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ハロー、アメリカ
第160話 給食を食べます
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本当なら給食の時間は自分の席で食べることになっている。
けれど、私たちのクラスは前の担任がそれほど厳しくなかったこともあり、席を交換し合っていた。男子は男子同士、女子は女子同士で固まって食べることが多い。
南波湊ちゃんは前から二列目に座っている。
湊ちゃんは、黒髪ボブカットで真面目なタイプ。勉強もそこそこできて、クラスでは上位のほう。真面目そうに見えて、実は恋バナが好きだったりする。
だけど、自分自身は恋愛が奥手で、自分のことは語らない。私のことをからかってくることはあっても、誰が気になっているのかは教えてくれない。
湊ちゃんはたぶん自分の恋愛については触れてほしくないタイプだと思っている。
二人きりの時に、春日井君のことを話題にしようとすると、湊ちゃんはさりげなく方向を変えてくる。だからまあ、私は春日井君なんじゃないのかな、とは思っている。
私たちが近くに来るまで、湊ちゃんはずっとこちらに背を向けていた。
一番仲が良い友だちであり、湊ちゃんに対しては下の名前で呼び捨てだ。
少しだけ緊張しながら声をかけた。
「湊ー。いっしょに食べようか。ミリアもいっしょにいい?」
「あ、春菜。もちろん、いいよ」
振り向いた湊ちゃんの顔は明るかった。
授業中も休み時間も、ずっと席に座ったままで負のオーラを纏っているように感じていた。
どうやら私の思い過ごしだったようだ。振り向いた湊ちゃんは、いつもの湊ちゃんだった。
私は湊ちゃんとミリアに、お互いを紹介する。
「この子は友だちの南波湊ちゃん。それから、こっちがミリア。アメリカから来たということになっているけど、まあ、実際は日本にいた時間のほうが長いんだけど」
「知っているよ。自己紹介したんだから。春菜の親戚でしょ? よろしくね、ミリアちゃん」
「よろしくなのです。湊」
湊ちゃんはミリアのことを『ちゃん』付けで呼んだ。一方で、ミリアのほうでは下の名前で呼び捨てだ。
私たちの間では本当に親しくなった時に呼び捨てになる傾向がある。
ミリアは誰に対しても『ちゃん』付けで呼ぶことはないようだ。ミリアの場合、関係性が変わってくると、私を呼ぶように『お姉様』とつけたり、エリ先生のように『先生』などの敬称がつくようだ。
とりあえず、いつもの湊ちゃんと変わらないようで安心した。
私たちは机を合わせ、他の友だちも一緒に給食の準備をした。
今日のメニューはカレーライスだった。
ダンジョンでも携行食としてレトルトカレーはよく食べられている。カレーは非常食としても必需品だ。
ダンジョンハンターでなくても、カレーが嫌いな人なんていないし、人類として生まれたからには、カレーが嫌いなら生きていくことなんてできない。
カレーのない人生なんてあり得ないし、カレーこそが人類における至高の食品である。カレーなくして人生なし、なんて名言もあるくらいだ。(私が今作った)
何が言いたいかと言うと、つまり、カレーは私の大好物だということだ。
そんなカレーを前にして、湊ちゃんはなぜだかフォークを握っていた。
添えられているサラダにでも手を伸ばすのかと思ったが、カレーの中にある人参やらじゃがいもを刻んでいる。
なんとなく、授業中や休み時間に感じた負のオーラをここでも感じてしまった。
「湊、なんかさ。怒っている? 機嫌が悪かったりしない?」
カレーの中にある具材をぐさりぐさりとフォークで刺していた湊ちゃんは、顔を上げて笑みを作った。
「私は別に怒ってない。まったく、怒ってなんかいないんだよ。機嫌も悪くはないんだよ」
そう言いながら、手元のフォークは止まっていない。気のせいか、目から精気がなくなっているようにも感じた。
