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新しいダンジョン
第124話 新しいダンジョン
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ミリアにもう1台のダンジョンタブレットを渡した。やったー、と無邪気に喜んでいる。
世界に2台しかないタブレットだ。これは私とミリアだけの特別のデバイスだ。
「春菜お姉様。ミリアもダンジョンチューバーになれるのですね?」
「ダンジョンチューバーになるの?」
配信をしたいということなので、ミリアの耳に小型のカメラを装着する。タブレットは大きいので手に持っての撮影がやりにくい。こうしてカメラを体のどこかに身につけることで、タブレットに煩わされることなく配信することができる。
「ミリア、絶対に春菜お姉様のようなダンジョンアイドルになりますです。ミリアはお姉様が目標なのです」
「えっと。私はただの女子中学生だよ。アイドルなんかじゃないからね」
「いいえ、ミリアは知っているのです。ただの女子中学生と思わせ、その正体は……」
「正体?」
「ダンジョンの覇王。しかも邪眼持ち」
「違うからね」
「では、女王? 魔王? 邪神? 魔神?」
「違うよ」
「55chの掲示板では、春菜お姉様がダンジョンを支配すると有名なのです」
「どこでそんな情報を。ガセネタでしょう」
「ミリア、さっき、誘拐犯のスマホで調べましたです」
「そんな書き込みあるわけ……。……。あったわ……」
55chは有名な巨大掲示板だ。芸能ゴシップから社会問題まで幅広い話題のスレッドが存在する。
「ぐうう。誰がこんな書き込みを……」
「芸能欄に、春菜お姉様の情報がないのです」
「あるわけがないから」
「ちょっといいかしら」
瑞稀社長が声をかけてきた。
「GPS信号がジャミングされていて、早く移動しないと都合が悪いのよ。周囲にはミリアを監視しているハンターもいるはず。ヘリで東京へ戻りましょう」
それを聞いて、尚人さんが手を振った。
「じゃあ、オレ達はこれで」
「じゃねー。春菜ちゃん、ミリアちゃん、またねー」
尚人さんと若菜さんが手を振りながら去っていく。残っていた仲間たちもぞろぞろとあとをついて行った。
「悪いわね。急がせて」
「いいえ」
「じゃあ、私たちも移動しましょうか」
「待ってください。様子がおかしいです」
SPの男性が私たちの前に立つ。何かから守ろうとするように、手でガードをしていた。
ダンジョンタブレットで地図情報を見ると、現在地が正確に表示されていた。GPS信号を正常に受信しているようだ。
『――我が主よ。非常にまずいことになっている。GPS信号が正常だ』
突然しゃべりだしたタブレットに、私は聞き返す。
「まずい? いいことではなくて?」
『GPSのジャミングが中断されたということは、ミリアを監視していたダンジョン管理協会のハンターが殺された可能性がある』
「え? ハンターが? そんなことって……」
瑞稀社長が小さな声で呟く。
「アメリカ軍。もしくは、ロシア軍……」
「え?」
「ミリアちゃんを狙っているのではないかと情報があったの。ハンターをやったのは、サイレンサー付きの銃かライフルの可能性があるわ」
「注意してください。私たちも狙われているはずです。こうなったら……」
SPの男性の言葉に瑞稀社長が続く。
「こうなったら、ミリアちゃんを盾にして、なんとか切り抜けるしかないわね」
私はミリアに問いかける。
「ミリア、完全魅了は使えない?」
「相手の姿が見えないと無理なの」
「とにかく、どこかに身を隠しましょう」
瑞稀社長の提案を聞きながら、私の頭の中には音声が流れた。
――ダンジョンシミュレーター起動
頭の中で鳴り響いた無機質な音声。非常時にはお兄ちゃんが覚醒スキルを使えるようにしてくれていた。それが自動的に起動したようだ。
何も記憶には残っていないが、残るかすかな違和感。
無意識に、口から言葉が溢れる。
「2時と4時の方角」
私たちが移動しようと足を進めた先の斜め前方と斜め後方。
右側から同時に小さな音がした。
私は瑞稀社長にとびかかり、いっしょになって倒れ込んだ。
SPの男性は助けきれず、彼の腕を銃弾がかすめる。
「うっ」
ちいさく呻いてSPは腕を抑えた。血が流れている。
「ミリア!」
「お姉様!」
阿吽の呼吸で、私とミリアは同時に動き出す。私が指し示した方向をミリアは見据える。
何度か銃弾が打ち込まれてくる。それをミリアが防ぐ。
私たちは懸命に走る。
時刻は16時。そろそろ薄暗くなる頃だ。
ミリアは飛んでくる銃弾が見えているのだろうか。
「見えるの? ミリア?」
「見えないよ。お姉様が飛んでくる方向を教えてくれたから、なんとか」
ミリアの目でも銃弾は捉えきれていない。
現代の兵器が脅威であることは変わらない。
ダンジョンハンターであっても、私は撃たれたら死ぬか重症だ。
今は走って逃げることしかできない。
「利き腕を撃たれたので、私は銃が使えません……」
本来であれば銃で反撃しながら逃げるところだ。
悔しそうにSPは腕を抑えながら言った。
魔法が使えたら、私も反撃ができたのに。
何もできないもどかしさを感じた。
お兄ちゃんは私の覚醒スキルは非常事態に自動的に使えるようにしてくれている。
今はその非常事態のはずだ。
覚醒レベル4になって獲得したユニークスキルがある。『召喚』だ
倒したことのあるモンスターを呼び出すことができる。
だが、ここはダンジョンの外だ。
こんなところでモンスターを呼び出していいものか?
