がないような。
身元がバレない工夫はこちらでしろということか。
「書面でお願いします」
「では報酬が45,000ルク、手数料が15%ですので6,750ルク、調査費用が5,000ルク、報告書の作成費用で2,000ルク、指名料及び匿名依頼料がそれぞれ1,000ルクとなりまして合計で60,750ルクとなります」
予想していたより倍近くの出費だ。
昨日賭けで儲けてなかったらもっと費用を抑えただろうな。
「結果は最短で4日後、指名されたパーティーが別の依頼を受けていた場合は日数が伸びますし、依頼を断る可能性もありますので注意してください。その場合は全額返金致します」
「数日後に様子を見に来ますね」
王都から戻った時に来れば丁度いいな。
所持金267万2420ルク→261万1670ルク
ギルドを出て城内のノーグル商会に行き紹介状を書いてもらった。
やはり支店長では直接王都の貴金属店を紹介することはできず、王都にあるノーグル商会の本店宛の紹介状になった。
そしてプリンとアイスクリームは明後日から試験的な販売を始めるとのことだ。
初日は赤字覚悟で激安販売するらしい。
「ロザリナ、金はまだあるか?」
「特に使っておりませんのでまだ十分残っています」
帰宅し冷蔵庫から昨日作ったプリンとアイスクリームを収納に入れる。
「冷蔵庫に残した菓子は好きに食べていいからな。中の氷が溶ける前に食べ切るように」
「わかりました」
「酒も置いていくから好きに飲んで良いぞ」
「ありがとうござ…んっ……」
ロザリナを抱き寄せその舌を思う存分堪能する。
「後を頼むな」
「は、はい。お気を付けて」
念の為にルルカとロープで体を繋ぎ、
「では行くか!」
「はい!」
家の庭から一気に飛び上がった。
1時間弱飛び北の街ドルテスを少し過ぎた草原で一旦降りた。
初めての2人飛びなので速度を抑えたのと街道沿いに最短距離で飛ぶのではなく迂回したので時間が掛かった。
街道沿いを飛ぶのを避けたのは余計なトラブルに遭うのを防ぐ為だ。
土魔法で簡単な小屋を作りベッドも用意する。
しまったなぁ。布団一式持ってくるべきだった。
仕方ないので以前に購入した寝袋で代用した。
服を脱いで寝袋に入る。
ルルカも服を脱ぎ出すが……
「このような場所でよろしいのでしょうか?」
「ここらはただの草原だから平気だぞ」
敵感知に何も反応ないしな。
仮に魔物がいたとしても俺の魔力で作られた小屋をどうこうすることはできない。
ルルカは焦らすように服を脱いでいく。
意図的なのか無意識なのか……
今日は下から脱ぐようだ。
ややダボっとしたパンツを脱ぐと白く大きなお尻が出てきた。
手を伸ばしてサワサワと撫でる。
いい感触だ。
しかし……
最初の頃とは違い、俺が唐突に触れても何も反応しなくなったのは寂しい限りだ。
もちろんピンポイントで触れば反応はあるのだが、それだと単なる肉体反射のようで面白くない。
こう、こんなところで触れてこないだろう的な状況で触れるのが一番なのかも……
ハードルは高いが。
ルルカは上のシャツを脱いで大きな胸を露出させる。
脱いだ際の揺れる様子は見事としか言い様がない。
「失礼します」
1人用の寝袋に2人はかなりキツイものの、その分2人の密着度は高くなる。
「今後はたまに屋外でするのもアリだな。ルルカはどう思う?」
「んっ……、外だとツトムさんと2人きりになれますので……」
「ので?」
「わ、私も外でしたい、です」
その答えに満足な俺は引き続き密着感を大いに楽しんだ。
33
お気に入りに追加
1,592
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。



転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる