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翌朝、城内のギルドに向かった。
今日は効率良く依頼をこなす為に臨時にパーティーを募集しようと考えている。
時間のかかる掲示板での依頼探しや場所探し、依頼人との折衝を他の人に任せる作戦だ。
上の6等級の清掃依頼も受けたいということもある。
城内ギルドに入ると依頼を探す冒険者でごった返していた。
皆依頼が貼られている掲示板を真剣な表情で見つめている。
そんな人混みをかき分けて受付に行き、パーティー募集の為の用紙をもらう。
ここに必要事項を記入して専用の掲示板に貼り出すのだ。
1階は混み過ぎているので、2階にある待機所に向かった。
募集…6等級パーティー
条件…3人~5人パーティーであること
メンバー全員がバルーカ城内の地理に詳しいこと
装備不要
内容…通常依頼の手伝い
最低保証報酬1人につき7000ルク
本日1日限定募集
その他…2階の待機所○○番のテーブルにこの用紙を持ってお越しください
こんな感じだろうか。
記入を終えた募集用紙を1階の掲示板に貼った。
そういや自分からパーティー募集するのは初めてだ。
ちょっとドキドキする。
募集してから20分ほど経過した時に声を掛けられた。
「君がこの募集をした人かい?」
「はい。7等級のツトムと申します」
「6等級のザルクだ。このパーティーのリーダーをしている。早速だが詳しい説明を聞かせてくれ」
ザルクさんは20代前半の剣士だ。他に男2人女1人の計4人のパーティーみたいだ。
4人に座ってもらってテーブルに浄化魔法を使う。
「このように自分は浄化魔法を使えますので清掃依頼を瞬時に終わらせることができます。なので皆さんには依頼を選んでもらったり、依頼場所に連れてってもらったりといったサポートをお願いしたいのです」
「具体的な方法についてはこの後説明しますが、ここまでで何か質問はありますか?」
「なぜこのようなやり方を? 君1人で依頼を受けたほうが儲かるのではないか?」
「昇格目的で依頼件数をこなす為です。金を稼ぐ為ではないからですね」
「それだとかなりの件数を消化することになると思うが魔力は大丈夫なのか?」
「自分の魔力は多いほうですし、現在魔力は満タンなので大丈夫ですよ」
「では具体的な説明に移ります。まず4人で順番を決めて頂きます。基本的な流れは前の人が受けた依頼の場所を覚えて、その場所に近い清掃依頼を受けて赴きます。現場で依頼人に後ほど浄化魔法の使い手が来ること、清掃すべき場所、その他注意すべきことがあれば聞いておいて、前の人の依頼場所に行き私を連れて来てください」
「私に現場に関する説明をして浄化魔法使用後に依頼人に確認してもらってサインを貰いギルドに戻ります。前の順番の人が依頼を受けて待機しているはずですので、その場所を覚えてそこに近い場所の依頼を受けての繰り返しとなります」
「注意すべき点が2点あります」
「まず1点目。私の浄化魔法は綺麗にするだけですので、片付けや整頓といった作業がある清掃依頼は受けないようにお願いします」
「2点目。先ほど言ったように件数を稼ぎたいので場所が近いことを最優先に清掃依頼を受けてください。報酬額は一切無視してもちろん7等級の掲示板からも探してください」
「それでは皆さんよろしくお願いします!!」
こうして浄化魔法で一気に清掃大作戦が始まった。
自分の役割は説明を受けて指示された場所に浄化魔法を使い、次の現場の依頼を受けているメンバーと共に移動するだけ。
非常に楽である。
メンバーが2周りした辺りから次の人が来るのを待つ時間が発生し始めるが、それでも良いペースだ。
報酬が足りなかったら最悪自腹で不足分を払うつもりでいたがそのような事にはならない状況なので一安心である。
途中昼休憩を挟んで活動を再開するが、ガクっとペースが落ちた。
条件に合う清掃依頼がなくなってしまったとのこと。
「俺達が常用している宿屋の店主に頼んで格安で清掃することを条件に依頼を複数出してもらうのはどうだろう?」
とザルクさんに提案された。
その宿屋の店主と仲が良いらしい。
