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52日目 スランプについて
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そう言えば、このエッセイでスランプについて触れていなかった気がします。
それっぽいことは書いていますが、直接的にスランプについては語っていませんでした。
スランプには様々なタイプがあると思われます。一般論で語ってもあまり意味がないでしょうから、私個人のことで話してみようと思います。
まず、原因が明確なケースがあります。
これは厄介と言えば厄介なのですが、原因を取り除けばスランプからも抜け出せます。
私の場合は現実の生活で嫌なことがあったとか、メンタル的な不調を抱えていたとかです。書けなくなってしまうことでスランプに陥っていると思ってしまいますが、原因が明確になった時点でスランプとは呼ばないでしょう。原因がなくなれば、やがて書けるようになります。
本物のスランプはもっと原因がわからず、迷宮入りしてしまうような厄介な奴です。
原因がわからず、なぜだか書けない、筆が進まない。そんな状態をスランプと呼ぶと思います。
それで、私個人のケースで話をしてみます。これを読まれている方には当てはまらないかも知れませんし、もしかしたら当てはまるかも知れません。
このスランプの発生理由として、そもそも、壮大な勘違いがあるということがあります。どういうことかと言いますと、脳による都合の良い解釈がスランプを生み出してしまっているということです。
それまで調子よく書けていたときがあります。一日に数千字、あるいは一万字を超えて書くことができ、次々アイデアが浮かんで、思い通りに筆が進むときです。こうした状態がしばらく続くと、それが自分の実力だと勘違いし、通常運転の自分の状態だと思い込みます。
ところが、それは特別な状態です。苦しみながら書いたり、悩みながら書いたり、うんうん唸っている状態こそが自分の通常状態なのに、調子よく書けている姿を本当の自分だと信じ込みます。
これはバイアスがかかっている状態です。
バイアスとは思い込みや先入観のことです。
これは「確証バイアス」と同じような機構が働いているのではないかと思っています。自分にとって都合の良い情報を本物だと信じ込んでしまうことです。
人間は信じたい情報を信じてしまうものです。例えばSNSなどでのワクチンの情報がいい例です。ワクチン推奨派はワクチンの利点を、ワクチン否定派はワクチンの危険性を信じ、せっせと自分に都合の良い情報を集め、それが真実であると信じ込みます。これが人間というものです。バイアスがかかるのが人間の習性です。
これと同じことが、調子よく書けている自分にも当てはめてしまっています。
本当は、調子よくなんて書けないんです。書けているときのほうが特別な状態なのです。
調子いい状態が当たり前になってほしいという気持ちはあるのですが、それはなかなか難しいです。
調子よく書けている時は本当に気持ちがいいです。明らかに脳から変な汁が出ています。これが、毎日毎日、未来永劫ずっと続いてほしいのですが、そんなことはあり得ません。いや、あってほしいと思いますが、かなり難しいでしょう。
それなのに、その状態でないことをスランプだと感じてしまっているわけです。
つまり、実際はスランプでもなんでもなく、書けない自分を認められていないだけです。そういう自分を認めたくないのです。
そして、問題なのは調子よく書けていた自分がなかなか再訪してくれないときです。
書けない自分を認められないほど、書ける状態を遠ざけてしまっているような気もします。いつまで経ってもその状態がやってこないのが問題です。
調子のいい状態がずっと続くということは幻想なんだと認め、それでもある程度の期間を開けたら、調子がいい自分にやって来てほしい。
普段は、ほどほど書ければ良しとします。
自分がマックスに調子良かったときを基準として考えてしまうのをやめます。
ものすごく調子いいときがやって来たら、つまりそれは大波がやってきたときです。その時はその波に乗っていきます。
そもそも常に大波ばかりだったら、それはおかしな状態なのであり、そんな状態はあり得ないわけです。