「湊、あのさ、何と言うかさ、私、別に春日井君とはなんでもないんだし、ミリアが変なことを言って、ちょっとクラスが盛り上がっちゃったというか」
湊ちゃんのフォークの動きが早くなる。
「春菜の口から、どうして春日井君が出てくるんだろう。なんだか、よくわからないなあ。私、全然、関係ないしい。なんなら、もっと仲良くしてもいいんだよお、別にねえ。でもさあ……」
煮えきらないような言葉の湊ちゃん。フォークが止まった。
「別に、春菜が誰と付き合おうといいんだけどさ。彼氏ができたら教えてほしいんだよ」
唇を尖らせながら、湊ちゃんは私に言ってくる。
「だってさ、そうしたら、春日井君に彼女ができるってことでしょ。そうしたら春日井君のことが好きな人は彼のことを諦められるじゃない? だって春菜と春日井君が付き合ったら諦めるしかないわけだし、ちゃんと教えてくれないと嫌だなって、ただそれだけなんだし」
ここにきてようやくいつもの湊ちゃんに戻ってきた。
「つまり、湊は怒っていたわけじゃないんだね?」
「別に私は怒ってない。春菜に彼氏ができたら教えて欲しい。ミリアちゃんの次でもいいからさ。それだけだよ」
「ああ、なるほど。ミリアが本当の親戚だと思っていて、ミリアに春日井君のことを話していたと思ったわけか」
私は湊ちゃんに説明する。
「まず、春日井君とはなんともないし、ミリアは何も知らない。ミリアが勝手に未来の伴侶とか言い出しただけだよ」
「そうなの?」
湊ちゃんに同調するように、ミリアも私に訊ねてきた。
「違うのですか? お姉様?」
まだカレーを一口も食べていないミリアが、椅子に座って背筋を伸ばしている。ミリアに対しても誤解を解いておかないといけない。
「違うよ、違うからね。ミリア」
「でも、お姉様とあんなに近くにおりました。嫁入り前のお姉様が近くに置くような男なのです」
「学校の席は勝手に決められるの。私が選んだわけじゃない」
「なるほど」
わかっているのか、わかっていないのか、ミリアは首を傾けている。
「ということで、春日井君は将来の旦那でも未来の伴侶でもないの。わかった?」
「では、愛の結晶はできないのですね。ミリアは楽しみにしていたのですが」
「できない!」
「すると、お姉様の想い人はどなたなのでしょう?」
ミリアは立ち上がり、教室中を見回し始めた。クラスのみんなの視線が一斉に集まった。
「いないから! そんな人!」
私は無理やりミリアを座らせる。
「いいから、カレーを食べよう。今日の給食はカレーなんだよ。初めての給食がカレーなんて、とんでもない幸運じゃない。さあ、スプーンを持って」
ミリアはカレーに視線を落とす。
「バナナは入っていますか?」
その質問には、私の代わりに湊ちゃんが応えてくれる。
「バナナは入っていないかな。おいしいよ、アメリカではカレーは食べないのかな?」
「食べたことないです」
「じゃあ、食べてみようよ」
湊ちゃんがミリアに食べるように促す。
「しかし、ミリアのセンサーには危険信号が灯っているのです」
「大丈夫、おいしいよ」
「では……」
ミリアはスプーンを手にとり、カレーのルーだけをすくって口に運んだ。
「ぱくり」
ミリアに異変がおきた。
鼻から強く息を吐き、額から一気に汗を吹き出す。目を見開いて、口を大きく空けて、はあはあと呼吸する。
「か……」
「か?」
湊ちゃんがミリアの「か」を繰り返す。
ミリアの口からカレーがだらっと落ちた。
「辛い……。辛いのです……。この世の終わりのような辛さなのです……。まるで、地獄の拷問を受けたかのようなものなのです。とても、飲み込むことなどできないのです……。口の中にファイアーボールを打ち込まれたようなのです……。口の中が燃えているようなのです……」
「どちらかというと、甘口なんだけれどな」
「ミリアはシュークリームとかドーナツとか、たい焼きとかどら焼きじゃないと食べられないのです。あとはクレープとかチョコレートとか、アンパンにクリームパンなら食べられるのです」
私は自分の席に戻り、バッグを持ってくる。
バナナをバッグから取り出し、どん、とミリアの前に置く。