試しに宿屋の空き室を浄化魔法で綺麗にして店主に見てもらった。
店主の了解が得られ厨房・食堂・1階ロビー・各階の男女トイレ・風呂・煙突・客室と分けて依頼を出してもらった。
1件につき1000ルクの報酬で10件である。
終了後にサービスで建物の外観を浄化魔法で綺麗にしたら凄く喜んでくれた。
店主に別の宿屋を紹介してもらい、そこでも同じようにして8件消化する。
予定していたより早いがギルドに戻ることにした。
パーティーメンバーからサイン済の依頼票を回収したら56枚もあった。
壁外ギルドの証明書も一緒に受付に提出する。
「6等級への昇格もお願いしたいのですが」
「承知致しました、ギルドカードを出してください」
受付嬢は俺からギルドカードを受け取ると、後ろの事務スペースで何やら手続きをして新しいカードを渡して来た。
「こちらが6等級のギルドカードとなります。昇格おめでとうございます」
拍手されるかと身構えていたがそんなことはなく、依頼票のチェックを始めた。
6等級のカードは7等級のより少しだけ大きい。
「こちらが今回の依頼の報酬となります」
107500ルクを受け取る。
「5等級への昇格試験ってすぐ受けられますか?」
「10000ルクの費用が掛かりますが受けれますよ」
ギルドからの評価がないと受けれないとかじゃなかったっけ?
今は一時的にザルクさんのパーティーに所属してる形だからかな。
「メンバーと相談してきます」
この際一気に昇格しておきたい。
ザルクさん達が待っているテーブルに行く。
「皆さんお疲れさまでした。こちらが今日の報酬となります」
21500ルクずつ渡していく。
「6等級にはなれたのかい?」
「おかげさまで昇格できました」
もらったばかりの6等級のギルドカードを見せる。
「「「おめでとう」」」
「ありがとうございます。提案なのですが、この後5等級への昇格試験を受けませんか? 費用は自分が出しますので」
「試験費用を出してくれるのはありがたいが……、昇格試験は5等級パーティーとの模擬戦だ。俺達の実力ではまだ厳しい」
俺1人で受けてもいいのだが、せっかくパーティー組んでいるのだしなんとか説得したいな。
今日は効率良く依頼をこなす為に臨時にパーティーを募集しようと考えている。
時間のかかる掲示板での依頼探しや場所探し、依頼人との折衝を他の人に任せる作戦だ。
上の6等級の清掃依頼も受けたいということもある。
城内ギルドに入ると依頼を探す冒険者でごった返していた。
皆依頼が貼られている掲示板を真剣な表情で見つめている。
そんな人混みをかき分けて受付に行き、パーティー募集の為の用紙をもらう。
ここに必要事項を記入して専用の掲示板に貼り出すのだ。
1階は混み過ぎているので、2階にある待機所に向かった。
募集…6等級パーティー
条件…3人~5人パーティーであること
メンバー全員がバルーカ城内の地理に詳しいこと
装備不要
内容…通常依頼の手伝い
最低保証報酬1人につき7000ルク
本日1日限定募集
その他…2階の待機所○○番のテーブルにこの用紙を持ってお越しください
こんな感じだろうか。
記入を終えた募集用紙を1階の掲示板に貼った。
そういや自分からパーティー募集するのは初めてだ。
ちょっとドキドキする。
募集してから20分ほど経過した時に声を掛けられた。
「君がこの募集をした人かい?」
「はい。7等級のツトムと申します」
「6等級のザルクだ。このパーティーのリーダーをしている。早速だが詳しい説明を聞かせてくれ」
ザルクさんは20代前半の剣士だ。他に男2人女1人の計4人のパーティーみたいだ。
4人に座ってもらってテーブルに浄化魔法を使う。
「このように自分は浄化魔法を使えますので清掃依頼を瞬時に終わらせることができます。なので皆さんには依頼を選んでもらったり、依頼場所に連れてってもらったりといったサポートをお願いしたいのです」
「具体的な方法についてはこの後説明しますが、ここまでで何か質問はありますか?」
「なぜこのようなやり方を? 君1人で依頼を受けたほうが儲かるのではないか?」
「昇格目的で依頼件数をこなす為です。金を稼ぐ為ではないからですね」