走りながらも、迷っている時間はなかった。使うしかないのだ。
「スキル! 『召喚!』」
私は叫んだ。
これまでに倒したことのあるモンスター。望むモンスターを選択的に召喚することができる。
だが、私はとっさにどのモンスターを呼び出したらいいのか判断ができなかった。どのモンスターでもいいと思ってしまったのだ。
当然、モンスターはランダムで選ばれることになる。
私はおろかな選択をしたのだろうか?
出現したモンスター。それは……
220階層に降り、そこで最後に倒したモンスターだ。
階層主その1のミミックを倒し、階層主その2の扉を倒し、そして最後に出現したモンスターハウス。
220階層そのものがモンスターハウスとなって襲ってきた。
――イレギュラー
――エラー発生
頭の中で機械的な音声が流れる。
目の前の空間が激しく歪む。
足元の地面が消える。
周囲の景色が不気味な灰色のグラデーションに代わり、ぐにゃぐにゃに溶けていく。
――ダンジョンが出現しました
220階層をこの世界に呼び出そうとしてしまった私は新しいダンジョンを生み出してしまった。
私はダンジョンの中に放り込まれる。ミリア、瑞稀社長、SPの男性もいっしょだ。
そしておそらくは、私たちを襲ってきた他国の軍人も巻き込んで。
世界に2台しかないタブレットだ。これは私とミリアだけの特別のデバイスだ。
「春菜お姉様。ミリアもダンジョンチューバーになれるのですね?」
「ダンジョンチューバーになるの?」
配信をしたいということなので、ミリアの耳に小型のカメラを装着する。タブレットは大きいので手に持っての撮影がやりにくい。こうしてカメラを体のどこかに身につけることで、タブレットに煩わされることなく配信することができる。
「ミリア、絶対に春菜お姉様のようなダンジョンアイドルになりますです。ミリアはお姉様が目標なのです」
「えっと。私はただの女子中学生だよ。アイドルなんかじゃないからね」
「いいえ、ミリアは知っているのです。ただの女子中学生と思わせ、その正体は……」
「正体?」
「ダンジョンの覇王。しかも邪眼持ち」
「違うからね」
「では、女王? 魔王? 邪神? 魔神?」
「違うよ」
「55chの掲示板では、春菜お姉様がダンジョンを支配すると有名なのです」
「どこでそんな情報を。ガセネタでしょう」
「ミリア、さっき、誘拐犯のスマホで調べましたです」
「そんな書き込みあるわけ……。……。あったわ……」
55chは有名な巨大掲示板だ。芸能ゴシップから社会問題まで幅広い話題のスレッドが存在する。
「ぐうう。誰がこんな書き込みを……」
「芸能欄に、春菜お姉様の情報がないのです」
「あるわけがないから」
「ちょっといいかしら」
瑞稀社長が声をかけてきた。
「GPS信号がジャミングされていて、早く移動しないと都合が悪いのよ。周囲にはミリアを監視しているハンターもいるはず。ヘリで東京へ戻りましょう」
それを聞いて、尚人さんが手を振った。
「じゃあ、オレ達はこれで」
「じゃねー。春菜ちゃん、ミリアちゃん、またねー」
尚人さんと若菜さんが手を振りながら去っていく。残っていた仲間たちもぞろぞろとあとをついて行った。
「悪いわね。急がせて」
「いいえ」
「じゃあ、私たちも移動しましょうか」
「待ってください。様子がおかしいです」
SPの男性が私たちの前に立つ。何かから守ろうとするように、手でガードをしていた。
ダンジョンタブレットで地図情報を見ると、現在地が正確に表示されていた。GPS信号を正常に受信しているようだ。
『――我が主よ。非常にまずいことになっている。GPS信号が正常だ』
突然しゃべりだしたタブレットに、私は聞き返す。
「まずい? いいことではなくて?」
『GPSのジャミングが中断されたということは、ミリアを監視していたダンジョン管理協会のハンターが殺された可能性がある』
「え? ハンターが? そんなことって……」