大きな房のバナナは、十本以上あった。
「だから、バナナを持って行けと、お兄ちゃんは言ったのか……。さすが、お兄ちゃん……」
けれど、私たちのクラスは前の担任がそれほど厳しくなかったこともあり、席を交換し合っていた。男子は男子同士、女子は女子同士で固まって食べることが多い。
南波湊ちゃんは前から二列目に座っている。
湊ちゃんは、黒髪ボブカットで真面目なタイプ。勉強もそこそこできて、クラスでは上位のほう。真面目そうに見えて、実は恋バナが好きだったりする。
だけど、自分自身は恋愛が奥手で、自分のことは語らない。私のことをからかってくることはあっても、誰が気になっているのかは教えてくれない。
湊ちゃんはたぶん自分の恋愛については触れてほしくないタイプだと思っている。
二人きりの時に、春日井君のことを話題にしようとすると、湊ちゃんはさりげなく方向を変えてくる。だからまあ、私は春日井君なんじゃないのかな、とは思っている。
私たちが近くに来るまで、湊ちゃんはずっとこちらに背を向けていた。
一番仲が良い友だちであり、湊ちゃんに対しては下の名前で呼び捨てだ。
少しだけ緊張しながら声をかけた。
「湊ー。いっしょに食べようか。ミリアもいっしょにいい?」
「あ、春菜。もちろん、いいよ」
振り向いた湊ちゃんの顔は明るかった。
授業中も休み時間も、ずっと席に座ったままで負のオーラを纏っているように感じていた。
どうやら私の思い過ごしだったようだ。振り向いた湊ちゃんは、いつもの湊ちゃんだった。
私は湊ちゃんとミリアに、お互いを紹介する。
「この子は友だちの南波湊ちゃん。それから、こっちがミリア。アメリカから来たということになっているけど、まあ、実際は日本にいた時間のほうが長いんだけど」
「知っているよ。自己紹介したんだから。春菜の親戚でしょ? よろしくね、ミリアちゃん」
「よろしくなのです。湊」
湊ちゃんはミリアのことを『ちゃん』付けで呼んだ。一方で、ミリアのほうでは下の名前で呼び捨てだ。
私たちの間では本当に親しくなった時に呼び捨てになる傾向がある。
ミリアは誰に対しても『ちゃん』付けで呼ぶことはないようだ。ミリアの場合、関係性が変わってくると、私を呼ぶように『お姉様』とつけたり、エリ先生のように『先生』などの敬称がつくようだ。
とりあえず、いつもの湊ちゃんと変わらないようで安心した。
私たちは机を合わせ、他の友だちも一緒に給食の準備をした。
今日のメニューはカレーライスだった。
ダンジョンでも携行食としてレトルトカレーはよく食べられている。カレーは非常食としても必需品だ。
ダンジョンハンターでなくても、カレーが嫌いな人なんていないし、人類として生まれたからには、カレーが嫌いなら生きていくことなんてできない。
カレーのない人生なんてあり得ないし、カレーこそが人類における至高の食品である。カレーなくして人生なし、なんて名言もあるくらいだ。(私が今作った)
何が言いたいかと言うと、つまり、カレーは私の大好物だということだ。
そんなカレーを前にして、湊ちゃんはなぜだかフォークを握っていた。
添えられているサラダにでも手を伸ばすのかと思ったが、カレーの中にある人参やらじゃがいもを刻んでいる。
なんとなく、授業中や休み時間に感じた負のオーラをここでも感じてしまった。
「湊、なんかさ。怒っている? 機嫌が悪かったりしない?」
カレーの中にある具材をぐさりぐさりとフォークで刺していた湊ちゃんは、顔を上げて笑みを作った。
「私は別に怒ってない。まったく、怒ってなんかいないんだよ。機嫌も悪くはないんだよ」
そう言いながら、手元のフォークは止まっていない。気のせいか、目から精気がなくなっているようにも感じた。
「湊、あのさ、何と言うかさ、私、別に春日井君とはなんでもないんだし、ミリアが変なことを言って、ちょっとクラスが盛り上がっちゃったというか」
湊ちゃんのフォークの動きが早くなる。