スランプの理由。それは最高に調子よく書けている自分を当たり前の状態だと思い込むバイアスが働いており、そうじゃない今の自分に苦しんでいるからです。
それっぽいことは書いていますが、直接的にスランプについては語っていませんでした。
スランプには様々なタイプがあると思われます。一般論で語ってもあまり意味がないでしょうから、私個人のことで話してみようと思います。
まず、原因が明確なケースがあります。
これは厄介と言えば厄介なのですが、原因を取り除けばスランプからも抜け出せます。
私の場合は現実の生活で嫌なことがあったとか、メンタル的な不調を抱えていたとかです。書けなくなってしまうことでスランプに陥っていると思ってしまいますが、原因が明確になった時点でスランプとは呼ばないでしょう。原因がなくなれば、やがて書けるようになります。
本物のスランプはもっと原因がわからず、迷宮入りしてしまうような厄介な奴です。
原因がわからず、なぜだか書けない、筆が進まない。そんな状態をスランプと呼ぶと思います。
それで、私個人のケースで話をしてみます。これを読まれている方には当てはまらないかも知れませんし、もしかしたら当てはまるかも知れません。
このスランプの発生理由として、そもそも、壮大な勘違いがあるということがあります。どういうことかと言いますと、脳による都合の良い解釈がスランプを生み出してしまっているということです。
それまで調子よく書けていたときがあります。一日に数千字、あるいは一万字を超えて書くことができ、次々アイデアが浮かんで、思い通りに筆が進むときです。こうした状態がしばらく続くと、それが自分の実力だと勘違いし、通常運転の自分の状態だと思い込みます。
ところが、それは特別な状態です。苦しみながら書いたり、悩みながら書いたり、うんうん唸っている状態こそが自分の通常状態なのに、調子よく書けている姿を本当の自分だと信じ込みます。
これはバイアスがかかっている状態です。
バイアスとは思い込みや先入観のことです。
これは「確証バイアス」と同じような機構が働いているのではないかと思っています。自分にとって都合の良い情報を本物だと信じ込んでしまうことです。
人間は信じたい情報を信じてしまうものです。例えばSNSなどでのワクチンの情報がいい例です。ワクチン推奨派はワクチンの利点を、ワクチン否定派はワクチンの危険性を信じ、せっせと自分に都合の良い情報を集め、それが真実であると信じ込みます。これが人間というものです。バイアスがかかるのが人間の習性です。
これと同じことが、調子よく書けている自分にも当てはめてしまっています。
本当は、調子よくなんて書けないんです。書けているときのほうが特別な状態なのです。
調子いい状態が当たり前になってほしいという気持ちはあるのですが、それはなかなか難しいです。
調子よく書けている時は本当に気持ちがいいです。明らかに脳から変な汁が出ています。これが、毎日毎日、未来永劫ずっと続いてほしいのですが、そんなことはあり得ません。いや、あってほしいと思いますが、かなり難しいでしょう。
それなのに、その状態でないことをスランプだと感じてしまっているわけです。
つまり、実際はスランプでもなんでもなく、書けない自分を認められていないだけです。そういう自分を認めたくないのです。
そして、問題なのは調子よく書けていた自分がなかなか再訪してくれないときです。
書けない自分を認められないほど、書ける状態を遠ざけてしまっているような気もします。いつまで経ってもその状態がやってこないのが問題です。
調子のいい状態がずっと続くということは幻想なんだと認め、それでもある程度の期間を開けたら、調子がいい自分にやって来てほしい。
普段は、ほどほど書ければ良しとします。
自分がマックスに調子良かったときを基準として考えてしまうのをやめます。
ものすごく調子いいときがやって来たら、つまりそれは大波がやってきたときです。その時はその波に乗っていきます。
そもそも常に大波ばかりだったら、それはおかしな状態なのであり、そんな状態はあり得ないわけです。
スランプの理由。それは最高に調子よく書けている自分を当たり前の状態だと思い込むバイアスが働いており、そうじゃない今の自分に苦しんでいるからです。
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