「それだとかなりの件数を消化することになると思うが魔力は大丈夫なのか?」
「自分の魔力は多いほうですし、現在魔力は満タンなので大丈夫ですよ」
「では具体的な説明に移ります。まず4人で順番を決めて頂きます。基本的な流れは前の人が受けた依頼の場所を覚えて、その場所に近い清掃依頼を受けて赴きます。現場で依頼人に後ほど浄化魔法の使い手が来ること、清掃すべき場所、その他注意すべきことがあれば聞いておいて、前の人の依頼場所に行き私を連れて来てください」
「私に現場に関する説明をして浄化魔法使用後に依頼人に確認してもらってサインを貰いギルドに戻ります。前の順番の人が依頼を受けて待機しているはずですので、その場所を覚えてそこに近い場所の依頼を受けての繰り返しとなります」
「注意すべき点が2点あります」
「まず1点目。私の浄化魔法は綺麗にするだけですので、片付けや整頓といった作業がある清掃依頼は受けないようにお願いします」
「2点目。先ほど言ったように件数を稼ぎたいので場所が近いことを最優先に清掃依頼を受けてください。報酬額は一切無視してもちろん7等級の掲示板からも探してください」
「それでは皆さんよろしくお願いします!!」
こうして浄化魔法で一気に清掃大作戦が始まった。
自分の役割は説明を受けて指示された場所に浄化魔法を使い、次の現場の依頼を受けているメンバーと共に移動するだけ。
非常に楽である。
メンバーが2周りした辺りから次の人が来るのを待つ時間が発生し始めるが、それでも良いペースだ。
報酬が足りなかったら最悪自腹で不足分を払うつもりでいたがそのような事にはならない状況なので一安心である。
途中昼休憩を挟んで活動を再開するが、ガクっとペースが落ちた。
条件に合う清掃依頼がなくなってしまったとのこと。
「俺達が常用している宿屋の店主に頼んで格安で清掃することを条件に依頼を複数出してもらうのはどうだろう?」
とザルクさんに提案された。
その宿屋の店主と仲が良いらしい。
試しに宿屋の空き室を浄化魔法で綺麗にして店主に見てもらった。
店主の了解が得られ厨房・食堂・1階ロビー・各階の男女トイレ・風呂・煙突・客室と分けて依頼を出してもらった。
1件につき1000ルクの報酬で10件である。
終了後にサービスで建物の外観を浄化魔法で綺麗にしたら凄く喜んでくれた。
店主に別の宿屋を紹介してもらい、そこでも同じようにして8件消化する。
予定していたより早いがギルドに戻ることにした。
パーティーメンバーからサイン済の依頼票を回収したら56枚もあった。
壁外ギルドの証明書も一緒に受付に提出する。
「6等級への昇格もお願いしたいのですが」
「承知致しました、ギルドカードを出してください」
受付嬢は俺からギルドカードを受け取ると、後ろの事務スペースで何やら手続きをして新しいカードを渡して来た。
「こちらが6等級のギルドカードとなります。昇格おめでとうございます」
拍手されるかと身構えていたがそんなことはなく、依頼票のチェックを始めた。
6等級のカードは7等級のより少しだけ大きい。
「こちらが今回の依頼の報酬となります」
107500ルクを受け取る。
「5等級への昇格試験ってすぐ受けられますか?」
「10000ルクの費用が掛かりますが受けれますよ」
ギルドからの評価がないと受けれないとかじゃなかったっけ?
今は一時的にザルクさんのパーティーに所属してる形だからかな。
「メンバーと相談してきます」
この際一気に昇格しておきたい。
ザルクさん達が待っているテーブルに行く。
「皆さんお疲れさまでした。こちらが今日の報酬となります」
21500ルクずつ渡していく。
「6等級にはなれたのかい?」
「おかげさまで昇格できました」
もらったばかりの6等級のギルドカードを見せる。
「「「おめでとう」」」
「ありがとうございます。提案なのですが、この後5等級への昇格試験を受けませんか? 費用は自分が出しますので」
「試験費用を出してくれるのはありがたいが……、昇格試験は5等級パーティーとの模擬戦だ。俺達の実力ではまだ厳しい」
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