「春菜の口から、どうして春日井君が出てくるんだろう。なんだか、よくわからないなあ。私、全然、関係ないしい。なんなら、もっと仲良くしてもいいんだよお、別にねえ。でもさあ……」
煮えきらないような言葉の湊ちゃん。フォークが止まった。
「別に、春菜が誰と付き合おうといいんだけどさ。彼氏ができたら教えてほしいんだよ」
唇を尖らせながら、湊ちゃんは私に言ってくる。
「だってさ、そうしたら、春日井君に彼女ができるってことでしょ。そうしたら春日井君のことが好きな人は彼のことを諦められるじゃない? だって春菜と春日井君が付き合ったら諦めるしかないわけだし、ちゃんと教えてくれないと嫌だなって、ただそれだけなんだし」
ここにきてようやくいつもの湊ちゃんに戻ってきた。
「つまり、湊は怒っていたわけじゃないんだね?」
「別に私は怒ってない。春菜に彼氏ができたら教えて欲しい。ミリアちゃんの次でもいいからさ。それだけだよ」
「ああ、なるほど。ミリアが本当の親戚だと思っていて、ミリアに春日井君のことを話していたと思ったわけか」
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「まず、春日井君とはなんともないし、ミリアは何も知らない。ミリアが勝手に未来の伴侶とか言い出しただけだよ」
「そうなの?」
湊ちゃんに同調するように、ミリアも私に訊ねてきた。
「違うのですか? お姉様?」
まだカレーを一口も食べていないミリアが、椅子に座って背筋を伸ばしている。ミリアに対しても誤解を解いておかないといけない。
「違うよ、違うからね。ミリア」
「でも、お姉様とあんなに近くにおりました。嫁入り前のお姉様が近くに置くような男なのです」
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「ということで、春日井君は将来の旦那でも未来の伴侶でもないの。わかった?」
「では、愛の結晶はできないのですね。ミリアは楽しみにしていたのですが」
「できない!」
「すると、お姉様の想い人はどなたなのでしょう?」
ミリアは立ち上がり、教室中を見回し始めた。クラスのみんなの視線が一斉に集まった。
「いないから! そんな人!」
私は無理やりミリアを座らせる。
「いいから、カレーを食べよう。今日の給食はカレーなんだよ。初めての給食がカレーなんて、とんでもない幸運じゃない。さあ、スプーンを持って」
ミリアはカレーに視線を落とす。
「バナナは入っていますか?」
その質問には、私の代わりに湊ちゃんが応えてくれる。
「バナナは入っていないかな。おいしいよ、アメリカではカレーは食べないのかな?」
「食べたことないです」
「じゃあ、食べてみようよ」
湊ちゃんがミリアに食べるように促す。
「しかし、ミリアのセンサーには危険信号が灯っているのです」
「大丈夫、おいしいよ」
「では……」
ミリアはスプーンを手にとり、カレーのルーだけをすくって口に運んだ。
「ぱくり」
ミリアに異変がおきた。
鼻から強く息を吐き、額から一気に汗を吹き出す。目を見開いて、口を大きく空けて、はあはあと呼吸する。
「か……」
「か?」
湊ちゃんがミリアの「か」を繰り返す。
ミリアの口からカレーがだらっと落ちた。
「辛い……。辛いのです……。この世の終わりのような辛さなのです……。まるで、地獄の拷問を受けたかのようなものなのです。とても、飲み込むことなどできないのです……。口の中にファイアーボールを打ち込まれたようなのです……。口の中が燃えているようなのです……」
「どちらかというと、甘口なんだけれどな」
「ミリアはシュークリームとかドーナツとか、たい焼きとかどら焼きじゃないと食べられないのです。あとはクレープとかチョコレートとか、アンパンにクリームパンなら食べられるのです」
私は自分の席に戻り、バッグを持ってくる。
バナナをバッグから取り出し、どん、とミリアの前に置く。
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