どうして小説が書けないのか？ どうすれば小説を書けるのか？

５６日目 なぜ、がんばれないのか？ その３

執筆に限らず、受験勉強や試験勉強、スポーツの練習、ジョギング、ダイエット、と、がんばりたいことは人それぞれにあると思います。

感情に従えば方向性がわかり、うまくいきます。そして、思考に邪魔されないようにします。ところが、このことがわかっていても、おそらくは思うようにがんばれないと思います。

この原因は人それぞれであって、その人ごとに違います。

もしも思うようにがんばることができたとしたら、さまざまなことを達成して、思い通りの人生を生きられると思ってしまいます。ここにも一つの罠があります。

例えば、お金があったら幸せ、成功したら幸せ、と考えてしまいます。同じように、自分を思い通りにコントロールして努力して、思い通りに結果を出すことができたら幸せだと考えます。

確かに思い通りに人生が進めば、それは幸せかもしれません。ですが、その「思い通り」がそもそものまやかしです。

あれが実現したら、これが実現したら、ああなったら、こうなったら、私たちは幸せだと考えます。ですが、その状態は絶対にやって来ません。

ここで５４日目に書いた「その１」に戻ってきます。

いつまで経ってもその状態になることはありません。目の前にぶら下げられた人参です。絶対に到達し得ない、架空の幸せだからです。

私たちの思考が考える幸せは、隅から隅まで、真っ白で透き通った幸せです。そこには一点の曇りもなく、完璧で、問題も起こらず、不安や心配もありません。

ところが、お金持ちや成功者を考えてみるとわかります。彼らは私たちと何もかわらない、同じ人間です。私たちと同じように、毎日の雑事があって、面倒事があって、人間関係があって、支払わなければならない出費があって、掃除もするし、風呂も入るし、風邪も引くし、トイレにも行きます。お腹を壊して下痢をすることもあります。

ちょっと話がずれますけれど、先日、私はこれまでに経験したことのない最大級の腹痛を起こしました。いやあ、単なる下痢なんですけれどね。今まで生きてきた最大の痛さでした。人間ってこんなに腹が痛くなることもあるんだ、というほどです。

だから、何が言いたいかと言いますと、どんなに成功者であってもお金持ちであっても、私たちと同じ人間であって、お金があってもなくても関係はないんです。私が経験したような壮絶な苦しみを避けることはできません。（ほんとにやばい腹痛だった）

それなのに思考は曇りなき完璧な状態があるかのように考えます。５４日目に書いたように、理想の状態でがんばれると思ってしまいます。ところがそれは絶対にやってきません。

ここで５４日目に戻るというループを繰り返していきます。
がんばろう、がんばろう、としている人はこのループを繰り返します。
このループから抜け出さなくてはなりません。