瑞稀社長が小さな声で呟く。
「アメリカ軍。もしくは、ロシア軍……」
「え?」
「ミリアちゃんを狙っているのではないかと情報があったの。ハンターをやったのは、サイレンサー付きの銃かライフルの可能性があるわ」
「注意してください。私たちも狙われているはずです。こうなったら……」
SPの男性の言葉に瑞稀社長が続く。
「こうなったら、ミリアちゃんを盾にして、なんとか切り抜けるしかないわね」
私はミリアに問いかける。
「ミリア、完全魅了は使えない?」
「相手の姿が見えないと無理なの」
「とにかく、どこかに身を隠しましょう」
瑞稀社長の提案を聞きながら、私の頭の中には音声が流れた。
――ダンジョンシミュレーター起動
頭の中で鳴り響いた無機質な音声。非常時にはお兄ちゃんが覚醒スキルを使えるようにしてくれていた。それが自動的に起動したようだ。
何も記憶には残っていないが、残るかすかな違和感。
無意識に、口から言葉が溢れる。
「2時と4時の方角」
私たちが移動しようと足を進めた先の斜め前方と斜め後方。
右側から同時に小さな音がした。
私は瑞稀社長にとびかかり、いっしょになって倒れ込んだ。
SPの男性は助けきれず、彼の腕を銃弾がかすめる。
「うっ」
ちいさく呻いてSPは腕を抑えた。血が流れている。
「ミリア!」
「お姉様!」
阿吽の呼吸で、私とミリアは同時に動き出す。私が指し示した方向をミリアは見据える。
何度か銃弾が打ち込まれてくる。それをミリアが防ぐ。
私たちは懸命に走る。
時刻は16時。そろそろ薄暗くなる頃だ。
ミリアは飛んでくる銃弾が見えているのだろうか。
「見えるの? ミリア?」
「見えないよ。お姉様が飛んでくる方向を教えてくれたから、なんとか」
ミリアの目でも銃弾は捉えきれていない。
現代の兵器が脅威であることは変わらない。
ダンジョンハンターであっても、私は撃たれたら死ぬか重症だ。
今は走って逃げることしかできない。
「利き腕を撃たれたので、私は銃が使えません……」
本来であれば銃で反撃しながら逃げるところだ。
悔しそうにSPは腕を抑えながら言った。
魔法が使えたら、私も反撃ができたのに。
何もできないもどかしさを感じた。
お兄ちゃんは私の覚醒スキルは非常事態に自動的に使えるようにしてくれている。
今はその非常事態のはずだ。
覚醒レベル4になって獲得したユニークスキルがある。『召喚』だ
倒したことのあるモンスターを呼び出すことができる。
だが、ここはダンジョンの外だ。
こんなところでモンスターを呼び出していいものか?
走りながらも、迷っている時間はなかった。使うしかないのだ。
「スキル! 『召喚!』」
私は叫んだ。
これまでに倒したことのあるモンスター。望むモンスターを選択的に召喚することができる。
だが、私はとっさにどのモンスターを呼び出したらいいのか判断ができなかった。どのモンスターでもいいと思ってしまったのだ。
当然、モンスターはランダムで選ばれることになる。
私はおろかな選択をしたのだろうか?
出現したモンスター。それは……
220階層に降り、そこで最後に倒したモンスターだ。
階層主その1のミミックを倒し、階層主その2の扉を倒し、そして最後に出現したモンスターハウス。
220階層そのものがモンスターハウスとなって襲ってきた。
――イレギュラー
――エラー発生
頭の中で機械的な音声が流れる。
目の前の空間が激しく歪む。
足元の地面が消える。
周囲の景色が不気味な灰色のグラデーションに代わり、ぐにゃぐにゃに溶けていく。
――ダンジョンが出現しました
220階層をこの世界に呼び出そうとしてしまった私は新しいダンジョンを生み出してしまった。
私はダンジョンの中に放り込まれる。ミリア、瑞稀社長、SPの男性もいっしょだ。
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